日本国憲法論 第2版
佐藤幸治 著
定価:5,280円(税込)-
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発行:
2020年09月20日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
772頁 -
ISBN:
978-4-7923-0672-4
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内容紹介
第2版 はしがき
初版 はしがき
凡 例
第1編 憲法の基本観念と日本憲法の展開
第1章 憲法の基本観念 3
第1節 憲法の生成と展開 3
Ⅰ 「憲法」の語 3
Ⅱ 立憲主義の成立と展開 4
1 近代以前と古典的立憲主義・中世立憲主義 4
2 近代立憲主義 6
3 成文憲法の普遍化 8
Ⅰ 現代立憲主義 9
1 現代立憲主義の典型的な骨格 9
2 現代立憲主義成立の歴史的背景 10
3 現代立憲主義の諸相と現在 14
第2節 憲法の意義・種別・特性・効力 31
Ⅰ 憲法の意義 31 1 実質憲法と形式憲法 31
2 固有の意味の憲法と立憲的・近代的意味の憲法 31
3 法規範としての憲法と事実状態としての憲法 32
4 実定法的意味の憲法と法論理的意味の憲法 33
Ⅱ 憲法の種別 33
1 存在形式による種別 33
2 改正手続による種別 33
3 制定権威の所在による種別 34
4 規定の内容・性格による種別 35
5 一種の存在論的な種別 35
Ⅰ 憲法の特性 35
1 総説 35
2 憲法の授権規範性 36
3 憲法の最高法規性 36
4 憲法と国際法 38
Ⅱ 憲法の法源と効力 38
1 憲法の法源 38
2 憲法典の地位と機能 40
3 憲法の前文の効力 42
4 憲法判例 43
第3節 憲法の変動と保障 45
Ⅰ 憲法の変動 45
1 憲法の性質 45
2 憲法変動の諸態様 45
Ⅱ 憲法の改正 46
1 総説 46
2 改正の手続 47
3 憲法改正行為の性質と限界 50
Ⅲ 憲法の変遷 53
1 憲法変遷の意味 53
2 評価 53
Ⅳ 憲法の保障(合憲性の統制) 56
1 憲法保障の意義と諸方法 56
2 憲法尊重擁護の責任と義務 57
3 非常手段的憲法保障 60
第2章 日本憲法の展開 67
第1節 明治憲法(大日本帝国憲法)の成立と特質 67
Ⅰ 明治憲法成立の経緯 67
1 明治維新政府の誕生とその基本性格 67
2 明治憲法制定に至る経緯 68
Ⅱ 明治憲法の特質と運用 70
1 明治憲法の内容と特質 70
2 明治憲法の運用 72
第2節 日本国憲法の成立と基本原理 75
Ⅰ 日本国憲法成立の経緯と法理 75
1 日本国憲法成立の経緯 75
2 日本国憲法成立の法理 78
Ⅱ 日本国憲法の基本原理とその展開 81
1 日本国憲法の基本原理 81
2 日本国憲法の展開 87
第3章 日本国憲法と国際社会 90
第1節 「国際協和」の追求 90
1 日本国憲法の対外的な基本姿勢の宣明 90
2 「国際協和」の観念とその具体的追求 91
3 「平和のうちに生存する権利」との関連について 95
第2節 国際協和の法的意味 98
Ⅰ 憲法と国際法 98
1 98条2項の成立の経緯と意義 98
2 国際法と国内法との関係 99
Ⅱ 憲法と国際法の国内法的効力 100
1 国際法の国内実施の方式 100
2 日本国憲法のとる方式 101
Ⅲ 国際法の国内法秩序における効力順位 101
1 国際法の国内法秩序における効力順位 101
2 日本国憲法下の効力順位 102
3 「国際人権」の国法体系における実現 103
第3節 平和の追求─戦争の放棄と戦力の不保持・交戦権の否認 104
Ⅰ 戦争の放棄 104
1 9条成立の背景と経緯 104
2 9条の性格と意味 105
Ⅱ 戦力の不保持と交戦権の否認 113
1 戦力の不保持 113
2 交戦権の否認 117
Ⅲ 立憲主義的統制(文民統制)と平和の維持 118
1 立憲主義的統制(文民統制) 118
2 平和の維持 120
第2編 国民の基本的人権の保障
第1章 基本的人権総論 123
第1節 国民の地位と要件 123
Ⅰ 国民の地位総論 123
Ⅱ 国民の要件 124
1 「日本国民たる要件」 124
2 国籍の取得 125
3 国籍の喪失 127
第2節 基本的人権の観念とその史的展開 128
Ⅰ 基本的人権の観念とその根拠 128
1 「基本的人権」の観念 128
2 「基本的人権」の根拠 129
Ⅱ 基本的人権の史的展開 130
1 基本的人権の史的展開 130
2 わが国における基本的人権思想の展開 133
Ⅲ 国際的人権保障 135
1 人権の国際的保障 135
2 人権条約の国内的実施 136
第3節 基本的人権の憲法的保障とその限界 139
Ⅰ 基本的人権の憲法的保障 139
1 「基本的人権」の憲法的保障 139
2 「基本的人権」の動態的展開 141
3 基本的人権保障の形態 142
4 基本的人権の諸類型と類型論の目的 146
Ⅱ 基本的人権の憲法的保障の限界 149
1 総説 149
2 基本的人権の保障と「公共の福祉」との関係 150
3 「公共の福祉」の内容 152
4 「パターナリスチックな制約」の可能性 154
第4節 基本的人権の享有主体 155
Ⅰ 国民 155
1 総説 155
2 未成年者と基本的人権 155
3 人間存在の属性にかかわる問題 157
4 基本的人権享有の始期と終期 159
Ⅱ 天皇および皇族 160
1 総説 160
2 基本的人権の享有主体性 160
Ⅲ 外国人 161
1 基本的人権の享有主体性 161
2 享有する基本的人権の範囲と程度 163
Ⅳ 法人(団体) 170
1 問題の状況 170
2 法人(団体)が主張しうる基本的人権の範囲と程度 172
第5節 基本的人権の憲法的保障の妥当範囲 176
一般的統治関係と特殊的統治関係 176
1 総説 176
2 伝統的な「特別権力関係の理論」とそこからの離脱 176
3 刑事施設被収容(在監)関係 177
4 公務員関係 180
Ⅰ 私人間の法的関係 184
1 総説 184
2 憲法解釈論上の対応 185
3 基本的視角 187
第6節 国民の憲法上の義務 189
1 総説 189
2 基本的人権に関する一般的な義務と責任 190
3 子女に教育を受けさせる義務 191
4 勤労の義務 191
5 納税の義務 191
第2章 包括的基本的人権 193
第1節 生命・自由および幸福追求権 193
Ⅰ 生命・自由および幸福追求権の人権体系上の位置と性格 193
1 個人の尊重・幸福追求権の思想史的系譜 193
2 個人の尊重・幸福追求権の法的性格 194
Ⅱ 生命・自由および幸福追求権の内容 199
1 総説 199
2 生命・身体の自由 200
3 人格価値そのものにかかわる権利 200
4 人格的自律権(自己決定権) 212
5 適正な手続的処遇を受ける権利 217
6 参政権的権利 219
第2節 法の下の平等 221
Ⅰ 法の下の平等の人権体系上の位置と性格 221
1 総説 221
2 自由と平等 222
3 平等権の法的性格 223
Ⅱ 日本国憲法における「法の下の平等」の意義と具体的制度 225
1 「法の下の平等」の意義 225
2 「法の下の平等」の憲法制度的具体化 232
Ⅲ 「差別」か否かの判断基準 233
1 判断枠組 233
2 具体的事例 234
第3章 消極的権利 243
第1節 精神活動の自由 243
Ⅰ 思想・良心の自由 243
1 総説 243
2 「思想及び良心」の意義 243
3 「思想及び良心の自由」の保障の性格と内容 245
Ⅱ 信教の自由 252
1 総説 252
2 「信教の自由」の保障の性格と内容 252
3 「信教の自由」の限界 255
4 政教分離の原則 260
Ⅲ 学問の自由 269
1 総説 269
2 「学問の自由」の保障の性格と内容 270
3 「学問の自由」の限界 272
4 大学の自治 273
Ⅳ 表現の自由 277
1 総説 277
2 「表現の自由」の保障の性格と内容 279
3 「表現の自由」に対する制約の合憲性判断基準 283
4 情報提供作用に関する制約 293
5 情報受領作用に関する制約 306
6 情報収集作用に関する制約 307
7 マスメディアと国民 315
Ⅴ 集会・結社の自由 318
1 総説 318
2 「集会の自由」の保障の性格と内容 319
3 「集会の自由」の限界 321
4 「結社の自由」の保障の性格と内容 327
5 「結社の自由」の限界 328
Ⅵ 居住・移転の自由 331
1 総説 331
2 「居住,移転の自由」の保障の性格と内容 331
3 「居住・移転の自由」の限界 332
Ⅶ 外国移住・国籍離脱の自由 332
1 総説 332
2 「外国に移住する自由」の保障の性格と内容 333
3 「外国に移住する自由」の限界 333
第2節 経済活動の自由 334
Ⅰ 職業選択の自由 334
1 総説 334
2 「職業選択の自由」の保障の性格と内容 334
3 「職業選択の自由」の限界 335
Ⅱ 財産権 344
1 総説 344
2 「財産権」の保障の性格と内容 344
3 「財産権」の限界 346
4 財産権の制限と損失補償 350
第3節 私的生活の不可侵 355
Ⅰ 通信の秘密 355
1 総説 355
2 「通信の秘密」の保障の性格と内容 356
3 「通信の秘密」の保障の限界 357
Ⅱ 住居などの不可侵 359
1 総説 359
2 住居などの不可侵の保障とその限界 360
3 行政手続との関係 361
第4節 人身の自由および刑事裁判手続上の保障 364
Ⅰ 奴隷的拘束・苦役からの自由 364
1 総説 364
2 「奴隷的拘束・苦役からの自由」の保障の性格と内容 364
Ⅱ 法的手続の保障 366
1 総説 366
2 法定手続の保障の性格と内容 366
3 行政手続との関係 370
Ⅲ 不法な逮捕からの自由 371
1 総説 371
2 「不法な逮捕からの自由」の保障の性格と内容 371
3 行政手続との関係 373
Ⅳ 不法な抑留・拘禁からの自由 373
1 総説 373
2 「不法な抑留・拘禁からの自由」の保障の性格と内容 373
3 行政手続との関係 376
Ⅴ 拷問および残虐刑の禁止 376
1 総説 376
2 「拷問」の禁止 376
3 「残虐な刑罰」の禁止 376
Ⅵ 刑事裁判手続上の保障 377
1 総説 377
2 公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利 378
3 証人に関する権利 380
4 弁護人依頼権 381
5 自己帰罪供述強要の禁止 382
6 自白の証拠能力・補強証拠 385
7 事後法の禁止 386
8 一事不再理 387
第4章 積極的権利 389
第1節 受益権 389
Ⅰ 裁判を受ける権利 389
1 総説 389
2 「裁判を受ける権利」の保障の性格と内容 390
Ⅱ 公の賠償請求権 392
1 総説 392
2 「公の賠償請求権」の保障の性格と内容 392
Ⅲ 刑事補償請求権 396
1 総説 396
2 「刑事補償請求権」の保障の性格と内容 396
第2節 社会国家的権利 397
Ⅰ 生存権 397
1 総説 397
2 「生存権」の保障の性格と内容 399
Ⅱ 教育を受ける権利 405
1 総説 405
2 「教育を受ける権利」の保障の性格と内容 406
Ⅲ 勤労の権利 410
1 総説 410
2 「勤労の権利」の保障の性格と内容 410
Ⅳ 労働基本権 413
1 総説 413
2 労働基本権の保障の性格と内容 414
第5章 能動的権利 418
Ⅰ 参政権 418
1 総説 418
2 直接的参加方法(直接的参政権) 418
3 間接的参加方法(間接的参政権) 419
Ⅱ 請願権 420
1 総説 420
2 請願権の保障の性格と内容 420
第3編 国民主権と政治制度 第1章 国民主権の意味とその空間 425
第1節 主権者としての国民 425
Ⅰ 国民主権の意味をめぐる諸議論 425
1 総説 425
2 最高機関意思説 425
3 憲法制定権力説 426
4 ノモスの主権説 430
5 人民主権説 430
Ⅱ 日本国憲法における「主権が国民に存する」の意味 431
1 総説 431
2 憲法制定権力者の「自己拘束」としての日本国憲法 432
3 実定憲法上の構成的原理としての国民主権 433
第2節 有権者団としての国民 434
Ⅰ 有権者団の性格と構成 434
1 有権者団の性格 434
2 有権者団の構成 435
Ⅱ 有権者団の権能とその行使 437
1 憲法改正の承認 437
2 国会議員の選挙 437
3 最高裁判所裁判官の国民審査 437
4 その他の活動 439
Ⅲ 選挙制度 440
1 総説 440
2 選挙に関する諸原則 440
3 議員定数の不均衡をめぐる問題 445
4 選挙区制と代表法 450
5 選挙の自由と公正 453
6 選挙に関する争訟 457
第3節 政党 458
Ⅰ 政党の憲法上の根拠とその地位 458
1 政党の憲法上の地位 458
2 日本国憲法と政党 459
Ⅱ 政党の活動と法的規制 462
1 政党の自律性と党内民主主義 462
2 政治過程の公明さの保全 463
3 憲法秩序に反する政党の問題 465
第2章 国 会 466
第1節 国会の性格と地位 466
Ⅰ 国会の性格 466
1 国民代表機関としての国会 466
2 「代表」の観念と機能 466
3 日本国憲法における代表制 469
Ⅱ 国会の地位 470
1 国権の最高機関 470
2 唯一の立法機関 473
第2節 国会の構成 480
Ⅰ 二院制 480
1 総説 480
2 わが国での二院制とその問題状況 480
Ⅱ 議院の組織 481
1 総説 481
2 内部構造 482
Ⅲ 二院間の関係と今後の課題 483
1 同時活動・相互独立の原則 483
2 衆議院の優越 483
3 二院制の課題 484
第3節 国会の活動 486
Ⅰ 会期 486
1 会期制 486
2 会期の種類 487
3 会期制を越えて 488
Ⅱ 国会の開閉 489
1 召集 489
2 休会 490
3 閉会 490
Ⅲ 審議と表決 490
1 総説 490
2 定足数 491
3 議決方法 492
4 国務大臣の出席 493
5 会議の公開 493
Ⅳ 衆議院の解散 494
Ⅴ 参議院の緊急集会 495
1 総説 495
2 緊急集会の要件と手続 495
3 緊急集会の権能と衆議院の事後承認 496
第4節 国会の権能 496
Ⅰ 憲法改正の発議・提案権 496
Ⅱ 立法権 496
1 立法権 496
2 立法の手続 496
Ⅲ 条約締結の承認権 498
1 総説 498
2 国会承認の対象 498
3 国会承認─事後承認をめぐる問題 499
4 条約の「修正権」をめぐる問題 500
Ⅳ 財政に関する統制権 500
Ⅴ 内閣総理大臣指名権 500
Ⅵ 弾劾裁判所設置権 501
1 弾劾裁判所の設置 501
2 弾劾裁判所の構成と活動 501
Ⅶ その他の権限 502
第5節 議院の権能 503
Ⅰ 自律権 503
1 総説 503
2 自主組織権 503
3 自律的運営権 504
4 財政自律権 507
Ⅱ 国政調査権 508
1 総説 508
2 国政調査権の性格 508
3 国政調査権の行使と限界 509
4 国政調査権の適切かつ有効な行使に向けて 511
第6節 議員の地位と特権 511
Ⅰ 議員の地位 511
1 議員の地位と身分の得喪 511
2 議員の権能 512
Ⅱ 議員の特権 513
1 会期中の不逮捕特権 513
2 発言・表決に対する免責特権 514
3 歳費受領権 516
第3章 内 閣 517
第1節 内閣の性格と地位 517
Ⅰ 内閣の性格と地位 517
1 総説 517
2 議院内閣制と日本国憲法 518
Ⅱ 行政権とその帰属 523
1 「行政権」の意義 523
2 行政権が「内閣」に帰属することの意味 525
第2節 内閣の組織 530
Ⅰ 内閣の組織 530
1 内閣の組織 530
2 内閣の補佐機構 532
Ⅱ 内閣総理大臣 533
1 内閣総理大臣の地位 533
2 内閣総理大臣の権能 534
Ⅲ 国務大臣 537
Ⅳ 内閣の消滅─内閣の総辞職 537
1 内閣総辞職の場合 537
2 内閣総辞職の決定とその効果 538
第3節 内閣の活動 539
1 内閣の活動方法 539
2 閣議と司法審査 540
第4節 内閣の権能 541
Ⅰ 行政権にかかわる本来的権限 541
1 総説 541
2 法律の執行と国務の総理 541
3 外交関係の処理 542
4 条約の締結 542
5 官吏に関する事務の掌理 542
6 予算の作成・提出 544
7 政令の制定 544
8 「恩赦」の決定 545
Ⅱ 天皇の国事行為についての助言と承認権 547
Ⅲ 国会との関係における権限 547
1 国会の臨時会の召集の決定 547
2 参議院緊急集会の請求 547
3 国会への議案提出,一般国務および外交関係についての報告 547
4 衆議院解散の決定 547
Ⅳ 裁判所との関係における権限 548
1 最高裁判所の長たる裁判官の指名 548
2 最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官の任命 548
3 下級裁判所裁判官の任命 548
Ⅴ その他の権限 548
第5節 内閣の責任 548
1 内閣の責任 548
2 行政権の行使についての責任 549
3 天皇の国事行為への助言と承認についての責任 550
第4章 天 皇 551
第1節 天皇の性格と地位 551
Ⅰ 天皇の地位 551
1 「天皇」の諸立場 551
2 象徴としての天皇 551
3 天皇の地位の根拠と位置づけ 552
4 天皇の地位の特殊性に基づく法的特例 554
Ⅱ 天皇の法的性格 555
1 総説 555
2 君主としての性格の有無 555
3 元首としての性格の有無 556
第2節 皇位の継承 557
1 総説 557
2 皇位継承の原因と発生 558
3 皇位継承の資格と順序 559
4 皇位継承の儀礼と改元 560
5 皇族 560
第3節 天皇の活動方法 561
1 総説 561
2 「内閣の助言と承認」の必要の意味 561
3 内閣の責任と天皇の無答責 562
第4節 天皇の権能 562
1 総説 562
2 内閣総理大臣の任命 563
3 最高裁判所の長たる裁判官の任命 563
4 憲法改正・法律・政令および条約の公布 564
5 国会の召集 565
6 衆議院の解散 565
7 総選挙の施行の公示 565
8 国務大臣任免などの認証 565
9 恩赦の認証 566
10 栄典の授与 566
11 批准書などの認証 566
12 外国の大使・公使の接受 566
13 儀式の挙行 566
14 いわゆる「公的行為」の可能性 567
第5節 天皇の権能の代行 568
1 摂政 568
2 国事行為の委任 569
第6節 皇室財産 569
1 皇室財産 569
2 皇室経費 569
3 皇室の財産授受の制限 570
第5章 財 政 571
第1節 財政立憲主義 571
Ⅰ 財政立憲主義の意義 571
1 「国の財政を処理する権限」 571
2 「国会の議決」─財政立憲主義 571
Ⅱ 財政処理のあり方に関する憲法的統制 573
1 一般的統制 573
2 特別的統制─公金支出・公的財産供用の禁止 573
第2節 租税制度 575
Ⅰ 租税法律主義 575
1 総説 575
2 租税法律主義の内実 576
Ⅱ 租税法律主義にかかわる若干の問題 578
第3節 予算制度 580
Ⅰ 予算の意味と性格 580
1 総説 580
2 予算の内容と性格 581
Ⅱ 予算の執行と統制 586
1 予算の執行 586
2 決算 586
第4節 中央銀行 589
1 中央銀行 589
2 日本銀行の憲法体系上の布置 590
第6章 地方の政治制度 593
第1節 地方自治の保障とその意義 593
Ⅰ 現代国家と地方自治 593
1 近代主権国家と地方自治 593
2 現代国家と地方自治 593
Ⅱ わが国における地方自治の展開と地方自治権の性質・内容 594
1 地方自治の展開 594
2 地方自治権の性質・内容 596
第2節 地方公共団体とその機関 599
Ⅰ 地方公共団体の意義 599
1 地方公共団体の意義と種類 599
Ⅱ 地方公共団体の機関 601
1 総説 601
2 地方有権者団 601
3 地方議会 602
4 地方公共団体の長 603
第3節 地方公共団体の事務(権能) 605
Ⅰ 「地方公共団体」の事務(権能) 605
1 総説 605
2 事務(権能)の内容 606
Ⅱ 地方公共団体の「機関」の権能 608
1 地方有権者団の権能 608
2 地方議会の権能 611
3 地方公共団体の長の権能 611
Ⅲ 条例制定権とその限界 612
1 条例制定権 612
2 条例制定権の範囲と限界 613
Ⅳ 地方財政 617
1 地方財政の意義 617
2 地方財政の課題 619
第4編 法の支配と司法制度 第1章 裁判所と司法権 623
第1節 裁判所の性格と地位 623
Ⅰ 裁判所の性格と地位 623
1 独立の法原理機関としての裁判所 623
2 「合憲性の統制」機関としての裁判所 625
Ⅱ 司法権の基盤 625
1 良き司法制度の構築 625
2 法曹の役割 625
3 国民的基盤(国民の司法参加) 627
第2節 司法権の意義とその帰属 630 Ⅰ 司法権の観念 630
1 司法権の観念 630
2 具体的事件・争訟性の要件の意味 631
3 具体的事件・争訟性の要件の効果 633
4 司法権と「救済」 638
Ⅱ 司法権の範囲 640
1 総説 640
2 日本国憲法下の司法権 640
Ⅲ 司法権の限界 641
1 総説 641
2 憲法上の限界 642
Ⅳ 司法権の帰属 646
1 総説 646
2 特別裁判所の禁止 647
3 行政機関による終審裁判の禁止 647
4 内閣総理大臣の異議の制度 648
5 国民の司法参加 649
第3節 裁判所の構成 650
Ⅰ 裁判所の種類と裁判所間の関係 650
1 裁判所の種類 650
2 裁判所間の関係 650
Ⅱ 裁判所の構成 651
1 最高裁判所の構成 651
2 下級裁判所の構成 652
第4節 裁判所の活動方法 655
Ⅰ 公開裁判原則 655
1 総説 655
2 公開を要する「裁判の対審及び判決」の意義 655
3 公開を要する「裁判」の意義 656
Ⅱ 対審の公開停止 658
1 公開停止とその要件 658
2 絶対公開事由 660
第5節 裁判所の権能 661
Ⅰ 最高裁判所の権能 661
1 裁判権 661
2 違憲審査権 661
3 規則制定権 661
4 下級裁判所の裁判官の指名権 663
5 司法行政権 663
Ⅱ 下級裁判所の権能 664
第6節 司法権の独立 665
Ⅰ 司法権の独立の意義 665 1 司法権の独立の意義 665
2 裁判官の職権行使の独立 665
Ⅱ 裁判官の身分保障 667
1 総説 667
2 身分の保障 667
3 報酬の保障 668
4 法律によるその他の保障と制限 668
第2章 憲法訴訟 671
第1節 憲法訴訟の意義と性格 671
Ⅰ 憲法保障(合憲性の統制)の諸類型と憲法訴訟 671
1 憲法保障(合憲性の統制)の諸類型と憲法訴訟 671
2 わが国における違憲審査制 673
Ⅱ 憲法訴訟の基本的枠組─付随的違憲審査制の属性 677
1 基本的枠組 677
2 司法消極主義と司法積極主義にかかわる問題 677
第2節 憲法訴訟の方法と対象 679
Ⅰ 憲法訴訟の方法 679
1 憲法訴訟の要件 679
2 憲法訴訟の当事者適格 682
3 ムートネスの問題 684
Ⅱ 憲法訴訟の対象 685
1 総説 685
2 条約に対する違憲審査権 686
3 立法の不作為に対する違憲審査 687
4 国の私法上の行為に対する違憲審査 692
5 司法権の限界にかかわる問題 694
Ⅲ 「統治行為」について 694
1 総説 694
2 「統治行為」論(政治問題の法理)の根拠と内容 695
3 「統治行為」論の問題性 697
第3節 憲法判断の方法とその効力 700
Ⅰ 憲法判断の回避 700
1 総説 700
2 狭義の憲法判断回避の意味と射程 700
Ⅱ 合憲限定解釈 702
1 総説 702
2 合憲限定解釈の具体的適用例と限界 702
Ⅲ 違憲審査への取り組み方(違憲審査の範囲)と違憲判断の方法 705
1 違憲審査への取り組み方(違憲審査の範囲) 705
2 違憲判断の方法─法令違憲・適用違憲・処分違憲等 708
Ⅳ 違憲審査の基準と方法 713
1 憲法判断の枠組と違憲審査基準 713
2 立法事実の審査 718
Ⅴ 違憲判決の効力 719
1 「違憲判決の効力」の意味と内容 719
2 実務制度上の違憲裁判の取り扱い 724
Ⅵ 憲法判例とその変更 724
1 総説 724
2 憲法判例の変更の可否および条件 725
判例索引 727
事項索引 735
初版 はしがき
凡 例
第1編 憲法の基本観念と日本憲法の展開
第1章 憲法の基本観念 3
第1節 憲法の生成と展開 3
Ⅰ 「憲法」の語 3
Ⅱ 立憲主義の成立と展開 4
1 近代以前と古典的立憲主義・中世立憲主義 4
2 近代立憲主義 6
3 成文憲法の普遍化 8
Ⅰ 現代立憲主義 9
1 現代立憲主義の典型的な骨格 9
2 現代立憲主義成立の歴史的背景 10
3 現代立憲主義の諸相と現在 14
第2節 憲法の意義・種別・特性・効力 31
Ⅰ 憲法の意義 31 1 実質憲法と形式憲法 31
2 固有の意味の憲法と立憲的・近代的意味の憲法 31
3 法規範としての憲法と事実状態としての憲法 32
4 実定法的意味の憲法と法論理的意味の憲法 33
Ⅱ 憲法の種別 33
1 存在形式による種別 33
2 改正手続による種別 33
3 制定権威の所在による種別 34
4 規定の内容・性格による種別 35
5 一種の存在論的な種別 35
Ⅰ 憲法の特性 35
1 総説 35
2 憲法の授権規範性 36
3 憲法の最高法規性 36
4 憲法と国際法 38
Ⅱ 憲法の法源と効力 38
1 憲法の法源 38
2 憲法典の地位と機能 40
3 憲法の前文の効力 42
4 憲法判例 43
第3節 憲法の変動と保障 45
Ⅰ 憲法の変動 45
1 憲法の性質 45
2 憲法変動の諸態様 45
Ⅱ 憲法の改正 46
1 総説 46
2 改正の手続 47
3 憲法改正行為の性質と限界 50
Ⅲ 憲法の変遷 53
1 憲法変遷の意味 53
2 評価 53
Ⅳ 憲法の保障(合憲性の統制) 56
1 憲法保障の意義と諸方法 56
2 憲法尊重擁護の責任と義務 57
3 非常手段的憲法保障 60
第2章 日本憲法の展開 67
第1節 明治憲法(大日本帝国憲法)の成立と特質 67
Ⅰ 明治憲法成立の経緯 67
1 明治維新政府の誕生とその基本性格 67
2 明治憲法制定に至る経緯 68
Ⅱ 明治憲法の特質と運用 70
1 明治憲法の内容と特質 70
2 明治憲法の運用 72
第2節 日本国憲法の成立と基本原理 75
Ⅰ 日本国憲法成立の経緯と法理 75
1 日本国憲法成立の経緯 75
2 日本国憲法成立の法理 78
Ⅱ 日本国憲法の基本原理とその展開 81
1 日本国憲法の基本原理 81
2 日本国憲法の展開 87
第3章 日本国憲法と国際社会 90
第1節 「国際協和」の追求 90
1 日本国憲法の対外的な基本姿勢の宣明 90
2 「国際協和」の観念とその具体的追求 91
3 「平和のうちに生存する権利」との関連について 95
第2節 国際協和の法的意味 98
Ⅰ 憲法と国際法 98
1 98条2項の成立の経緯と意義 98
2 国際法と国内法との関係 99
Ⅱ 憲法と国際法の国内法的効力 100
1 国際法の国内実施の方式 100
2 日本国憲法のとる方式 101
Ⅲ 国際法の国内法秩序における効力順位 101
1 国際法の国内法秩序における効力順位 101
2 日本国憲法下の効力順位 102
3 「国際人権」の国法体系における実現 103
第3節 平和の追求─戦争の放棄と戦力の不保持・交戦権の否認 104
Ⅰ 戦争の放棄 104
1 9条成立の背景と経緯 104
2 9条の性格と意味 105
Ⅱ 戦力の不保持と交戦権の否認 113
1 戦力の不保持 113
2 交戦権の否認 117
Ⅲ 立憲主義的統制(文民統制)と平和の維持 118
1 立憲主義的統制(文民統制) 118
2 平和の維持 120
第2編 国民の基本的人権の保障
第1章 基本的人権総論 123
第1節 国民の地位と要件 123
Ⅰ 国民の地位総論 123
Ⅱ 国民の要件 124
1 「日本国民たる要件」 124
2 国籍の取得 125
3 国籍の喪失 127
第2節 基本的人権の観念とその史的展開 128
Ⅰ 基本的人権の観念とその根拠 128
1 「基本的人権」の観念 128
2 「基本的人権」の根拠 129
Ⅱ 基本的人権の史的展開 130
1 基本的人権の史的展開 130
2 わが国における基本的人権思想の展開 133
Ⅲ 国際的人権保障 135
1 人権の国際的保障 135
2 人権条約の国内的実施 136
第3節 基本的人権の憲法的保障とその限界 139
Ⅰ 基本的人権の憲法的保障 139
1 「基本的人権」の憲法的保障 139
2 「基本的人権」の動態的展開 141
3 基本的人権保障の形態 142
4 基本的人権の諸類型と類型論の目的 146
Ⅱ 基本的人権の憲法的保障の限界 149
1 総説 149
2 基本的人権の保障と「公共の福祉」との関係 150
3 「公共の福祉」の内容 152
4 「パターナリスチックな制約」の可能性 154
第4節 基本的人権の享有主体 155
Ⅰ 国民 155
1 総説 155
2 未成年者と基本的人権 155
3 人間存在の属性にかかわる問題 157
4 基本的人権享有の始期と終期 159
Ⅱ 天皇および皇族 160
1 総説 160
2 基本的人権の享有主体性 160
Ⅲ 外国人 161
1 基本的人権の享有主体性 161
2 享有する基本的人権の範囲と程度 163
Ⅳ 法人(団体) 170
1 問題の状況 170
2 法人(団体)が主張しうる基本的人権の範囲と程度 172
第5節 基本的人権の憲法的保障の妥当範囲 176
一般的統治関係と特殊的統治関係 176
1 総説 176
2 伝統的な「特別権力関係の理論」とそこからの離脱 176
3 刑事施設被収容(在監)関係 177
4 公務員関係 180
Ⅰ 私人間の法的関係 184
1 総説 184
2 憲法解釈論上の対応 185
3 基本的視角 187
第6節 国民の憲法上の義務 189
1 総説 189
2 基本的人権に関する一般的な義務と責任 190
3 子女に教育を受けさせる義務 191
4 勤労の義務 191
5 納税の義務 191
第2章 包括的基本的人権 193
第1節 生命・自由および幸福追求権 193
Ⅰ 生命・自由および幸福追求権の人権体系上の位置と性格 193
1 個人の尊重・幸福追求権の思想史的系譜 193
2 個人の尊重・幸福追求権の法的性格 194
Ⅱ 生命・自由および幸福追求権の内容 199
1 総説 199
2 生命・身体の自由 200
3 人格価値そのものにかかわる権利 200
4 人格的自律権(自己決定権) 212
5 適正な手続的処遇を受ける権利 217
6 参政権的権利 219
第2節 法の下の平等 221
Ⅰ 法の下の平等の人権体系上の位置と性格 221
1 総説 221
2 自由と平等 222
3 平等権の法的性格 223
Ⅱ 日本国憲法における「法の下の平等」の意義と具体的制度 225
1 「法の下の平等」の意義 225
2 「法の下の平等」の憲法制度的具体化 232
Ⅲ 「差別」か否かの判断基準 233
1 判断枠組 233
2 具体的事例 234
第3章 消極的権利 243
第1節 精神活動の自由 243
Ⅰ 思想・良心の自由 243
1 総説 243
2 「思想及び良心」の意義 243
3 「思想及び良心の自由」の保障の性格と内容 245
Ⅱ 信教の自由 252
1 総説 252
2 「信教の自由」の保障の性格と内容 252
3 「信教の自由」の限界 255
4 政教分離の原則 260
Ⅲ 学問の自由 269
1 総説 269
2 「学問の自由」の保障の性格と内容 270
3 「学問の自由」の限界 272
4 大学の自治 273
Ⅳ 表現の自由 277
1 総説 277
2 「表現の自由」の保障の性格と内容 279
3 「表現の自由」に対する制約の合憲性判断基準 283
4 情報提供作用に関する制約 293
5 情報受領作用に関する制約 306
6 情報収集作用に関する制約 307
7 マスメディアと国民 315
Ⅴ 集会・結社の自由 318
1 総説 318
2 「集会の自由」の保障の性格と内容 319
3 「集会の自由」の限界 321
4 「結社の自由」の保障の性格と内容 327
5 「結社の自由」の限界 328
Ⅵ 居住・移転の自由 331
1 総説 331
2 「居住,移転の自由」の保障の性格と内容 331
3 「居住・移転の自由」の限界 332
Ⅶ 外国移住・国籍離脱の自由 332
1 総説 332
2 「外国に移住する自由」の保障の性格と内容 333
3 「外国に移住する自由」の限界 333
第2節 経済活動の自由 334
Ⅰ 職業選択の自由 334
1 総説 334
2 「職業選択の自由」の保障の性格と内容 334
3 「職業選択の自由」の限界 335
Ⅱ 財産権 344
1 総説 344
2 「財産権」の保障の性格と内容 344
3 「財産権」の限界 346
4 財産権の制限と損失補償 350
第3節 私的生活の不可侵 355
Ⅰ 通信の秘密 355
1 総説 355
2 「通信の秘密」の保障の性格と内容 356
3 「通信の秘密」の保障の限界 357
Ⅱ 住居などの不可侵 359
1 総説 359
2 住居などの不可侵の保障とその限界 360
3 行政手続との関係 361
第4節 人身の自由および刑事裁判手続上の保障 364
Ⅰ 奴隷的拘束・苦役からの自由 364
1 総説 364
2 「奴隷的拘束・苦役からの自由」の保障の性格と内容 364
Ⅱ 法的手続の保障 366
1 総説 366
2 法定手続の保障の性格と内容 366
3 行政手続との関係 370
Ⅲ 不法な逮捕からの自由 371
1 総説 371
2 「不法な逮捕からの自由」の保障の性格と内容 371
3 行政手続との関係 373
Ⅳ 不法な抑留・拘禁からの自由 373
1 総説 373
2 「不法な抑留・拘禁からの自由」の保障の性格と内容 373
3 行政手続との関係 376
Ⅴ 拷問および残虐刑の禁止 376
1 総説 376
2 「拷問」の禁止 376
3 「残虐な刑罰」の禁止 376
Ⅵ 刑事裁判手続上の保障 377
1 総説 377
2 公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利 378
3 証人に関する権利 380
4 弁護人依頼権 381
5 自己帰罪供述強要の禁止 382
6 自白の証拠能力・補強証拠 385
7 事後法の禁止 386
8 一事不再理 387
第4章 積極的権利 389
第1節 受益権 389
Ⅰ 裁判を受ける権利 389
1 総説 389
2 「裁判を受ける権利」の保障の性格と内容 390
Ⅱ 公の賠償請求権 392
1 総説 392
2 「公の賠償請求権」の保障の性格と内容 392
Ⅲ 刑事補償請求権 396
1 総説 396
2 「刑事補償請求権」の保障の性格と内容 396
第2節 社会国家的権利 397
Ⅰ 生存権 397
1 総説 397
2 「生存権」の保障の性格と内容 399
Ⅱ 教育を受ける権利 405
1 総説 405
2 「教育を受ける権利」の保障の性格と内容 406
Ⅲ 勤労の権利 410
1 総説 410
2 「勤労の権利」の保障の性格と内容 410
Ⅳ 労働基本権 413
1 総説 413
2 労働基本権の保障の性格と内容 414
第5章 能動的権利 418
Ⅰ 参政権 418
1 総説 418
2 直接的参加方法(直接的参政権) 418
3 間接的参加方法(間接的参政権) 419
Ⅱ 請願権 420
1 総説 420
2 請願権の保障の性格と内容 420
第3編 国民主権と政治制度 第1章 国民主権の意味とその空間 425
第1節 主権者としての国民 425
Ⅰ 国民主権の意味をめぐる諸議論 425
1 総説 425
2 最高機関意思説 425
3 憲法制定権力説 426
4 ノモスの主権説 430
5 人民主権説 430
Ⅱ 日本国憲法における「主権が国民に存する」の意味 431
1 総説 431
2 憲法制定権力者の「自己拘束」としての日本国憲法 432
3 実定憲法上の構成的原理としての国民主権 433
第2節 有権者団としての国民 434
Ⅰ 有権者団の性格と構成 434
1 有権者団の性格 434
2 有権者団の構成 435
Ⅱ 有権者団の権能とその行使 437
1 憲法改正の承認 437
2 国会議員の選挙 437
3 最高裁判所裁判官の国民審査 437
4 その他の活動 439
Ⅲ 選挙制度 440
1 総説 440
2 選挙に関する諸原則 440
3 議員定数の不均衡をめぐる問題 445
4 選挙区制と代表法 450
5 選挙の自由と公正 453
6 選挙に関する争訟 457
第3節 政党 458
Ⅰ 政党の憲法上の根拠とその地位 458
1 政党の憲法上の地位 458
2 日本国憲法と政党 459
Ⅱ 政党の活動と法的規制 462
1 政党の自律性と党内民主主義 462
2 政治過程の公明さの保全 463
3 憲法秩序に反する政党の問題 465
第2章 国 会 466
第1節 国会の性格と地位 466
Ⅰ 国会の性格 466
1 国民代表機関としての国会 466
2 「代表」の観念と機能 466
3 日本国憲法における代表制 469
Ⅱ 国会の地位 470
1 国権の最高機関 470
2 唯一の立法機関 473
第2節 国会の構成 480
Ⅰ 二院制 480
1 総説 480
2 わが国での二院制とその問題状況 480
Ⅱ 議院の組織 481
1 総説 481
2 内部構造 482
Ⅲ 二院間の関係と今後の課題 483
1 同時活動・相互独立の原則 483
2 衆議院の優越 483
3 二院制の課題 484
第3節 国会の活動 486
Ⅰ 会期 486
1 会期制 486
2 会期の種類 487
3 会期制を越えて 488
Ⅱ 国会の開閉 489
1 召集 489
2 休会 490
3 閉会 490
Ⅲ 審議と表決 490
1 総説 490
2 定足数 491
3 議決方法 492
4 国務大臣の出席 493
5 会議の公開 493
Ⅳ 衆議院の解散 494
Ⅴ 参議院の緊急集会 495
1 総説 495
2 緊急集会の要件と手続 495
3 緊急集会の権能と衆議院の事後承認 496
第4節 国会の権能 496
Ⅰ 憲法改正の発議・提案権 496
Ⅱ 立法権 496
1 立法権 496
2 立法の手続 496
Ⅲ 条約締結の承認権 498
1 総説 498
2 国会承認の対象 498
3 国会承認─事後承認をめぐる問題 499
4 条約の「修正権」をめぐる問題 500
Ⅳ 財政に関する統制権 500
Ⅴ 内閣総理大臣指名権 500
Ⅵ 弾劾裁判所設置権 501
1 弾劾裁判所の設置 501
2 弾劾裁判所の構成と活動 501
Ⅶ その他の権限 502
第5節 議院の権能 503
Ⅰ 自律権 503
1 総説 503
2 自主組織権 503
3 自律的運営権 504
4 財政自律権 507
Ⅱ 国政調査権 508
1 総説 508
2 国政調査権の性格 508
3 国政調査権の行使と限界 509
4 国政調査権の適切かつ有効な行使に向けて 511
第6節 議員の地位と特権 511
Ⅰ 議員の地位 511
1 議員の地位と身分の得喪 511
2 議員の権能 512
Ⅱ 議員の特権 513
1 会期中の不逮捕特権 513
2 発言・表決に対する免責特権 514
3 歳費受領権 516
第3章 内 閣 517
第1節 内閣の性格と地位 517
Ⅰ 内閣の性格と地位 517
1 総説 517
2 議院内閣制と日本国憲法 518
Ⅱ 行政権とその帰属 523
1 「行政権」の意義 523
2 行政権が「内閣」に帰属することの意味 525
第2節 内閣の組織 530
Ⅰ 内閣の組織 530
1 内閣の組織 530
2 内閣の補佐機構 532
Ⅱ 内閣総理大臣 533
1 内閣総理大臣の地位 533
2 内閣総理大臣の権能 534
Ⅲ 国務大臣 537
Ⅳ 内閣の消滅─内閣の総辞職 537
1 内閣総辞職の場合 537
2 内閣総辞職の決定とその効果 538
第3節 内閣の活動 539
1 内閣の活動方法 539
2 閣議と司法審査 540
第4節 内閣の権能 541
Ⅰ 行政権にかかわる本来的権限 541
1 総説 541
2 法律の執行と国務の総理 541
3 外交関係の処理 542
4 条約の締結 542
5 官吏に関する事務の掌理 542
6 予算の作成・提出 544
7 政令の制定 544
8 「恩赦」の決定 545
Ⅱ 天皇の国事行為についての助言と承認権 547
Ⅲ 国会との関係における権限 547
1 国会の臨時会の召集の決定 547
2 参議院緊急集会の請求 547
3 国会への議案提出,一般国務および外交関係についての報告 547
4 衆議院解散の決定 547
Ⅳ 裁判所との関係における権限 548
1 最高裁判所の長たる裁判官の指名 548
2 最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官の任命 548
3 下級裁判所裁判官の任命 548
Ⅴ その他の権限 548
第5節 内閣の責任 548
1 内閣の責任 548
2 行政権の行使についての責任 549
3 天皇の国事行為への助言と承認についての責任 550
第4章 天 皇 551
第1節 天皇の性格と地位 551
Ⅰ 天皇の地位 551
1 「天皇」の諸立場 551
2 象徴としての天皇 551
3 天皇の地位の根拠と位置づけ 552
4 天皇の地位の特殊性に基づく法的特例 554
Ⅱ 天皇の法的性格 555
1 総説 555
2 君主としての性格の有無 555
3 元首としての性格の有無 556
第2節 皇位の継承 557
1 総説 557
2 皇位継承の原因と発生 558
3 皇位継承の資格と順序 559
4 皇位継承の儀礼と改元 560
5 皇族 560
第3節 天皇の活動方法 561
1 総説 561
2 「内閣の助言と承認」の必要の意味 561
3 内閣の責任と天皇の無答責 562
第4節 天皇の権能 562
1 総説 562
2 内閣総理大臣の任命 563
3 最高裁判所の長たる裁判官の任命 563
4 憲法改正・法律・政令および条約の公布 564
5 国会の召集 565
6 衆議院の解散 565
7 総選挙の施行の公示 565
8 国務大臣任免などの認証 565
9 恩赦の認証 566
10 栄典の授与 566
11 批准書などの認証 566
12 外国の大使・公使の接受 566
13 儀式の挙行 566
14 いわゆる「公的行為」の可能性 567
第5節 天皇の権能の代行 568
1 摂政 568
2 国事行為の委任 569
第6節 皇室財産 569
1 皇室財産 569
2 皇室経費 569
3 皇室の財産授受の制限 570
第5章 財 政 571
第1節 財政立憲主義 571
Ⅰ 財政立憲主義の意義 571
1 「国の財政を処理する権限」 571
2 「国会の議決」─財政立憲主義 571
Ⅱ 財政処理のあり方に関する憲法的統制 573
1 一般的統制 573
2 特別的統制─公金支出・公的財産供用の禁止 573
第2節 租税制度 575
Ⅰ 租税法律主義 575
1 総説 575
2 租税法律主義の内実 576
Ⅱ 租税法律主義にかかわる若干の問題 578
第3節 予算制度 580
Ⅰ 予算の意味と性格 580
1 総説 580
2 予算の内容と性格 581
Ⅱ 予算の執行と統制 586
1 予算の執行 586
2 決算 586
第4節 中央銀行 589
1 中央銀行 589
2 日本銀行の憲法体系上の布置 590
第6章 地方の政治制度 593
第1節 地方自治の保障とその意義 593
Ⅰ 現代国家と地方自治 593
1 近代主権国家と地方自治 593
2 現代国家と地方自治 593
Ⅱ わが国における地方自治の展開と地方自治権の性質・内容 594
1 地方自治の展開 594
2 地方自治権の性質・内容 596
第2節 地方公共団体とその機関 599
Ⅰ 地方公共団体の意義 599
1 地方公共団体の意義と種類 599
Ⅱ 地方公共団体の機関 601
1 総説 601
2 地方有権者団 601
3 地方議会 602
4 地方公共団体の長 603
第3節 地方公共団体の事務(権能) 605
Ⅰ 「地方公共団体」の事務(権能) 605
1 総説 605
2 事務(権能)の内容 606
Ⅱ 地方公共団体の「機関」の権能 608
1 地方有権者団の権能 608
2 地方議会の権能 611
3 地方公共団体の長の権能 611
Ⅲ 条例制定権とその限界 612
1 条例制定権 612
2 条例制定権の範囲と限界 613
Ⅳ 地方財政 617
1 地方財政の意義 617
2 地方財政の課題 619
第4編 法の支配と司法制度 第1章 裁判所と司法権 623
第1節 裁判所の性格と地位 623
Ⅰ 裁判所の性格と地位 623
1 独立の法原理機関としての裁判所 623
2 「合憲性の統制」機関としての裁判所 625
Ⅱ 司法権の基盤 625
1 良き司法制度の構築 625
2 法曹の役割 625
3 国民的基盤(国民の司法参加) 627
第2節 司法権の意義とその帰属 630 Ⅰ 司法権の観念 630
1 司法権の観念 630
2 具体的事件・争訟性の要件の意味 631
3 具体的事件・争訟性の要件の効果 633
4 司法権と「救済」 638
Ⅱ 司法権の範囲 640
1 総説 640
2 日本国憲法下の司法権 640
Ⅲ 司法権の限界 641
1 総説 641
2 憲法上の限界 642
Ⅳ 司法権の帰属 646
1 総説 646
2 特別裁判所の禁止 647
3 行政機関による終審裁判の禁止 647
4 内閣総理大臣の異議の制度 648
5 国民の司法参加 649
第3節 裁判所の構成 650
Ⅰ 裁判所の種類と裁判所間の関係 650
1 裁判所の種類 650
2 裁判所間の関係 650
Ⅱ 裁判所の構成 651
1 最高裁判所の構成 651
2 下級裁判所の構成 652
第4節 裁判所の活動方法 655
Ⅰ 公開裁判原則 655
1 総説 655
2 公開を要する「裁判の対審及び判決」の意義 655
3 公開を要する「裁判」の意義 656
Ⅱ 対審の公開停止 658
1 公開停止とその要件 658
2 絶対公開事由 660
第5節 裁判所の権能 661
Ⅰ 最高裁判所の権能 661
1 裁判権 661
2 違憲審査権 661
3 規則制定権 661
4 下級裁判所の裁判官の指名権 663
5 司法行政権 663
Ⅱ 下級裁判所の権能 664
第6節 司法権の独立 665
Ⅰ 司法権の独立の意義 665 1 司法権の独立の意義 665
2 裁判官の職権行使の独立 665
Ⅱ 裁判官の身分保障 667
1 総説 667
2 身分の保障 667
3 報酬の保障 668
4 法律によるその他の保障と制限 668
第2章 憲法訴訟 671
第1節 憲法訴訟の意義と性格 671
Ⅰ 憲法保障(合憲性の統制)の諸類型と憲法訴訟 671
1 憲法保障(合憲性の統制)の諸類型と憲法訴訟 671
2 わが国における違憲審査制 673
Ⅱ 憲法訴訟の基本的枠組─付随的違憲審査制の属性 677
1 基本的枠組 677
2 司法消極主義と司法積極主義にかかわる問題 677
第2節 憲法訴訟の方法と対象 679
Ⅰ 憲法訴訟の方法 679
1 憲法訴訟の要件 679
2 憲法訴訟の当事者適格 682
3 ムートネスの問題 684
Ⅱ 憲法訴訟の対象 685
1 総説 685
2 条約に対する違憲審査権 686
3 立法の不作為に対する違憲審査 687
4 国の私法上の行為に対する違憲審査 692
5 司法権の限界にかかわる問題 694
Ⅲ 「統治行為」について 694
1 総説 694
2 「統治行為」論(政治問題の法理)の根拠と内容 695
3 「統治行為」論の問題性 697
第3節 憲法判断の方法とその効力 700
Ⅰ 憲法判断の回避 700
1 総説 700
2 狭義の憲法判断回避の意味と射程 700
Ⅱ 合憲限定解釈 702
1 総説 702
2 合憲限定解釈の具体的適用例と限界 702
Ⅲ 違憲審査への取り組み方(違憲審査の範囲)と違憲判断の方法 705
1 違憲審査への取り組み方(違憲審査の範囲) 705
2 違憲判断の方法─法令違憲・適用違憲・処分違憲等 708
Ⅳ 違憲審査の基準と方法 713
1 憲法判断の枠組と違憲審査基準 713
2 立法事実の審査 718
Ⅴ 違憲判決の効力 719
1 「違憲判決の効力」の意味と内容 719
2 実務制度上の違憲裁判の取り扱い 724
Ⅵ 憲法判例とその変更 724
1 総説 724
2 憲法判例の変更の可否および条件 725
判例索引 727
事項索引 735