有価証券法と民法の交錯
高田 晴仁 著
定価:8,800円(税込)-
在庫:
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発行:
2021年08月25日
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判型:
A5判上製 -
ページ数:
516頁 -
ISBN:
978-4-7923-2769-9
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内容紹介
《目 次》
はしがき
第一編 有価証券法と民法の交錯
指図債権の裏書譲渡と権利移転的効力について―民法四六九条論・序説―3
一 序説 3
二 民法四六九条の起草趣旨―梅博士の起草理由説明 11
1 旧商法から新民法への編成替 11
2 「指図債権」の実例 13
3 「米切手」の法的性質 15
三 ボワソナード草案における指図債権 30
四 ロェスレル商法草案における裏書の権利移転的効力 37
五 譲渡方法に関する「フランス法」主義 42
1 梅博士の指図債権理論 42
2 岡松博士による批判とその反論 44
3 フランス手形法学説の継受 48
六 結 び―現行法体系における民法指図債権とその立法論への展望 57
改正民法における「有価証券」 62
一 総説 62
1 「有価証券」の新設 62
2 改正前民法の「証券的債権」の理解 63
3 有価証券の法体系的位置づけ 66
4 理論上の概念としての「有価証券」と法律要件としての「有価証券」 70
二 指図証券 72
三 記名式所持人払証券 100
四 「その他の記名証券」 109
1 本条の適用対象の範囲 112
2 記名証券の譲渡・質権設定の方法 113
3 除権決定の効力 120
五 無記名証券 124
1 みなし動産規定(改正前八六条三項)の削除 126
2 無記名証券の所持人の権利推定、善意取得、支払免責 127
3 無記名証券の抗弁制限 128
4 無記名証券の質入れ 128
5 無記名証券の弁済の場所、履行遅滞、喪失の場合 129
被裏書人欄の抹消と裏書以外の方法による手形債権の譲渡(最判昭和四九年二月二八日民集二八巻一号一二一頁)134
一 事実 134
二 判旨 136
三 研究 137
1 問題の所在 137
2 「裏書の連続」のふたつの意義―権利推定的効力と実質的権利の帰属― 138
3 「指名債権譲渡の方法」とはどのような「方法」か 143
4 債権譲渡法における「指図債権」の位置づけ―債務者への対抗要件・債務者の免責要件― 147
5 結 語―本判決の評価と判例法における位置づけ 153
第二編 手形法と民法の交錯手形法と民法の交錯159
一 はじめに 159
二 手形法が立法的に民法(またはその原則)の適用を排除する領域 160
三 手形法自身が民法の適用を予定する領域 162
四 民法が積極的に「指図債権」「手形」に関する規定を置いている領域 172
五 手形法の特則を民法の道具立てを使って把握し、解釈しうる領域 179
ジュネーブ手形法統一条約の受容183
一 はじめに―昭和初期国際化時代と手形法 183
二 ジュネーブ条約受容前史―ハーグ会議と日本 187
三 ジュネーブ条約と日本―隠れた留保条項 191
四 むすびに代えて―手形偽造判例の転換 196
手形偽造と表見代理199
一 手形法八条の構造 199
二 無権代理と偽造の相違 202
三 偽造の「無権代理」化―旧判例 203
四 偽造の全面的「無権代理」化―新判例 205
支払呈示期間経過後に支払場所にした呈示の効力(最大判昭和四二年一一月八日民集二一巻九号二三〇〇頁)209
一 事 実 209
二 判 旨 210
三 研 究 211
1 問題の所在 211
2 多数意見と少数意見の対立―手形の文言性と「資金の活用」論 213
3 支払地と支払場所 217
四 手形の文言性と有益的記載事項 220
変造前の満期より後の日付で振出日が補充された約束手形の効力(最判平成九年二月二七日民集五一巻二号六八六頁)227
一 事実の概要 227
二 判旨 228
三 解説 229
第三編 無因的法律行為と人的抗弁
支払に代えてなす手形行為と更改―民法五一三条二項後段の意義―237
はしがき―民法からみた「手形」と民法五一三条二項後段 237
一 「履行に代えてなす為替手形の発行」と更改―問題の所在 239
二 民法五一三条二項後段の起草過程 247
1 ボワソナードから旧民法へ 247
2 旧民法から梅博士の新民法へ 257
結びに代えて―通説への疑問 263
神戸寅次郎博士の無因契約論―現代手形抗弁論のために―267
一 はじめに―問題の所在 267
二 神戸博士の無因契約論 277
三 手形行為の無因性―有因論批判 310
四 結び―神戸理論の射程 318
裏書の単純性とその機能322
一 問題の機縁―最高裁昭和四三年一二月二五日大法廷判決 322
二 原審判決とその反響 324
三 最高裁判決における論争 336
四 裏書の単純性の理論的基礎 339
1 手形行為とその原因 339
2 原因・有因・無因 344
3 抗弁対抗・不対抗の法理―抗弁附着とその洗滌 347
五 結語―昭和四三年判決の射程 351
隠れた質入裏書の被担保債権の消滅と手形所持人の権利行使―いわゆる後者の抗弁― (最大判昭和四三年一二月二五日民集二二巻一三号三五四八頁)355
一 事実 355
二 判旨 356
三 研究 357
1 問題の所在―権利移転行為有因論の問題提起 357
2 結論の妥当性―受戻しの抗弁 359
3 無因論の意義―裏書の単純性と人的抗弁 363
4 判例法における本判決の射程と影響 366
書替後の手残手形と期限後裏書(高松高判平成三年六月一〇日金判八八一号二七頁)369
一 事実 369
二 判旨 370
三 研究 371
原因債権の移転と人的抗弁―手形の無因性と「原因」問題の一断面―383
一 はじめに―無因性と「原因」問題 383
二 手形行為の直接当事者以外の第三者への原因債権の移転と人的抗弁 387
三 被裏書人に対する原因債権の譲渡と人的抗弁 397 四
結語 407
原因債権に対する差押・転付命令と人的関係に基く抗弁(最判平成三年五月一〇日判時一三八七号五九頁)409
一 事実 409
二 判旨 411
三 評釈 412
手形とともに原因債権を譲り受けた手形所持人と人的抗弁(名古屋地判昭和六一年九月一一日判時一二一五号一三二頁)424
一 事実 424
二 判旨 425
三 研究 427
二重無権の抗弁が認められた事例(甲府地判平成一七年一一月一八日判例集未掲載、裁判所ホームページ掲載)437
一 事実 437
二 判旨 438
三 研究 439
悪意の抗弁の成立(大判昭和一九年六月二三日民集二三巻三七八頁)444
一 事実の概要 444
二 判旨 445
三 解説 446
白地手形の保証人兼裏書人に対する手形金請求と権利の濫用(東京高判平成三年八月二八日金法一三一八号二一頁)450
一 事実 450
二 判旨 453
三 研究 455
詐害行為による裏書の取消と隠れた取立委任裏書(最判昭和五四年四月六日民集三三巻三号三二九頁)466
一 事実の概要 466
二 判旨 467
三 解説 468
第四編 手形法と民事手続法の交錯
手形の除権判決と善意取得者の権利(最判平成一三年一月二五日民集五五巻一号一頁)475
一 事実の概要 475
二 判旨 476
三 解説 477
いわゆる私製手形による手形訴訟が手形制度および手形訴訟制度の濫用(悪用)として却下された事例(東京地判平成一五年一〇月一七日判時一八四〇号一四二頁)482
一 事実 482
二 判旨 482
三 研究 484
事項索引・判例索引(巻末)