比較行政学入門

比較行政学入門

―ヨーロッパ行政改革の動向―
縣 公一郎/久邇良子/岡本三彦/宇野二朗 訳 ザビーネ・クールマン/ヘルムート・ヴォルマン 著
定価:3,850円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2021年03月30日
  • 判型:
    A5判並製
  • ページ数:
    420頁
  • ISBN:
    978-4-7923-3410-9
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内容紹介

《目 次》

日本語版への序文 i
第2版への序文 iii
訳者序文 v

第1章 はじめに 1

第2章 理論と分析アプローチ 9
2.1 比較行政学 9
 2.1.1|行政比較の諸類型 9
 2.1.2|ヨーロッパ行政モデル 14
  大陸ヨーロッパ・ナポレオン型 14
  大陸ヨーロッパ連邦制型 16
  北欧型 17
  アングロ・サクソン型 18
  中東欧型と南東欧型 18
 2.1.3|比較地方自治 20
  機能特徴:任務範囲,および地方自律性 21
  領域特徴:北欧型と南欧型 26
  政治特徴:地方民主制とリーダーシップ 28
 2.1.4|公務員制度 30
  公務員制度と行政の公式的政治化 31
  行政の権力,影響力,および機能的政治化 37
  行政,高潔,汚職 38
 2.1.5|行政のヨーロッパ化と国際化 41
2.2 制度政策と行政改革 45
 2.2.1|制度政策の概念 45
 2.2.2|行政改革の類型 45
 2.2.3|行政改革政策の評価 48
2.3 行政改革の説明:新制度論的アプローチ 53
 2.3.1|合理的選択,ないしアクター中心制度論 55
 2.3.2|歴史的制度論 56
 2.3.3|社会学的制度論 58
 2.3.4|行政システムの収斂,拡散,および不変 60

第3章 ヨーロッパにおける行政の類型と伝統:国家特性 65
五つのヨーロッパ行政類型 65
3.1 大陸ヨーロッパ・ナポレオン型:フランスとイタリア 66
 3.1.1|フランス 66
  政府の基本的特徴 66
  国家構造と行政システム 67
  サブナショナルレベルの行政と地方自治政府 68
  公務員制度と公務員 71
 3.1.2|イタリア 74
  政府の基本的特徴 74
  国家構造と行政システム 77
  サブナショナルレベルの行政と地方自治政府 78
  公務員制度と公務員 79
3.2 大陸ヨーロッパ・連邦制型:ドイツ 81
  政府の基本的特徴 81
  国家構造と行政システム 83
  サブナショナルレベルの行政と地方自治政府 84
  公務員制度と公務員 89
3.3 北欧型:スウェーデン 92
  政府の基本的特徴 92
  国家構造と行政システム 93
  サブナショナルレベルの行政と地方自治政府 93
  公務員制度と公務員 94
3.4 アングロ・サクソン型:イギリス 96
  政府の基本的特徴 96
  国家構造と行政システム 97
  サブナショナルレベルの行政と地方自治政府 98
  公務員制度と公務員 102
3.5 中東欧型:ハンガリー 104
  政府の基本的特徴 105
  国家構造と行政システム 106
  サブナショナルレベルの行政と地方自治政府 108
  公務員制度と公務員 110
3.6 国家間比較 112
 3.6.1|政府セクターの規模とその発展 112
  指標:公的支出の割合 112
  指標:公務員の割合 115
 3.6.2|各レベルの行政構造比較 119
  連邦・準連邦レベル 121
  地方レベル 121
  市町村間組織 123
 3.6.3|機能と権限 123

第4章 比較の視点からの行政改革 129
4.1 行政改革論議 129
  国際的論議 131
  予算条件 132
  アクターの配置, 政治・イデオロギー的文脈 132
  改革論議と唱道連合 133
4.2 政府間関係の改革:分権化,広域化および連邦化 135
 4.2.1|概念と定義 135
 4.2.2|連邦化,準連邦化,広域化 137
  (準)連邦化 137
  イタリア 137
  スペイン 140
  ベルギー 141
  イギリス 142
  「単なる」広域化と広域県の創設 144
  フランス 144
  スウェーデン 146
  イギリス 147
  ドイツ 149
  中東欧諸国 149
  小括と比較 150
 4.2.3|分権化と分散化 152
  スウェーデン─政治的分権化の先駆者 156
  フランス─政治的分権化と行政二元主義 156
  イタリア─政治的分権化と根強い集権論 160
  ハンガリー─初期の広範な分権化と最近の再集権化 162
  ドイツ─「見せかけの」基礎自治体への分権化を装った行政的分権化 163
  イギリス/イングランド─地方自治モデルの空洞化と再集権化 166
  小括と比較 169
 4.2.4|国家間比較:収斂,拡散,不変および説明要因 171
  収斂 171
  不変/拡散 172
  説明要因 173
4.3 地方制度改革 176
 4.3.1|概念と定義 176
 4.3.2|北欧型改革のパターン:領域合併,規模の拡大,行政効率 178
  イギリス:「規模至上主義」と改革政治の息切れ 178
  スウェーデン,デンマーク:地方福祉国家の領域固着 180
  南欧および体制移行国における大規模化:ギリシャ,ブルガリア,リトアニア 181
 4.3.3|南欧型改革モデル:市町村間協力と組織間協力 182
  フランス:領域合併に向けた実用的な経路としての「市町村間革命」 182
  イタリア,スペイン:存続する細分化と高まる改革圧力 187
  体制移行国:ハンガリー,チェコ共和国 189
 4.3.4|混合型改革:領域合併と市町村間協力の間にあるドイツ 190
 4.3.5|国家間比較:収斂,拡散,不変および説明要因 196
  収斂,拡散,不変 196
  説明要因 199
4.4 国家と市場の間で行政を改革する:民営化と再公営化 202
 4.4.1|概念と定義 202
 4.4.2|公企業・資産の民営化 205
  イギリス 206
  スウェーデン 208
  フランス 209
  イタリア 211
  ドイツ 213
  ハンガリー 216
  小括と比較 218
 4.4.3|機能民営化:アウトソーシングと外部委託 219
  イギリス 219
  スウェーデン 221
  フランス 222
  イタリア 223
  ドイツ 224
  ハンガリー 226
  第一段階 226
  第二段階 227
  小括と比較 228
 4.4.4|公共サービス提供における政府/市町村・第三セクターの巻き返し 229
  エネルギー 232
  BOX4.1 アーレンスブルクは加速する 235
  水 236
  BOX4.2グルノーブル 237
  対人社会サービスの提供:「社会の領域」の復活?  237
  社会(「第三セクター」型)アクターの参加,あるいは再参加のトップ
  ダウンおよびボトムアップのイニシアティブ 238
 4.4.5|国家間比較:収斂,拡散,不変,および説明要因 240
  収斂,拡散,不変 240
  説明要因 245
4.5 行政組織,手続,人事の改革 251
 4.5.1|概念と定義 251
 4.5.2|組織構造 253
  本省行政:エージェンシー化 253
  地方レベルの行政:ワンストップ・エージェンシーと事務の統括 259
 4.5.3|手続と制御の手段 264
  広範囲の国家統制から地方の業績体制へ:イギリス/イングランド 267
  法律による業績管理と実施ギャップ:イタリア 270
  下からの自発的発展としての業績管理:スウェーデン,ドイツ,フランス 272
  スウェーデン 272
  BOX4.3 成長に向けて─スウェーデンの優先課題2015 指標に基づく優先課題 274
  ドイツ 275
  フランス 278
  移行過程とNPMの言説との間の業績管理:ハンガリー 280
 4.5.4|人事行政 281
  大陸ヨーロッパのシステム:ドイツ,フランス,イタリア 283
  ドイツ:公務員における「複線」の継続と穏健な業績連動報酬 283
  フランス:伝統的報奨制度と新しい業績志向 286
  イタリア:キャリアシステムの変容と雇用関係の民間化 288
  イギリス:業績給,業績文化,公務員の断片化と劣化 290
  スウェーデン:業績志向,雇用関係の柔軟性と個別化 293
  ハンガリー:公務員の独立性と専門家主義の確保のための公的─法的キャリアモデル 294
 4.5.5|電子政府と行政のディジタル化 295
 4.5.6|国家間比較:収斂,拡散,不変,そして説明要因 300
  収斂,拡散,不変 300
  説明要因 305

第5章 比較要約 315
5.1 行政改革論議 315
5.2 改革実施 319
5.3 収斂,拡散,不変の説明 326
  社会学的制度論─強制,規範的圧力,および模倣による適応 326
  合理的選択,ないしアクター中心制度論:機能的適応,拒否権プレイヤー配置,投票極大化 327
  歴史的制度論:時代性,経路依存性,および行政文化の不変性 330

第6章 比較行政学の将来展望 333

参考文献一覧 341
索引 384
原著者紹介 401