責任と刑罰の現在
城下裕二 著
定価:8,800円(税込)-
在庫:
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発行:
2019年12月20日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
422頁 -
ISBN:
978-4-7923-5293-6
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内容紹介
[目 次]
はしがき
第1部 責任論とその周辺
第1章 責任論の展望―特別予防論との関係から
Ⅰ 問題の所在…3
Ⅱ 責任能力と特別予防…7
Ⅲ 故意概念と特別予防…10
Ⅳ 量刑における責任と特別予防―死刑選択基準を中心に―…14
第2章 数故意犯説と責任主義
Ⅰ はじめに…19
Ⅱ 前提…20
Ⅲ 東京高裁平成14年判決による「解決」…28
Ⅳ 「責任の量」による解決の問題性…34
第3章 アスペルガー症候群と刑事責任
Ⅰ はじめに…38
Ⅱ 判例の動向…40
Ⅲ 大阪高裁平成25年判決について…49
Ⅳ 検討…55
第4章 窃盗症(クレプトマニア)・摂食障害と刑事責任
Ⅰ 問題の所在…63
Ⅱ 窃盗症・摂食障害の各症状および両者の関係…64
Ⅲ 判例の概観…68
Ⅳ 検討…79
第5章 「責任無能力者の故意」について ―心神喪失者等医療観察法における対象行為の主観的要件
Ⅰ 問題の所在…89
Ⅱ 近時の判例に関する検討:2つのアプローチ…92
Ⅲ 若干の考察…102
〔事例研究①〕 小 学校に侵入して児童8人を殺害するとともに児童等15人を負傷させた殺人,殺人未遂等の事案について,被告人の完全責任能力を認め,死刑が言い渡された事例(大阪教育大学附属池田小学校児童殺傷事件判決)…108
〔事例研究②〕 高齢者の万引き窃盗につき,弁護人の精神鑑定請求を却下して完全責任能力を認めた第一審の訴訟手続には法令違反があるとされた事例(①事件) ①事件の差戻審として精神鑑定を実施し,被告人はアルツハイマー型認知症にり患していると認めたが,それが犯行に大きく影響したことを否定して完全責任能力を肯定し,同認知症の影響及び再犯防止策等を考慮して罰金刑を選択した事例(②事件)…122
第2部 罪数論の課題
第6章 混合的包括一罪の再検討
Ⅰ はじめに…141
Ⅱ 前提…142
Ⅲ 判例の状況…146
Ⅳ 検討…158
Ⅴ おわりに…169
[補論]…170
第7章 連続的包括一罪の限界
Ⅰ 問題の所在…172
Ⅱ 従来の判例…173
Ⅲ 最高裁平成22年決定とその評価…183
Ⅳ 結語…192
〔事例研究③〕 確定判決前後の犯行にそれぞれ懲役24年と懲役26年の刑を言い渡し,両者を併科した事例…194
〔事例研究④〕 労働基準法32条1項(週単位規制)違反の罪と同条2項(日単位規制)違反の罪との罪数関係…201
第3部 量刑論の展開
第8章 量刑をめぐる近時の動向
Ⅰ はじめに…209
Ⅱ 量刑基準の構造…210
Ⅲ 裁判員裁判における量刑…212
Ⅳ 「合意制度」の導入による検察官の求刑との関係…218
第9章 犯罪被害者と量刑
Ⅰ 問題の所在…221
Ⅱ 前提的考察…222
Ⅲ 個別的検討…224
Ⅳ おわりに…231
第10章 裁判員裁判における量刑判断
Ⅰ 本章の目的…233
Ⅱ 裁判員裁判における量刑の動向…234
Ⅲ 量刑判断の過程と裁判員の関与…242
Ⅳ 保護観察付執行猶予の増加…250
Ⅴ 情状鑑定と量刑判断…253
[補論]…262
第11章 裁判員裁判と「同種事犯の量刑傾向」
Ⅰ 問題の所在…266
Ⅱ 最高裁平成26年判決について…270
Ⅲ 検討…275
〔事例研究⑤〕 被害者参加制度の下で審理が行われた自動車運転過失致死(改正前)の事案について,本件事故に係る過失の態様や被告人の供述状況等に照らすと,同種事犯に対するこれまでの量刑傾向を批判的に検討しても,被告人を実刑に処するのはいささか重きに失するといわなければならないとして,被告人に対し,執行猶予付きの禁錮刑を言い渡した事例…284
〔事例研究⑥〕 迷惑防止条例違反の事案について,長期の未決勾留に先立つ捜査機関の手続に違法があったことも考慮して,懲役4月の求刑に対して被告人を罰金50万円に処した事例…292
〔事例研究⑦〕 生活に困窮し,精神的に追い込まれた状況で突発的に当時13歳の実子を殺害した母親に対して,懲役7年の判決が言い渡された事例…300
第4部 死刑と無期懲役をめぐって
第12章 裁判員裁判における死刑選択基準
Ⅰ 問題の所在…311
Ⅱ 裁判員裁判における死刑判決の動向…313
Ⅲ 最高裁平成27年2決定の意義…316
Ⅳ 死刑の一般的選択基準…323
第13章 無期刑受刑者の仮釈放をめぐる諸問題
Ⅰ はじめに…333
Ⅱ 無期懲役の科刑状況…334
Ⅲ 無期刑受刑者の仮釈放に関する動向と問題点…336
Ⅳ おわりに…352
[補論]…352
〔事例研究⑧〕 1審で裁判員の参加する合議体が強盗殺人等の事案につき死刑を選択したのに対し,控訴審が,前科を除けば死刑を選択し難い本件について,本件と前科との間に社会的な類似性は認められず,前科を重視して死刑を選択するには疑問があるなどとして,原判決を破棄して無期懲役刑を言い渡した事例(南青山マンション強盗殺人事件控訴審判決)…358
〔事例研究⑨〕 少年事件の裁判員裁判で初めて死刑が言い渡された第1審判決の量刑が維持された事例(石巻事件控訴審判決)…372
書評
Ⅰ はじめに…385
Ⅱ 本書の内容…386
Ⅲ コメント…393
事項索引…397
判例索引…399
はしがき
第1部 責任論とその周辺
第1章 責任論の展望―特別予防論との関係から
Ⅰ 問題の所在…3
Ⅱ 責任能力と特別予防…7
Ⅲ 故意概念と特別予防…10
Ⅳ 量刑における責任と特別予防―死刑選択基準を中心に―…14
第2章 数故意犯説と責任主義
Ⅰ はじめに…19
Ⅱ 前提…20
Ⅲ 東京高裁平成14年判決による「解決」…28
Ⅳ 「責任の量」による解決の問題性…34
第3章 アスペルガー症候群と刑事責任
Ⅰ はじめに…38
Ⅱ 判例の動向…40
Ⅲ 大阪高裁平成25年判決について…49
Ⅳ 検討…55
第4章 窃盗症(クレプトマニア)・摂食障害と刑事責任
Ⅰ 問題の所在…63
Ⅱ 窃盗症・摂食障害の各症状および両者の関係…64
Ⅲ 判例の概観…68
Ⅳ 検討…79
第5章 「責任無能力者の故意」について ―心神喪失者等医療観察法における対象行為の主観的要件
Ⅰ 問題の所在…89
Ⅱ 近時の判例に関する検討:2つのアプローチ…92
Ⅲ 若干の考察…102
〔事例研究①〕 小 学校に侵入して児童8人を殺害するとともに児童等15人を負傷させた殺人,殺人未遂等の事案について,被告人の完全責任能力を認め,死刑が言い渡された事例(大阪教育大学附属池田小学校児童殺傷事件判決)…108
〔事例研究②〕 高齢者の万引き窃盗につき,弁護人の精神鑑定請求を却下して完全責任能力を認めた第一審の訴訟手続には法令違反があるとされた事例(①事件) ①事件の差戻審として精神鑑定を実施し,被告人はアルツハイマー型認知症にり患していると認めたが,それが犯行に大きく影響したことを否定して完全責任能力を肯定し,同認知症の影響及び再犯防止策等を考慮して罰金刑を選択した事例(②事件)…122
第2部 罪数論の課題
第6章 混合的包括一罪の再検討
Ⅰ はじめに…141
Ⅱ 前提…142
Ⅲ 判例の状況…146
Ⅳ 検討…158
Ⅴ おわりに…169
[補論]…170
第7章 連続的包括一罪の限界
Ⅰ 問題の所在…172
Ⅱ 従来の判例…173
Ⅲ 最高裁平成22年決定とその評価…183
Ⅳ 結語…192
〔事例研究③〕 確定判決前後の犯行にそれぞれ懲役24年と懲役26年の刑を言い渡し,両者を併科した事例…194
〔事例研究④〕 労働基準法32条1項(週単位規制)違反の罪と同条2項(日単位規制)違反の罪との罪数関係…201
第3部 量刑論の展開
第8章 量刑をめぐる近時の動向
Ⅰ はじめに…209
Ⅱ 量刑基準の構造…210
Ⅲ 裁判員裁判における量刑…212
Ⅳ 「合意制度」の導入による検察官の求刑との関係…218
第9章 犯罪被害者と量刑
Ⅰ 問題の所在…221
Ⅱ 前提的考察…222
Ⅲ 個別的検討…224
Ⅳ おわりに…231
第10章 裁判員裁判における量刑判断
Ⅰ 本章の目的…233
Ⅱ 裁判員裁判における量刑の動向…234
Ⅲ 量刑判断の過程と裁判員の関与…242
Ⅳ 保護観察付執行猶予の増加…250
Ⅴ 情状鑑定と量刑判断…253
[補論]…262
第11章 裁判員裁判と「同種事犯の量刑傾向」
Ⅰ 問題の所在…266
Ⅱ 最高裁平成26年判決について…270
Ⅲ 検討…275
〔事例研究⑤〕 被害者参加制度の下で審理が行われた自動車運転過失致死(改正前)の事案について,本件事故に係る過失の態様や被告人の供述状況等に照らすと,同種事犯に対するこれまでの量刑傾向を批判的に検討しても,被告人を実刑に処するのはいささか重きに失するといわなければならないとして,被告人に対し,執行猶予付きの禁錮刑を言い渡した事例…284
〔事例研究⑥〕 迷惑防止条例違反の事案について,長期の未決勾留に先立つ捜査機関の手続に違法があったことも考慮して,懲役4月の求刑に対して被告人を罰金50万円に処した事例…292
〔事例研究⑦〕 生活に困窮し,精神的に追い込まれた状況で突発的に当時13歳の実子を殺害した母親に対して,懲役7年の判決が言い渡された事例…300
第4部 死刑と無期懲役をめぐって
第12章 裁判員裁判における死刑選択基準
Ⅰ 問題の所在…311
Ⅱ 裁判員裁判における死刑判決の動向…313
Ⅲ 最高裁平成27年2決定の意義…316
Ⅳ 死刑の一般的選択基準…323
第13章 無期刑受刑者の仮釈放をめぐる諸問題
Ⅰ はじめに…333
Ⅱ 無期懲役の科刑状況…334
Ⅲ 無期刑受刑者の仮釈放に関する動向と問題点…336
Ⅳ おわりに…352
[補論]…352
〔事例研究⑧〕 1審で裁判員の参加する合議体が強盗殺人等の事案につき死刑を選択したのに対し,控訴審が,前科を除けば死刑を選択し難い本件について,本件と前科との間に社会的な類似性は認められず,前科を重視して死刑を選択するには疑問があるなどとして,原判決を破棄して無期懲役刑を言い渡した事例(南青山マンション強盗殺人事件控訴審判決)…358
〔事例研究⑨〕 少年事件の裁判員裁判で初めて死刑が言い渡された第1審判決の量刑が維持された事例(石巻事件控訴審判決)…372
書評
Ⅰ はじめに…385
Ⅱ 本書の内容…386
Ⅲ コメント…393
事項索引…397
判例索引…399