シリーズ:人権問題としての排除・剥奪2
人権と社会的排除
排除過程の法的分析遠藤美奈・植木 淳・杉山有沙 編著
定価:5,500円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2021年08月01日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
308頁 -
ISBN:
978-4-7923-0691-5
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内容紹介
《目 次》
序:社会的排除の過程的把握と法的救済の構想に向けて...... 〔編者一同〕 i
Ⅰ 平等の権利と社会的排除・再論 i
Ⅱ 排除過程のより深い法的分析へ─本書の課題 iii
1 本書の位置づけ iii
2 第1部 iv
3 第2部 v
4 第3部 vii
Ⅲ 本書の成り立ちと謝辞 ix
第1部 排除への理論的接近
第1章 法的課題としての社会的排除 ─過程着目型アプローチによる権利侵害の特定の可能性─ ...... 〔淡路智典〕 3
Ⅰ 問題の所在 ...... 3
1 格差社会と人権論 4
2 社会的排除の定義について 5
3 欧州における社会的排除 7
4 日本における社会的排除 9
Ⅱ 社会的排除の法的位置付け ...... 12
1 社会的排除をどのようにとらえるのか 12
2 生存権の理念化と社会的排除 12
3 法的課題としての社会的排除 13
4 「具体的な行為者が特定できないような差別構造」に対する国家への責任追及 16
5 過程着目型アプローチの可能性 18
第2章 アメリカ再建期における解放奴隷の法的包摂とその限界 ─1865年解放民局法審議における解放民の法的身分を素材として─ ...... 〔小池洋平〕 21
Ⅰ はじめに ...... 21
Ⅱ 解放民の置かれた状況への関心 ...... 24
Ⅲ 連邦議会における審議 ...... 26
1 第1ラウンド─第38回連邦議会第1会期下院 28
2 第2ラウンド─第38回連邦議会第1会期上院 31
3 第3ラウンド─第38回連邦議会第2会期 33
Ⅳ 解放奴隷から解放民へ ...... 36
1 解放民局法におけるパターナリズム問題 36
2 労働成果享受権の保障 38
Ⅴ むすび ...... 40
第2部 排除からの救済─平等権の課題
第3章 差別禁止事由の再検討 ─EUにおける差別禁止事由の階層化─ ...... 〔植木 淳〕 45
Ⅰ はじめに─アメリカの議論から ...... 45
Ⅱ EU法における差別禁止事由 ...... 47
1 EU差別禁止法の概観 47
2 差別禁止事由の階層化 48
3 欧州司法裁判所の判例展開 50
Ⅲ 差別禁止事由の階層化 ...... 55
1 階層化に関する問題 55
2 階層化の根拠 56
3 検討と展望60
Ⅳ おわりに─日本の議論へ ...... 64
第4章 国教樹立禁止条項と動機審査 ─「宗教に対する敵意」に基づく排除からの救済─ ...... 〔根田恵多〕 69
Ⅰ はじめに ...... 69
Ⅱ 動機審査と宗教に対する敵意 ...... 71
1 動機審査の手法 71
2 宗教条項と「宗教に対する敵意」 72
3 小括 77
Ⅲ 敵意の法理と国教樹立禁止条項 ...... 78
Ⅳ むすびにかえて ...... 87
第5章 有期雇用と差別・社会的排除 ─EU法理を素材に法規制のあり方を考える─ ...... 〔黒岩容子〕 93
Ⅰ 問題の所在 ...... 93
Ⅱ EU有期労働指令の制定および判例法理の生成 ...... 95
1 指令の制定および概要 95
2 有期労働契約法理の生成─ EU司法裁判所による軌道修正─ 97
Ⅲ その後の判例法理の展開 ...... 99
1 有期労働指令の適用範囲(枠組協約2条) 99
2 非差別原則(枠組協約4条) 100
3 濫用規制(枠組協約5条) 103
4 近年の判例動向─変容と基本堅持と─ 106
Ⅳ 有期雇用規制のあり方を考える─?EUそして日本 ...... 107
1 有期契約に対する認識および法規制の位置づけ 107
2 有期雇用に対する法的アプローチ方法 109
第6章 ハラスメントの防止と撤廃をめざす法政策 ─ILO第190号条約のアプローチに学ぶ─ ...... 〔浅倉むつ子〕 117
Ⅰ はじめに ...... 117
Ⅱ 条約と勧告の制定過程 ...... 118
1 ジェンダー平等とディーセントワーク 118
2 暴力とハラスメントをめぐる実態調査 118
3 2016年の専門家会合 119
4 2018年の第一次討議 120
5 2019年の第二次討議 120
Ⅲ 第190号条約と第206号勧告の主な内容 ...... 121
1 暴力とハラスメントの定義 121
2 規制の対象範囲 123
3 基本的アプローチ 124
4 労働の基本原則と権利 126
5 加盟国と使用者の採るべき措置 128
6 執行と救済 129
Ⅳ ILO条約批准に向けた国内法整備の課題 ...... 131
1 ILO条約の発効 131
2 国内法規制の現状と特色 131
3 ILO条約批准に向けて 133
第7章 社会的弱者の自己決定権行使の前提としての知る権利と合理的配慮 ...... 〔杉山有沙〕 147
Ⅰ 自己決定と知る権利 ...... 147
1 社会的弱者の自己決定権行使の困難さ 147
2 自己決定能力と情報 148
3 障害モデルと社会モデル 150
Ⅱ 知る権利と社会的障壁 ...... 151
1 知る権利の憲法上の位置づけ 152
2 社会的弱者の知る権利と社会的障壁 154
Ⅲ 障害者権利条約の観点からみた「知る権利」 ...... 156
1 表現と意見の自由並びに情報へのアクセス 156
2 アクセシビリティ 158
3 小括 159
Ⅳ イギリスにおける障害者の知る権利の保障と合理的配慮 ...... 160
1 英国平等法 160
2 R(on the application of Gill)v Secretary of State for Justice事件 161
3 小括 162
Ⅴ 日本における知る権利の保障に資する法制度 ...... 163
1 障害者基本法 163
2 障害者差別解消法 163
3 障害者総合支援法における意思疎通支援事業 165
Ⅵ 社会的弱者の知る権利と平等権保障としての合理的配慮 ...... 167
第3部 陥穽と可能性─社会権の課題
第8章 「教師の教育権」という戦略 ─兼子仁の教育法学とその批判を素材として─ ...... 〔森口千弘〕 175
Ⅰ はじめに ...... 175
Ⅱ 教師の教育権説 ...... 176
1 内的・外的事項区分論176
2 教師の教育権 177
3 教育目的規定 178
4 教育内容の決定 180
Ⅲ 教師の教育権説への批判 ...... 181
1 批判①:運動論との関係 182
2 批判②:子どもの人権論 184
3 小括 185
Ⅳ 学テ判決の解釈からみる兼子の戦略 ...... 186
1 兼子の学テ判決解釈 187
2 「もう一つ」の学テ判決解釈 188
3 兼子の解釈の方法 191
Ⅴ 兼子教育法の現代的意義 ...... 192
1 教師の教育人権論の時代背景 192
2 教師の教育権批判・再考 194
3 教師の教育権論の再定位に向けて 197
第9章 憲法25条の健康で文化的な生活と戦後日本の優生政策...... 〔石埼 学〕 201
Ⅰ はじめに ...... 201
Ⅱ 人口政策としての優生政策 ...... 204
1 『人口大事典』 204
2 「新人口政策基本方針に関する建議」(人口問題研究会) 205
3 人口学者の優生政策論 207
4 「人口問題に関する決議」 208
5 人口問題審議会の「人口調整に関する建議」 209
6 小括 209
Ⅲ 生存権理念と「文化国家」 ...... 210
1 ヴァイマール憲法 210
2 「健康で文化的な」 211
3 「文化国家」 215
4 「文化国家」建設のための諸法律 216
5 小括 219
Ⅳ 憲法学と優生政策 ...... 219
Ⅴ まとめ ...... 222
第10章 リベラリズム憲法学と認識論的障害物 ...... 〔笹沼弘志〕 227
Ⅰ すれ違い ...... 227
Ⅱ リベラリズム憲法学 ...... 229
1 自律能力基底説の限界 229
2 自立基底説 232
3 援助と自律 236
Ⅲ 日本国憲法の目的と人権体系 ...... 241
1 日本国憲法の目的 241
2 人権体系理解の要としての24条 243
3 24条の二重構造 市民的自由の確立と、国家による公序強制 245
Ⅳ 憲法25条生存権規定の過剰と無力化 ...... 248
第11章 生存権と不平等 ─社会的排除からみえてくるもの─ ...... 〔遠藤美奈〕 259
Ⅰ 遠ざかる「平等」 ...... 259
Ⅱ 規範的評価の可能な構想 ...... 261
1 社会的排除と「実質的平等」 261
2 承認/再分配と実質的平等 263
3 何の平等か?─生存権における「平等」への問い 265
Ⅲ ビルシッツの「社会的経済的権利」論 ...... 266
1 価値に関する基礎理論 266
2 平等命題 270
3 価値の理論と平等命題による基本的権利の基礎付け 271
4 ミニマムコア・アプローチ 273
Ⅳ 平等命題に基づく日本国憲法解釈の可能性 ...... 275
1 平等命題に基づく社会的経済的権利論の含意 275
2 違憲審査の可能性──不利の緩和・除去に向けて 276
3 再分配、承認、そして政治参加 280
Ⅴ 結びにかえて 282
序:社会的排除の過程的把握と法的救済の構想に向けて...... 〔編者一同〕 i
Ⅰ 平等の権利と社会的排除・再論 i
Ⅱ 排除過程のより深い法的分析へ─本書の課題 iii
1 本書の位置づけ iii
2 第1部 iv
3 第2部 v
4 第3部 vii
Ⅲ 本書の成り立ちと謝辞 ix
第1部 排除への理論的接近
第1章 法的課題としての社会的排除 ─過程着目型アプローチによる権利侵害の特定の可能性─ ...... 〔淡路智典〕 3
Ⅰ 問題の所在 ...... 3
1 格差社会と人権論 4
2 社会的排除の定義について 5
3 欧州における社会的排除 7
4 日本における社会的排除 9
Ⅱ 社会的排除の法的位置付け ...... 12
1 社会的排除をどのようにとらえるのか 12
2 生存権の理念化と社会的排除 12
3 法的課題としての社会的排除 13
4 「具体的な行為者が特定できないような差別構造」に対する国家への責任追及 16
5 過程着目型アプローチの可能性 18
第2章 アメリカ再建期における解放奴隷の法的包摂とその限界 ─1865年解放民局法審議における解放民の法的身分を素材として─ ...... 〔小池洋平〕 21
Ⅰ はじめに ...... 21
Ⅱ 解放民の置かれた状況への関心 ...... 24
Ⅲ 連邦議会における審議 ...... 26
1 第1ラウンド─第38回連邦議会第1会期下院 28
2 第2ラウンド─第38回連邦議会第1会期上院 31
3 第3ラウンド─第38回連邦議会第2会期 33
Ⅳ 解放奴隷から解放民へ ...... 36
1 解放民局法におけるパターナリズム問題 36
2 労働成果享受権の保障 38
Ⅴ むすび ...... 40
第2部 排除からの救済─平等権の課題
第3章 差別禁止事由の再検討 ─EUにおける差別禁止事由の階層化─ ...... 〔植木 淳〕 45
Ⅰ はじめに─アメリカの議論から ...... 45
Ⅱ EU法における差別禁止事由 ...... 47
1 EU差別禁止法の概観 47
2 差別禁止事由の階層化 48
3 欧州司法裁判所の判例展開 50
Ⅲ 差別禁止事由の階層化 ...... 55
1 階層化に関する問題 55
2 階層化の根拠 56
3 検討と展望60
Ⅳ おわりに─日本の議論へ ...... 64
第4章 国教樹立禁止条項と動機審査 ─「宗教に対する敵意」に基づく排除からの救済─ ...... 〔根田恵多〕 69
Ⅰ はじめに ...... 69
Ⅱ 動機審査と宗教に対する敵意 ...... 71
1 動機審査の手法 71
2 宗教条項と「宗教に対する敵意」 72
3 小括 77
Ⅲ 敵意の法理と国教樹立禁止条項 ...... 78
Ⅳ むすびにかえて ...... 87
第5章 有期雇用と差別・社会的排除 ─EU法理を素材に法規制のあり方を考える─ ...... 〔黒岩容子〕 93
Ⅰ 問題の所在 ...... 93
Ⅱ EU有期労働指令の制定および判例法理の生成 ...... 95
1 指令の制定および概要 95
2 有期労働契約法理の生成─ EU司法裁判所による軌道修正─ 97
Ⅲ その後の判例法理の展開 ...... 99
1 有期労働指令の適用範囲(枠組協約2条) 99
2 非差別原則(枠組協約4条) 100
3 濫用規制(枠組協約5条) 103
4 近年の判例動向─変容と基本堅持と─ 106
Ⅳ 有期雇用規制のあり方を考える─?EUそして日本 ...... 107
1 有期契約に対する認識および法規制の位置づけ 107
2 有期雇用に対する法的アプローチ方法 109
第6章 ハラスメントの防止と撤廃をめざす法政策 ─ILO第190号条約のアプローチに学ぶ─ ...... 〔浅倉むつ子〕 117
Ⅰ はじめに ...... 117
Ⅱ 条約と勧告の制定過程 ...... 118
1 ジェンダー平等とディーセントワーク 118
2 暴力とハラスメントをめぐる実態調査 118
3 2016年の専門家会合 119
4 2018年の第一次討議 120
5 2019年の第二次討議 120
Ⅲ 第190号条約と第206号勧告の主な内容 ...... 121
1 暴力とハラスメントの定義 121
2 規制の対象範囲 123
3 基本的アプローチ 124
4 労働の基本原則と権利 126
5 加盟国と使用者の採るべき措置 128
6 執行と救済 129
Ⅳ ILO条約批准に向けた国内法整備の課題 ...... 131
1 ILO条約の発効 131
2 国内法規制の現状と特色 131
3 ILO条約批准に向けて 133
第7章 社会的弱者の自己決定権行使の前提としての知る権利と合理的配慮 ...... 〔杉山有沙〕 147
Ⅰ 自己決定と知る権利 ...... 147
1 社会的弱者の自己決定権行使の困難さ 147
2 自己決定能力と情報 148
3 障害モデルと社会モデル 150
Ⅱ 知る権利と社会的障壁 ...... 151
1 知る権利の憲法上の位置づけ 152
2 社会的弱者の知る権利と社会的障壁 154
Ⅲ 障害者権利条約の観点からみた「知る権利」 ...... 156
1 表現と意見の自由並びに情報へのアクセス 156
2 アクセシビリティ 158
3 小括 159
Ⅳ イギリスにおける障害者の知る権利の保障と合理的配慮 ...... 160
1 英国平等法 160
2 R(on the application of Gill)v Secretary of State for Justice事件 161
3 小括 162
Ⅴ 日本における知る権利の保障に資する法制度 ...... 163
1 障害者基本法 163
2 障害者差別解消法 163
3 障害者総合支援法における意思疎通支援事業 165
Ⅵ 社会的弱者の知る権利と平等権保障としての合理的配慮 ...... 167
第3部 陥穽と可能性─社会権の課題
第8章 「教師の教育権」という戦略 ─兼子仁の教育法学とその批判を素材として─ ...... 〔森口千弘〕 175
Ⅰ はじめに ...... 175
Ⅱ 教師の教育権説 ...... 176
1 内的・外的事項区分論176
2 教師の教育権 177
3 教育目的規定 178
4 教育内容の決定 180
Ⅲ 教師の教育権説への批判 ...... 181
1 批判①:運動論との関係 182
2 批判②:子どもの人権論 184
3 小括 185
Ⅳ 学テ判決の解釈からみる兼子の戦略 ...... 186
1 兼子の学テ判決解釈 187
2 「もう一つ」の学テ判決解釈 188
3 兼子の解釈の方法 191
Ⅴ 兼子教育法の現代的意義 ...... 192
1 教師の教育人権論の時代背景 192
2 教師の教育権批判・再考 194
3 教師の教育権論の再定位に向けて 197
第9章 憲法25条の健康で文化的な生活と戦後日本の優生政策...... 〔石埼 学〕 201
Ⅰ はじめに ...... 201
Ⅱ 人口政策としての優生政策 ...... 204
1 『人口大事典』 204
2 「新人口政策基本方針に関する建議」(人口問題研究会) 205
3 人口学者の優生政策論 207
4 「人口問題に関する決議」 208
5 人口問題審議会の「人口調整に関する建議」 209
6 小括 209
Ⅲ 生存権理念と「文化国家」 ...... 210
1 ヴァイマール憲法 210
2 「健康で文化的な」 211
3 「文化国家」 215
4 「文化国家」建設のための諸法律 216
5 小括 219
Ⅳ 憲法学と優生政策 ...... 219
Ⅴ まとめ ...... 222
第10章 リベラリズム憲法学と認識論的障害物 ...... 〔笹沼弘志〕 227
Ⅰ すれ違い ...... 227
Ⅱ リベラリズム憲法学 ...... 229
1 自律能力基底説の限界 229
2 自立基底説 232
3 援助と自律 236
Ⅲ 日本国憲法の目的と人権体系 ...... 241
1 日本国憲法の目的 241
2 人権体系理解の要としての24条 243
3 24条の二重構造 市民的自由の確立と、国家による公序強制 245
Ⅳ 憲法25条生存権規定の過剰と無力化 ...... 248
第11章 生存権と不平等 ─社会的排除からみえてくるもの─ ...... 〔遠藤美奈〕 259
Ⅰ 遠ざかる「平等」 ...... 259
Ⅱ 規範的評価の可能な構想 ...... 261
1 社会的排除と「実質的平等」 261
2 承認/再分配と実質的平等 263
3 何の平等か?─生存権における「平等」への問い 265
Ⅲ ビルシッツの「社会的経済的権利」論 ...... 266
1 価値に関する基礎理論 266
2 平等命題 270
3 価値の理論と平等命題による基本的権利の基礎付け 271
4 ミニマムコア・アプローチ 273
Ⅳ 平等命題に基づく日本国憲法解釈の可能性 ...... 275
1 平等命題に基づく社会的経済的権利論の含意 275
2 違憲審査の可能性──不利の緩和・除去に向けて 276
3 再分配、承認、そして政治参加 280
Ⅴ 結びにかえて 282