犯罪者処遇論の展開
石川正興 著
定価:6,600円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2019年03月31日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
268頁 -
ISBN:
978-4-7923-5278-3
書籍購入は弊社「早稲田正門店インターネット書店」サイトでの購入となります。
内容紹介
[目 次]
は し が き i
第1部 犯罪者処遇論の基礎
第1章 受刑者処遇制度における治療共同体論
Ⅰ 序 .
Ⅱ 治療共同体の歴史および概念
1 治療共同体の歴史
2 治療共同体の概念
Ⅲ 刑務所における治療共同体的試み
1 伝統的な刑務所における社会関係
受刑者の矯正・社会復帰への動機付けの稀弱性 (8)
受刑者集団内におけるインフォーマル・グループ (9)
保安職員と専門職員との対立 (11)
2 刑務所における治療共同体的試み
Ⅳ 受刑者処遇制度における治療共同体の位置付け
オスボーンの囚人自治制 (17)
ハワード・B・ギルのノーフォーク・プラン (19)
Ⅴ 結び
第2章 再社会化行刑に関する考察
Ⅰ 序
Ⅱ 再社会化行刑の理論的基盤
1 社会化(Sozialisation)の理論
2 社会国家(Sozialstaat)の理論
Ⅲ 再社会化目的と拘禁および処遇
1 拘禁の緩和化と再社会化目的
2 再社会化目的と処遇方法Ⅳ 再社会化行刑の問題点
1 事実的視点からみた再社会化行刑の問題点
行動変容仮説に対する疑問 (40)
再社会化行刑に対する世論の抵抗と社会国家において再社会化行刑が占める政策序列順位 (41)
2 価値的視点からみた再社会化行刑の間題点
社会化の理論の間題点 (43)
社会国家の理論の問題点 (45)
Ⅴ むすび
第3章 改善・社会復帰行刑の将来 ―アメリカ合衆国と日本の場合―
Ⅰ 序
Ⅱ アメリカ合衆国における改善・社会復帰行刑批判
1 1960年代後半以前の批判
2 1960年代後半以後の批判
Ⅲ わが国における改善・社会復帰行刑に関する議論
Ⅳ 消極的処遇目的と積極的処遇目的―結びに代えて―
第4章 受刑者の改善・社会復帰義務と責任・危険性との関係序説
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 応報モデルと特別予防モデル
1 応報モデル
2 特別予防モデル
Ⅲ 改善・社会復帰処遇と責任との連結
1 団藤説の検討
2 平野説の検討
Ⅳ 結び
第5章 犯罪者対応策に関する法的規制の在り方
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 法治国家原理と犯罪者対応策
Ⅲ 社会国家原理と犯罪者対応策
Ⅳ わが国における二つの法的規制原理の相克と調整
Ⅴ おわりに
第2部 犯罪者処遇論の諸相
第1章 刑の執行猶予制度
Ⅰ 問題点の提起
1 刑の執行猶予制度の意義
2 執行猶予制度の刑事政策機能および法的性質の変遷
Ⅱ 判例の状況
1 刑事政策的機能
2 法 的 性 質
Ⅲ 学説の状況
1 刑事政策的機能と法的性質
2 改正刑法草案の方向性
Ⅳ 理論の展開
第2章 道路交通事犯に対する自由刑の展開 ―自由刑単一化論に関連して―
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 道路交通事犯禁錮受刑者の集禁処遇の導入 ―執行刑レベルにおける禁錮刑の存在意義の再確認―
Ⅲ 業務上(重)過失致死傷罪(刑法第211条)の法定刑の改正 ―「過失犯には禁錮」という原則の崩壊―
Ⅳ 道路交通事犯の禁錮受刑者と懲役受刑者の混禁処遇の導入
―執行刑レベルでの懲役・禁錮単一化現象―
Ⅴ お わ り に
第3章 精神障害と保安処分
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 医療観察法施行以前の状況
1 精神保健福祉法上の措置入院制度
2 「精神障害者医療のあり方」に関する変化
Ⅲ 医療観察法の強制的入院・通院処分
―改正刑法草案・刑事局案との比較―
Ⅳ 医療観察法上の強制的な入院・通院処分の法的性質
第4章 触法障害者・触法高齢者に対する刑事政策の新動向
Ⅰ 刑事司法システムにおける「出口」支援の導入と展開
Ⅱ 刑事司法システムにおける「出口」支援に関する提言
1 定着支援センターの業務の「バラツキ」について
2 定着支援センターの円滑・適正な業務遂行のための諸条件について
特別調整対象者に対するコーディネート業務 (177)
特別調整対象者に対するフォローアップ業務 (177)
3 矯正施設における福祉専門職員の勤務体制の充実
4 地域生活定着促進事業に関する効果測定の尺度について
Ⅲ 刑事司法システムにおける「入口」支援の必要性と最近の動向Ⅳ OTの方々に期待するひと言
第5章 非行少年の処遇
Ⅰ はじめに―本講演のテーマについて―
Ⅱ 非行少年に対する処遇理念としての「保護」
1 「責任―応報」原理と「危険性―予防」原理
2 「改善・更生」理念に基づく刑罰制度の改革とその限界
3 改善・更生理念と非行少年に対する保護手続
4 保護処分と刑罰とのちがい
Ⅲ 「保護処分に代えて刑罰へ」という刑罰化の主張
Ⅳ むすび
第6章 日本における非行少年に対する法的対応システム
Ⅰ 少年非行問題を考えるための基本的視座
Ⅱ 非行少年とその法的対応システム
1 非行少年の意義
2 非行少年に対する三つの法的対応システムの基本的特徴
児童福祉行政システム (216)
少年保護司法システム (216)
刑事司法システム (217)
Ⅲ 少年法改正による法的対応システム相互間の関係の変更
1 犯罪少年に対する法的対応の変更
2 触法少年に対する法的対応の変更
3 改正の背景事情Ⅳ お わ り に
第7章 触法少年に対する施設内処遇方法に関する考察 ―2007年少年法等の一部を改正する法律に関連して―
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 改正の経緯
Ⅲ 児童自立支援施設と少年院との比較検討
1 施設収容目的の共通性と法的性質の相違性
2 施設運営・処遇の主体
3 処遇の客体
4 処遇の方法
Ⅳ おわりに―結論―
初出一覧