人権としての平和
平和的生存権の思想研究後藤光男 著
定価:6,160円(税込)-
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発行:
2019年09月20日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
278頁 -
ISBN:
978-4-7923-0652-6
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内容紹介
[目 次]
はしがき
序 章 本書の構図と構成…1
1 本書の構図と構成…1
(1)日本国憲法の非武装平和主義 2
(2)良心的戦争拒否の思想 7
2 平和主義と安全保障…10
(1)日本国憲法における平和主義 11
(2)憲法9条の戦争放棄・戦力の不保持・交戦権の否認 12
(3)自衛隊は戦力か自衛権の範囲内か 13
(4)自衛権の許される範囲―個別的自衛権と集団的自衛権 14
(5)日米防衛協力のための指針(ガイドライン)と自衛隊の役割 15
(6)自衛隊の国際貢献と有事関連法 16
(7)安全保障関連法の成立と集団的自衛権 18
第1部 人権としての平和
第1章 平和的生存権と抵抗権…23
1 本章の課題―平和主義と抵抗権―…27
(1)国民の主体的責任 27
(2)平和主義と抵抗権との関係 31
2 平和と人権の接点 ―良心的兵役拒否(Conscientious Objection)の問題―…35
(1)一般的兵役拒否 35
(2)選択的兵役拒否(政治的兵役拒否) 38
3 平和的生存権の理論…40
(1)平和的生存権理論史 40
(2)平和的生存権の原理的論証 43
第2章 日本国憲法における平和的生存権の規範構造…49
1 平和主義と平和的生存権…50
(1) 平和的生存権の保障 50
(2) 平和的生存権の主体 53
(3) 平和的生存権の内容 54
2 憲法9条の規範内容…57
(1) 9条の制定過程 57
(2) 戦争の放棄 63
(3) 戦力の不保持 67
(ア)戦力の意味
(イ)戦力と非戦力
(ウ)自衛隊法と自衛隊
(エ)安保条約と外国軍隊の駐留
(4) 交戦権の否認 77
3 憲法の予定する安全保障…78
4 自衛権…80
(1) 自衛権の肯否 80
(2) 自衛権放棄の論理 82
第3章 平和主義の現実―日米安保体制・自衛隊と有事法制― …89
1 日米安保体制・自衛隊と有事法制…90
(1) 日本の再軍備と旧安保条約(1951年) 90
(ア)1950年朝鮮戦争の勃発と「警察予備隊」
(イ)1951年サンフランシスコ平和条約と日米安保条約
(ウ)1952年保安隊・警備隊の成立
(エ)1954年MSA協定(日米相互防衛援助協定)の締結と自衛隊の発足
(2) 1960年新安保条約 93
(3) 1978年日米軍事協力関係の強化(「ガイドライン」)と自衛隊の増強 94
(4) 1989年「冷戦」の終結と1991年「湾岸戦争」(自衛隊の海外派遣) 95
(ア)1989年「冷戦」の終結と1991年「湾岸戦争」勃発に伴う自衛隊の「国際貢献」
(イ)1992年「PKO協力法」の成立
(ウ)1995年防衛大綱の見直し
(5) 1997年「新ガイドライン」と有事法制 97
(ア)1997年「日米新ガイドライン」と1999年「周辺事態法」
(イ)2001年アメリカ合衆国同時多発テロと自衛隊海外派遣の拡大
(ウ)2003年「有事法」の整備
(6) 2014年「集団的自衛権」の容認と安全保障関連法の成立 102
(ア)2014年集団的自衛権容認の閣議決定
(イ)2015年「平和安全法制整備法」および「国際平和支援法」の整備
2 安保・自衛隊関連裁判…104
(1)日本の再軍備と司法審査 104
(ア)警察予備隊違憲訴訟
(2)安保条約と司法審査 105
(ア)砂川訴訟
(イ)横田基地夜間飛行差止訴訟
(3)自衛隊裁判 113
(ア)恵庭裁判
(イ)長沼訴訟
(ウ)百里訴訟
(エ)小西反戦自衛官裁判
(オ)イラク派遣差止訴訟
(カ)安保法制違憲訴訟
3 自衛隊改編への展望…121
4 平和のための予防学…130
第4章 沖縄と憲法 ―日本は主権国家か―…135
1 はじめに…137
2 沖縄の戦後憲政史…137
(1) 前史(琉球処分) 137
(2) 1945年日本の敗戦と沖縄の地位・天皇の戦争責任 138
(ア)1945年2月近衛文磨「近衛上奏文」と8月天皇の「遅すぎた聖断」
(イ)1945年4月米軍沖縄上陸、8月敗戦、12月選挙権・被選挙権の剥奪
(3) 1946年の沖縄 141
(4) 1947年日本国憲法制定と沖縄 142
(ア)1947年5月「外国人登録令施行規則」(内務省令28号)
(イ)本土の非武装化と沖縄の軍事基地化
(ウ)1947年9月19日「天皇メッセージ」
(エ)米軍統治下の沖縄と日本国憲法制定
(5) 1950年の沖縄 150
(6) 1952年対日平和条約と日米安保条約 151
(ア)日米安保条約の特質
(イ)駐留軍用地特措法
(ウ)地位協定の特殊性
(7)米軍用地の強制収用問題 155
(ア)1953年土地収用令
(イ)沖縄住民の土地闘争
3 沖縄の統治…157
(1)米国による沖縄の統治体制の変遷 157
(2)沖縄の法的地位 159
(3)公法学者の沖縄認識 160
4 1972年の沖縄返還…164
(1)復帰直前―沖縄密約電文事件 164
(2)復帰後の沖縄の人権と安保・地位協定 165
(3)沖縄の軍用地使用の問題―公用地暫定使用特別措置法(いわゆる公用地法)および地籍明確化法 166
(ア)1977年地籍明確化法・米軍用地特措法
(イ)1982年以降の米軍用地特別措置法
5 1995年の米兵少女暴行事件…168
6 1995年以降の普天間・辺野古基地移設問題…170
(1)日米地位協定の問題 171
(ア)憲法と安保・行政協定・地位協定との関係
(イ)憲法体系と安保法体系
(ウ)地位協定による日米合同委員会とその組織
(エ)地位協定の運用の実際
(2)米軍用地強制使用に関する代理署名の問題 175
(3)普天間基地移設返還の問題 178
むすび…180
第2部 戦争廃絶・軍備撤廃の平和思想
第5章 良心的戦争拒否(Conscientious Objection)の思想…185
1 問題の所在…187
2 良心的兵役拒否の生成と展開…189
(1)CO(Conscientious Objection)の今日的定義 189
(2)CO(Conscientious Objection)免除の背景 191
3 宗教の自由と兵役拒否…193
(1)一般的兵役拒否とシーガー判決 193
(2)選択的兵役拒否と修正1条の宗教条項 195
(3)政治的兵役拒否 199
4 選択的兵役拒否と憲法上の根拠…200
5 結 語…203
第6章 良心的軍事費拒否(Conscientious War Tax Resistance)の思想…207
1 良心的兵役拒否と良心的軍事費拒否…208
2 日本における良心的軍事費拒否…210
3 アメリカにおける良心的軍事費拒否…214
(1)良心的軍事費拒否小史 214
(2)ベトナム戦争と戦争税拒否 218
4 平和税基金の問題…220
第7章 少数者の信教の自由と平和主義 ―アメリカにおいて良心的軍事費拒否が認められた判決― …225
1 積極的平和概念に奉仕する人権主体の形成…225
2 良心的軍事費拒否が認められた事例…230
3 良心の自由と平和主義…237
4 結 語…240
コラム
●抵抗権の思想史的背景…34
●積極的な平和概念…47
●前文の法的性格…56
●正義の戦争と不正義の戦争…66
●ガルトゥングの専守防衛論…86
●「平賀書簡」問題…116
●自衛隊の災害派遣…129
●兵器産業の拒否…132
●天皇の戦争責任…147
●「瀬長亀次郎」問題…159
●沖縄の摩文仁(まぶに)の「平和の礎(いしじ)」…170
●憲法より優位の安保条約…173
本書で参考にした初出等文献…245
参考文献一覧…246
人名索引…259
事項索引…261