「孤独死現象」の社会学
実在、言説、そしてコミュニティ呉 獨立 著
定価:5,940円(税込)-
在庫:
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発行:
2021年09月20日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
266頁 -
ISBN:
978-4-7923-3415-4
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内容紹介
《目 次》
はしがき
序章1
第1節 連帯と孤独、近代的個人化と統合の問題1
第2節 「孤独死現象」、そして本書における基本的な「問い」4
第3節 本書の構成10
第1章 「孤独死」とは何か?―「孤独死現象」における争点の多様性、およびその構成要素―13
第1節 「孤独死現象」における「孤独死」という用語14
第1項 「孤独死現象」に関わっている用語の意味(15)
1 「孤独」と「孤立」(15)
2 「孤独死」と類似意味で使用される「言葉」(17)
第2項 意味の曖昧性―「孤独死」という言葉の混乱―(19)
第3項 「孤独死」という用語の使い方をめぐる議論(21)
第2節 「孤独死」定義をめぐる争点23
第1項 「孤独死」発現形態の多様性(24)
第2項 「孤独死」定義の多様性(27)
1 辞典的定義(28)
2 政策領域における定義(28)
3 研究領域における定義(31)
第3項 「孤独死」定義で現れる争点(34)
1 死亡場所(35)
2 世帯類型(36)
3 自殺の扱い方(38)
4 生前の状況(39)
5 看取りの有無(41)
6 年齢基準(42)
7 死後経過時間(44)
第3節 「孤独死」を構成する諸要素46
第1項 「孤独死」の発現要素―「社会的死」と「孤独死」―(47)
1 「社会的死」(48)
2 「社会的死」としての「孤独死」における意味の複雑性(51)
第2項 生前の状況に関連する表層的要素―「ヒトリ性」―(53)
第3項 生前の状況に関連する深層的要素―個人化―(55)
第4項 死後の状況に関連する表層的要素―死後処理問題―(57)
第5項 死後の状況に関連する深層的要素―コミュニティ問題―(58)
第4節 まとめ―「近代的な死」、そして近代的「個人」と「コミュニティ」をめぐる現象としての「孤独死」―60
第2章 「孤独死現象」における「現象」の実在―「孤独死現象」はどのような形の実在をもっているのか?―67
第1節 発現現象の実在68
第1項 [とある姿の「死」]という「実在する現象」(69)
1 データに基づく「孤独死」の実態把握の実在(69)
2 事例収集を通じた「孤独死」の実態把握の実在(72)
第2項 「とある問題」として「実在する現象」(75)
1 阪神・淡路大震災以前の時期(75)
2 阪神・淡路大震災以後の1990年代後半(77)
3 2000年以降の時期(78)
第2節 政策的関心の対象としての「孤独死」79
第1項 「孤立死防止推進事業」実施以前の政策の流れ(80)
第2項 厚生労働省による「孤立死防止推進事業」実施(81)
第3項 「孤立死防止推進事業」以降の主要政策及び流れ(87)
第3節 学問的研究対象としての「孤独死」89
第1項 「孤独死」研究の現況(89)
1 「孤独死」研究の動向(90)
2 「孤独死」に関する学問的関心の多様性(91)
第2項 主要研究に関する検討(93)
第4節 まとめ―[とある姿の「死」]そして「とある問題」として実在する「現象」としての「孤独死現象」―98
第3章 「孤独死現象」と言説―日本の「孤独死現象」における言説展開の様相―103
第1節 「孤独死現象」に関わる言説の類型104
第1項 現象に関する認識の多次元性(104)
第2項 福祉・制度に関わる言説(106)
第3項 個人化言説(107)
第4項 コミュニティ言説(108)
第2節 メディアの報道から見る「孤独死」言説展開の様相110
第1項 メディアの「孤独死」関連報道に関する先行研究(110)
第2項 分析の対象と報道の推移(112)
1 分析対象(113)
2 「孤独死」関連記事の推移(113)
第3項 「孤独死」報道の動向(116)
1 1970年代(116)
2 1990年代後半(阪神・淡路大震災時期)(118)
3 2000年代以後(「北九州市孤独死事件」と「団地の孤独死」)(120)
4 2011年東日本大震災以後(121)
第4項 日本の「孤独死」言説展開の様相(122)
1 福祉・制度に関わる言説の展開(122)
2 個人化言説の展開(123)
3 コミュニティ言説の展開(125)
第3節 韓国の「孤独死」言説との比較127
第1項 韓国の「孤独死現象」及び日韓比較の意義(128)
第2項 「現象」の実在に関する日韓比較(129)
1 韓国の「無縁故死亡者」統計と日本の「立会者のいない死亡者」統計の比較(131)
2 「ソウル市孤独死統計」と東京都監察医務院の「異状死統計」の比較(137)
第3項 韓国メディアにおける「孤独死」言説の展開様相(140)
1 分析対象(140)
2 記事の推移(140)
3 韓国の「孤独死」関連記事分析(142)
第4項 「孤独死」言説の日韓比較(147)
1 「孤独死現象」における韓国的状況(147)
2 「孤独死」言説の展開における日本と韓国の相違(150)
第4節 まとめ―「コミュニティ言説」としての日本の「孤独死現象」―151
第4章 「孤独死現象」をめぐる「コミュニティ言説」及び、その特徴―「常盤平団地の物語」と「無縁社会論」―155
第1節 「常盤平団地の物語」再検討156
第1項 「発信の中心地」としての常盤平団地(157)
第2項 常盤平団地の「孤独死」対策(162)
第3項 「常盤平団地の物語」に内在する特徴(1):人的要素への強い依存(167)
第4項 「常盤平団地の物語」に内在する特徴(2):共通の集団経験による強い住民意識(169)
第2節 「無縁社会論」に対する批判的検討172
第1項 流行現象としての「無縁社会論」の展開(173)
第2項 「無縁社会論」の内在的構造―「社会的排除」と「親密圏の変容」―(177)
第3項 「無縁社会論」の問題点と限界(179)
第3節 まとめ―「孤独死現象」をめぐる「コミュニティ言説」の脆弱性―184
第5章 福祉問題としての「孤独死現象」とコミュニティ189
第1節 福祉と「孤独死現象」190
第1項 「良く統合されている」状態としての福祉概念(190)
第2項 連帯と統合に対する警告―「孤独死」の「問題的」側面―(193)
第2節 近代におけるコミュニティの状況197
第1項 コミュニティの基本属性―境界性、同質性、帰属性―(197)
第2項 コミュニティの近代的状況(200)
第3節 「孤独死現象」と対応主体としての「コミュニティ」204
第1項 「『ツナガリ』のコミュニティ」と「機能的ネットワーク」(204)
第2項 「孤独死現象」と「機能的ネットワーク」としてのコミュニティ(212)
第4節 まとめ―「コミュニティ」の近代的状況と福祉問題としての「孤独死現象」―216
終章221
第1節 日本における「孤独死現象」のありよう221
第2節 示唆、限界、そして残された課題237
参考文献243
はしがき
序章1
第1節 連帯と孤独、近代的個人化と統合の問題1
第2節 「孤独死現象」、そして本書における基本的な「問い」4
第3節 本書の構成10
第1章 「孤独死」とは何か?―「孤独死現象」における争点の多様性、およびその構成要素―13
第1節 「孤独死現象」における「孤独死」という用語14
第1項 「孤独死現象」に関わっている用語の意味(15)
1 「孤独」と「孤立」(15)
2 「孤独死」と類似意味で使用される「言葉」(17)
第2項 意味の曖昧性―「孤独死」という言葉の混乱―(19)
第3項 「孤独死」という用語の使い方をめぐる議論(21)
第2節 「孤独死」定義をめぐる争点23
第1項 「孤独死」発現形態の多様性(24)
第2項 「孤独死」定義の多様性(27)
1 辞典的定義(28)
2 政策領域における定義(28)
3 研究領域における定義(31)
第3項 「孤独死」定義で現れる争点(34)
1 死亡場所(35)
2 世帯類型(36)
3 自殺の扱い方(38)
4 生前の状況(39)
5 看取りの有無(41)
6 年齢基準(42)
7 死後経過時間(44)
第3節 「孤独死」を構成する諸要素46
第1項 「孤独死」の発現要素―「社会的死」と「孤独死」―(47)
1 「社会的死」(48)
2 「社会的死」としての「孤独死」における意味の複雑性(51)
第2項 生前の状況に関連する表層的要素―「ヒトリ性」―(53)
第3項 生前の状況に関連する深層的要素―個人化―(55)
第4項 死後の状況に関連する表層的要素―死後処理問題―(57)
第5項 死後の状況に関連する深層的要素―コミュニティ問題―(58)
第4節 まとめ―「近代的な死」、そして近代的「個人」と「コミュニティ」をめぐる現象としての「孤独死」―60
第2章 「孤独死現象」における「現象」の実在―「孤独死現象」はどのような形の実在をもっているのか?―67
第1節 発現現象の実在68
第1項 [とある姿の「死」]という「実在する現象」(69)
1 データに基づく「孤独死」の実態把握の実在(69)
2 事例収集を通じた「孤独死」の実態把握の実在(72)
第2項 「とある問題」として「実在する現象」(75)
1 阪神・淡路大震災以前の時期(75)
2 阪神・淡路大震災以後の1990年代後半(77)
3 2000年以降の時期(78)
第2節 政策的関心の対象としての「孤独死」79
第1項 「孤立死防止推進事業」実施以前の政策の流れ(80)
第2項 厚生労働省による「孤立死防止推進事業」実施(81)
第3項 「孤立死防止推進事業」以降の主要政策及び流れ(87)
第3節 学問的研究対象としての「孤独死」89
第1項 「孤独死」研究の現況(89)
1 「孤独死」研究の動向(90)
2 「孤独死」に関する学問的関心の多様性(91)
第2項 主要研究に関する検討(93)
第4節 まとめ―[とある姿の「死」]そして「とある問題」として実在する「現象」としての「孤独死現象」―98
第3章 「孤独死現象」と言説―日本の「孤独死現象」における言説展開の様相―103
第1節 「孤独死現象」に関わる言説の類型104
第1項 現象に関する認識の多次元性(104)
第2項 福祉・制度に関わる言説(106)
第3項 個人化言説(107)
第4項 コミュニティ言説(108)
第2節 メディアの報道から見る「孤独死」言説展開の様相110
第1項 メディアの「孤独死」関連報道に関する先行研究(110)
第2項 分析の対象と報道の推移(112)
1 分析対象(113)
2 「孤独死」関連記事の推移(113)
第3項 「孤独死」報道の動向(116)
1 1970年代(116)
2 1990年代後半(阪神・淡路大震災時期)(118)
3 2000年代以後(「北九州市孤独死事件」と「団地の孤独死」)(120)
4 2011年東日本大震災以後(121)
第4項 日本の「孤独死」言説展開の様相(122)
1 福祉・制度に関わる言説の展開(122)
2 個人化言説の展開(123)
3 コミュニティ言説の展開(125)
第3節 韓国の「孤独死」言説との比較127
第1項 韓国の「孤独死現象」及び日韓比較の意義(128)
第2項 「現象」の実在に関する日韓比較(129)
1 韓国の「無縁故死亡者」統計と日本の「立会者のいない死亡者」統計の比較(131)
2 「ソウル市孤独死統計」と東京都監察医務院の「異状死統計」の比較(137)
第3項 韓国メディアにおける「孤独死」言説の展開様相(140)
1 分析対象(140)
2 記事の推移(140)
3 韓国の「孤独死」関連記事分析(142)
第4項 「孤独死」言説の日韓比較(147)
1 「孤独死現象」における韓国的状況(147)
2 「孤独死」言説の展開における日本と韓国の相違(150)
第4節 まとめ―「コミュニティ言説」としての日本の「孤独死現象」―151
第4章 「孤独死現象」をめぐる「コミュニティ言説」及び、その特徴―「常盤平団地の物語」と「無縁社会論」―155
第1節 「常盤平団地の物語」再検討156
第1項 「発信の中心地」としての常盤平団地(157)
第2項 常盤平団地の「孤独死」対策(162)
第3項 「常盤平団地の物語」に内在する特徴(1):人的要素への強い依存(167)
第4項 「常盤平団地の物語」に内在する特徴(2):共通の集団経験による強い住民意識(169)
第2節 「無縁社会論」に対する批判的検討172
第1項 流行現象としての「無縁社会論」の展開(173)
第2項 「無縁社会論」の内在的構造―「社会的排除」と「親密圏の変容」―(177)
第3項 「無縁社会論」の問題点と限界(179)
第3節 まとめ―「孤独死現象」をめぐる「コミュニティ言説」の脆弱性―184
第5章 福祉問題としての「孤独死現象」とコミュニティ189
第1節 福祉と「孤独死現象」190
第1項 「良く統合されている」状態としての福祉概念(190)
第2項 連帯と統合に対する警告―「孤独死」の「問題的」側面―(193)
第2節 近代におけるコミュニティの状況197
第1項 コミュニティの基本属性―境界性、同質性、帰属性―(197)
第2項 コミュニティの近代的状況(200)
第3節 「孤独死現象」と対応主体としての「コミュニティ」204
第1項 「『ツナガリ』のコミュニティ」と「機能的ネットワーク」(204)
第2項 「孤独死現象」と「機能的ネットワーク」としてのコミュニティ(212)
第4節 まとめ―「コミュニティ」の近代的状況と福祉問題としての「孤独死現象」―216
終章221
第1節 日本における「孤独死現象」のありよう221
第2節 示唆、限界、そして残された課題237
参考文献243