法哲学講義
酒匂一郎 著
定価:5,500円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2019年07月01日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
494頁 -
ISBN:
978-4-7923-0648-9
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内容紹介
[目 次]
はしがき
序 章 法哲学の概要 1
第1節 法哲学の位置と名称 1
第2節 法哲学の対象 5
第3節 法哲学の方法 12
1 究極性、全体性、価値関係性(13)
2 哲学における言語論的または解釈学的転回(15)
第1部 法の概念
第1章 法と法哲学の諸相 21
第1節 事実の側面と現実主義 21
1 主権者命令説(22)
2 スカンジナビア・リアリズム法学(23)
3 アメリカン・リアリズム法学(25)
4 リアリズムに対するハートの批判(26)
第2節 規範の側面と実証主義 28
1 ケルゼンの「純粋法学」(28)
2 ハートの分析的法理学(32)
3 実証主義の問題点(35)
第3節 価値の側面と理想主義 36
1 古典的自然法論(37)
2 近代自然法論(38)
3 現代の理想主義─G.ラートブルフ(41)
4 現代の理想主義─R.ドゥオーキン(44)
5 理想主義の特徴と問題(46)
6 妥当性とその根拠(48)
第2章 法規範・法体系・法実践 49
第1節 法規範 49
1 個別規範と一般規範(50)
2 権限付与的ルールと権利(55)
第2節 法体系 61
1 ピラミッド型の法体系観(61)
2 水平型の法体系観(63)
3 国内法と国際法(66)
第3節 法実践 69
1 ルールを用いる行為と言語行為論(70)
2 法の主張と普遍的語用論(72)
3 法の対話的構造(74)
第3章 法概念をめぐる諸問題 77
第1節 現実主義をめぐる問題 77
1 物理的事実と制度的事実(77)
2 アメリカン・リアリズム法学の背景とその後(79)
3 実効性と承認(81)
第2節 実証主義をめぐる問題 84
1 規範の記述と第三の視点(85)
2 「根本規範」をめぐる問題(87)
3 法と道徳の衝突(90)
第3節 実証主義と理想主義をめぐる問題(1) 91
1 ナチスをめぐるラートブルフの実証主義批判(91)
2 ハート・フラー論争(94)
3 悪法をめぐるハート定式(97)
第4節 実証主義と理想主義をめぐる問題(2) 100
1 最後のハート-ドゥオーキン論争(101)
2 最近の実証主義内部の論争(103)
第4章 法・道徳・強制 108
第1節 法と道徳 109
1 道徳の多様性(109)
2 法と道徳の規範論的な区別(111)
3 法と道徳の体系論的な区別(115)
4 法の最小限の道徳性(119)
第2節 法と強制 121
1 法における強制の位置(121)
2 法的強制の特質(124)
3 強制の制限と正当化(126)
第3節 法による道徳の強制 128
1 他者危害原理(128)
2 パターナリズム(130)
3 リーガル・モラリズム(132)
第5章 法と社会 135
第1節 法と社会 135
1 社会の構造と機能(136)
2 法の社会的機能(141)
3 近代以降の法の社会的機能の変遷(144)
第2節 法と経済 148
1 経済と法(148)
2 マルクス主義(151)
3 法と経済学(154)
第3節 法と政治 159
1 政治と法(159)
2 マルクス主義と批判的法学(162)
3 法と国家および政治をめぐるケルゼンとシュミット(165)
第2部 法と正義
第6章 法の価値または目的 171
第1節 法の様々な価値や目的 172
1 思想史からみた法の様々な価値や目的(172)
2 法の価値や目的のおおまかな整理(175)
3 内在的価値と外在的目的(178)
第2節 正 義 180
1 正義の主張と正義の判断(181)
2 正義判断の対象(184)
3 正義判断の基準(187)
4 形式的正義と実質的正義、正義の概念と構想(191)
第3節 価値判断の問題 193
1 規範倫理学とメタ倫理学(193)
2 価値相対主義の諸相(195)
3 価値についての対話の可能性(198)
4 規範的相対主義と公共的解釈的対話(202)
第7章 功利と公正 205
第1節 功利主義 206
1 倫理学説としての功利主義(207)
2 政策原理としての功利主義(211)
3 功利主義の特徴と問題点(214)
第2節 ロールズの正義論 217
1 原理論(217)
2 制度論(226)
3 『正義論』以後のロールズの見解(232)
第3節 公正と功利 233
1 方法に関する問題(233)
2 自由の優先性に関する問題(235)
3 格差原理に関する問題(237)
第8章 自由と平等 241
第1節 自由尊重主義 241
1 自由の概念(242)
2 R.ノージックの自由尊重主義(243)
3 市場と政府(252)
第2節 平等尊重主義 256
1 平等の概念(257)
2 ドゥオーキンの資源平等論(258)
3 A.センの潜在能力の平等(264)
第3節 自由と平等 269
1 自由と平等の概念をめぐる問題(270)
2 正当化の問題(272)
3 正義概念の理解に関する問題(274)
4 最小限保障の制度的構想(275)
第9章 文化と正義 278
第1節 共同体論 279
1 自己と共同体(280)
2 倫理的善と正義(282)
3 ロールズの応答(283)
第2節 フェミニズム 286
1 フェミニズムの基本的主張(287)
2 フェミニズムと現代正義論(290)
3 その後の状況(293)
第3節 多文化主義 294
1 先住民の集合的権利(295)
2 移民のエスニック文化権(297)
3 文化的地域社会の独立と自治(299)
第4節 文化的差異と普遍的正義 301
第10章 政治と正義 303
第1節 国内政治と正義 303
1 公共事の内容(304)
2 公共事の議論と決定(308)
3 政治と正義(313)
第2節 世界社会と正義 321
1 国際法の思想史(322)
2 国際正義または世界正義(326)
3 国際立憲主義(333)
第3部 法的思考
第11章 法的思考概説 341
第1節 規範的思考としての法的思考 341
1 法的三段論法(342)
2 法的三段論法と論理(343)
3 法的決定と論理規則(344)
第2節 解釈的思考としての法的思考 347
1 法の解釈適用の例(347)
2 法規範の特定と法源(352)
3 事実の認定(353)
4 法規範の解釈適用(356)
第3節 対話的思考としての法的思考 356
1 議論における正当化の図式(357)
2 法的議論と正当化(359)
3 法的議論による正当化の意義(361)
第12章 法的思考をめぐる論争 363
第1節 ドイツの議論 363
1 サヴィニーの法解釈理論(364)
2 概念法学とその批判(366)
3 評価法学、ヘルメノイティクその他(370)
第2節 英米の議論 371
1 形式主義とリアリズム(372)
2 ハートとドゥオーキンの論争(374)
3 テクスト主義とプラグマティズム(377)
第3節 日本の議論 380
1 価値判断をめぐる論争(380)
2 利益衡量論をめぐる論争(382)
3 法的議論をめぐる論争(386)
第13章 基礎的法解釈 390
第1節 文理解釈と論理解釈 391
1 文理解釈(391)
2 論理解釈(394)
第2節 体系的解釈と歴史的解釈 398
1 体系的解釈(398)
2 歴史的解釈(401)
第3節 目的論的解釈 405
1 法律や法規の目的の考慮(406)
2 目的論的解釈による限定と拡張(409)
3 反目的性による論証(411)
第14章 発展的法解釈 413
第1節 不特定概念を含む規範 413
1 規範的概念(414)
2 裁量概念(415)
3 一般条項(416)
第2節 規範衝突 419
1 規範衝突の類型(419)
2 衝突処理原則による解決(421)
3 規範衝突のハードケース(423)
第3節 規範の欠缺 425
1 類推による補充(426)
2 一般条項や一般原則による補充(434)
第15章 訂正的法解釈 438
第1節 訂正的法解釈の基本問題 438
1 訂正的法解釈の許容性(438)
2 訂正的法解釈の特徴(441)
第2節 反制定法的解釈 443
1 昭和37年判決と昭和39年判決(444)
2 昭和43年判決(447)
3 その後の経過(449)
第3節 違憲審査 450
1 違憲審査の歴史と現状(450)
2 違憲審査の基準と方法(452)
3 わが国の憲法訴訟における審査の方法と基準(458)
4 違憲審査の効果、司法権の限界(468)
事項索引 471
人名索引 479
はしがき
序 章 法哲学の概要 1
第1節 法哲学の位置と名称 1
第2節 法哲学の対象 5
第3節 法哲学の方法 12
1 究極性、全体性、価値関係性(13)
2 哲学における言語論的または解釈学的転回(15)
第1部 法の概念
第1章 法と法哲学の諸相 21
第1節 事実の側面と現実主義 21
1 主権者命令説(22)
2 スカンジナビア・リアリズム法学(23)
3 アメリカン・リアリズム法学(25)
4 リアリズムに対するハートの批判(26)
第2節 規範の側面と実証主義 28
1 ケルゼンの「純粋法学」(28)
2 ハートの分析的法理学(32)
3 実証主義の問題点(35)
第3節 価値の側面と理想主義 36
1 古典的自然法論(37)
2 近代自然法論(38)
3 現代の理想主義─G.ラートブルフ(41)
4 現代の理想主義─R.ドゥオーキン(44)
5 理想主義の特徴と問題(46)
6 妥当性とその根拠(48)
第2章 法規範・法体系・法実践 49
第1節 法規範 49
1 個別規範と一般規範(50)
2 権限付与的ルールと権利(55)
第2節 法体系 61
1 ピラミッド型の法体系観(61)
2 水平型の法体系観(63)
3 国内法と国際法(66)
第3節 法実践 69
1 ルールを用いる行為と言語行為論(70)
2 法の主張と普遍的語用論(72)
3 法の対話的構造(74)
第3章 法概念をめぐる諸問題 77
第1節 現実主義をめぐる問題 77
1 物理的事実と制度的事実(77)
2 アメリカン・リアリズム法学の背景とその後(79)
3 実効性と承認(81)
第2節 実証主義をめぐる問題 84
1 規範の記述と第三の視点(85)
2 「根本規範」をめぐる問題(87)
3 法と道徳の衝突(90)
第3節 実証主義と理想主義をめぐる問題(1) 91
1 ナチスをめぐるラートブルフの実証主義批判(91)
2 ハート・フラー論争(94)
3 悪法をめぐるハート定式(97)
第4節 実証主義と理想主義をめぐる問題(2) 100
1 最後のハート-ドゥオーキン論争(101)
2 最近の実証主義内部の論争(103)
第4章 法・道徳・強制 108
第1節 法と道徳 109
1 道徳の多様性(109)
2 法と道徳の規範論的な区別(111)
3 法と道徳の体系論的な区別(115)
4 法の最小限の道徳性(119)
第2節 法と強制 121
1 法における強制の位置(121)
2 法的強制の特質(124)
3 強制の制限と正当化(126)
第3節 法による道徳の強制 128
1 他者危害原理(128)
2 パターナリズム(130)
3 リーガル・モラリズム(132)
第5章 法と社会 135
第1節 法と社会 135
1 社会の構造と機能(136)
2 法の社会的機能(141)
3 近代以降の法の社会的機能の変遷(144)
第2節 法と経済 148
1 経済と法(148)
2 マルクス主義(151)
3 法と経済学(154)
第3節 法と政治 159
1 政治と法(159)
2 マルクス主義と批判的法学(162)
3 法と国家および政治をめぐるケルゼンとシュミット(165)
第2部 法と正義
第6章 法の価値または目的 171
第1節 法の様々な価値や目的 172
1 思想史からみた法の様々な価値や目的(172)
2 法の価値や目的のおおまかな整理(175)
3 内在的価値と外在的目的(178)
第2節 正 義 180
1 正義の主張と正義の判断(181)
2 正義判断の対象(184)
3 正義判断の基準(187)
4 形式的正義と実質的正義、正義の概念と構想(191)
第3節 価値判断の問題 193
1 規範倫理学とメタ倫理学(193)
2 価値相対主義の諸相(195)
3 価値についての対話の可能性(198)
4 規範的相対主義と公共的解釈的対話(202)
第7章 功利と公正 205
第1節 功利主義 206
1 倫理学説としての功利主義(207)
2 政策原理としての功利主義(211)
3 功利主義の特徴と問題点(214)
第2節 ロールズの正義論 217
1 原理論(217)
2 制度論(226)
3 『正義論』以後のロールズの見解(232)
第3節 公正と功利 233
1 方法に関する問題(233)
2 自由の優先性に関する問題(235)
3 格差原理に関する問題(237)
第8章 自由と平等 241
第1節 自由尊重主義 241
1 自由の概念(242)
2 R.ノージックの自由尊重主義(243)
3 市場と政府(252)
第2節 平等尊重主義 256
1 平等の概念(257)
2 ドゥオーキンの資源平等論(258)
3 A.センの潜在能力の平等(264)
第3節 自由と平等 269
1 自由と平等の概念をめぐる問題(270)
2 正当化の問題(272)
3 正義概念の理解に関する問題(274)
4 最小限保障の制度的構想(275)
第9章 文化と正義 278
第1節 共同体論 279
1 自己と共同体(280)
2 倫理的善と正義(282)
3 ロールズの応答(283)
第2節 フェミニズム 286
1 フェミニズムの基本的主張(287)
2 フェミニズムと現代正義論(290)
3 その後の状況(293)
第3節 多文化主義 294
1 先住民の集合的権利(295)
2 移民のエスニック文化権(297)
3 文化的地域社会の独立と自治(299)
第4節 文化的差異と普遍的正義 301
第10章 政治と正義 303
第1節 国内政治と正義 303
1 公共事の内容(304)
2 公共事の議論と決定(308)
3 政治と正義(313)
第2節 世界社会と正義 321
1 国際法の思想史(322)
2 国際正義または世界正義(326)
3 国際立憲主義(333)
第3部 法的思考
第11章 法的思考概説 341
第1節 規範的思考としての法的思考 341
1 法的三段論法(342)
2 法的三段論法と論理(343)
3 法的決定と論理規則(344)
第2節 解釈的思考としての法的思考 347
1 法の解釈適用の例(347)
2 法規範の特定と法源(352)
3 事実の認定(353)
4 法規範の解釈適用(356)
第3節 対話的思考としての法的思考 356
1 議論における正当化の図式(357)
2 法的議論と正当化(359)
3 法的議論による正当化の意義(361)
第12章 法的思考をめぐる論争 363
第1節 ドイツの議論 363
1 サヴィニーの法解釈理論(364)
2 概念法学とその批判(366)
3 評価法学、ヘルメノイティクその他(370)
第2節 英米の議論 371
1 形式主義とリアリズム(372)
2 ハートとドゥオーキンの論争(374)
3 テクスト主義とプラグマティズム(377)
第3節 日本の議論 380
1 価値判断をめぐる論争(380)
2 利益衡量論をめぐる論争(382)
3 法的議論をめぐる論争(386)
第13章 基礎的法解釈 390
第1節 文理解釈と論理解釈 391
1 文理解釈(391)
2 論理解釈(394)
第2節 体系的解釈と歴史的解釈 398
1 体系的解釈(398)
2 歴史的解釈(401)
第3節 目的論的解釈 405
1 法律や法規の目的の考慮(406)
2 目的論的解釈による限定と拡張(409)
3 反目的性による論証(411)
第14章 発展的法解釈 413
第1節 不特定概念を含む規範 413
1 規範的概念(414)
2 裁量概念(415)
3 一般条項(416)
第2節 規範衝突 419
1 規範衝突の類型(419)
2 衝突処理原則による解決(421)
3 規範衝突のハードケース(423)
第3節 規範の欠缺 425
1 類推による補充(426)
2 一般条項や一般原則による補充(434)
第15章 訂正的法解釈 438
第1節 訂正的法解釈の基本問題 438
1 訂正的法解釈の許容性(438)
2 訂正的法解釈の特徴(441)
第2節 反制定法的解釈 443
1 昭和37年判決と昭和39年判決(444)
2 昭和43年判決(447)
3 その後の経過(449)
第3節 違憲審査 450
1 違憲審査の歴史と現状(450)
2 違憲審査の基準と方法(452)
3 わが国の憲法訴訟における審査の方法と基準(458)
4 違憲審査の効果、司法権の限界(468)
事項索引 471
人名索引 479