公訴権と二元的刑罰権論
安藤泰子 著
定価:8,800円(税込)-
在庫:
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発行:
2020年12月10日
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判型:
A5判上製 -
ページ数:
400頁 -
ISBN:
978-4-7923-5317-9
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内容紹介
《目 次》
はしがき
本書収録論文原題・初出一覧
第一章 社会公訴権論……1
はじめに……1
第一節 社会公訴権論……5
一 法的構成とその意義─5
二 公訴権論の現在─5
三 先行研究─6
四 設定した課題─8
五 研究方法─9
六 基礎理論─10
第二節 学説の検討……11
一 村田保─11
二 淸浦奎吾─13
三 堀田正忠─14
四 小笠原美治─15
五 橋爪貫一─17
六 那須純一郎─18
七 井上操─19
八 福井淳─21
九 井上正一─24
一〇 宮川大壽─27
一一 宮城浩藏─27
一二 金子源治─30
一三 西垣爲吉─31
一四 吉原三郎─35
一五 岡村萬五郎─36
一六 磯部四郎─38
おわりに……39
第二章 公訴権論の変遷……55
第一節 基本的視座……55
一 明治期における公訴権論─55
二 社会公訴権の意義─60
三 他説の存在─61
第二節 学説の検討……62
一 立野胤政─「社会公衆」代人論─62
二 島田亥十郎─「公衆」代人論─63
三 長井正海─「社会」代人論─64
四 横田國臣─公衆公訴権論─「公衆国君」代人論─65
五 太田聿郎─「社会」代人論─66
六 大橋濟─「社会公衆」代人論─66
七 織田純一郎─「公衆」代人論─67
八 戸田十畝─「社会」代人論─68
九 植田小次郎─「社会公衆」代人論─69
小括─69
おわりに……70
第三章 刑事訴訟理論史における社会公訴権論……75
はじめに……75
第一節 治罪法に関する当時の学説に対する動向把握……77
一 吉田常次郎「日本刑事訴訟法小史」昭和三九(一九六七)年?─77
二 小田中聰樹─江木衷『現行治罪原論?上巻』明治二二(一八八九)年?─80
三 本論の立場─81
四 森作太郎『增補?刑法治罪法註解大成』明治一五(一八八二)年?─83
第二節 学説の検証……85
一 小田中理論─86
二 「公訴権国家帰属性強調」の妥当性─86
三 検討の対象─87
第三節 検証……88
一 金子源治『刑事訴訟法註釈』明治二四(一八九一)年?─88
二 井上正一『訂正?刑事訴訟法義解』明治二六(一八九三)年?─90
三 磯部四郎『刑事訴訟法講義』明治二三(一八九〇)年?─92
四 井上操『刑事訴訟法述義』明治二三(一八九〇)年?─93
五 久保田源吉『刑事訴訟法詳解?全』明治二三(一八九〇)年?─94
おわりに……96
第四章 社会刑罰権論……103
はじめに……103
第一節 学説の検討……105
一 「社会」刑罰権論─総説─105
二 髙木豐三─106
三 堀田正忠─116
四 宮城浩藏─120
五 林正太郎─127
六 飯田宏作─132
七 井上操─134
八 倉富勇三郎─135
九 井上正一─136
一〇 磯部四郎─141
一一 北嶋傳四郎─143
一二 松室致─147
一三 岡田朝太郎─152
一四 古賀廉造─153
おわりに……155
第五章 社会公訴権論から国家公訴権論へ……171
はじめに……171
第一節 法の転換と公訴権論……173
一 問題の所在─173
二 小田中論文の検討─175
三 訴権の源泉─179
四 社会公訴権論における被害者の位置づけ─181
第二節 治罪法と明治刑事訴訟法……184
一 社会公訴権論における「社会」の意義─184
二 治罪法と明治刑事訴訟法の同質性─187
おわりに……189
第六章 国家公訴権論……197
はじめに……197
第一節 学説の検討……200
一 松室致─200
二 豐島直通─201
三 富田山壽─203
四 板倉松太郎─205
五 林賴三郎─207
六 牧野英一─208
七 小野淸一郎─210
八 團藤重光─214
九 平野龍一─221
小括──社会公訴権論と国家公訴権論の連続性─223
おわりに……227
第七章 国際刑法学の現在……237
はじめに……237
第一節 刑罰権の源泉と刑罰権概念の理論的整合性……238
一 問題の所在─238
二 概説─241
三 刑罰権概念の理論的整合性に関する検証の前提─242
四 譲渡説─243
五 新譲渡説─244
六 普遍説─246
七 固有説─248
第二節 国際刑法理論構築の要請……249
一 譲渡説と固有説─249
二 国際裁判所の設立根拠─251
三 刑罰権概念の理論的整合性に関する検証─255
四 理論的整合性─258
第三節 合算代替説の検討……262
一 合算代替説─262
二 法益論の整合性と罪刑法定主義─265
三 補完性原則と自己付託─268
第四節 刑法理論の要請……271
一 代替説と超国家的機関─271
二 合算代替説と刑法理論─273
三 国際刑法は国際法の一部か─277
第五節 「総和」と「合算」……280
一 両者の異同─280
二 不明確性と危惧─282
小括─283
第六節 二元的刑罰権論……285
一 問題の所在─285
二 刑罰権国家独占原則の相対性─287
三 二元的刑罰権─289
四 次なる時代の創造と二元的刑罰権─292
五 二元的刑罰権論─294
第七節 国際刑法理論の構築……296
一 固有説と二元的刑罰権論─296
二 国際刑法理論─297
三 刑罰権の源泉と刑罰権概念における理論的整合性の要請─300
おわりに……305
第八章 国際社会における公訴権論の展望……319
第一節 公訴権論の変遷……319
一 論点の推移─319
二 外国法の影響─321
三 「公の関心事」と公訴権論─326
第二節 国際社会における訴権論……329
一 訴権の検出─329
二 国際刑事訴訟法学の現在─335
三 刑事裁判化の嚆矢─338
四 公訴権概念の峻別─341
五 刑事訴訟理論からの分析─342
六 公訴権の国際社会帰属理論─344
第三節 国際社会公訴権……345
一 公訴権論の要請─345
二 新たな展開─349
三 理論国際刑事法学の遅れ─350
第四節 国際刑事訴訟理論の構築……354
一 国際社会公訴権の導出─354
二 国際社会公訴権論の要請─357
三 「国際社会全体の関心事」と公訴権論─363
四 公訴権論の可能性─365
五 公訴権論の受容─367
結びに……370