刑事法の問題群 II
刑事法研究 第22巻

刑事法の問題群 II

川端 博 著
定価:9,900円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2021年05月20日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    456頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5329-2
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内容紹介


《目 次》

はしがき

(第一部 刑法・特別刑法編)

第五章 偽造の罪 一
第一節 文書偽造罪 一
 第一款 文書犯罪の特質 一
 第二款 有形偽造と無形偽造の意義 三
 第三款 代理・代表名義の冒用 六
 第四款 虚無人名義の冒用 六
 第五款 偽造罪の客体―文書・図画・電子的記録 七
 第六款 行使および行使の目的 一〇
 第七款 印章・署名 一一
 第八款 コンピュータ犯罪としての電磁的記録不正作出罪・不正電磁的記録供用罪 一一
第二節 有価証券偽造の罪 一五
 第一款 総説 一五
 第二款 有価証券偽造罪 一六
 第三款 偽造有価証券行使罪 一六
 第四款 変造テレホンカードと変造有価証券交付罪 一七
第三節 印章偽造の罪 一九
 第一款 罪質および保護法益 一九
 第二款 犯罪類型 一九
第三款 行為 二〇
第四節 通貨偽造の罪 二〇
 第一款 総説 二〇
 第二款 偽造・変造・模造 二一
 第三款 行使・交付・輸入 二二
 第四款 通貨偽造準備罪の法的性格 二二

第六章 騒擾罪(騒乱罪) 二五
第一節 総説 二五
 第一款 罪質 二五
 第二款 保護法益 二六
 第三款 改正刑法草案における規定 二八
第二節 客観的要件―「多衆聚合」と「暴行・脅迫」 二九
 第一款 「多衆聚合」の意義 二九
 第二款 暴行・脅迫の意義―危険犯としての性質 三〇
第三節 主観的要件?―「共同意思」の要否と内容 三一
 第一款 「共同意思」の内容 三一
 第二款 「共同意思」不要説の検討 三三
第四節 主観的要件?―未必的共同意思 三四
 第一款 未必的共同意思の内容 三四
 第二款 未必的共同意思不要説の検討 三七
 第三款 限定解釈の必要性 三八

第七章 川端 博先生に「刑法」を聞く―インタヴュー― 四一
序節 はじめに 四一
第一節 刑法とは 四二
 第一款 刑法の目的 四二
 第二款 行為規範か裁判規範か 四三
第二節 刑法の勉強の仕方 四四
 第一款 初学者・中級者が注意すべき点 四四
 第二款 体系的理解について 四五
 第三款 判例学習について 四八
第三節 司法試験について 五二
 第一款 短答式試験について 五二
 第二款 論文式試験について 五三
第四節 具体的論点 五七
 第一款 学会におけるホットな争点 五七
 第二款 因果関係論 五八
 第三款 原因において自由な行為 六三
 第四款 放火罪 六五
 第五款 公務執行妨害罪 六七
終節 おわりに 六八

第八章 特別刑法―個別判例研究 六九
第一節 道路交通法 六九
 第一款 中央緑地帯のある交差点における車輌の優先関係(最決四六・六・二三刑集二五巻四号六〇三頁) 六九
 第二款 区域を定めておこなう速度規制の効力と過失による指定速度違反(最決昭四八・二・一二刑集二七巻一号八頁) 八一
 第三款 明らかに幅員の広い道路の意義および赤色点減信号に基づく進行妨害避止義務(最決昭五〇・九・一一刑集二九巻八号五七八頁) 九〇
第二節 公職選挙法―二二四条の法意 九九
第三節 公害罪―公害罪法の適用(日本アエロジル公害判決) 一〇三
 第一款 問題の背景 一〇三
 第二款 本件のポイント 一〇四
 第三款 わたくしはこう考える 一〇六
第四節 国家公務員法、人事院規則により禁止された投票勧誘運動に当たるとされた事例[高松簡易保険局大坪事件](最判昭五六・一〇・二二刑集三五巻七号六九六頁) 一〇八
第五節 薬事法二条一項二号にいう「医薬品」の意義と憲法三一条、二一条一項、二二条一項(最判昭五七・九・二八刑集三六巻八号七八七頁) 一一六

第二部 刑事訴訟法論 一二五

第一章 刑事訴訟法の基礎 一二五
第一節 刑事訴訟法の意義 一二五
第二節 刑事訴訟法の歴史 一二六
 第一款 西洋における歴史的発展 一二六
 第二款 わが国における歴史的発展 一二六
第三節 刑事訴訟の諸原則(諸主義) 一三〇
 第一款 実体的真実主義と法の適正な手続き 一三〇
 第二款 職権主義と当事者主義 一三一
 第三款 起訴状一本主義 一三三
 第四款 迅速な裁判 一三四
 第五款 裁判の公開主義 一三四
 第六款 集中審理主義 一三四
 第七款 直接主義・口頭主義および伝聞法則 一三五
 第八款 自由心証主義 一三六
第四節 現行刑事訴訟法の特徴 一三七
 第一款 序 一三七
 第二款 当事者主義訴訟構造の強化 一三七
 第三款 強制処分における人権保障の強化 一三九
 第四款 上訴制度の改革 一四〇
 第五款 被告人の不利益のための再審の廃止 一四〇
 第六款 陪審制度 一四〇
第五節 刑事訴訟法の法源と適用範囲 一四一
 第一款 法と規則 一四一
 第二款 刑事訴訟法の適用範囲 一四二

第二章 訴訟主体 一四七
第一節 訴訟主体の意義 一四七
第二節 裁判所 一四八
 第一款 裁判所の意義と種類 一四八
 第二款 国法上の意義における裁判所の構成と機能 一四九
 第三款 訴訟法上の意義における裁判所の構成 一五三
 第四款 公平な裁判所の保障 一五六
 第五款 裁判所の権限 一五八
第三節 検察官および司法警察職員 一六二
 第一款 検察官 一六二
 第二款 司法警察職員 一七〇
第四節 被告人および弁護人 一七四
 第一款 被告人 一七四
 第二款 弁護人 一七七
 第三款 補佐人 一八三

第三章 公正な刑事裁判と基本的人権 一八五
第一節 公正な刑事裁判を保障するための基本的人権 一八五
 第一款 人身の自由と適正手続き 一八五
 第二款 公平な裁判所による迅速な公開裁判の保障 一八六
 第三款 証人審問権の保障 一八八
 第四款 弁護人依頼権の保障 一八九
 第五款 自白法則 一九〇
 第六款 一事不再理・二重処罰禁止 一九〇
第二節 予断排除の原則 一九四
 第一款 意義 一九四
 第二款 裁判所の構成における予断排除 一九四
 第三款 公訴提起における予断排除 一九五
 第四款 第一回公判期日前の処分における予断排除 一九五
 第五款 公判手続きにおける予断排除 一九五
第三節 迅速な裁判に関する学説および判例 一九六
 第一款 問題の所在 一九八
 第二款 判例の発展 一九九
 第三款 学説の状況 二〇〇

第四章 捜査・公訴の提起および刑事弁護 二〇五
第一節 捜索・差押えの必要性の判断 二〇五
 第一款 問題の所在 二〇六
 第二款 学説の状況 二〇七
 第三款 消極説の検討 二〇九
 第四款 判例の状況 二一〇
第二節 親告罪の告訴 二一一
 第一款 問題の所在 二一一
 第二款 告訴不可分の原則 二一一
 第三款 親告罪につき告訴が欠如するばあいの取扱い 二一二
第三節 起訴状一本主義 二一四
 第一款 問題の所在と背景 二一六
 第二款 余事記載と起訴状一本主義 二一九
 第三款 前科の記載と起訴状一本主義 二二〇
第四節 弁護人依頼権と弁護権の内容 二二一
 第一款 被告人の弁護人依頼権の憲法的保障 二二二
 第二款 被疑者の弁護人依頼権 二二四
 第三款 国選弁護人制度 二二七
第五節 「弁護士倫理」観の変化について 二三六
 第一款 はじめに 二三六
 第二款 弁護士に倫理に対する視点の変化―国民の信頼と組織防衛 二三八
 第三款 視点変化の原因―事前抑制型社会から事後救済型社会への移行 二三九
 第四款 市場原理とグローバリゼーション 二四〇
 第五款 個人倫理から組織倫理への転換 二四二
第六款 おわりに 二四三
第七款 パネルディスカッションの講評 二四四

第五章 公判手続き 二四九
第一節 訴因制度 二四九
 第一款 問題の所在 二四九
 第二款 審判の対象 二四九
 第三款 公訴提起による訴訟係属 二五〇
 第四款 訴因変更の要否 二五一
 第五款 訴訟条件の存否の判断基準 二五一
 第六款 一事不再理の効力の範囲 二五二
第二節 訴訟指揮権 二五三
 第一款 意義 二五三
 第二款 問題の所在 二五三
 第三款 訴訟指揮の範囲 二五四
 第四款 訴訟指揮の撤回・変更 二五五
第三節 法延警察権 二五六
 第一款 問題の所在 二五六
 第二款 法延警察権の行使 二五七
 第三款 法延警察権の時間的・場所的限界 二五七
 第四款 処分に対する異議申立て 二五八
第四節 訴訟行為と付款 二五九
 第一款 問題の所在 二五九
 第二款 付款の可否 二五九
 第三款 基本的な訴訟行為と付款 二六〇
 第四款 違法な付款と無効 二六一
第五節 被告人・共同被告人の証人適格 二六一
 第一款 問題の所在 二六二
 第二款 学説の状況 二六三
 第三款 判例の立場 二六六
第六節 実質的挙証責任 二六七
 第一款 問題の所在 二六八
 第二款 各学説の実質的根拠 二六九
 第三款 挙証責任の転換 二七二
 第四款 判例の立場 二七四
第七節 自由心証主義 二七四
 第一款 意義 二七五
 第二款 自由心証主義の内容 二七五
 第三款 自由心証主義の例外 二七六
第八節 厳格な証明と自由な証明の区別 二七七
 第一款 問題の所在 二七九
 第二款 自由な証明の意義 二八〇
 第三款 厳格な証明の対象 二八一
 第四款 判例の立場 二八二
第九節 鑑定結果の採否 二八三
 第一款 問題の所在 二八四
 第二款 学説の状況 二八四
 第三款 判例の立場 二八七

第六章 上訴論 二八九
第一節 総説 二八九
 第一款 上訴制度 二八九
 第二款 上訴権 二九二
 第三款 上訴の手続き 二九四
 第四款 不利益変更禁止の原則 二九五
 第五款 破棄判決の拘束力 二九六
 第六款 上訴費用の補償等 二九八
第二節 控訴 三〇〇
 第一款 控訴の意義と控訴審の構造 三〇〇
 第二款 控訴理由 三〇三
 第三款 控訴手続き 三一一
第三節 上告 三二〇
 第一款 意義 三二〇
 第二款 上告理由 三二一
 第三款 上告の手続き 三二二
第四節 抗告・準抗告 三二九
 第一款 意義 三二九
 第二款 一般抗告 三三一
 第三款 特別抗告 三三三
 第四款 抗告に代わる異議 三三五
 第五款 準抗告 三三六

第三部 刑事政策等 三四一

第一章 刑事政策 三四一
第一節 犯罪学の仮説―アメリカにおける社会学的犯罪理論の主要なものについての説明 三四一
 第一款 アメリカの犯罪学の傾向 三四一
 第二款 社会解体論 三四二
 第三款 分化的接触の理論(異質的接触理論) 三四二
 第四款 文化葛藤の理論・葛藤規範の理論 三四三
 第五款 アノミー理論 三四四
 第六款 ラベリング理論(社会的反作用理論) 三四四
第二節 未決拘禁の問題点 三四六
 第一款 未決拘禁の意義 三四六
 第二款 問題の所在 三四六
 第三款 未決拘禁制度の目的と運用 三四八
 第四款 未決拘禁者の法的地位?―訴訟の当事者ないし当事者たるべき地位 三五一
 第五款 未決拘禁者の法的地位?―取調べの対象としての地位 三五三
 第六款 未決拘禁者の法的地位?―処遇の対象としての地位 三五四
 第七款 死刑囚の処遇 三五六
第三節 代用監獄―勾留場所を代用監獄とした原裁判を変更して拘置所とした事例 三六二
 第一款 問題の所在 三六四
 第二款 拘禁の場所に関する原則 三六五
 第三款 被疑者の勾留場所の指定に関する裁判例 三六六
第四節 送致事件の一部公訴提起 三六八
 第一款 本件の争点 三七〇
 第二款 一部起訴の問題に関する三類型 三七〇
 第三款 数罪の一部起訴 三七一
第五節 審判不開始決定と一事不再理の効力 三七五
 第一款 本件における問題点 三七八
 第二款 不開始決定の一事不再理効の根本的理由 三七九
 第三款 諸論点に関する多数意見(法廷意見) 三八〇
 第四款 検察官の抗告権の根拠 三八四

第二章 ヨーロッパ拷問展をめぐって 三八五
第一節 ヨーロッパ拷問展の開催について 三八五
 第一款 開催に当たって 三八五
 第二款 テーブルトーク 川端 博さん(五三)明治大学刑事博物館館長(『朝日新聞』一九九七年七月二八日夕刊) 「拷問展」に二万五千人 背景に身体性への関心 三八七
 第三款 人間はどこまで残酷になれるか―ヨーロッパ拷問史 三八八
第二節 ヨーロッパの拷問に関する書籍の解題 四〇〇
 第一款 川端博監修『拷問の歴史・ヨーロッパ中世犯罪博物館』(河出書房新社刊) 四〇〇
 第二款 D・P・マニックス『人間はどこまで残虐になれるか―拷問の世界史』吉田誠一訳[講談社+α文庫版・講談社刊] 四〇七
 第三款 川端 博監修『あまりに残酷な拷問の世界・愛と狂気の物語』[青春出版社刊] 四一一

終章 いわゆる「触法精神障害者」問題と共生社会の構築 四一三
第一節 「精神障害者との共生社会の構築をめざして」(日本学術会議「精神障害者との共生社会」特別委員会報告)について 四一三
第二節 [補説]「精神障害者との共生社会の構築をめざして」(精神障害者との共生社会特別委員会報告)に関する委員長説明 四一五

事項・外国人名索引1