共有資源管理利用の法制度
拓殖大学研究叢書(社会科学)49

共有資源管理利用の法制度

奥田進一 著
定価:5,500円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2019年08月10日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    306頁
  • ISBN:
    978-4-7923-3389-8
カートに入れる

書籍購入は弊社「早稲田正門店インターネット書店」サイトでの購入となります。

内容紹介

[目 次]

はしがき  i
初出一覧  xiii

第1部 土地資源の共的利用
第1章 入会地・入会権をめぐる法制度的課題 ―環境保護の視点から―4
1.問題の所在4
2.入会林野解体後の入会地の状況8
3.「入会林野等近代化法」の今日的評価13
4.熊本県阿蘇町における入会牧野管理15
5.牧野法による入会牧野管理の特徴20
(1)牧野法の概要20
(2)阿蘇町における牧野管理の特徴22
6.契約による入会権23
(1)契約による入会利用の提唱23
(2)入会慣行の普遍モデルの構築25
7.今後の方向性26
8.小 括27

第2章 中国の草原保護法政策31
1.問題の所在31
2.旧草原法制定前の動向33
3.旧草原法における草原をめぐる権利関係36
4.新草原法と草地流動化38
5.荒地開発と草原保護47
6.草原利用の新たな方策50
7.小 括52

第3章 中国の都市化と土地資源法政策55
1.問題の所在55
2.農村都市化の特徴と問題点56
3.農村の土地権利関係と法制度58
(1)農村集団所有権58
(2)請負経営権62
4.土地収用等による農村都市化64
(1)公式な農村都市化64
(2)非公式な農村都市化66
(3)戸籍制度の転換による都市化70
6.農地請負経営権の担保化71
7.小 括78

第4章 沖縄の地割制に関する研究80
1.問題の所在80
2.本土における地割制83
3.沖縄の地割制の起源86
4.沖縄の地割制の概要91
5.沖縄の「家」について93
6.小 括99

第2部 公共財としての水資源
第5章 河川法と水利権をめぐる法的課題106
1.問題の所在106
2.河川法の役割108
3.水利許可と慣行水利権の競合112
4.志村博康論文(1978年)が示した問題点114
5.慣行水利権の法的性質116
(1)民法上の性質116
(2)慣行水利権の内容119
(3)水利権に関する判例120
(4)慣行水利権の主体123
6.水利集団と水利調整126
(1)水利調整126
(2)遊休水利権問題128
(3)水利集団の形態130
7.小 括130

第6章 地下水の保全管理のための法規範133
1.問題の所在133
2.ため池をめぐる水利慣行134
3.地下水の利用規制138
4.地下水の水質規制140
5.地下水に係る地方条例の動向142
6.地下水の法的性質145
7.小 括148

第7章 中国における水利権流動化150
1.問題の所在150
2.黄河、タリム河、黒河流域における用水制度改革の概要152
3.水資源関係法の立法状況154
4.2002年改正水法の要点157
5.黒河における水票制度161
6.用水者協会の機能と法的性質165
7.小 括170

第8章 オーストラリアの水資源管理法173
1.問題の所在173
2.水資源に係る権利とコモン・ローとの相克177
3.土地所有権から水に係る権利の分離179
4.2007年連邦水法の成立による統一的水管理181
5.小 括185

第3部 共有資源の権利侵害と管理責任
第9章 自然環境保全と私権の競合 ―北川湿地訴訟事件を事例として―190
1.問題の所在190
2.北川湿地訴訟事件について193
(1)事案の概要193
(2)判 旨193
3.自然の権利訴訟について196
4.生物多様性保全のための差止請求199
5.生物多様性保全と土地所有権201
6.小 括205

第10章 慣習漁業権の侵害 ―馬毛島入会権訴訟事件を事例として―206
1.問題の所在206
2.馬毛島入会権確認訴訟事件208
(1)事実の概要208
(2)判 旨209
(3)本件判決の意義と課題209
3.共同漁業権の成立と法的性質212
4.「自由漁業」と「慣習に基づく入会漁業」216
5.旧慣の改廃221
6.小 括223

第11章 水利行為による権利侵害 ―涸れ川公害問題を事例として―225
1.問題の所在225
2.涸れ川公害226
(1)大井川水返せ運動226
(2)信濃川JR東日本不法取水事件229
3.水利秩序と権利濫用231
4.小 括234

第12章 土地工作物をめぐる帰責理論の再検討236
1.問題の所在236
2.土地工作物責任の法構造をめぐる学説の動向239
(1)無過失責任説239
(2)客観説と結果回避義務違反責任説243
(3)森島昭夫教授の見解244
(4)窪田充見教授の見解246
3.私見の提起247
4.ため池等をめぐる判例251
(1)判例紹介251
(2)判例検証258
5.設置瑕疵と保存(管理)瑕疵261
6.小 括263

あとがき267
引用文献一覧274
事項索引287