秩序形成の基本権論
篠原永明 著
定価:6,600円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2021年03月20日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
310頁 -
ISBN:
978-4-7923-0683-0
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内容紹介
《目 次》
はしがき(ⅰ)
初出一覧(ⅲ)
序章 1
Ⅰ 本書の課題 1
1 自由保障の意義の変化?(1)
2 議論の枠組みの再検討の必要性(3)
Ⅱ 本書の構成 4
1 第一部:「国家による秩序形成と指導原理としての自由」(5)
2 第二部:「基本権規定の客観法としての規範内容の探究」(6)
3 第三部:「『憲法上の権利』の導出」(7)
第一部 国家による秩序形成と指導原理としての自由
導入 11
1 国家による「自由」の実現(11)
2 我が国の議論とドイツの議論の親和性(12)
3 我が国における批判的見解(13)
4 第一部の課題(15)
第1章 国家による秩序形成と自由保障 18
Ⅰ はじめに 18
1 自由の実現に係る国家活動を巡る日独の議論(18)
2 Carl Schmittの基本権論(19)
3 本章の課題(21)
Ⅱ 自由保障と国家活動①―判例及び「新傾向」の議論 23
1 連邦憲法裁判所の基本権の客観的価値秩序論(23)
2 Konrad Hesseによる体系化(29)
3 Peter Häberleの制度的基本権論(35)
4 小括(40)
Ⅲ 自由保障と国家活動②―「旧傾向」による批判 41
1 Ernst-W. Böckenfördeによる批判(41)
2 Hans H. Kleinによる批判(49)
3 小括(54)
Ⅳ 自由保障と国家活動③―論争の再検討 55
1 論争における共通点(55)
2 論争における対立点①―「自由」の内容の変性?(59)
3 論争における対立点②―具体的な権限配分のあり方(61)
4 小括(63)
Ⅴ おわりに 64
1 文脈の共有可能性(64)
2 次章以降の検討課題(66)
第2章 "指導原理"としての自由 69
Ⅰ はじめに 69
Ⅱ 秩序形成の"指導原理"としての自由 70
1 「原理」としての自由という理解(70)
2 指導原理としての自由の性質(75)
Ⅲ Ernst-W. Böckenfördeによる批判 76
1 客観的価値秩序の側面についての理解(76)
2 客観的価値秩序の側面が憲法構造にもたらす諸帰結(78)
3 二者択一的な問題設定(81)
4 小括(82)
Ⅳ 簡単な検討 83
1 承前(83)
2 憲法による秩序形成の方向付け(83)
3 裁判国家化は必然か?(85)
Ⅴ おわりに 87
1 我が国の基本権論と指導原理としての自由(87)
2 課題の設定(88)
第二部 基本権規定の客観法としての規範内容の探究
導入 93
第3章 内容形成の領分 96
Ⅰ はじめに 96
1 「介入に対する防御」と「基本権の内容形成」(96)
2 議論の素材(98)
Ⅱ 規範による構成100
1 「規範による構成」とは(100)
2 簡単な検討(104)
Ⅲ 規範による輪郭付与 106
1 「規範による輪郭付与」とは(106)
2 簡単な検討(112)
Ⅳ 規範による具体化 117
1 「規範による具体化」とは(117)
2 簡単な検討(121)
Ⅴ おわりに 124
第4章 基本権保護義務の成否 127
Ⅰ はじめに 127
Ⅱ 我が国における保護義務の論じ方 130
1 保護義務論の狙い(131)
2 保護義務の実現(133)
3 保護義務の根拠(135)
4 保護義務論に対する批判(140)
Ⅲ 憲法論としての保護義務の成否 143
1 保護義務を語る上での二つの関門(143)
2 「価値」ないし指導原理としての自由(144)
3 実定憲法上の法的義務としての保護義務(150)
Ⅳ 自由の保護の論じ方 154
1 承前(154)
2 法律の解釈・適用の次元(155)
3 立法の次元(156)
第5章 制度形成の統制 159
Ⅰ はじめに 159
Ⅱ 制度形成の統制に関する幾つかの議論 161
1 承前(161)
2 妨害排除的・防御権的な構成を説く議論(162)
3 立法者の作為義務を正面から問題にする議論(165)
Ⅲ 制度形成の合憲性の判断枠組み 167
1 承前(167)
2 結果に着目した判断枠組み―Christian Bumkeの議論(168)
3 判断過程に着目した判断枠組み―Sebastian Lenzの議論(170)
4 検 討(172)
Ⅳ 我が国における裁判例の展開 177
1 承前(177)
2 最高裁の採用する合憲性の判断枠組み(177)
3 各判断枠組みの意義と課題(181)
Ⅴ おわりに 185
第6章 親権制度の制度形成 187
Ⅰ はじめに 187
Ⅱ 親権と基本法6条2項・3項 189
1 親権の法的性格(189)
2 国家の義務(191)
3 制度形成に関する諸要請(193)
Ⅲ 監視職務に基づく国家の関与の合憲性 195
1 承前(195)
2 子の保護のための国家の措置(195)
3 合憲性の判断枠組み①―国家の関与に抵抗する観点から(196)
4 合憲性の判断枠組み②―国家の関与を要請する観点から(201)
Ⅳ 憲法24条の解釈論との比較 203
1 子の監護及び教育をなす親の権限としての親権とその内容形成(203)
2 ドイツと同様の判断枠組みは採用可能か?(206)
3 憲法24条2項の下での合憲性の判断枠組み(207)
4 その他の論点:補遺(212)
Ⅴ おわりに 214
1 共通点(214)
2 相違点(215)
第三部 「憲法上の権利」の導出
導入 219
第7章 指導原理・客観法・憲法上の権利 222
Ⅰ はじめに 222
Ⅱ 現状の確認:指導原理としての自由 224
1 私人間効力論(224)
2 「公共の福祉」論(226)
3 小括(228)
Ⅲ 自由保障の「私益」保護・境界設定モデルと指導原理実現モデル229
1 自由保障の「私益」保護・境界設定モデル(229)
2 自由保障の指導原理実現モデルの成立可能性(231)
3 指導原理実現モデルの帰結(233)
Ⅳ 基本権規定の規範内容を捉える観点 234
1 承前(234)
2 観点①―国家と社会の権限関係(236)
3 観点②―議会と裁判所の役割分担(237)
4 小 括(238)
Ⅴ 基本権規定の客観法としての内容 239
1 承前(239)
2 客観法としての内容の確定①―国家と社会の権限関係という観点から(240)
3 客観法としての内容の確定②―議会と裁判所の役割分担という観点から(241)
Ⅵ 憲法上の権利としての基本権 244
1 承前(244)
2 ドイツにおける「主観的公権」論(245)
3 基本権を捉える視点(249)
4 基本権の導出(250)
Ⅶ おわりに 253
第8章 立法義務に対応した「憲法上の権利」の構想 254
Ⅰ はじめに 254
Ⅱ 枠組みの未発達 255
1 承前 (255)
2 学説の状況(256)
3 小括(258)
Ⅲ 客観法としての規範内容 259
1 憲法24条の客観法としての規範内容(259)
2 憲法25条の客観法としての規範内容(261)
3 小括(264)
Ⅳ 憲法上の権利の導出①:伝統的見解から 265
1 公権論の原初と「保護規範説」(265)
2 状況の変化と現在の到達点(267)
3 憲法上の権利の導出(270)
Ⅴ 憲法上の権利の導出②:もう一つの可能性 272
1 視座の転換(272)
2 Johannes Masingの公権論(273)
3 義務履行の統制と主観的公権(274)
4 憲法上の権利の導出(275)
Ⅵ おわりに 276
終章 279
1 今日における自由保障の意義(279)
2 基本権規定の客観法としての内容(282)
3 「憲法上の権利」の導出とその機能(287)
4 今後の課題(291)
5 結語(293)
事項索引 295
はしがき(ⅰ)
初出一覧(ⅲ)
序章 1
Ⅰ 本書の課題 1
1 自由保障の意義の変化?(1)
2 議論の枠組みの再検討の必要性(3)
Ⅱ 本書の構成 4
1 第一部:「国家による秩序形成と指導原理としての自由」(5)
2 第二部:「基本権規定の客観法としての規範内容の探究」(6)
3 第三部:「『憲法上の権利』の導出」(7)
第一部 国家による秩序形成と指導原理としての自由
導入 11
1 国家による「自由」の実現(11)
2 我が国の議論とドイツの議論の親和性(12)
3 我が国における批判的見解(13)
4 第一部の課題(15)
第1章 国家による秩序形成と自由保障 18
Ⅰ はじめに 18
1 自由の実現に係る国家活動を巡る日独の議論(18)
2 Carl Schmittの基本権論(19)
3 本章の課題(21)
Ⅱ 自由保障と国家活動①―判例及び「新傾向」の議論 23
1 連邦憲法裁判所の基本権の客観的価値秩序論(23)
2 Konrad Hesseによる体系化(29)
3 Peter Häberleの制度的基本権論(35)
4 小括(40)
Ⅲ 自由保障と国家活動②―「旧傾向」による批判 41
1 Ernst-W. Böckenfördeによる批判(41)
2 Hans H. Kleinによる批判(49)
3 小括(54)
Ⅳ 自由保障と国家活動③―論争の再検討 55
1 論争における共通点(55)
2 論争における対立点①―「自由」の内容の変性?(59)
3 論争における対立点②―具体的な権限配分のあり方(61)
4 小括(63)
Ⅴ おわりに 64
1 文脈の共有可能性(64)
2 次章以降の検討課題(66)
第2章 "指導原理"としての自由 69
Ⅰ はじめに 69
Ⅱ 秩序形成の"指導原理"としての自由 70
1 「原理」としての自由という理解(70)
2 指導原理としての自由の性質(75)
Ⅲ Ernst-W. Böckenfördeによる批判 76
1 客観的価値秩序の側面についての理解(76)
2 客観的価値秩序の側面が憲法構造にもたらす諸帰結(78)
3 二者択一的な問題設定(81)
4 小括(82)
Ⅳ 簡単な検討 83
1 承前(83)
2 憲法による秩序形成の方向付け(83)
3 裁判国家化は必然か?(85)
Ⅴ おわりに 87
1 我が国の基本権論と指導原理としての自由(87)
2 課題の設定(88)
第二部 基本権規定の客観法としての規範内容の探究
導入 93
第3章 内容形成の領分 96
Ⅰ はじめに 96
1 「介入に対する防御」と「基本権の内容形成」(96)
2 議論の素材(98)
Ⅱ 規範による構成100
1 「規範による構成」とは(100)
2 簡単な検討(104)
Ⅲ 規範による輪郭付与 106
1 「規範による輪郭付与」とは(106)
2 簡単な検討(112)
Ⅳ 規範による具体化 117
1 「規範による具体化」とは(117)
2 簡単な検討(121)
Ⅴ おわりに 124
第4章 基本権保護義務の成否 127
Ⅰ はじめに 127
Ⅱ 我が国における保護義務の論じ方 130
1 保護義務論の狙い(131)
2 保護義務の実現(133)
3 保護義務の根拠(135)
4 保護義務論に対する批判(140)
Ⅲ 憲法論としての保護義務の成否 143
1 保護義務を語る上での二つの関門(143)
2 「価値」ないし指導原理としての自由(144)
3 実定憲法上の法的義務としての保護義務(150)
Ⅳ 自由の保護の論じ方 154
1 承前(154)
2 法律の解釈・適用の次元(155)
3 立法の次元(156)
第5章 制度形成の統制 159
Ⅰ はじめに 159
Ⅱ 制度形成の統制に関する幾つかの議論 161
1 承前(161)
2 妨害排除的・防御権的な構成を説く議論(162)
3 立法者の作為義務を正面から問題にする議論(165)
Ⅲ 制度形成の合憲性の判断枠組み 167
1 承前(167)
2 結果に着目した判断枠組み―Christian Bumkeの議論(168)
3 判断過程に着目した判断枠組み―Sebastian Lenzの議論(170)
4 検 討(172)
Ⅳ 我が国における裁判例の展開 177
1 承前(177)
2 最高裁の採用する合憲性の判断枠組み(177)
3 各判断枠組みの意義と課題(181)
Ⅴ おわりに 185
第6章 親権制度の制度形成 187
Ⅰ はじめに 187
Ⅱ 親権と基本法6条2項・3項 189
1 親権の法的性格(189)
2 国家の義務(191)
3 制度形成に関する諸要請(193)
Ⅲ 監視職務に基づく国家の関与の合憲性 195
1 承前(195)
2 子の保護のための国家の措置(195)
3 合憲性の判断枠組み①―国家の関与に抵抗する観点から(196)
4 合憲性の判断枠組み②―国家の関与を要請する観点から(201)
Ⅳ 憲法24条の解釈論との比較 203
1 子の監護及び教育をなす親の権限としての親権とその内容形成(203)
2 ドイツと同様の判断枠組みは採用可能か?(206)
3 憲法24条2項の下での合憲性の判断枠組み(207)
4 その他の論点:補遺(212)
Ⅴ おわりに 214
1 共通点(214)
2 相違点(215)
第三部 「憲法上の権利」の導出
導入 219
第7章 指導原理・客観法・憲法上の権利 222
Ⅰ はじめに 222
Ⅱ 現状の確認:指導原理としての自由 224
1 私人間効力論(224)
2 「公共の福祉」論(226)
3 小括(228)
Ⅲ 自由保障の「私益」保護・境界設定モデルと指導原理実現モデル229
1 自由保障の「私益」保護・境界設定モデル(229)
2 自由保障の指導原理実現モデルの成立可能性(231)
3 指導原理実現モデルの帰結(233)
Ⅳ 基本権規定の規範内容を捉える観点 234
1 承前(234)
2 観点①―国家と社会の権限関係(236)
3 観点②―議会と裁判所の役割分担(237)
4 小 括(238)
Ⅴ 基本権規定の客観法としての内容 239
1 承前(239)
2 客観法としての内容の確定①―国家と社会の権限関係という観点から(240)
3 客観法としての内容の確定②―議会と裁判所の役割分担という観点から(241)
Ⅵ 憲法上の権利としての基本権 244
1 承前(244)
2 ドイツにおける「主観的公権」論(245)
3 基本権を捉える視点(249)
4 基本権の導出(250)
Ⅶ おわりに 253
第8章 立法義務に対応した「憲法上の権利」の構想 254
Ⅰ はじめに 254
Ⅱ 枠組みの未発達 255
1 承前 (255)
2 学説の状況(256)
3 小括(258)
Ⅲ 客観法としての規範内容 259
1 憲法24条の客観法としての規範内容(259)
2 憲法25条の客観法としての規範内容(261)
3 小括(264)
Ⅳ 憲法上の権利の導出①:伝統的見解から 265
1 公権論の原初と「保護規範説」(265)
2 状況の変化と現在の到達点(267)
3 憲法上の権利の導出(270)
Ⅴ 憲法上の権利の導出②:もう一つの可能性 272
1 視座の転換(272)
2 Johannes Masingの公権論(273)
3 義務履行の統制と主観的公権(274)
4 憲法上の権利の導出(275)
Ⅵ おわりに 276
終章 279
1 今日における自由保障の意義(279)
2 基本権規定の客観法としての内容(282)
3 「憲法上の権利」の導出とその機能(287)
4 今後の課題(291)
5 結語(293)
事項索引 295