刑法講義各論 [新版第5版]

刑法講義各論 [新版第5版]

大谷 實 著
定価:4,400円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2019年12月20日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    732頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5290-5
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正誤表

内容紹介


[目 次]

新版第5版はしがき
凡例
序論…1
1  刑法各論の意義…1
2  刑法各論の体系…1
3  刑法の解釈…2

第1編 個人法益に対する罪
第1章 生命および身体に対する罪…7
第1節 人の意義…7
1  総説…7
 1 人の生命 7
 2 刑法による保護 7
2  人の始期…8
 1 学 説 8
 2 学説の検討 8
  *全部露出説の短所
3  人の終期…10
 1 学説 10
 2 総合判定説から脳死説へ 10
 (1) 二つの死の概念
 (2) 臓器移植法の制定
 (3) 臓器移植法の改正
第2節 殺人の罪…11
1  総説…11
 1 殺人の罪の種類 11
 2 殺人罪と同意殺人罪 12
2  殺人罪(普通殺人罪)…12
 1 客体 12
 2 行為 12
 3 故意 13
 4 未遂・既遂 13
 5 罪数 13
3  尊属殺人罪の削除…14
4  殺人予備罪…15
 1 意義 15
 2 行為 15
 3 目的 15
 4 予備の中止 16
5  自殺関与・同意殺人罪…16
 1 意義 16
 (1) 自殺を不可罰とする根拠
 (2) 202条の趣旨
 2 自殺関与(教唆・幇助)罪 17
 (1) 客体
   *脅迫による自殺
 (2) 行為
   *自殺関与罪と殺人罪の区別
 (3) 未遂
 3 同意(嘱託・承諾)殺人罪 20
 (1) 客体
 (2) 行為
   *欺く行為に基づく同意
   *事前の意思表示の有効性
 (3) 故意
   *同意の認識
 (4) 未遂・既遂
 (5) 違法性阻却事由
  (ア) 意義
  (イ) 安楽死の場合
  (ウ) 尊厳死の場合
    *尊厳死と判例
 4 罪数・他罪との関連 23
第3節 傷害の罪…24
1  総説…24
2  傷害罪…24
 1 客体 24
 2 行為 24
 (1) 傷害の意義
   *傷害とされた事例
 (2) 傷害の方法
   *暴行以外の方法の例
 (3) 胎児性傷害・致死
  (ア) 学説
  (イ) 学説の検討
  (ウ) 立法的解決
    *胎児性傷害・致死と最高裁判例
 (4) 傷害の未遂
 3 故意 29
 (1) 学説
  (ア) 結果的加重犯説
  (イ) 故意犯説
  (ウ) 折衷説
 (2) 学説の検討
3  傷害致死罪…31
 1 傷害致死罪 31
  *殺人と傷害致死の区別
 2 尊属傷害致死罪 32
4  現場助勢罪…32
 1 意義 32
 2 要件 32
5  同時傷害の特例…33
 1 意義 33
 (1) 本特例の趣旨
   *207条の違憲性
 (2) 共同正犯の擬制
   *本特例の法的性格
 2 要件 35
 (1) 同一人に対する暴行であること
 (2) 共同実行行為とみなしうること
 (3) 検察官が証明できないこと
 (4) 被告人の証明不能
 3 適用範囲・効果 36
  *承継的共犯の場合
6  暴行罪…37
 1 行為 37
 (1) 意義
  (ア) 四つの類型
  (イ) 暴行罪における「暴行」
    *暴行と身体への接触
 (2) 暴行の方法
 2 故 意 40
 3 違法性阻却事由 40
7  凶器準備集合・結集罪…40
 1 意義 41
 (1) 立法の背景
 (2) 罪質
   *罪質をめぐる対立
 2 凶器準備集合罪 42
 (1) 行為の状況
  (ア) 共同加害の目的
   (a) 加害の対象
   (b) 「共同」の意義
  (イ) 集合
 (2) 行為
  (ア) 凶器の意義
    *凶器の例
  (イ) 準備・集合
 (3) 故意
 (4) 既遂
   *加害行為の開始後における本罪の成立
 (5) 罪数
 3 凶器準備結集罪 47
 (1) 行為の状況
 (2) 行為
  (ア) 集合の態様
  (イ) 結集と教唆・幇助
  (ウ) 場所的移動の要否
 (3) 共犯の適用
 (4) 罪数
第4節 過失傷害の罪…49
1  総説…49
 1 意義 49
 2 過失行為 49
2  過失傷害罪・過失致死罪…50
3  業務上過失致死傷罪…50
 1 意義 50
 (1) 加重処罰の根拠についての学説
 (2) 学説の検討
 2 主 体 51
 (1) 業務の意義
 (2) 反復・継続性
 (3) 生命・身体への危険
   *「業務」と判例
 3 行為 53
 4 罪数 53
4  重過失致死傷罪…54
*重過失の意義
5  自動車運転死傷処罰法…55
 1 総説 55
 2 犯罪類型 56
 (1) 危険運転致死傷罪
  (ア) 結果的加重犯
  (イ) 行為類型
  (ウ) 他罪との関連
 (2) 準危険運転致死傷罪
  (ア) 意義
  (イ) 1項の危険運転行為
  (ウ) 2項の危険運転行為
 (3) 過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪
  (ア) 意義
  (イ) 前提となる行為
  (ウ) 影響発覚の免脱行為
  (エ) 他罪との関連
 (4) 過失運転致死傷罪
  (ア) 意義
  (イ) 自動車運転上の注意
    *降車時の運転者の注意
    義務
  (ウ) 致死傷の結果
 (5) 無免許運転による加重
  (ア) 意義
  (イ) 適用
第5節 堕胎の罪…64
1  総説…64
 1 意義 64
 (1) 保護法益
 (2) 具体的危険犯
 2 違法性阻却事由 65
 (1) 母体保護法と堕胎の解放
 (2) 人工妊娠中絶
   *社会・経済的要件
2  堕胎の罪の基本概念…67
 1 客体 67
 2 行為 67
 (1) 堕胎の意義
 (2) 侵害犯か危険犯か
   *「生育可能性」と殺人
 3 故意 68
3  堕胎罪…69
 1 主体 69
 2 共犯関係 69
4  同意堕胎罪・同意堕胎致死傷罪…70
 1 同意堕胎罪 70
 (1) 要件
 (2) 共犯関係
 2 同意堕胎致死傷罪 70
5  業務上堕胎罪・業務上堕胎致死傷罪…71
 (1) 主体
 (2) 共犯関係
6  不同意堕胎罪・不同意堕胎致死傷罪…72
*「傷害の罪と比較して,重い刑により処断する」の意義
第6節 遺棄の罪…73
1  総説…73
 1 意義 73
 2 客体 73
 3 遺棄の概念 74
 (1) 刑法上の遺棄
 (2) 学説
 (3) 遺棄の意義
 (4) 抽象的危険犯
   *具体的危険犯か抽象的危
   険犯か
2  遺棄罪…76
 1 客体 76
 2 行為 77
 3 故意 77
3  保護責任者遺棄罪・不保議罪…78
 1 意義 78
 2 主体 79
 (1) 法令
 (2) 契約
 (3) 事務管理
 (4) 慣習・条理
   *交通事故における保護義務
 3 客体 81
 4 行為 81
  *生存に必要な保護をしなかった例
 5 故意 81
 6 共犯 82
4  遺棄等致死傷罪…82
*殺意がある場合

第2章 自由および私生活の平穏に対する罪…84
第1節 逮捕および監禁の罪…84
1  総説…84
 1 意義 84
 2 客体 85
 (1) 自由の意義
 (2) 侵害の意識
 (3) 継続犯
 (4) 尊属逮捕・監禁罪
2  逮捕・監禁罪…86
 1 逮捕罪 86
  *逮捕の例
 2 監禁罪 87
  *監禁に関する参考例
 3 違法性阻却事由 88
  *監禁の例
 4 罪数・他罪との関連 89
3  逮捕・監禁致死傷罪…90
第2節 脅迫の罪…90
1  総説…90
 1 意義 90
 2 脅迫の概念 91
 3 法人に対する害悪の告知 91
2  脅迫罪…92
 1 行為 92
 (1) 加害の対象
  (ア) 対象の範囲
    *信用に対する加害
  (イ) 村八分
    *村八分の判例
  (ウ) 親族
 (2) 害悪の告知
 (3) 害悪の違法性
   *脅迫の例
 (4) 告知の方法
 2 故意 95
 3 違法性阻却事由 96
 4 罪数・他罪との関連 96
3  強要罪…96
 1 意義 96
 2 行為 97
 (1) 脅迫・暴行
   *強要の限界例
 (2) 強要
 3 結果 98
 4 故意 98
 5 未遂 98
 6 罪数・他罪との関連 99
第3節 略取,誘拐および人身売買の罪…99
1  総説…99
 1 意義 99
  *人身取引議定書
 2 保護法益 100
 3 事実的支配(実力的支配) 101
2  未成年者略取・誘拐罪…101
 1 主体 101
 2 客体 102
 3 行為 102
 (1) 行為態様
   *親権者による未成年者略取
 (2) 故意,未遂,既遂
 (3) 罪数・その他
 (4) 被拐取者の同意
3  営利目的等略取・誘拐罪…104
 1 客体 104
 2 目的 104
 (1) 営利の目的
   *営利目的の限定
 (2) わいせつの目的
 (3) 結婚の目的
 (4) 生命・身体に対する加害の目的
 3 既遂 106
 4 罪数 106
4  身の代金目的略取・誘拐罪,身の代金要求罪…106
 1 意義 107
 2 身の代金目的略取・誘拐罪 107
 (1) 要件
   *「憂慮する者」の意義
 (2) 目的の内容
 3 略取・誘拐者身の代金要求罪 108
 (1) 主体
 (2) 行為
 (3) 罪数
 4 被拐取者収受者の身の代金要求罪 110
 (1) 主体
 (2) 他罪との関連
5  所在国外移送目的略取・誘拐罪…110
  *所在国外移送目的略取の例
6  人身売買の罪…111
 1 総説 111
 2 人身買受け罪 111
 (1) 主体・客体
 (2) 行為
 (3) 主観的要件
 (4) 対象者の同意
 3 未成年者買受け罪 112
 4 営利目的等買受け罪 113
 5 人身売渡し罪 113
 6 所在国外移送目的人身売買罪  113
7  被略取者等所在国外移送罪…114
8  被拐取者引渡し等罪…114
 1 被拐取者引渡し等罪 114
 (1) 客体
 (2) 行為
 2 営利目的等被拐取者引渡し等罪 115
 (1) 営利・わいせつ等目的引渡し等罪
 (2) 身の代金取得目的収受罪
 (3) 被拐取者収受者の身の代金要求罪
9  未遂罪…116
10  身の代金目的略取・誘拐予備罪…116
11  被拐取者の解放による刑の減軽(解放減軽)…116
 1 趣旨 117
 2 安全な場所 117
12  親告罪…117
 1 告訴権者 117
 2 「婚姻」の意義 118
第4節 性的自由に対する罪…118
1  総説…118
 1 保護法益 118
  *性的感情に対する罪
 2 刑法改正 119
2  強制わいせつ罪…120
 1 意義 120
 2 行為 120
 (1) わいせつな行為
   *性的羞恥心を侵害する行為
 (2) 暴行・脅迫
 (3) 主観的要件
 3 罪数・他罪との関連 123
3  強制性交等罪…123
 1 意義 123
 2 行為 124
 (1) 暴行・脅迫
 (2) 性交等
 3 故意 126
 4 罪数 126
4  準強制わいせつ罪・準強制性交等罪…126
 1 意義 126
 2 抵抗困難な状態 127
 (1) 心神喪失
 (2) 抗拒不能
 3 行為 128
  *否定した判例
5  監護者わいせつおよび監護者性交等罪…130
 1 意義 130
 2 主体 130
 3 客体 131
 4 行為 131
 5 罪数・他罪との関連 131
6  強制わいせつ・強制性交等罪の未遂…132
 1 予備と未遂 132
 2 問題点 132
  *実行の着手に関する判例
7  違法性阻却事由…133
8  強制わいせつ等致死傷罪…134
 1 死傷の結果 134
 (1) 強制性交等の機会
   *判例の態度
 (2) 死傷と因果関係
 2 死傷の結果の認識 136
 (1) 致傷の場合
 (2) 致死の場合
 3 罪 数 137
9  淫行勧誘罪…137
 1 保護法益 137
  *売春防止法の規定
 2 構成要件 138
第5節 住居を侵す罪…138
1  総説…138
 1 個人法益説 138
 2 保護法益 139
  *住居侵入罪の保護法益
2  住居侵入罪…140
 1 客体 140
 (1) 住居
  (ア) 事務室・実験室
    *住居の具体例
  (イ) 囲繞地
  (ウ) 住居権
 (2) 人の看守している邸宅・建造物・艦船
  (ア) 看守
  (イ) 邸宅
  (ウ) 建造物
    *建造物と囲繞地
  (エ) 艦船
 2 行為 143
 (1) 侵入
 (2) 同意
   *同意が問題となる場合
 (3) 同意権者
   *姦通目的と住居侵入
 3 既遂 147
 4 違法性阻却事由 147
 5 罪数・他罪との関連 147
3  不退去罪…148
 1 意義 148
 2 行為 148
4  未遂罪…149
 1 住居侵入罪の未遂 149
 2 不退去罪の未遂 149
第6節 業務に対する罪…149
1  総説…149
 1 犯罪類型 149
 2 保護法益 150
  *業務と経済活動
2  業務妨害罪…150
 1 客体 150
 (1) 業務
   *継続性の要件
 (2) 公務と業務
   *判例の流れ
 2 行為 153
 (1) 虚偽の風説の流布
 (2) 偽計
   *いやがらせ電話
 (3) 威力
 (4) 妨害
 3 違法性阻却事由 156
  *ピケッティングの違法性
 4 罪数・他罪との関連 156
3  電子計算機損壊等業務妨害罪…157
 1 意義 157
 2 客体 157
 3 行為 188
 4 動作阻害の結果の発生 159
 (1) 「使用目的」に沿うべき動作をさせないこと
 (2) 電子計算機をして使用目的に反する動作をさせること
 (3) 阻害の事態が現実に発生すること
 5 業務妨害 159
 6 故意 160
 7 未遂 160
 8 罪数・他罪との関連 160
第7節 秘密を侵す罪…160
1  総説…160
*秘密保護の立法
2  信書開封罪…161
 1 客体 161
 2 行為 162
 3 違法性阻却事由 162
3  秘密漏示罪…163
 1 主体 163
  *特別法上の罪
 2 客体 164
 3 行為 164
 4 違法性等阻却事由 165
4  親告罪…165
 1 信書開封の場合 165
 2 秘密漏示の場合 166

第3章 名誉および信用に対する罪…167
第1節 名誉に対する罪…167
1  総説…167
 1 意義 167
 2 保護法益 168
  *具体例
2  名誉毀損罪…169
 1 客体 169
 2 行為 170
 (1) 公然
   *「公然」に関する判例
 (2) 事実の摘示
 (3) 名誉毀損
   *新聞による名誉毀損罪
 (4) 犯罪の終了
   *インターネットと名誉毀損
 (5) 故意
3  真実の証明による不処罰…175
 1 意義 175
 2 不処罰の要件 175
 (1) 事実の公共性
   *月刊ペン事件判決
 (2) 目的の公益性
 (3) 特例
  (ア) 犯罪行為に関する特例
  (イ) 公務員等についての特例
 3 真実性の証明 178
 (1) 要件
   *真実性の立証の範囲と対象
 (2) 真実性の証明の法的効果
 4 真実性の誤信 181
 (1) 学説
  (ア) 違法性阻却説
  (イ) 故意阻却説
  (ウ) 責任阻却説
  (エ) 過失名誉毀損罪説
    *最高裁の態度
 (2) 真実性の誤信の取扱い
 (3) 230条の2と35条との関係
 5 その他の違法性阻却事由 184
  *弁護活動と名誉毀損
4  死者の名誉毀損…185
 1 保護法益 185
 2 行為 185
 3 故意 186
5  侮辱罪…186
 1 意義 186
 2 客体 186
 3 行為 186
6  親告罪…187
7  罪数・他罪との関連…187
第2節 信用に対する罪…188
1  総説…188
*判例による本罪の罪質
2  信用毀損罪…189
 1 客体 189
  *「信用」の拡大
 2 行為 190
 3 罪数・他罪との関連 190

第4章 財産に対する罪…192
第1節 財産犯総論…192
1  財産犯…192
*特別法上の財産犯
2  財産犯の分類…192
 1 財物罪と利得罪 192
 2 領得罪と毀棄罪 193
  *盗取罪と交付罪
 3 個別財産に対する罪と全体財産に対する罪 193
3  財産犯の客体…193
 1 財物 194
 (1) 財物の意義
   *管理可能性に関する諸説
 (2) 情報の財物性
 (3) 動産と不動産
 (4) 財産的価値
   *価値の要否に関する学説・判例
 (5) 所有権の対象としての財物
  (ア) 無主物
    *ゴルフ場内のロストボール
  (イ) 葬祭対象物(納棺物)
  (ウ) 禁制品(法禁物)
    *禁制品(法禁物)に対する判例の態度
 2 利得罪 199
4  財産犯の保護法益…200
 1 財産犯の意義 200
 2 財物罪の保護法益 201
 3 利得罪の保護法益 201
 4 奪取罪の保護法益 201
 (1) 学説
 (2) 「他人の占有」の意義
  (ア) 占有説と本権説の問題点
  (イ) 平穏な占有
    *判例の流れ
5  不法領得の意思…205
 1 判例と学説 205
 2 不法領得の意思の内容 207
 (1) 主観的違法要素
 (2) 責任要素
 (3) 不法領得の意思
  *不法領得の意思と判例・学説
 3 一時使用と不法領得の意思(使用窃盗) 209
 (1) 学説
 (2) 学説の検討
   *使用窃盗と判例
 4 領得罪と毀棄・隠匿の罪との区別 211
  *利用処分する意思と判例
第2節 窃盗の罪…213
1  総説…213
 1 意義 213
 2 保護法益 213
2  窃盗罪…213
 1 客体 213
 (1) 占有の意義
 (2) 事実上の支配
  (ア) 支配領域内にある場合
    *事実上の支配の例
  (イ) 支配領域外にある場合
    *占有が認められた事例
 (3) 占有の意思
   *占有の意思と占有の事実との関係
 (4) 占有の主体
  (ア) 法人
  (イ) 死者の占有
    *死者の占有に関する判例
 (5) 占有の帰属
  (ア) 複数の者が占有している場合
    *共同占有の場合
  (イ) 封緘委託物の場合
    *施錠されていない場合
 2 行為 222
 (1) 行為―窃取
   *パチスロ機で遊戯する行為
 (2) 着手時期
   *限界となる例
 (3) 既遂時期
   *既遂時期をめぐる学説
 (4) 共罰的事後行為
 (5) 窃取額
 3 主観的要件 226
 4 違法性阻却事由 226
 5 罰金刑の追加 227
 6 罪数・他罪との関連 227
  *罪数に関する参考例
3  不動産侵奪罪…228
 1 意義 228
 2 客体 228
 3 行為 229
  *判例による侵奪
 4 故意・不法領得の意思 231
 5 罪数・他罪との関連 231
4  親族間の犯罪に関する特例…231
 1 意義 231
  *親族相盗例の適用の排除
 2 適用の要件 233
 (1) 親族
 (2) 目的物との関係
   *判例における「親族関係」
 3 効果 235
 (1) 刑の免除と親告罪
   *不均衡の是正策
 (2) 親族関係の錯誤
   *錯誤の取扱い
第3節 強盗の罪…237
1  総説…237
*強盗罪の特別罪
2  強盗罪…238
 1 客体 238
 2 行為 238
 (1) 暴行・脅迫
  (ア) 判断の方法
  (イ) 判断の基準
  (ウ) 「暴行」の特殊性
  (エ) 暴行・脅迫の相手方
    *ひったくりと強盗
 (2) 強取
  (ア) 因果関係
  (イ) 強取の意思
   (a) 暴行・脅迫と財物奪取
   (b) 畏怖に乗じた場合
     *畏怖状態の利用と強盗
   (c) 強盗殺人と財物の奪取
 3 未遂・既遂 244
 4 主観的要件 244
 5 罪数・他罪との関連 245
3  強盗利得罪…245
 1 客体 245
 2 行為 246
 (1) 財産上の処分行為
  (ア) 交付罪との比較
  *処分行為をめぐる学説・判例
  (イ) 2項強盗の限定
 (2) 利益の取得
   *利益の移転が認められた事例
 (3) 故意
 3 違法性阻却事由 250
 4 罪数・他罪との関連 250
4  事後強盗罪…250
 1 意義 251
 2 主体 251
 3 行為 252
  *窃盗の機会に関する判例
 4 未遂・既遂 253
 5 共犯 253
  *事後強盗罪は真正身分犯か
5  昏酔強盗罪…254
 1 意義 254
 2 行為 254
 3 故意 255
6  強盗致死傷罪…255
 1 意義 255
  *本罪の趣旨
 2 主体 256
 3 行為 256
 (1) 強盗致傷罪・強盗傷人罪
 (2) 強盗致死罪・強盗殺人罪
   *死者の占有に関する学説
 (3) 強盗の機会
   *「強盗の機会」が否定されるべき場合
 (4) 因果関係
   *脅迫による傷害
 4 既遂・未遂 260
  *強盗致死傷未遂罪に関する学説
 5 主観的要件 261
 6 罪数・他罪との関連 261
7  強盗・強制性交等罪および同致死罪…262
 1 意義 262
 2 行為 262
 3 未遂の取り扱い 263
 4 強盗・強制性交等致死罪 263
8  強盗予備罪…264
 1 意義 264
 2 行為 264
 3 目的 265
  *事後強盗目的の予備
 4 中止犯 265
 5 罪数 266
第4節 詐欺の罪…266
1  総説…266
 1 意義 266
 2 保護法益 267
  *判例の態度
 3 親族間の犯罪に関する特例の準用 268
2  詐欺罪(一項詐欺罪)…268
 1 客体 269
  *預金通帳の財物性
 2 行為 269
  *機械は錯誤に陥らない
 (1) 詐欺行為
   *自己名義の預金通帳の交付と一項詐欺
  (ア) 不作為による詐欺
    *釣銭詐欺
  (イ) 詐欺行為の性質
    *悪徳商法と詐欺罪
  (ウ) 詐欺行為の相手方
   (a) 三角詐欺
   (b) クレジットカードの不正使用
    (α) 学説
    (β) 学説の検討
      *最高裁の判例
 (2) 錯誤
 (3) 交付行為
 (4) 財物の占有の移転
   *自由支配内
 3 実行の着手・既遂 279
 (1) 実行の着手
 (2) 既遂
 4 財産的損害 280
 (1) 相当対価の支払い
 (2) 交付自体
 (3) 各種証明書
 (4) 預金通帳の詐取
 (5) 正当な権利と損害額
 5 主観的要件 283
 6 違法性阻却事由 283
 7 罪数・他罪との関連 284
3  詐欺利得罪(二項詐欺罪)…285
 1 意義 285
 (1) 客体
 (2) 処分行為
  (ア) 財産上の利益の移転
  (イ) 処分意思
    *処分行為をめぐる判例
 2 詐欺利得罪の諸類型 288
 (1) 無銭飲食・宿泊
 (2) キセル乗車
   *自動改札装置の利用
  (ア) 学説の対立
  (イ) 取扱い
   (a) 乗車駅
   (b) 下車駅
     *キセル乗車に関する判例
 3 関連問題 292
 (1) 詐欺罪と詐欺利得罪との関係
 (2) 不法原因給付と詐欺罪
   *売淫料に関する判例
4  準詐欺罪…294
 1 意義 294
 2 行為 294
5  電子計算機使用詐欺罪…295
 1 意義 295
 2 行為 296
 (1) 財産権の得喪・変更に係る電磁的記録
 (2) 不法利得の手段としての加害行為(不法利得行為)
  (ア) 不実の電磁的記録の作出
    *虚偽の情報
  (イ) 電磁的記録の供用
 (3) 不法な利益の取得
 3 着手・既遂時期 298
 4 罪数・他罪との関連 299
第5節 恐喝の罪…299
1  総説…299
2  恐喝罪…300
 1 客体 300
 2 行為 300
 (1) 恐喝
  (ア) 脅迫
   (a) 脅迫の程度
     *吉凶禍福
   (b) 告知の方法
  (イ) 暴行
 (2) 交付行為
  (ア) 畏怖
  (イ) 交付
 3 未遂・既遂 303
 4 主観的要件 304
 5 罪数・他罪との関連 304
3  恐喝利得罪…305
*処分行為の要否
4  権利行使と恐喝罪…306
 1 意義と学説 306
 2 違法性阻却 306
  *権利行使についての判例の態度
第6節 横領の罪…308
1  総説…308
 1 意義 308
 2 保護法益 308
 3 親族間の犯罪に関する特例 309
  *後見人による横領と親族相盗例
2  横領罪…310
 1 意義 310
 2 主体 310
 3 客体 310
 (1) 物
 (2) 自己の占有
   *法律上の支配関係
 (3) 振り込め詐欺
 (4) 委託信任関係
   *集金横領の場合
 (5) 物の他人性
  (ア) 売買の目的物
  (イ) 金銭の他人性
   (a) 封金
   (b) 不特定物としての金銭
   (c) 使途が定められた金銭
     *委託された金銭の費消
  (ウ) 委任された行為に基づいて取得した金銭
    *共有物
  (エ) 不法原因給付・寄託物
   (a) 不法原因給付物
   (b) 不法原因寄託物
    (α) 意義
      *判例の考え方
    (β) 肯定説
    (γ) 否定説
    (δ) 折衷説
      *刑法上の他人性
  (ォ) 盗品等処分の処分代金
    *盗品等処分代金の横領と判例
  (カ) 公務所から保管を命ぜられた自己の物
 4 行為 321
 (1) 横領の意義
   *領得行為説の難点
 (2) 権限逸脱
 (3) 実行行為の性質
 5 故意・不法領得の意思 324
 (1) 不法領得の意思の内容
 (2) 第三者に領得させる意思
 (3) 本人のためにする意思
 (4) 一時流用する意思
 (5) 集金横領
   *判例における不法領得の意思
 6 二重売買 326
 (1) 横領罪を認める通説・判例
 (2) 通説・判例の問題点
  (ア) 意思表示にとどまる場合
  (イ) 金銭の授受があった場合
  (ウ) 背信的悪意者の場合
    *二重売買と詐欺罪
3  業務上横領罪…329
 1 意義 329
 2 主体 329
 (1) 業務の意義
 (2) 業務の根拠・内容
   *付随的業務
 3 客体 330
 4 行為 331
4  共犯…331
 1 横領罪の場合 331
 2 業務上横領罪の場合 331
 (1) 共同して占有している場合
 (2) 共同して占有していない場合
5  罪数・他罪との関連…333
 1 罪数 333
  *横領後の横領
 2 他罪との関連 334
6  遺失物等横領罪…335
 1 意義 335
 2 客体 335
 3 行為 336
第7節 背任の罪…336
1  総説…336
 1 意義 336
  *草案の規定
 2 罪質 337
 (1) 学説の対立
 (2) 判例の立場
 (3) 学説の検討
   *権限濫用説
 (4) 事務の内容
 (5) 全体財産に対する罪
 3 親族間の犯罪に関する特例 339
2  背任罪…339
 1 主体 339
 (1) 事務処理者
 (2) 事務の範囲
   *他人の事務・自己の事務
 (3) 信任関係
   *債権者の任務
 2 行為 341
   *蛸配当
 3 主観的要件 342
 (1) 故意
 (2) 目的
  (ア) 図利・加害目的
  (イ) 図利・加害目的と本人図利目的
  (ウ) 目的の内容
 4 財産上の損害 344
  *貸越債務の弁済
 5 二重抵当と背任罪 346
 (1) 学説・判例
 (2) 背任罪の成立
3  他罪との関連…347
 1 背任罪と横領罪の区別 347
 (1) 問題の所在
 (2) 学説
 (3) 区別の基準
 (4) 判例
 2 詐欺罪等との関係 349
第8節 盗品等に関する罪…350
1  総説…350
 1 意義と学説 350
  *「贓物」から「盗品等」へ
 2 学説の検討 351
 3 保護法益 351
2  客体…352
 1 財産罪によって領得された物  352
 (1) 動産・不動産
 (2) 違法な行為
 (3) 領得された物
 2 追求可能な物 354
 (1) 民事上の返還請求権
 (2) 不法原因給付物
 3 金銭の盗品性 355
3  盗品等無償譲受け罪,盗品等運搬・保管・有償譲受け・有償処分あっせん罪…356
 1 主体 356
 2 行為 356
 (1) 盗品等無償譲受け罪(旧贓物収受罪)
 (2) 盗品等運搬罪(旧贓物運搬罪)
   *疑問の残る判例
 (3) 盗品等保管罪(旧贓物寄蔵罪)
 (4) 盗品等有償譲受け罪(旧贓物故買罪)
 (5) 盗品等有償処分あっせん罪(旧贓物牙保罪)
   *被害者を相手とする処分
 3 故意 359
 4 法定刑 360
4  罪数・他罪との関連…360
 1 罪数 360
 2 他罪との関連 361
5  親族等の間の犯罪に関する特例…361
 1 趣旨 361
  *刑の免除の根拠
 2 要件 362
第9節 毀棄および隠匿の罪…363
1  総説…363
2  公用文書等毀棄罪…364
 1 客体 364
 (1) 公用文書
   *未完成文書
 (2) 電磁的記録
 2 行為 365
  *公用文書の隠匿
3  私用文書等毀棄罪…366
 1 意義 366
 2 客体 366
  *事実証明のための文書
 3 行為 367
 4 親告罪 367
4  建造物等損壊罪・同致死傷罪…367
 1 客体 367
 (1) 「他人」の意義
 (2) 建造物
   *建造物か器物かの判断基準
 (3) 艦船
 2 行為 369
  *ビラ貼りと建造物損壊罪
 3 建造物損壊致死傷罪 370
5  器物損壊罪・動物傷害罪…370
 1 客体 370
 2 行為 371
 3 親告罪 371
6  境界損壊罪…371
 1 意義 371
 2 客体 372
 3 行為 372
  *境界損壊に関する判例
7  信書隠匿罪…373
 1 客体 373
 2 行為 373
 3 親告罪 374

第2編 社会法益に対する罪
第1章 公衆の平穏および安全に対する罪…377
第1節 騒乱の罪…377
1  総説…377
*法益に関する学説
2  騒乱罪…378
 1 主体 378
  *判例における「多衆」
 2 行為 380
  *抽象的危険犯か具体的危険犯か
 3 主観的要件 380
 (1) 共同意思の性質
 (2) 共同意思の内容
   *共同意思に関する判例
 4 行為態様と処罰 382
 (1) 首謀者
 (2) 指揮者・率先助勢者
 (3) 付和随行者
 5 集団外の関与者 384
 6 他罪との関連 384
3  多衆不解散罪…385
 1 主体 385
 2 行為 386
 3 処罰 387
第2節 放火および失火の罪…387
1  総説…387
 1 意義 387
  *公共危険の意義
 2 行為 388
  *不作為による放火
 3  焼損 389
 (1) 学説の対立
 (2) 判例の立場
 (3) 判例・学説の検討
   *独立燃焼説
 4 罪数 392
2  現住建造物等放火罪…392
 1 意義 393
 2 客体 393
 (1) 住居
   *住居の限界例
 (2) 複合建造物の現住性
   *一体性の判断基準
 (3) 現在性
 3 行為 395
 4 故意 396
 5 罪数・被害者の同意 396
3  非現住建造物等放火罪…396
 1 客体 397
  *豚小屋は建造物か
 (1) 他人所有非現住建造物等放火罪
 (2) 自己所有非現住建造物等放火罪
 2 行為 398
 3 公共の危険の発生 398
  *公共の危険が発生しなかった例
 4 故意 399
  *公共の危険発生の認識
4  建造物等以外放火罪(非建造物放火罪)…400
 1 客体 400
 2 公共の危険の発生 401
  *本罪における「公共の危険」
 3 故意 401
  *判例の立場
5  延焼罪…402
6  放火予備罪…403
7  消火妨害罪…404
 1 行為の状況 404
 2 行為 404
8  失火罪…405
 1 他人所有建造物等失火罪 405
 2 自己所有非現住建造物等失火罪 405
9  業務上失火罪・重過失失火罪…405
 1 業務上失火罪 406
  *「業務」に関する判例
 2 重過失失火罪 407
  *重過失失火の具体例
10  激発物破裂罪…407
 1 意義 407
 2 客体 407
 3 行為 407
 4 損壊 408
11  過失激発物破裂罪・業務上過失激発物破裂罪・重過失激発物破裂罪…408
12  ガス漏出等罪・ガス漏出等致死傷罪…409
 1 意義 409
  *具体的危険の発生
 2 ガス漏出等罪 409
 3 ガス漏出等致死傷罪 410
第3節 出水および水利に関する罪…410
1  総説…410
2  現住建造物等浸害罪…410
 1 客体 411
 2 行為 411
 3 故意 411
3  非現住建造物等浸害罪…411
 1 客体 411
 2 行為 412
 3 故意 412
4  水防妨害罪…412
 1 行為の状況 412
 2 行為 412
5  過失建造物等浸害罪…413
6  出水危険罪…413
7  水利妨害罪…413
 1 意義 413
 2 行為 414
第4節 往来を妨害する罪…414
1  総説…414
*交通犯罪
2  往来妨害罪…415
 1 客体 415
 2 行為 415
3  往来妨害致死傷罪…416
4  往来危険罪…417
 1 意義 417
 2 行為 417
 (1) 鉄道・標識の損壊等
 (2) 灯台・浮標の損壊等
 3 往来の危険 418
  *往来の危険の意義
 4 故意 419
5  汽車等転覆・破壊罪…419
 1 客体 419
 2 行為 420
 (1) 汽車等の転覆または破壊
 (2) 艦船の転覆・沈没・破壊
   *沈め屋事件
 3 故意 421
6  汽車転覆等致死罪…421
 1 「よって死亡させた」の意義 421
 2 殺意がある場合 422
7  往来危険による汽車等転覆・破壊罪…423
 1 意義 423
 2 客体 423
 3 致死の結果 423
  *三鷹事件判決の少数意見
8  過失往来危険罪,過失汽車等転覆・破壊罪…425
 1 過失往来危険罪 425
 2 過失汽車等転覆・破壊罪 425
 3 業務上過失往来危険罪,業務上過失汽車等転覆・破壊罪 425

第2章 公衆の健康に対する罪…426
第1節 飲料水に関する罪…426
1  総説…426
2  浄水汚染罪…427
 1 客体 427
 2 行為 427
3  水道汚染罪…427
4  浄水毒物等混入罪…428
5  浄水汚染致死傷罪・水道汚染致死傷罪・浄水毒物混入致死傷罪…428
6  水道毒物等混入罪・水道毒物等混入致死罪…429
7  水道損壊・閉塞罪…429
 1 客体 429
 2 行為 430
第2節 あへん煙に関する罪…430
1  総説…430
2  あへん煙輸入罪…431
 1 客体 431
 2 行為 431
3  あへん煙吸食器具輸入等罪…432
4  税関職員によるあへん煙等輸入等罪…432
 1 意義 432
 2 主体 432
 3 行為 433
5  あへん煙吸食罪…433
6  あへん煙吸食場所提供罪…433
7  あへん煙等所持罪…434

第3章 公衆の信用に対する罪…435
*取引の安全に対する罪
第1節 通貨偽造の罪…436
1  総説…436
 1 保護法益 436
  *新円切替え事件
 2 外国通貨の保護 437
 3 諸類型 437
2  通貨偽造罪…437
 1 客体 437
 2 行為 438
 (1) 偽造
 (2) 変造
   *変造の例
 3 主観的要件 439
 4 既遂 439
3  偽造通貨行使等罪…439
 1 客体 440
 2 行為 440
 (1) 行使
 (2) 交付
 (3) 輸入
 3 主観的要件 441
 4 未遂 442
 5 罪数・他罪との関連 442
4  外国通貨偽造罪…442
5  偽造外国通貨行使等罪…443
6  偽造通貨等収得罪…443
 1 客体 443
 2 行為 444
 3 主観的要件 444
7  偽造通貨収得後知情行使等罪…444
 1 意義 445
 2 客体 445
 3 行為 445
8  通貨偽造等準備罪…446
 1 意義 446
 2 客体 446
 3 行為 446
 4 主観的要件 447
 5 共犯・罪数 447
第2節 文書偽造の罪…447
1  総説…447
 1 意義 447
 2 保護法益 448
 3 名義人の真正か内容の真正か 448
2  文書偽造の罪の基本概念…449
 1 文書の意義 449
 (1) 可視性・可読性
 (2) 意思・観念の表示
 (3) 持続性
 (4) 社会生活上の重要性
   *文書の例
 (5) 名義人の存在
   *名義人の実在性
 (6) 文書の確定性および原本性
   *写しの文書性
 (7) 写真コピーと文書
  (ア) 判例の立場
  (イ) 学説
  (ウ) 写真コピーの文書性
    *肯定判例の定着
 2 偽造の意義 455
 (1) 広義の偽造
 (2) 狭義の偽造
 (3) 虚偽文書作成と変造
 (4) 形式主義と実質主義
 (5) 有形偽造
  (ア) 狭義の偽造の内容
   (a) 名義人と作成者
   (b) 偽造の程度
   (c) 偽造の方法・手段
  (イ) 変造
   (a) 要件
     *偽造と変造の区別
   (b) 変造の手段・方法
 (6) 無形偽造(虚偽文書の作成)
  (ア) 有形偽造との区別
    *偽造と虚偽文書作成との間の錯誤
  (イ) 無形偽造の手段・方法
 3 行使 460
 (1) 意義
 (2) 客体
 (3) 行使の方法・程度
   *行使罪に関する判例
 (4) 行使の相手方
   *積極説の判例
 (5) 行使の目的
3  詔書偽造等罪…463
 1 意義 464
 2 客体 464
 3 行為 464
4  公文書偽造等罪…464
 1 意義 465
 2 有印公文書偽造等罪 465
 (1) 主体
   *補助公務員の作成権限
 (2) 客体
   *公文書の例
 (3) 行為
  (ア) 印章・署名
  (イ) 印章・署名の使用
  (ウ) 偽造・変造
 3 無印公文書偽造等罪 468
5  虚偽公文書作成等罪…468
 1 意義 468
 2 主体 469
 3 行為 469
 (1) 虚偽公文書の作成
  (ア) 虚偽の記載
  (イ) 間接正犯
    *間接正犯を認めた判例
 (2) 虚偽公文書の変造
 4 処罰 471
6  公正証書原本不実記載等罪…472
 1 意義 472
 2 公正証書原本不実記載罪 472
 (1) 客体
 (2) 行為
  (ア) 公務員
  (イ) 虚偽の申立て
  (ウ) 不実の記載・記録
  (エ) 着手・既遂時期
  (ォ) 中間省略の登記
 (3) 故意
 3 免状等不実記載罪 475
 (1) 客体
 (2) 行為
7  偽造公文書・虚偽公文書行使等罪…476
 1 客体 476
 2 行為 476
8  私文書偽造等罪…477
 1 意義 477
 2 私文書偽造罪 477
 (1) 客体
   *判例における事実証明に関する文書
 (2) 行為
  (ア) 代理名義の冒用
    *代理名義の冒用をめぐる学説
  (イ) 代理権限の濫用
    *代理権限濫用と文書偽造
  (ウ) 肩書の冒用
    *資格の冒用
  (エ) 名義人の同意
  (ォ) 通称名の使用
    *偽名・仮名の使用
 3 有印私文書偽造罪 484
  *判例における署名
 4 有印私文書変造罪 485
 5 無印私文書偽造罪・無印私文書変造罪 485
9  虚偽診断書等作成罪(虚偽私文書作成罪)…486
 1 主体 486
 2 客体 486
 3 行為 486
10  偽造私文書・虚偽診断書等行使罪…487
11  罪数・他罪との関連…487
 1 一般基準 487
 2 偽造・変造等の罪とその行使罪 488
12  電磁的記録不正作出罪…489
 1 意義 489
 2 私電磁的記録不正作出罪 490
 (1) 客体
 (2) 行為
   *虚偽記録の作出は不正作出か
 (3) 主観的要件
 3 公電磁的記録不正作出罪 492
 4 他罪との関連 492
13  不正作出電磁的記録供用罪…493
 1 意義 493
 2 客体 493
 3 行為 494
 4 主観的要件 494
 5 未遂罪 494
 6 罪数・他罪との関連 494
第3節 有価証券偽造の罪…495
1  総説…495
 1 意義 495
 2 通貨との類似性 495
  *有価証券偽造の特別罪
2  有価証券偽造等罪…496
 1 客体 496
 (ア) 有価証券の意義
   *「有価証券」に当たらない例
 (イ) テレホンカードの偽造・変造
  (a) 問題点
  (b) 有価証券性
    *テープ貼付カード
 2 行為 499
 (1) 偽造
   *架空人名義の冒用
 (2) 変造
 3 主観的要件 501
3  有価証券虚偽記入罪…501
 1 客体 501
 2 行為 501
 3 目的・罪数 503
4  偽造有価証券行使等罪…503
 1 客体 503
 2 行為 503
 3 目的 504
 4 罪数 504
第4節 支払用カード電磁的記録に関する罪…504
1  総説…504
 1 意義 504
 2 保護法益 505
2  支払用カード電磁的記録不正作出等罪…506
 1 支払用カード電磁的記録不正作出罪 506
 (1) 意義
 (2) 客体
 (3) 行為
 (4) 主観的要件
 (5) 未遂罪・他罪との関連
 2 不正電磁的記録カード供用罪 509
 (1) 意義
 (2) 客体
 (3) 行為
 (4) 主観的要件
 (5) 未遂罪・他罪との関係
 3 不正電磁的記録カード譲り渡し・貸し渡し・輸入罪 510
 (1) 譲り渡し罪
 (2) 貸し渡し罪
 (3) 輸入罪
3  不正電磁的記録カード所持罪…510
 1 意義 510
 2 行為 511
4  支払用カード電磁的記録不正作出準備罪…511
 1 意義 511
 (1) 客体
 (2) 行為
  (ア) 電磁的記録情報取得・提供罪
  (イ) 電磁的記録情報保管罪
  (ウ) 電磁的記録情報機器等準備罪
5  罪数関係…512
 1 適用 512
 2 具体例 513
第5節 印章偽造の罪…513
1  総説…513
 1 意義 513
 2 印章・署名の真正の保護 514
2  印章・署名…515
 1 印章 515
 (1) 印章と印顆
 (2) 省略文書
 (3) 印章の範囲
 2 署名 516
3  御璽偽造罪・御璽不正使用等罪…517
4  公印偽造罪…518
 1 客体 518
 2 行為 518
5  公印不正使用等罪…518
 1 客体 519
 2 行為・故意 519
 3 他罪との関連 519
6  公記号偽造罪…520
 1 意義 520
 2 客体 520
 3 行為 521
7  公記号不正使用等罪…521
8  私印偽造罪…521
9  私印不正使用等罪…522
第6節 不正指令電磁的記録に関する罪…522
1  総説…522
 1 意義 522
  *コンピュータ・ウイルス
 2 保護法益 523
2  不正指令電磁的記録作成等罪…523
 1 客体 523
 (1) 不正指令電磁的記録
 (2) その他の記録
 2 行為 524
 (1) 不正指令電磁的記録作成罪
 (2) 不正指令電磁的記録提供罪
 (3) 不正指令電磁的記録供用罪
 (4) 未遂罪
 3 主観的要件 525
3  不正指令電磁的記録収得等罪…526
 1 行為 526
 2 罪数関係 526

第4章 風俗に対する罪…527
第1節 わいせつおよび重婚の罪…527
1  総説…527
 1 意義 527
  *特別法の規定
 2 わいせつの意義と判断方法 528
 (1) わいせつの意義
   *規範的構成要件要素としてのわいせつ性
 (2) わいせつ性の判断方法
  (ア) 諸見解
  (イ) 判例
  (ウ) 春画・春本論
    *わいせつ物の有害性
2  公然わいせつ罪…531
 1 行為 531
  *わいせつ行為の例
 2 ストリップ・ショウ 532
 (1) 演者と興行主との関係
 (2) 罪数
3  わいせつ物頒布等罪…533
 1 総説 533
 2 客体 534
 (1) 文書・図画
 (2) 電磁的記録に係る記録媒体
 (3) その他の物
 (4) 電磁的記録その他の記録
 3 行為 535
 (1) 頒布
 (2) 公然陳列
 (3) 所持・保管
 4 故意 537
 5 罪数 537
 6 法定刑 537
4  重婚罪…538
 1 意義 538
 2 主体 538
  *姦通罪
 3 行為 539
第2節 賭博および富くじに関する罪…539
1  総説…539
2  賭博罪…540
 1 行為 540
 (1) 偶然の勝敗
   *片面的賭博
 (2) 財物の得喪
 2 違法性阻却事由 541
3  常習賭博罪…542
 1 意義 542
 2 主体 543
  *遊戯場経営者の常習性
 3 行為 544
 4 共犯・累犯加重 544
 (1) 共犯関係
 (2) 累犯
4  賭博場開張図利罪・博徒結合図利罪…545
 1 賭博場開張図利罪 545
 (1) 行為
 (2) 主観的要件
 (3) 既遂
 (4) 罪数
 2 博徒結合図利罪 546
5  富くじ罪(富くじ発売罪・富くじ取次ぎ罪・富くじ授受罪)…546
 1 意義 547
 2 類型 547
第3節 礼拝所および墳墓に関する罪…547
1  総説…547
2  礼拝所不敬罪…548
 1 客体 548
 2 行為 548
  *公然不敬行為の例
3  説教等妨害罪…549
 1 客体 549
 2 行為 549
4  墳墓発掘罪…550
 1 客体 550
 2 行為 550
5  死体損壊等罪…550
 1 客体 550
 2 行為 551
 (1) 損壊・遺棄
   *死体の放置と遺棄
 (2) 行為
   *納棺物と財物罪
 (3) 他罪との関連
6  墳墓発掘死体損壊等罪…553
7  変死者密葬罪…553
*変死者の例

第3編 国家法益に対する罪
第1章 国家の存立に対する罪…557
第1節 内乱に関する罪…557
1  総説…557
*特別法
2  内乱罪…558
 1 主体 558
 2 行為 559
 3 主観的要件 560
 (1) 故意
 (2) 目的
 4 処罰の態様 560
 (1) 首謀者
 (2) 謀議参与者・群衆指揮者
 (3) 職務従事者
 (4) 付和随行者・暴動参加者
 5 共犯 561
3  内乱予備・陰謀罪…562
4  内乱幇助罪…562
第2節 外患に関する罪…563
1  総説…563
*保護主義
2  外患誘致罪…564
3  外患援助罪…564
4  外患予備・陰謀罪…565
第3節 国交に関する罪…565
1  総説…565
*改正前の規定
2  外国国章損壊罪…566
 1 客体 566
 2 行為 567
 3 目的 567
 4 請求 568
3  私戦予備・陰謀罪…568
 1 行為 568
 2 目的 568
4  中立命令違反罪…569
 1 意義 569
 2 行為の状況 569
 3 行為 569

第2章 国家の作用に対する罪…571
第1節 公務員と公務所…571
1  総説…571
2  公務員の意義…572
 1 国または地方公共団体の職員 572
 2 法令により公務に従事する者 572
  *公務と公務員
 3 議員,委員,その他の職員 573
  *機械的労働と職員
3  公務所の意義…575
第2節 公務の執行を妨害する罪…575
1  総説…575
*公務の保護と憲法14条
2  公務執行妨害罪…576
 1 客体 576
 2 行為 576
 (1) 職務の執行
   *「執行するに当たり」の例
 (2) 職務執行の適法性
  (ア) 適法性の意義
  (イ) 適法性の要件
   (a) 抽象的権限
   (b) 具体的権限
   (c) 要件・方式の履践
     *要件・方式の違背と判例
  (ウ) 判断基準
    *判例と適法性の判断方法
 (3) 行為
   *公務員に向けられた暴行の事例
 (4) 妨害
   *1回の瞬間的暴行
 3 故意 584
  *適法性の錯誤と判例
 4 罪数・他罪との関連 584
3  職務強要罪・辞職強要罪…585
 1 意義 585
 2 行為 585
 3 目的 585
4  封印等破棄罪…586
 1 客体 587
 (1) 封印・差押えの表示
 (2) 違法性の要件
   *法改正の趣旨
 2 行為 588
 3 故意 589
  *適法性に関する錯誤の判例
 4 法定刑 589
 5 他罪との関連 590
5  強制執行妨害目的財産損壊等罪…590
 1 意義 590
 2 主体 591
 3 目的 591
 4 行為 592
 (1) 1号の行為
 (2) 2号の行為
 (3) 3号の行為
6  強制執行行為妨害等罪…594
 1 意義 594
 2 1項の罪 595
 3 2項の罪 595
7  強制執行関係売却妨害罪…596
 1 意義 596
 2 客体 597
 3 行為 597
8  加重封印等破棄等罪…598
 1 趣旨 598
 2 行為 598
9  公契約関係競売等妨害罪…599
 1 意義 599
  *不動産競売における特別売却手続
 2 行為 600
  *偽計競争入札妨害罪の例
10  談合罪…601
 1 意義 601
 2 目的 601
 (1) 公正な価格
 (2) 二つの目的の関係
3 行為 603
第3節 逃走の罪…603
1  総説…603
2  逃走罪…604
 1 主体 604
 2 行為 604
  *未遂
3  加重逃走罪…605
 1 主体 605
 2 行為 606
 3 実行の着手 606
4  被拘禁者奪取罪…607
 1 客体 607
 2 行為 607
5  逃走援助罪…608
 1 意義 608
 2 行為 608
  *被拘禁者奪取罪の未遂と本罪
6  看守者等による逃走援助罪…609
 1 主体 609
 2 行為 609
第4節 犯人蔵匿および証拠隠滅の罪…610
1  総説…610
*本罪の性質
2  犯人蔵匿等罪…611
 1 客体 611
  *真犯人であることの審判
 2 行為 613
 3 故意 614
 4 罪数 614
 5 共犯関係 614
  *犯人隠避罪を認めた事例
3  証拠隠滅等罪…615
 1 客体 615
 (1) 共犯者の刑事事件
 (2) 「刑事事件」の意味
 2 行為 617
 (1) 証拠の隠滅
 (2) 証拠の偽造・変造
   *参考人の虚偽供述
 3 他罪との関連 618
 4 共犯関係 619
4  親族間の犯罪…620
 1 親族間の犯罪に関する特例 620
 (1) 意義
 (2) 要件
 2 親族の他人への教唆行為 620
 3 他人の親族への教唆行為 621
 4 犯人の親族への教唆行為 621
5  証人等威迫罪…622
 1 意義 622
 2 客体 622
 3 行為 623
  *強請強談・威迫
 4 故意 624
 5 罪数 624
第5節 偽証の罪…624
1  総説…624
*本罪の特別罪
2  偽証罪…625
 1 主体 625
 2 行為 625
 (1) 宣誓
   *被告人の親族による偽証
 (2) 虚偽の陳述
  (ア) 宣誓
    *事後宣誓と判例
  (イ) 虚偽の意義
    *判例における「虚偽」
 (3) 間接正犯
 3 主観的要素 629
 4 着手時期と既遂 629
 5 共犯 630
 6 罪数 631
3  虚偽鑑定等罪…631
 1 主体 631
 2 行為 631
4  自白による刑の減免…632
第6節 虚偽告訴の罪…632
1  総説…632
2  虚偽告訴等罪…633
 1 行為 633
 2 主観的要素 634
 (1) 故意
 (2) 目的
 3 罪数 636
3  自白による刑の減免…636
第7節 汚職の罪…636
第1款 職権濫用の罪…637
1  総説…637
*職権濫用罪の沿革
2  公務員職権濫用罪…638
 1 主体 638
 2 行為 638
 (1) 職権の濫用
  (ア) 職権の意義
  (イ) 濫用行為
    *電話盗聴と職権濫用
 (2) 結果
   *職権濫用の参考例
 3 罪数 642
3  特別公務員職権濫用罪…642
 1 主体 642
 2 行為 643
4  特別公務員暴行陵虐罪…643
 1 主体 643
 2 客体 644
 3 行為 644
 4 違法性阻却事由・罪数 644
5  特別公務員職権濫用致死傷罪・特別公務員暴行陵虐致死傷罪…645
第2款 賄賂の罪…645
1  総説…645
 1 意義 645
  *賄賂の罪の立法主義
 2 沿革 646
2  賄賂の意義…647
 1 職務関連性 647
 (1) 「職務に関し」の意義
   *内閣総理大臣・国務大臣の職務権限
 (2) 転職前の職務
 (3) 職務密接関連行為
   *職務密接関連行為と判例
 2 賄賂の意義 651
 (1) 賄賂の目的物
   *判例における賄賂
 (2) 対価的関係
3  収賄罪…653
 1 主体 653
 2 行為 653
 3 故意 653
4  受託収賄罪…654
*将来の職務に関する受託
5  事前収賄罪…654
 1 主体 655
 2 行為 655
6  第三者供賄罪…655
 1 意義 655
 2 行為 655
7  加重収賄罪…656
 1 意義 656
 2 主体 656
 3 行為 657
8  事後収賄罪…657
9  あっせん収賄罪…658
 1 意義 658
 2 主体 659
  *地位利用と学説・判例
 3 行為 659
10  没収・追徴…660
 1 意義 660
 2 対象者 660
 3 没収の対象 660
  *任意的没収の場合
 4 追徴 661
  *追徴価額算定の基準
11  贈賄罪…662
 1 主体 662
 2 行為 662
 3 収賄罪との関係 663
12  贈収賄罪と他罪・罪数…663
 1 他罪との関連 663
 2 罪数 664

事項索引…665
判例索引…673