刑事法の基礎理論

刑事法の基礎理論

尾﨑道明 著
定価:4,400円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2020年04月30日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    196頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5297-4
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内容紹介


《目 次》

はしがき i
初出一覧 xi

第1部 刑法の基礎理論
刑法の基礎理論  3
Ⅰ はじめに  4
Ⅱ 人の意識における決定とその特殊性、決定論と非決定論  5
Ⅲ 目的刑論と規範的抑止―刑法の第1の政策的基礎―  8
 1 刑の目的の功利主義的把握 (8)
 2 規範的抑止論―一般的抑止に対する批判と反批判―(9)
Ⅳ 自由の保障とこれを前提とした合理的な立法 ―刑法の第2の政策的基礎―  14
 1 憲法的自由の保障 (14)
 2 規範的抑止政策の選択と立法 (15)
 3 合理的な立法と法益の概念 (16)
Ⅴ 規範的抑止論を基礎とする刑法体系  18
 1 規範が影響を与え得る意識活動過程の存在 ―責任能力と期待可能性―(18)
 2 規範的意識活動過程と外部的行為の関係 (20)
 3 結果犯と未遂 (21)
 4 因果関係 (23)
 5 実行行為性―行為規範違反の客観的側面― (25)
 6 責任の性質と故意・過失 (26)
 7 法人その他の組織の犯罪能力 (32)
 8 量刑の科学 (33)

第2部 刑事訴訟法の基礎理論
刑事訴訟法の基礎理論  37
Ⅰ はじめに  38
Ⅱ 刑事訴訟制度を分析する上での基本的な視点  40
Ⅲ アメリカにおける「当事者主義」  44
 1 希望の「当事者主義」 (44)
 2 不十分で恣意的な捜査 (47)
 3 答弁取引を見越した、とりあえずの訴追 (52)
 4 取引の外観を有するにすぎない答弁取引 (53)
 5 論争的手続の中で揺れる陪審裁判 (60)
Ⅳ 刑事訴訟制度の歴史的発展の概観  62
 1 イギリスにおける陪審と自由心証主義の発展 (62)
 2 ヨーロッパ大陸法における法定証拠主義と自由心証主義への移行 (65)
Ⅴ 刑事訴訟制度の政策的原理  69
 1 当事者主義と糺問主義 (69)
 2 事実に基づく裁判(実体的真実主義)といわゆる「形式的真実主義」 (70)
 3 積極的実体的真実主義と消極的実体的真実主義 (73)
 4 侵害的手段の制限とその濫用の防止 (74)
  (1) 憲法的自由の保障 (74)
  (2) 虚偽排除 (75)
  (3) 侵害的手段の事前審査 (76)
 5 捜査・訴追過程 (76)
  (1) 迅速かつ十分な証拠収集 (76)
  (2) 訴追法律家の捜査への関与 (76)
  (3) 弁解の早期把握とこれに対応した迅速かつ集中的な有責・無責証拠の収集 (77)
  (4) 訴追法律家の独立性と中立性 (79)
  (5) 訴追判断の基準 (79)
  (6) 訴追裁量の規制 (82)
 6 供述証拠と非供述証拠 (83)
  (1) 非供述証拠の十分な収集と分析 (83)  
  (2) 原始供述の早期の取得と記録 (84)
 7 自白の取得と利用 (85)
  (1) 自由な自白の取得と利用の許容性 (85)
  (2) 被疑者の取調べの当否と自白の取得過程の手続的規制 (86)
 8 公判審理 (88)
  (1) 公平で能力ある裁判所 (88) 
  (2) 公判審理の意義と「公判中心主義」 (89)
  (3) 公判審理における証拠調べ (90)
  (4) 証拠による確実な事実の認定に基づく罪責の有無の認定 (92)

第3部 刑事法学方法論
刑事法学方法論  97
Ⅰ はじめに  97
Ⅱ 刑事法学の方法に関する基礎理論  99
 1 規範による社会統制 (99)
 2 法規範の実在性 (101)
 3 人の行動に関する決定論 (103)
 4 効用原理 (105)
  (1) 効用原理に基づく決定 (108)
  (2) 存在の原理としての効用原理 (109)
  (3) 効用原理による決定過程の歴史性及び社会性 (111)
  (4) 社会規範の生成と、効用原理による決定の重層性 (114)
  (5) 当為としての効用原理 (115)
 5 効用の比較と社会的選択 (116)
  (1) 効用の比較 (116)
  (2) 政治権力による社会的選択としての法規範 (118)
 6 刑事法規範 (120)
  (1) 外部性と刑事法規範 (121)
  (2) 広義の刑事法学の諸分野 (124)
  (3) 狭義の刑事法学の役割と方法 (125)
Ⅲ 刑事法学の方法  126
 1 実体刑法 (126)
  (1) 行為規範と裁判規範 (126)
  (2) 規範的抑止力 (128)
  (3) 規範的抑止力の大小 (130)
  (4) 憲法的自由と法的安全性 (133)
 2 刑事訴訟法 (134)
  (1) 憲法的自由と法的安全性 (135)
  (2) 侵害的手段の二種別とその許容性 (136)
 3 言葉的技術 (138)
Ⅳ おわりに  139

第4部 本書各部の関連論考
Ⅰ 量刑の科学  143
Ⅱ アメリカ合衆国における組織犯罪の捜査 ―連邦犯罪の捜査を中心として―  147
 Ⅰ はじめに  147
 Ⅱ 実体法  148
  1 RICO法 (149)
   (1) 州際組織 (150)
   (2) 不法活動(前提犯罪)の繰り返し (150)
   (3) RICO法が処罰する行為 (151)
  2 マネーロンダリング罪 (153)
   (1) 経済取引 (155)
   (2) 特定違法行為(前提犯罪) (155)
   (3) マネーロンダリング罪として処罰される行為 (156)
 Ⅲ 捜査手法  159
  1 通信等傍受 (160)
  2 おとり捜査 (161)
 Ⅳ おわりに  162

事項索引163
主要人名索引178