所有権留保の研究
石口 修 著
定価:6,050円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2019年03月25日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
346頁 -
ISBN:
978-4-7923-2732-3
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内容紹介
目 次
はしがきi
序 章 所有権留保論・序説1
第1節 所有権留保の意義と社会的作用1
第1項 所有権留保の意義1
第2項 所有権留保の機能2
第3項 ファイナンスリースとの比較検討3
1.ファイナンスリースの意義と目的3
2.ファイナンスリースの種類5
3.約款内容の類似性10
4.金融与信行為たるファイナンスリースの会計処理11
5.リース事業者と留保売主との比較14
6.ファイナンスリースと倒産手続14
7.小 括―所有権留保とファイナンスリースの共通点と相違点20
第4項 所有権留保と譲渡担保との制度的関係・比較検討21
1.完全所有権(Volleigentum)たる留保所有権21
2.譲渡担保との比較検討―単純類型の譲渡担保・概観23
3.譲渡担保権の設定による担保所有権の意義と機能27
4.担保物件提供者(設定者)の倒産と担保所有権32
5.担保信託とその効力―準物権的効力、転化原理34
6.所有権留保と譲渡担保との関係38
第5項 所有権留保の社会的作用―史的・比較法的考察59
1.古代法59
2.ドイツ民法(Bürgerliches Gesetzbuch)60
3.スイス民法(Zivil Gesetzbuch)62
4.フランス民法(Code Civil)65
5.国連売買法(CISG)67
第2節 所有権留保の類型68
第1項 総 説68
第2項 単純類型―単純な所有権留保68
第3項 延長類型―延長された所有権留保69
第4項 拡張類型―拡張ないし拡大された所有権留保70
第3節 日本法における所有権留保論71
第1項 総 説71
第2項 三者間所有権留保の種類71
1.立替払類型71
2.集金保証類型72
3.包括担保類型(包括担保約款)72
第3項 留保売主の法的地位73
第4項 留保買主の法的地位―期待権の保護76
第5項 所有権留保の法的構成77
1.学説先史77
2.所有権的構成・折衷的構成説(売主所有権帰属構成)84
3.担保権的構成説87
4.法的構成のまとめ91
第6項 所有権留保の対抗要件92
1.売主・買主間の所有権留保92
2.三者間取引による所有権留保93
第7項 所有権留保に関する個別問題95
1.所有権留保と権利濫用95
2.所有権留保と即時取得98
3.留保所有者に対する物権的請求権の行使・損害賠償請求104
4.留保所有権の譲渡と譲受人の法的地位105
第4節 所有権留保論・序説への小括107
第1章 留保所有権の譲渡と譲受人の法的地位111
第1節 本稿における問題点111
第2節 最(二小)判平成22年6月4日に現れた問題点115
第1項 最判平成22年6月4日(民集第64巻4号1107頁)の概要115
第2項 最判平成22年6月4日から導かれる判例規範119
第3項 最判平成22年6月4日における個別問題119
第3節 留保所有権の法的性質・構成
―留保売主と留保買主の法的地位120
第1項 留保売主(留保所有者)の法的地位120
1.問題の所在120
2.ドイツ法における留保売主の地位121
3.日本法における留保売主の地位125
第2項 留保買主の法的地位134
1.所謂「期待権」の意義134
2.ドイツ法における留保買主の期待権136
3.留保買主の期待権に関する日本法における議論について145
第4節 担保目的の所有権留保の対抗力150
第1項 三者間契約による所有権留保の特徴150
第2項 留保所有権の移転は法定代位によるものではない152
第3項 譲受留保所有権の対抗要件153
第4項 平成22年最判における譲受け留保所有者の地位155
第5節 私見的考察の総括158
第2章 所有権留保における信販会社の法的地位163
第1節 問題の所在163
第2節 最(一小)判平成29年12月7日の概要165
第1項 事案の概要等165
1.事案の概要165
2.前提事実165
3.争 点167
4.認定事実167
第2項 争点に対する裁判所の判断168
1.第1審(札幌地判平成28年5月30日金法2053号86頁)の判断168
2.第2審(札幌高判平成28年11月22日金法2056号82頁)の判断169
3.最高裁の判断170
第3節 平成29年最判における問題の所在171
第1款 本判決から導かれる判例法理171
第2款 判例法理から導かれる問題点172
第1項 最(二小)判平成22年6月4日との整合性172
第2項 最近の下級審裁判例の動向175
1.集金保証・包括担保類型=法定代位否定事案に関する検討175
2.単純な集金保証類型=法定代位肯定事案に関する検討178
3.登録を要しない軽自動車、建設工事用車両の事案183
第3款 平成22年最判に対する学説との関係186
第1項 総 説186
第2項 法定代位説189
第3項 担保権設定説191
第4款 小 括192
第1項 判例・学説の解釈論192
第2項 実務家有力説からのアプローチ194
第3項 解釈論のまとめ195
第4節 留保所有権の対抗要件196
第1款 従来の学説の考え方196
第1項 対抗要件不要説196
1.動産抵当権説196
2.新設定者留保権説(物権変動不存在説)196
第2項 占有改定説197
1.担保権説197
2.設定者留保権説(鈴木説)197
第2款 本稿の問題における学説と対抗要件198
第1項 法定代位説198
第2項 担保権設定説・譲渡担保説198
第3款 小 括198
第1項 総 説198
第2項 留保売主・留保買主二当事者間の所有権留保199
第3項 三者間取引による所有権留保200
第5節 ドイツ法の解釈201
第1款 総 説201
第2款 ドイツ連邦通常裁判所の判例に見る立替払による留保所有権の
譲渡(BGH, Urt. vom 27. 3. 2008, BGHZ 176, S. 86)202
第1項 本件の事案、争点、判決概要202
第2項 留保所有権の譲渡性に関する判決理由203
第3項 判例分析と解釈204
1.留保所有権譲渡の構造―原則204
2.法定債権譲渡類型206
3.契約引受による留保所有権の移転210
第3款 小 括―留保所有権の譲渡類型221
第1項 総 説221
第2項 物権的返還請求権の譲渡類型221
第3項 法定債権譲渡類型222
第4項 契約譲渡・契約引受類型223
第6節 所有権留保の対抗要件に関する私見的考察224
第1項 二当事者間の所有権留保224
第2項 三者間取引による所有権留保―信販会社の法的地位225
1.法定代位構成について225
2.契約譲渡ないし契約引受構成について226
第3項 今後の課題227
第3章 ドイツ法における譲受け留保所有者の法的地位231
第1節 本稿の意義と目的231
第1項 序 論―近時の判例に現れた問題点231
第2項 所有権留保の本質論233
1.商品信用と金融信用との分離解釈233
2.買主の倒産手続における通説的見解234
3.近時の「通説」への批判的考察237
第3項 本稿の目的240
第2節 ドイツ法における留保所有権の譲受人の地位241
第1款 BGH, Urt. vom 27. 3. 2008の概要241
第2款 BGH, 27. 3. 2008から導かれる判例規範と問題点248
第3款 BGH, 27. 3. 2008における個別問題249
第1項 コンツェルン留保(Konzernvorbehalt)の問題点249
1.コンツェルン留保の無効と残部契約の有効性249
2.ドイツ民法における法律行為の一部無効規定252
3.スイス債務法における法律行為の一部無効規定254
4.若干の検討255
第2項 留保所有権の譲渡性256
1.留保所有権譲渡の構造―返還請求権の譲渡類型256
2.法定債権譲渡類型261
3.契約引受による留保所有権の譲渡―三者間合意267
第3項 留保所有権は取戻権か、別除権か278
1.単純類型の所有権留保を取戻権とする判例・通説278
2.統一概念としての非占有質権説283
3.延長・拡張類型の所有権留保は別除権289
第4項 所有権留保は商品信用か、金融信用か292
第5項 小 括295
第3節 日本法との若干の比較検討296
第1項 日本法の状況との対比296
第2項 私見的考察297
第3項 結 語299
結 章 所有権留保論の課題と展望301
第1節 本書全体のまとめ301
第1項 所有権留保の社会的作用(序章)301
1.所有権留保の意義と社会的作用301
2.わが国における所有権留保論305
3.小 括306
第2項 留保所有権移転の構造(第1章)307
1.留保売主の法的地位307
2.留保買主の法的地位308
3.担保目的の所有権留保の対抗要件309
4.小 括310
第3項 信用機関(銀行、信販会社)の法的地位(第2章)311
1.代位弁済による法定代位を目的とした約款について311
2.留保所有権の第三者対抗要件312
3.小 括313
第4項 ドイツ法における留保所有権移転に関する諸問題(第3章)313
1.総 説313
2.留保所有権の移転と拡張類型の所有権留保314
3.留保所有権の譲渡性315
4.留保買主の倒産における留保所有者の法的地位320
5.所有権留保による与信の構造321
6.小 括322
第2節 所有権留保立法への提言―総括的考察323
第3節 今後の課題324
本項索引327
判例索引(日本)329
判例索引(ドイツ)331
はしがきi
序 章 所有権留保論・序説1
第1節 所有権留保の意義と社会的作用1
第1項 所有権留保の意義1
第2項 所有権留保の機能2
第3項 ファイナンスリースとの比較検討3
1.ファイナンスリースの意義と目的3
2.ファイナンスリースの種類5
3.約款内容の類似性10
4.金融与信行為たるファイナンスリースの会計処理11
5.リース事業者と留保売主との比較14
6.ファイナンスリースと倒産手続14
7.小 括―所有権留保とファイナンスリースの共通点と相違点20
第4項 所有権留保と譲渡担保との制度的関係・比較検討21
1.完全所有権(Volleigentum)たる留保所有権21
2.譲渡担保との比較検討―単純類型の譲渡担保・概観23
3.譲渡担保権の設定による担保所有権の意義と機能27
4.担保物件提供者(設定者)の倒産と担保所有権32
5.担保信託とその効力―準物権的効力、転化原理34
6.所有権留保と譲渡担保との関係38
第5項 所有権留保の社会的作用―史的・比較法的考察59
1.古代法59
2.ドイツ民法(Bürgerliches Gesetzbuch)60
3.スイス民法(Zivil Gesetzbuch)62
4.フランス民法(Code Civil)65
5.国連売買法(CISG)67
第2節 所有権留保の類型68
第1項 総 説68
第2項 単純類型―単純な所有権留保68
第3項 延長類型―延長された所有権留保69
第4項 拡張類型―拡張ないし拡大された所有権留保70
第3節 日本法における所有権留保論71
第1項 総 説71
第2項 三者間所有権留保の種類71
1.立替払類型71
2.集金保証類型72
3.包括担保類型(包括担保約款)72
第3項 留保売主の法的地位73
第4項 留保買主の法的地位―期待権の保護76
第5項 所有権留保の法的構成77
1.学説先史77
2.所有権的構成・折衷的構成説(売主所有権帰属構成)84
3.担保権的構成説87
4.法的構成のまとめ91
第6項 所有権留保の対抗要件92
1.売主・買主間の所有権留保92
2.三者間取引による所有権留保93
第7項 所有権留保に関する個別問題95
1.所有権留保と権利濫用95
2.所有権留保と即時取得98
3.留保所有者に対する物権的請求権の行使・損害賠償請求104
4.留保所有権の譲渡と譲受人の法的地位105
第4節 所有権留保論・序説への小括107
第1章 留保所有権の譲渡と譲受人の法的地位111
第1節 本稿における問題点111
第2節 最(二小)判平成22年6月4日に現れた問題点115
第1項 最判平成22年6月4日(民集第64巻4号1107頁)の概要115
第2項 最判平成22年6月4日から導かれる判例規範119
第3項 最判平成22年6月4日における個別問題119
第3節 留保所有権の法的性質・構成
―留保売主と留保買主の法的地位120
第1項 留保売主(留保所有者)の法的地位120
1.問題の所在120
2.ドイツ法における留保売主の地位121
3.日本法における留保売主の地位125
第2項 留保買主の法的地位134
1.所謂「期待権」の意義134
2.ドイツ法における留保買主の期待権136
3.留保買主の期待権に関する日本法における議論について145
第4節 担保目的の所有権留保の対抗力150
第1項 三者間契約による所有権留保の特徴150
第2項 留保所有権の移転は法定代位によるものではない152
第3項 譲受留保所有権の対抗要件153
第4項 平成22年最判における譲受け留保所有者の地位155
第5節 私見的考察の総括158
第2章 所有権留保における信販会社の法的地位163
第1節 問題の所在163
第2節 最(一小)判平成29年12月7日の概要165
第1項 事案の概要等165
1.事案の概要165
2.前提事実165
3.争 点167
4.認定事実167
第2項 争点に対する裁判所の判断168
1.第1審(札幌地判平成28年5月30日金法2053号86頁)の判断168
2.第2審(札幌高判平成28年11月22日金法2056号82頁)の判断169
3.最高裁の判断170
第3節 平成29年最判における問題の所在171
第1款 本判決から導かれる判例法理171
第2款 判例法理から導かれる問題点172
第1項 最(二小)判平成22年6月4日との整合性172
第2項 最近の下級審裁判例の動向175
1.集金保証・包括担保類型=法定代位否定事案に関する検討175
2.単純な集金保証類型=法定代位肯定事案に関する検討178
3.登録を要しない軽自動車、建設工事用車両の事案183
第3款 平成22年最判に対する学説との関係186
第1項 総 説186
第2項 法定代位説189
第3項 担保権設定説191
第4款 小 括192
第1項 判例・学説の解釈論192
第2項 実務家有力説からのアプローチ194
第3項 解釈論のまとめ195
第4節 留保所有権の対抗要件196
第1款 従来の学説の考え方196
第1項 対抗要件不要説196
1.動産抵当権説196
2.新設定者留保権説(物権変動不存在説)196
第2項 占有改定説197
1.担保権説197
2.設定者留保権説(鈴木説)197
第2款 本稿の問題における学説と対抗要件198
第1項 法定代位説198
第2項 担保権設定説・譲渡担保説198
第3款 小 括198
第1項 総 説198
第2項 留保売主・留保買主二当事者間の所有権留保199
第3項 三者間取引による所有権留保200
第5節 ドイツ法の解釈201
第1款 総 説201
第2款 ドイツ連邦通常裁判所の判例に見る立替払による留保所有権の
譲渡(BGH, Urt. vom 27. 3. 2008, BGHZ 176, S. 86)202
第1項 本件の事案、争点、判決概要202
第2項 留保所有権の譲渡性に関する判決理由203
第3項 判例分析と解釈204
1.留保所有権譲渡の構造―原則204
2.法定債権譲渡類型206
3.契約引受による留保所有権の移転210
第3款 小 括―留保所有権の譲渡類型221
第1項 総 説221
第2項 物権的返還請求権の譲渡類型221
第3項 法定債権譲渡類型222
第4項 契約譲渡・契約引受類型223
第6節 所有権留保の対抗要件に関する私見的考察224
第1項 二当事者間の所有権留保224
第2項 三者間取引による所有権留保―信販会社の法的地位225
1.法定代位構成について225
2.契約譲渡ないし契約引受構成について226
第3項 今後の課題227
第3章 ドイツ法における譲受け留保所有者の法的地位231
第1節 本稿の意義と目的231
第1項 序 論―近時の判例に現れた問題点231
第2項 所有権留保の本質論233
1.商品信用と金融信用との分離解釈233
2.買主の倒産手続における通説的見解234
3.近時の「通説」への批判的考察237
第3項 本稿の目的240
第2節 ドイツ法における留保所有権の譲受人の地位241
第1款 BGH, Urt. vom 27. 3. 2008の概要241
第2款 BGH, 27. 3. 2008から導かれる判例規範と問題点248
第3款 BGH, 27. 3. 2008における個別問題249
第1項 コンツェルン留保(Konzernvorbehalt)の問題点249
1.コンツェルン留保の無効と残部契約の有効性249
2.ドイツ民法における法律行為の一部無効規定252
3.スイス債務法における法律行為の一部無効規定254
4.若干の検討255
第2項 留保所有権の譲渡性256
1.留保所有権譲渡の構造―返還請求権の譲渡類型256
2.法定債権譲渡類型261
3.契約引受による留保所有権の譲渡―三者間合意267
第3項 留保所有権は取戻権か、別除権か278
1.単純類型の所有権留保を取戻権とする判例・通説278
2.統一概念としての非占有質権説283
3.延長・拡張類型の所有権留保は別除権289
第4項 所有権留保は商品信用か、金融信用か292
第5項 小 括295
第3節 日本法との若干の比較検討296
第1項 日本法の状況との対比296
第2項 私見的考察297
第3項 結 語299
結 章 所有権留保論の課題と展望301
第1節 本書全体のまとめ301
第1項 所有権留保の社会的作用(序章)301
1.所有権留保の意義と社会的作用301
2.わが国における所有権留保論305
3.小 括306
第2項 留保所有権移転の構造(第1章)307
1.留保売主の法的地位307
2.留保買主の法的地位308
3.担保目的の所有権留保の対抗要件309
4.小 括310
第3項 信用機関(銀行、信販会社)の法的地位(第2章)311
1.代位弁済による法定代位を目的とした約款について311
2.留保所有権の第三者対抗要件312
3.小 括313
第4項 ドイツ法における留保所有権移転に関する諸問題(第3章)313
1.総 説313
2.留保所有権の移転と拡張類型の所有権留保314
3.留保所有権の譲渡性315
4.留保買主の倒産における留保所有者の法的地位320
5.所有権留保による与信の構造321
6.小 括322
第2節 所有権留保立法への提言―総括的考察323
第3節 今後の課題324
本項索引327
判例索引(日本)329
判例索引(ドイツ)331