裁判と法律のあいだ
新基礎法学叢書⑰

裁判と法律のあいだ

―ドイツ憲法の視角から―
北村幸也 著
定価:6,600円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2020年03月10日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    352頁
  • ISBN:
    978-4-7923-0658-8
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内容紹介


[目 次]

はしがき i
既発表論文一覧 vi
凡例 vii

序論 1

第1章 
ドイツ法における《裁判による法形成》の論じ方    17
第1節 法解釈方法論の領域における用語法   17
 1.ラーレンツによる通説的な説明   17
 2.通説的な説明の疑問点   24
 3.類義語としての「裁判官法」   30
第2節 その他の分野における用語法   31
 1.憲法学説における用語法   32
 2.訴訟法の文脈における用語法   33
第3節 本書の主題と訳語の選択   37
 1.本書における考察の対象   37
 2.「Rechtsfortbildung」はどのように翻訳するべきか?   41

第2章 連邦憲法裁判所判例の展開   51
第1節 初期の判例(1980年代まで)   53
 1.リーディング・ケース   53
 2.1980年代までの判例の展開   66
 3.小括   72
 4.[補論]別系列の判例   73
第2節 1990年代の判例   76
 1.一般的・抽象的な定式の形成・発展   76
 2.裁判官法による労働争議法の形成の限界   89
 3.小 括   93
第3節 2000年代以降の判例   94
 1.未決着の論点の顕在化   94
 2.従来の路線の維持とその拡充   101
 3.憲法的観点からの利益衡量による拡張・収縮   106
 4.[補論]連邦憲法裁判所の判例に「転回」はあったか?   115
これまでのまとめと次の課題   119

第3章 法律による拘束の相対化   123
第1節 「法律および法」による拘束   123
 1.「法律を超える法」に基づく裁判?   125
 2.《基本権の保護・実現》という論理の射程   134
第2節 裁判拒絶の禁止   143
 1.肯定説   145
 2.肯定説に対する反論(否定説)   151
 3.検討   154

第4章  立法と裁判の協働による分業的法形成と権力分立の理論   157
第1節 立法と裁判の協働による法形成   157
 1.議会による立法の限界   159
 2.裁判所に期待される役割   160
 3.[補論]裁判所構成法132条4項について   162
 4.小括   164
第2節 機能的権力分立論による憲法論的整序の可否   166
 1.機能的権力分立論とは   166
 2.立法と裁判の手続比較   169
 3.検討   184
これまでのまとめと次の課題   191

第5章 裁判官が法律に拘束されることの意味について   193
第1節 裁判の民主的正統化   193
 1.基本法における裁判官の独立性保障   195
 2.裁判はどのようにして民主的に正統化されるか?   200
 3.小括   224
第2節 法律の留保と裁判   226
 1.裁判官法による労働争議法の形成と本質性理論   227
 2.裁判は法律の留保に服するか?   239
これまでのまとめと次の課題   264

第6章 憲法・法解釈・法理論   267
第1節 方法論的統制   267
 1.憲法論と方法論   267
 2.憲法論としての方法論   271
 3.検討   283
第2節 法理論的再構築   287
 1.法の適用・定立・付加形成、あるいは《法律による拘束》の原則と例外   287
 2.《法創出授権》の理論   292

結語   317

事項索引   339