巨大地震が地下水環境に与えた影響

巨大地震が地下水環境に与えた影響

―2016熊本地震から何を学ぶか―
嶋田 純・細野高啓 編
定価:2,750円(税込)
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  • 発行:
    2020年01月30日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    236頁
  • ISBN:
    978-4-7923-9276-5
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内容紹介

[目 次]

はじめにi

第1章 熊本の地下水と2016年熊本地震   1
Ⅰ 世界が認めた熊本の地下水   1
Ⅱ 広大な阿蘇火砕流山麓台地の豊富な地下水の積極的利用   1
Ⅲ 熊本地域の水理地質と地下水流動系   2
Ⅳ 科学的裏付けのある持続的地下水管理の先進地域   4
Ⅴ 平成28年(2016年)熊本地震   6

第2章 熊本地域の地下水観測体制   11
Ⅰ 地下水位の観測方法と観測体制   11
Ⅱ 熊本地震が観測システムに与えた影響   18

第3章 熊本地域の3次元地下水流動モデル   23
Ⅰ 熊本地域地下水流動モデルの基本諸元   23
Ⅱ ヒストリーマッチングから得られた観測データの再現状況   28
Ⅲ 熊本地域の地下水流動系の可視化   31
Ⅳ 熊本地震後に生じた地下水変化の再現検討のためのモデル変更   31

第4章 水前寺成趣園湧水池の枯渇とその原因究明   35
Ⅰ 地震直後に観察された地下水位の変化   35
Ⅱ 地下水位低下をもたらした原因   40
Ⅲ 地下水流動モデルを用いた検証   46
Ⅳ 湧水池はなぜ枯渇したのか   49

第5章 阿蘇外輪山西麓斜面から台地地域における地震に伴う地下水の異常水位上昇とその原因   53
Ⅰ 熊本地震後の地下水位上昇について   53
Ⅱ 地震後に上昇した地下水位の評価・推定方法   59
Ⅲ 異常水位の考察   70
Ⅳ 地下水流動モデルによる異常水位の再現検討   77

第6章 地下温度プロファイルの繰り返し測定による熊本地震に伴う地下水流動変化の解明   87
Ⅰ 地下温度を指標とした地下水環境評価   87
Ⅱ 地下温度データの入手方法と地下温度プロファイル繰り返し測定の意義   88
Ⅲ 地下温度分布に認められる地下水流動と環境変化の影響   90
Ⅳ 熊本地震後の地下温度プロファイルの繰り返し測定と過去データを含めた時系列比較   92
Ⅴ 熊本地域における地下温度の長期変化   94
Ⅵ 熊本地震後の特異な地下温度変化の検出と地下水変動の検討   98
Ⅶ 地下水環境評価における継続調査と地下水観測井の重要性   103

第7章 水道水源井や地下水観測井の水質に見えた地震に伴う変化   107
Ⅰ 熊本市,上下水道局,国交省の観測井戸における水質データ解析   107
Ⅱ 山体地下水の混合効果(希釈現象)   110
Ⅲ 深部流体の寄与   113
Ⅳ 岩石の風化作用   115
Ⅴ 地表物質の落下   118
Ⅵ 山麓湧水の地震前後における環境トレーサー濃度変化   124
Ⅶ 広域地下水流動系における水質変化   129

第8章 塩井社水源の地震に伴う枯渇と2年後の回復   135
Ⅰ 南阿蘇村湧水群の地形・地質と水文概要   135
Ⅱ 塩井社水源における各種変動状況   139
Ⅲ 地下水流動モデルによる塩井社水源の枯渇・復活要因の検討   144
Ⅳ おわりに   149

第9章 白川中流域農耕地における震災被害と人工地下水涵養事業への影響   151
Ⅰ 白川中流域における休耕田水張事業   151
Ⅱ 地下水位・湧水量モニタリング記録に見る地震被災の影響   154
Ⅲ 熊本地域の3次元地下水流動モデルを用いた思考実験   157

第10章 益城町震災地域の被災状況と地域地下水・地形による影響   165
Ⅰ 益城町市街地の地表地震断層と建築物被害分布   166
Ⅱ なぜ丘陵地が強震動となったのか   173
Ⅲ まとめ   179

第11章 熊本地震による上水道被災状況とその後の復旧活動   183
Ⅰ 熊本市水道事業の概要   183
Ⅱ 熊本地震発生直後の状況   184
Ⅲ 水道施設の被害状況   185
Ⅳ 応急給水活動   192
Ⅴ 応急復旧活動   196
Ⅵ 復旧復興に向けて   199
Ⅶ おわりに   201

第12章 熊本地震時の地域住民の水利用の実態と課題及びその後の取り組み   203
Ⅰ はじめに   203
Ⅱ 熊本地震時の地下水利用の実態   203
Ⅲ 災害時の地下水に関する課題・問題   211
Ⅳ 地下水利用と管理における教訓   211
Ⅴ 熊本地震後の対応について   212
Ⅵ おわりに   213

おわりに   215
事項索引   219
執筆者一覧   223