現代医療関係法
城 祐一郎 著
定価:3,630円(税込)-
在庫:
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発行:
2022年03月14日
-
判型:
A5判並製 -
ページ数:
456頁 -
ISBN:
978-4-7923-2779-8
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内容紹介
《目 次》
はしがき……i
本書を使用するに当たっての注意事項……iii
第1編 医療行為の主体となる医療従事者等に関する法規制……1
第1章 医師法・歯科医師法における医師・歯科医師の任務とその資格要件……2
第1款 任務……2
第2款 資格要件……2
第1 免許……2
第2 医籍・歯科医籍への登録……3
第3 医師・歯科医師免許の不正取得……4
第3款 欠格事由……4
第1 絶対的欠格事由……4
第2 相対的欠格事由……6
1 医師法及び歯科医師法各4条の概要 (6)
2 医師法及び歯科医師法各4条の各号の規定について (6)
第4款 取消し等の処分……8
第1 必要的取消し処分の場合―かつての医師法及び歯科医師法各7条1項―……8
第2 任意的取消し等の処分の場合……8
1 現在の医師法及び歯科医師法各7条1項の概要 (8)
2 医師としての品位を損するような行為とは (9)
3 処分の内容 (9)
第5款 稼働先である病院等に関する規制……10
第1 医療提供施設の定義規定……10
1 病院 (10)
2 診療所 (12)
3 助産所 (12)
第2 医療機関の開設に関する医療法のスタンス……12
1 病院の開設 (13)
2 診療所・助産所の開設 (14)
第3 医療提供機関の名称使用制限等……14
第2章 薬剤師法における薬剤師の任務とその資格要件……15
第1款 任務……15
第2款 資格要件等……16
第3款 稼働先である薬局に関する規制……16
第1 薬局開設に関する規制……16
第2 薬局の名称使用に関する規制……17
第3 薬局の管理者(管理薬剤師)及び薬局開設者に対する規制……17
第3章 保健師助産師看護師法に係る任務及び資格要件……19
第1款 本法の目的……19
第2款 資格要件……20
第3款 欠格事由及び取消し等の処分……20
第4章 医療行為等の主体たり得ない無資格者に対する規制……20
第1款 無資格者による医行為・歯科医行為に対する医師法及び歯科医師法の規制……21
第1 総説……21
第2 無資格者による医行為が処罰された事例……22
1 平成14年10月30日東京地裁判決(判例時報1816号164頁) (22)
2 平成21年9月10日大阪地裁判決(公刊物未登載) (22)
3 令和2年9月16日最高裁決定(裁判所時報1752号2頁)…… (24)
4 平成9年8月4日東京高裁判決(判例タイムズ960号287頁) (29)
第3 無資格者による歯科医行為が処罰された事例……33
1 歯科医師と歯科技工士の関係 (33)
2 昭和55年9月1日札幌地裁判決(判例時報987号135頁) (35)
第2款 無資格者による調剤行為に対する薬剤師法の規制……35
第3款 無資格者による診療の補助等に対する保健師助産師看護師法の規制……36
第2編 医療行為等の規制に関する法制度……38
第1章 民法上の診療契約の法的性質及びこれに基づく医師らの義務……39
第1款 診療契約の法的性質……39
第2款 診療契約に基づく医師らの患者に対する義務……40
第3款 債務不履行及び不法行為による損害賠償責任……41
第2章 診療契約に基づく民法上の義務以外で、医師法、歯科医師法及び医療法等に基づく医師及び歯科医師の患者に対する義務……43
第1款 応召義務(医師法・歯科医師法)……43
第1 応召義務についての基本的な考え方……43
第2 応召義務への疑問……43
第2款 説明義務(医療法・医師法・民法)……44
第1 医師ら医療提供者における説明義務の法的根拠……44
1 医療法に基づくインフォームド・コンセント形成努力義務 (44)
2 療養方法等指導義務 (46)
3 準委任契約に基づく説明義務 (46)
4 診療情報の提供等に関する指針 (47)
第2 平成13年11月27日最高裁判決(民集55巻6号1154頁)……47
第3 平成14年9月24日最高裁判決(裁判集207号175頁)……48
第3款 守秘義務(刑法・個人情報保護法)……50
第1 刑法の秘密漏示罪の内容……50
第2 本罪が医師に対して適用された事例 ―平成24年2月13日最高裁決定(刑集66巻4号405頁)―……52
1 事案の概要及び裁判に至る経緯 (52)
2 裁判所の判断 (53)
第3 守秘義務が免除される場合―捜査事項照会回答(報告)義務― ……54
第4 守秘義務が免除されない場合―弁護士会による照会― ……55
1 民間団体からの照会への回答は守秘義務違反を構成すること (55)
2 平成28年10月18日最高裁判決(民集70巻7号1725頁) (56)
3 昭和56年4月14日最高裁判決(民集35巻3号620頁) (57)
第5 個人情報保護法に基づく守秘義務……57
1 個人情報保護法の規制上、医療関係者がその対象となる場合について (57)
2 個人情報とは (58)
3 個人情報取扱事業者とは (59)
4 個人情報取扱事業者に課せられている義務とは (60)
5 個人情報取扱事業者に科せられる刑罰は (61)
第4款 届出義務(医師法・死体解剖保存法・医薬品医療機器等法・食品衛生法・麻薬及び向精神薬取締法・母体保護法・感染症法等)……61
第1 医師法による異常死体届出義務……62
1 法的根拠 (62)
2 都立広尾病院事件:平成16年4月13日最高裁判決(刑集58巻4号247頁) (62)
3 医療事故調査制度 (69)
第2 医師法以外の特別法に規定されている届出義務……74
1 死体解剖保存法 (74)
2 医薬品医療機器等法 (75)
3 食品衛生法 (75)
4 麻薬及び向精神薬取締法 (75)
5 母体保護法 (76)
6 感染症法 (76)
7 児童虐待防止法 (78)
8 DV法 (79)
第5款 無診察等による、治療行為、診断書等の交付の禁止(医師法・歯科医師法) ……79
第1 医師法及び歯科医師法各20条本文の規定の解釈……79
第2 医師法20条但し書の規定の解釈……80
1 この規定の解釈に基づく実務慣行がもたらした問題点 (80)
2 平成24年8月31日(医政医発0831第1号)厚生労働省医政局医事課長通知 (81)
第6款 診断書・処方せん等の交付義務(医師法・歯科医師法・刑法)……82
第1 診断書・処方せん等の交付義務に関する規定の解釈……82
第2 診断書等の作成に関する刑法上の問題……83
第7款 診療録作成・保管義務(医師法・歯科医師法・刑法)……84
第1 診療録作成・保管義務に関する規定の解釈……84
第2 診療録(カルテ)の改竄に関する刑法上の問題……85
1 東京女子医大事件 (85)
2 三重大学医学部附属病院事件 (90)
第3章 特別な立場にある医師及び歯科医師に対する義務……90
第1款 独立行政法人国立病院機構法の制定の経緯及び改正等……91
第2款 独立行政法人国立病院機構の業務……92
第3款 独立行政法人国立病院機構の職員の地位……92
第1 刑罰の適用における公務員性……92
第2 守秘義務……93
1 機構法上の守秘義務規定 (93)
2 機構法上の秘密漏示罪と刑法上の秘密漏示罪との関係 (93)
第3 告発義務……94
1 序論 (94)
2 平成17年7月19日最高裁決定における事案の概要 (94)
3 公務員に対する告発義務の概要 (95)
4 守秘義務との対立に関する問題 (98)
第3編 調剤行為等の医療行為の規制等に関する法制度……104
第1章 民法上の調剤契約の法的性質及びこれに基づく薬剤師の義務……105
第1款 調剤契約の法的性質……105
第2款 調剤契約に基づく薬剤師の患者に対する義務……106
第2章 調剤契約に基づく民法上の義務以外で、薬剤師法等に基づく薬剤師の患者に対する義務……106
第1款 調剤義務(応調剤義務)……106
第2款 薬局等指定場所での調剤義務……107
第3款 処方せんによる調剤義務……107
第4款 処方せん疑義照会義務……108
第1 本義務の内容……108
第2 平成23年2月10日東京地裁判決(判例時報2109号56頁)……109
1 事案の概要及び原告の主張内容 (109)
2 本件東京地裁判決の判示内容 (110)
第5款 調剤された薬剤の表示義務……111
第6款 説明義務(情報の提供及び指導義務)……111
第7款 処方せんへの記入義務……112
第8款 処方せん・調剤録保存義務……113
第9款 処方せんを持たない者への処方せん薬の販売をしてはならない義務……114
第10款 医薬品を無許可で販売してはならない義務……114
第11款 品質不良医薬品等を販売してはならない義務……115
第12款 刑法上の守秘義務……115
第3章 医薬分業制度……115
1 医薬分業制度の概要 (115)
2 平成14年11月21日福岡高裁判決(公刊物未登載) (116)
第4編 補助的医療行為等を定めた看護師等法における規制等に関する法制度……122
第5編 刑事事件と交錯する医療行為に関する諸問題……124
第1章 人工妊娠中絶(堕胎罪・母体保護法)……125
第1款 人工妊娠中絶の是非に関する見解……125
第2款 堕胎に対する刑法の規定……125
第1 自己堕胎罪(刑法212条)……125
第2 同意堕胎罪(刑法213条)……126
第3 業務上堕胎罪(刑法214条)……126
第4 不同意堕胎罪(刑法215条)……127
第3款 胎児は、「人」か……127
第1 民事法・刑事法・医師法での胎児に対するそれぞれの考え方……127
第2 胎児の権利能力……127
第3 胎児への攻撃は何罪を構成するのか……128
第4款 我が国において、人工妊娠中絶は、年間どの程度の件数が実施されているのか……129
第5款 人工妊娠中絶が実施されている法的根拠……130
第1 母体保護法における人工妊娠中絶とは……130
第2 母体保護法における人工妊娠中絶に関する規定……130
第3 母体保護法14条1項1号の要件の問題点……131
第6款 医師による堕胎が刑法上問題とされた事例……132
第1 医師が妊婦からの依頼を受けて堕胎したものの、排出した胎児が生存していたものの、医師がこれをそのまま放置して死亡させた場合には、どのような刑責を負うことになるのか……132
第2 外科医が交際していた女性が妊娠したことにより無断で堕胎させた場合は、どのような刑責を負うのか……133
第2章 性同一性障害(傷害罪・母体保護法違反)……134
第1款 序章……134
第2款 性同一性障害の概要及びその診断……135
第1 性同一性障害の成因……135
第2 性同一性障害者の定義……136
1 医学上の定義 (136) 2 法律上の定義 (136)
第3 診断基準……137
1 ジェンダー・アイデンティティ(Gender Identity)の判定 (137)
2 身体的性別の判定 (137)
3 除外事由として確認すべき事項 (137)
第3款 性同一性障害の治療としての性別適合手術の起源及び我が国での以前の実施状況……138
第1 性別適合手術の始まり……138
第2 昭和時代における我が国での性転換手術に関する実態……138
第4款 性別適合手術(性転換手術)の刑事法上の問題点……139
第1 性別適合手術(性転換手術)に関する法律上の規定……139
第2 性転換手術が優生保護法違反として審理された事例……141
1 事案の概要 (141)
2 本件東京地裁判決の判示内容 (141)
3 本件東京高裁判決の判示内容 (143)
第5款 性同一性障害の診断と治療のガイドラインの策定……144
第6款 ガイドライン一般についての法的性質についての検討……145
第7款 治療等のガイドラインに従った性別適合手術の適法性……147
第8款 手術療法である性別適合手術の概要……150
第9款 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に関する諸問題……150
第1 対象者……150
第2 性同一性障害者における性別変更の手続及び問題点(その1)……150
1 性別変更のための要件 (150)
2 上記①から⑥までの各要件についての問題点 (151)
第3 平成31年1月23日最高裁決定(裁判所時報1716号4頁) (154)
1 本件最高裁決定の法廷意見 (154)
2 本件最高裁決定の補足意見 (155)
3 本件最高裁決定の法廷意見に対する批判的見解 (160)
第2 性同一性障害者における性別変更の手続及び問題点(その2)……161
1 前記⑥の要件について (161)
2 性別特例法に基づく手続による法的効果 (162)
第3章 刑法における性犯罪に関する規定……163
第1款 はじめに……163
第2款 平成29年の刑法改正について……163
第3款 改正された刑法の強制性交等罪について……164
第1 法改正の内容について……164
第2 本罪の客体について……164
第3 本罪の実行行為について……165
1 「性交」とは、「肛門性交」とは、「口腔性交」とは (165)
2 ここでいう「陰茎」や「膣」とは何を指すのか。性別適合手術による造膣術によって形成されたものであっても「膣」に含まれるのか (165)
3 肛門性交及び口腔性交が追加されたのはなぜか (166)
4 自己の性器を舐めさせる行為は「口腔性交」に該当するか (166)
5 上記の性交等は「暴行又は脅迫を用いて」なされる必要があるが、それはどの程度の暴行又は脅迫である必要があるのか (167)
第4款 改正された刑法の強制わいせつ罪について……167
第1 法改正の内容について……167
第2 基本的構成要件について……167
1 強制わいせつ罪の手段として規定されている「暴行又は脅迫」の程度はどの程度のものである必要があるのか (167)
2 強制わいせつ罪の「わいせつな行為」には、どのような行為が含まれるのか (168)
3 被害者を裸体にして写真撮影をする行為は、強制わいせつ罪に該当するのか (168)
第3 参考となる裁判例……169
1 平成26年7月18日神戸地裁判決(公刊物未登載) (169)
2 平成22年3月5日京都地裁判決(公刊物未登載) (169)
3 平成29年12月20日横浜地裁判決(公刊物未登載) (170)
第5款 改正された刑法の準強制わいせつ及び準強制性交等について……170
第1 法改正の内容について……170
第2 本罪の立証上の問題点……171
第3 参考事例:平成29年12月4日長野地裁判決(公刊物未登載)……171
第4章 宗教上の理由による輸血拒否(傷害罪・保護責任者遺棄致死罪等)……172
第1款 序論……172
第2款 エホバの証人とは……173
第3款 東京大学医科学研究所付属病院事件(平成12年2月29日最高裁判決(民集54巻2号582頁)……174
第1 事案の概要……174
1 患者の立場及び医師の立場 (174)
2 患者が本件病院で治療を受けることとなった経緯 (174)
3 手術及びその後の状況 (175)
第2 問題の所在(その1)……176
1 平成9年3月12日東京地裁判決(判例タイムズ964号82頁)の判示内容 (176)
2 平成10年2月9日東京高裁判決(判例時報1629号34頁)の判示内容 (180)
3 平成12年2月29日最高裁判決の判示内容 (182)
4 本件各判決の比較検討 (183)
第3 問題の所在(その2)……184
1 本件東京地裁判決の判示内容 (185)
2 本件東京高裁判決の判示内容 (185)
3 輸血拒否の場合における輸血行為に関するその他の見解 (186)
第4款 子供の治療のために輸血が必要であるにもかかわらず、「エホバの証人」である親権者が反対した場合の問題……187
第1 川崎事件が提起した問題……187
第2 本件親権者による輸血拒否は事故に遭った子の真意に沿ったものといえるのか……188
第3 川崎事件における刑事事件としての処分……189
第5款 宗教的輸血拒否に関するガイドライン……189
第6款 親権の喪失等に関する法的規制並びにその実施例……194
第1 親権の喪失等に関する規定の概要……194
第2 実施例……195
1 平成17年2月15日大阪家庭裁判所岸和田支部審判(家庭裁判月報59巻4号135頁) (195)
2 平成18年7月25日名古屋家裁審判(家庭裁判月報59巻4号127頁) (196)
第3 上記実施例等を踏まえた対策の検討及びガイドラインへの反映 (198)
第7款 宗教的輸血拒否に関するガイドラインにおいて残された問題と解決の方向性……199
第5章 医療過誤(業務上過失致死傷罪)……200
第1款 序論……200
第2款 過失の法的構造……201
第1 結果回避義務違反……201
第2 結果回避可能性……202
第3 予見義務・予見可能性……202
第4 上記4要素と善管注意義務との関係……203
第5 因果関係……204
第3款 民事医療過誤における重要なポイントである医療水準について……205
第1 医療水準の概念……205
第2 平成7年6月9日最高裁判決(民集49巻6号1499頁)……206
1 未熟児網膜症の概要及び治療方法の発展の経緯 (206)
2 本件最高裁判決の事案の概要 (208)
3 本件の下級審である大阪高裁判決の概要 (209)
4 本件最高裁判決の概要 (210)
5 差戻審である平成7年12月4日大阪高裁判決(判例時報1637号34頁) (214)
第3 平成8年1月23日最高裁判決(民集50巻1号1頁)……215
1 事案の概要 (215)
2 麻酔薬の使い方に関する問題点 (215)
3 本件最高裁判決の判示内容 (216)
4 善管注意義務の判断基準が「診療当時のいわゆる臨床医学の実践における医療水準」であるということ (216)
第4款 刑事医療過誤……217
第1 刑事法上の過失と民事法上の過失の違い……217
第2 刑事法上の過失犯規定……218
1 刑法の基本的なスタンス (218)
2 過失傷害罪 (218)
3 過失致死罪 (218)
4 重過失致死傷罪 (219)
5 業務上過失致死傷罪 (219)
第3 刑事医療過誤として起訴された事例……220
1 福島県立大野病院事件 (220)
2 横浜市立大学病院における患者取り違え事件 (226)
3 杏林大学病院割りばし死事件 (245)
4 埼玉医大病院事件 (262)
5 独立行政法人国立国際医療研究センター病院事件 (268)
第5款 チーム医療における信頼の原則……269
第1 信頼の原則とは……269
第2 北大電気メス事件……271
1 事案の概要及び問題の所在 (271)
2 札幌地裁及び札幌高裁の判示内容 (272)
第3 北大電気メス事件及び横浜市立大学病院における患者取り違え事件におけるチーム医療と信頼の原則の適用について……273
第6章 安楽死・尊厳死(殺人・嘱託殺人)……274
第1款 序論……274
第2款 安楽死・尊厳死の概念等に関する基本的な問題……275
第1 なぜ安楽死・尊厳死が問題となるのか……275
1 安楽死・尊厳死が基本的に殺人罪等に該当すること (275)
2 安楽死・尊厳死で殺人罪等が成立しない場合 (276)
3 安楽死・尊厳死は違法性阻却事由となるのか (277)
第2 安楽死の概念等……278
1 安楽死の概念 (278)
2 安楽死の分類 (279)
第3 尊厳死の概念……280
1 尊厳死の沿革 (280)
2 尊厳死の定義 (281)
第4 なぜ安楽死・尊厳死を処罰しないでよいと考えるのか……282
1 文学にみる古典的な肯定論 (283)
2 人間的同情心に基づく肯定論 (283)
3 自己決定権に基づく肯定論 (284)
4 「人を殺すことは本来的に悪である」という考え方に基づく否定論 (284)
5 滑り坂論法(Slippery Slope Theory)に基づく否定論 (285)
6 自己決定権には「死ぬ権利」は含まれないとの理論に基づく否定論 (285)
7 人間的同情論は弱者への抑圧につながるとの反論に基づく否定論 (286)
第5 理論的な面からの安楽死・尊厳死が容認されるべき根拠 (286)
1 平成7年3月28日横浜地裁判決(判例時報1530号28頁)における尊厳死を許容する根拠 (286)
2 患者の自己決定権について (287)
3 医療を提供する側の治療義務の限界 (288)
第3款 安楽死の行為主体性の問題……289
第1 安楽死は誰が行ってもよいのか……289
1 本件名古屋高裁判決の事案の概要 (289)
2 本件判決の判示内容 (290)
3 医師以外の者が安楽死を実施することの問題点 (291)
4 医師以外の者による殺害行為でありながら安楽死の問題として取り上げた本件判決の問題点 (293)
第2 医師以外の者による殺害行為が安楽死と認められるか問題となった裁判例……295
1 平成27年7月8日千葉地裁判決(公刊物未登載) (295)
2 平成13年10月24日名古屋地裁判決(判例タイムズ1107号301頁) (296)
3 その他の同種事案 (298)
第3 安楽死の行為主体性についての帰結……299
第4款 安楽死が違法性阻却事由として認められるための患者側の要件……299
第1 序論……299
第2 東海大学病院事件―平成7年3月28日横浜地裁判決(判例時報1530号28頁)―……301
1 事案の概要 (301)
2 本件横浜地裁判決の判示内容 (301)
3 本件事案における上記①の要件の位置付け (303)
4 本件事案における上記②の要件の位置付け (304)
5 本件事案における上記③の要件の位置付け (306)
6 本件事案における上記④の要件の位置付け (307)
7 本件事案における医療実務上の問題点 (311)
第3 川崎協同病院事件―平成21年12月7日最高裁決定(刑集63巻11号1899頁)―……315
1 事案の概要 (315)
2 本件における安楽死以前の問題点 (317)
3 本件最高裁決定の判示内容 (317)
4 本件最高裁決定の事案における尊厳死に関する問題提起 (318)
第5款 議論の焦点は安楽死から尊厳死へ……320
第6款 終末期医療ガイドラインの提示する「終末期医療及びケアの在り方」……323
第1 本件ガイドラインの法的性質及びその構造……323
第2 基本となる3つの規定……323
第3 上記②の規定について……324
1 延命治療の不開始又は中止等を医療・ケアチームの判断に係らしめることの意義 (324)
2 人工呼吸器の装着・取外しについての医療的意味 (325)
3 本件ガイドラインの提供するもの (326)
4 医療・ケアチームの判断の尊重 (326)
第4 終末期ガイドラインの提示する「終末期医療及びケアの方針の決定手続」に規定される「患者の意思確認」について……328
1 患者の意思確認ができる場合 (328)
2 患者の意思確認ができない場合 (328)
第7款 終末期医療ガイドラインが尊厳死の捜査・起訴等に与える影響……330
第8款 本件ガイドラインの射程範囲……333
第9款 安楽死(積極的安楽死)の必要性の検討……334
第7章 死後臓器移植(殺人罪・死体損壊罪・臓器移植法)……336
第1款 序論……336
第2款 我が国における脳死移植の歴史と生じた問題点……336
第3款 人の死とは……337
第1 三兆候説……337
1 三兆候説の要件 (337)
2 死の認定に関する法令の規定 (338)
3 死の経過 (338)
4 死の判定が誤っていたケース (339)
第2 脳死説……340
1 臓器移植法の規定……(340)
2 脳死の判定基準及び脳死後の臓器の状況……(341)
3 臓器移植法の「脳死」に関する規定の意義 (342)
第3 植物状態……343
1 植物状態の意義 (343)
2 植物状態の判定基準 (343)
3 植物状態での患者の状態 (343)
第4款 三兆候説と脳死説の対立……344
第1 脳死を人の死とする見解の根拠……344
第2 上記の脳死を人の死とする見解への医学的見地からの反論……345
第3 上記第1の見解への法律学的見地からの反論……346
第5款 三兆候説と脳死説の棲み分け……346
第6款 臓器移植の手順……347
第8章 再生医療……348
第1款 序論……348
第2款 再生医療法における再生医療等提供計画の提出義務……349
第3款 再生医療法違反の事例―平成29年12月21日松山地裁判決(公刊物未登載)―……350
第1 事案の概要……350
第2 臍帯血移植について……351
第3 本件松山地裁判決の内容……352
第9章 死体解剖(死体損壊罪)……353
第1款 司法解剖・行政解剖・病理解剖・系統解剖の位置付け……353
第1 解剖法2条1項1号について……354
第2 解剖法2条1項2号について……354
第3 解剖法2条1項3号について……355
第4 解剖法2条1項4号について……355
第5 解剖法2条1項5号について……355
第6 解剖法2条1項6号について……356
第7 解剖法2条1項7号について……358
第2款 司法解剖……358
第1 検視……358
第2 司法解剖の法的根拠……359
1 検証による死体解剖 (359)
2 鑑定嘱託による死体解剖 (360)
第3 司法解剖の実情……361
第3款 行政解剖……361
第1 監察医解剖……361
第2 その他の行政解剖……362
1 監察医務院が置かれていない地域での行政解剖 (362)
2 食品衛生法に基づく解剖等の行政解剖 (362)
3 警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律に基づく行政解剖 (363)
第4款 病理解剖……364
第5款 系統解剖……364
第6編 医療行為の手段たる医薬品等及び指定薬物の規制並びに規制薬物の取締り等に関する諸問題……365
第1章 医薬品医療機器等法における規制……366
第1款 医薬品医療機器等法の目的……366
第2款 医薬品等に関する規制……367
第1 医薬品……367
1 医薬品の定義規定 (367)
2 医薬品は危険な薬理作用を有するものでなければならないのか (368)
第2 医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品……371
1 医薬部外品 (371)
2 化粧品 (372)
3 医療機器 (372)
4 再生医療等製品 (372)
第3 医薬品等に対する規制内容……373
1 製造販売における主体に対する規制 (373)
2 流通販売における主体に対する規制 (374)
3 製造販売における客体に対する規制 (374)
第3款 指定薬物の規制……375
第1 指定薬物制度以前の脱法ハーブ対策……375
1 脱法ハーブの登場 (375)
2 平成19年10月11日東京高裁判決(高等裁判所刑事判決速報集(平19)338頁) (376)
第2 指定薬物制度の新設……377
第3 指定薬物制度の問題点……378
第4 指定薬物に関する本法違反として処罰された裁判例……380
1 平成27年11月16日横浜地裁判決(公刊物未登載) (380)
2 平成28年9月29日名古屋地裁判決(公刊物未登載) (381)
第5 指定薬物とされていない危険ドラッグへの対処……382
1 医薬品の無許可販売で処罰した事例―平成26年10月31日福岡地裁判決(公刊物未登載)― (382)
2 事案の概要と問題点 (382)
3 本件福岡地裁判決で認定された罪となるべき事実の概要 (383)
第6 危険ドラッグがもたらした重大事件……384
第7 危険ドラッグを含む指定薬物違反の現状……385
第2章 規制薬物に対する取締り等を含めた規制……386
第1款 大麻取締法における規制対象……386
第1 大麻のうちの「大麻草」とは……386
1 大麻取締法における大麻草についての定義と問題点 (386)
2 大麻取締法の制定過程に照らしての大麻草についての理解 (386)
3 大麻草についての一般的な特徴 (388)
第2 大麻のうちの「大麻製品」とは……389
1 大麻製品の定義及び確定方法 (389)
2 大麻製品の同定に関する問題点 (390)
第2款 麻薬及び向精神薬取締法における規制対象……391
第1 麻薬とは……391
1 法律上の定義 (391)
2 主要な麻薬の薬理作用等 (391)
第2 麻薬としてのテトラヒドロカンナビノール……393
第3 大麻であることと麻薬であることの違い……394
第4 向精神薬とは……395
第3款 覚醒剤取締法における規制対象……396
第1 覚醒剤とは……396
第2 覚醒剤の薬理作用……396
第4款 あへん法・刑法における規制対象……397
第1 あへんに対する法規制の仕方……397
第2 あへんの薬理効果……398
第3章 規制薬物の利用等に関する規制の解除……398
第1款 製造関係……398
第1 覚醒剤製造業者(覚醒剤取締法2条2項ないし4項)……398
1 覚醒剤を製造することを業としており、そのための厚生労働大臣による指定を受けた者 (398)
2 製造した覚醒剤を覚醒剤施用機関又は覚醒剤研究者に譲り渡すことを業としており、そのための厚生労働大臣による指定を受けた者 (398)
第2 覚醒剤原料製造業者(覚醒剤取締法2条8項)……399
1 覚醒剤原料を製造することを業としており、そのための厚生労働大臣による指定を受けた者 (399)
2 業務のため覚醒剤原料を製造することができる者で、そのための厚生労働大臣による指定を受けた者 (399)
第3 麻薬製造業者(麻薬及び向精神薬取締法2条12号)……399
第4 麻薬製剤業者(麻薬及び向精神薬取締法2条13号)……399
1 厚生労働大臣の免許を受けて、麻薬を製剤することを業とする者 (399)
2 厚生労働大臣の免許を受けて、麻薬を小分けすることを業とする者 (400)
第5 家庭麻薬製造業者(麻薬及び向精神薬取締法2条14号)……400
第6 向精神薬製造製剤業者(麻薬及び向精神薬取締法2条30号)……400
1 厚生労働大臣の免許を受けて、向精神薬を製造することを業とする者 (400)
2 厚生労働大臣の免許を受けて、向精神薬を製剤することを業とする者 (400)
3 厚生労働大臣の免許を受けて、向精神薬を小分けすることを業とする者 (400)
第7 麻薬等原料製造業者(麻薬及び向精神薬取締法2条39号)……400
1 麻薬向精神薬原料を製造することを業とする者 (400)
2 麻薬向精神薬原料を小分けすることを業とする者 (401)
第8 特定麻薬等原料製造業者(麻薬及び向精神薬取締法2条40号)……401
第9 けし栽培者等(あへん法3条4号乃至7号)……401
1 けし栽培者 (401)
2 けし耕作者 (401)
3 甲種研究栽培者 (401)
4 乙種研究栽培者 (401)
第10 大麻栽培者(大麻取締法2条2項)……402
第2款 輸出入関係……402
第1 覚醒剤輸出入業者……402
第2 覚醒剤原料輸出入業者(覚醒剤取締法2条6及び7号)……402
1 覚醒剤原料輸入業者 (402)
2 覚醒剤原料輸出業者 (402)
第3 麻薬輸入業者(麻薬及び向精神薬取締法2条10及び11号)……402
1 麻薬輸入業者 (402)
2 麻薬輸出業者 (402)
第4 向精神薬輸出入業者(麻薬及び向精神薬取締法2条28及び29号)……402
1 向精神薬輸入業者 (402) 2 向精神薬輸出業者 (403)
第5 麻薬等原料輸出入業者(麻薬及び向精神薬取締法2条37及び38号)……403
1 麻薬等原料輸入業者 (403)
2 麻薬等原料輸出業者 (40)
第6 あへん輸出入業者……403
第7 大麻輸出入業者……403
第3款 取扱及び研究関係……403
第1 覚醒剤取扱者……403
第2 覚醒剤研究者(覚醒剤取締法2条4項)……403
第3 覚醒剤原料取扱者(覚醒剤取締法2条9号)……404
第4 覚醒剤原料研究者(覚醒剤取締法2条10号)……404
第5 麻薬取扱者(麻薬及び向精神薬取締法2条8、15乃至19号)……404
1 麻薬元卸売業者 (404)
2 麻薬卸売業者 (404)
3 麻薬小売業者 (404)
4 麻薬施用者 (404)
5 麻薬管理者 (404)
第6 麻薬研究者(麻薬及び向精神薬取締法2条20号)……405
第7 麻薬等原料取扱者である麻薬等原料営業者(麻薬及び向精神薬取締法2条36、41号)……405
第8 特定麻薬等原料取扱者である特定麻薬等原料卸小売業者(麻薬及び向精神薬取締法2条42号)……405
第9 向精神薬取扱者(麻薬及び向精神薬取締法2条26、31乃至34号、医療法7条)……405
1 向精神薬使用業者 (405)
2 向精神薬卸売業者 (405)
3 向精神薬小売業者 (405)
4 病院等の開設者 (406)
5 向精神薬試験研究施設設置者 (406)
第10 向精神薬研究者……406
第11 あへん取扱者・あへん研究者……406
第12 大麻取扱者(大麻取締法2条1及び3項)……406
第4章 規制薬物の乱用等に対する規制及び刑罰……406
第1款 覚醒剤取締法違反……406
第1 覚醒剤取締法における代表的な罰則規定……406
第2 同法違反による検挙状況……407
第3 医師らによる覚醒剤取締法違反の検挙状況等……408
第2款…… 麻薬及び向精神薬取締法違反・大麻取締法違反・あへん法違反……409
第1 麻薬及び向精神薬取締法における代表的な罰則規定……409
第2 大麻取締法における代表的な罰則規定……410
第3 あへん法における代表的な罰則規定……411
第4 それら規制法違反による検挙状況……411
第5 医師らによる上記各法律違反の検挙状況等……412
1 令和元年12月26日秋田地裁判決(公刊物未登載) (413)
2 平成29年9月20日神戸地裁判決(公刊物未登載) (413)
3 平成28年10月4日東京地裁判決(公刊物未登載) (413)
4 平成27年10月22日函館地裁判決(公刊物未登載) (415)
5 平成20年5月20日横浜地裁川崎支部判決(公刊物未登載) (417)
事項索引……420
判例索引……424
はしがき……i
本書を使用するに当たっての注意事項……iii
第1編 医療行為の主体となる医療従事者等に関する法規制……1
第1章 医師法・歯科医師法における医師・歯科医師の任務とその資格要件……2
第1款 任務……2
第2款 資格要件……2
第1 免許……2
第2 医籍・歯科医籍への登録……3
第3 医師・歯科医師免許の不正取得……4
第3款 欠格事由……4
第1 絶対的欠格事由……4
第2 相対的欠格事由……6
1 医師法及び歯科医師法各4条の概要 (6)
2 医師法及び歯科医師法各4条の各号の規定について (6)
第4款 取消し等の処分……8
第1 必要的取消し処分の場合―かつての医師法及び歯科医師法各7条1項―……8
第2 任意的取消し等の処分の場合……8
1 現在の医師法及び歯科医師法各7条1項の概要 (8)
2 医師としての品位を損するような行為とは (9)
3 処分の内容 (9)
第5款 稼働先である病院等に関する規制……10
第1 医療提供施設の定義規定……10
1 病院 (10)
2 診療所 (12)
3 助産所 (12)
第2 医療機関の開設に関する医療法のスタンス……12
1 病院の開設 (13)
2 診療所・助産所の開設 (14)
第3 医療提供機関の名称使用制限等……14
第2章 薬剤師法における薬剤師の任務とその資格要件……15
第1款 任務……15
第2款 資格要件等……16
第3款 稼働先である薬局に関する規制……16
第1 薬局開設に関する規制……16
第2 薬局の名称使用に関する規制……17
第3 薬局の管理者(管理薬剤師)及び薬局開設者に対する規制……17
第3章 保健師助産師看護師法に係る任務及び資格要件……19
第1款 本法の目的……19
第2款 資格要件……20
第3款 欠格事由及び取消し等の処分……20
第4章 医療行為等の主体たり得ない無資格者に対する規制……20
第1款 無資格者による医行為・歯科医行為に対する医師法及び歯科医師法の規制……21
第1 総説……21
第2 無資格者による医行為が処罰された事例……22
1 平成14年10月30日東京地裁判決(判例時報1816号164頁) (22)
2 平成21年9月10日大阪地裁判決(公刊物未登載) (22)
3 令和2年9月16日最高裁決定(裁判所時報1752号2頁)…… (24)
4 平成9年8月4日東京高裁判決(判例タイムズ960号287頁) (29)
第3 無資格者による歯科医行為が処罰された事例……33
1 歯科医師と歯科技工士の関係 (33)
2 昭和55年9月1日札幌地裁判決(判例時報987号135頁) (35)
第2款 無資格者による調剤行為に対する薬剤師法の規制……35
第3款 無資格者による診療の補助等に対する保健師助産師看護師法の規制……36
第2編 医療行為等の規制に関する法制度……38
第1章 民法上の診療契約の法的性質及びこれに基づく医師らの義務……39
第1款 診療契約の法的性質……39
第2款 診療契約に基づく医師らの患者に対する義務……40
第3款 債務不履行及び不法行為による損害賠償責任……41
第2章 診療契約に基づく民法上の義務以外で、医師法、歯科医師法及び医療法等に基づく医師及び歯科医師の患者に対する義務……43
第1款 応召義務(医師法・歯科医師法)……43
第1 応召義務についての基本的な考え方……43
第2 応召義務への疑問……43
第2款 説明義務(医療法・医師法・民法)……44
第1 医師ら医療提供者における説明義務の法的根拠……44
1 医療法に基づくインフォームド・コンセント形成努力義務 (44)
2 療養方法等指導義務 (46)
3 準委任契約に基づく説明義務 (46)
4 診療情報の提供等に関する指針 (47)
第2 平成13年11月27日最高裁判決(民集55巻6号1154頁)……47
第3 平成14年9月24日最高裁判決(裁判集207号175頁)……48
第3款 守秘義務(刑法・個人情報保護法)……50
第1 刑法の秘密漏示罪の内容……50
第2 本罪が医師に対して適用された事例 ―平成24年2月13日最高裁決定(刑集66巻4号405頁)―……52
1 事案の概要及び裁判に至る経緯 (52)
2 裁判所の判断 (53)
第3 守秘義務が免除される場合―捜査事項照会回答(報告)義務― ……54
第4 守秘義務が免除されない場合―弁護士会による照会― ……55
1 民間団体からの照会への回答は守秘義務違反を構成すること (55)
2 平成28年10月18日最高裁判決(民集70巻7号1725頁) (56)
3 昭和56年4月14日最高裁判決(民集35巻3号620頁) (57)
第5 個人情報保護法に基づく守秘義務……57
1 個人情報保護法の規制上、医療関係者がその対象となる場合について (57)
2 個人情報とは (58)
3 個人情報取扱事業者とは (59)
4 個人情報取扱事業者に課せられている義務とは (60)
5 個人情報取扱事業者に科せられる刑罰は (61)
第4款 届出義務(医師法・死体解剖保存法・医薬品医療機器等法・食品衛生法・麻薬及び向精神薬取締法・母体保護法・感染症法等)……61
第1 医師法による異常死体届出義務……62
1 法的根拠 (62)
2 都立広尾病院事件:平成16年4月13日最高裁判決(刑集58巻4号247頁) (62)
3 医療事故調査制度 (69)
第2 医師法以外の特別法に規定されている届出義務……74
1 死体解剖保存法 (74)
2 医薬品医療機器等法 (75)
3 食品衛生法 (75)
4 麻薬及び向精神薬取締法 (75)
5 母体保護法 (76)
6 感染症法 (76)
7 児童虐待防止法 (78)
8 DV法 (79)
第5款 無診察等による、治療行為、診断書等の交付の禁止(医師法・歯科医師法) ……79
第1 医師法及び歯科医師法各20条本文の規定の解釈……79
第2 医師法20条但し書の規定の解釈……80
1 この規定の解釈に基づく実務慣行がもたらした問題点 (80)
2 平成24年8月31日(医政医発0831第1号)厚生労働省医政局医事課長通知 (81)
第6款 診断書・処方せん等の交付義務(医師法・歯科医師法・刑法)……82
第1 診断書・処方せん等の交付義務に関する規定の解釈……82
第2 診断書等の作成に関する刑法上の問題……83
第7款 診療録作成・保管義務(医師法・歯科医師法・刑法)……84
第1 診療録作成・保管義務に関する規定の解釈……84
第2 診療録(カルテ)の改竄に関する刑法上の問題……85
1 東京女子医大事件 (85)
2 三重大学医学部附属病院事件 (90)
第3章 特別な立場にある医師及び歯科医師に対する義務……90
第1款 独立行政法人国立病院機構法の制定の経緯及び改正等……91
第2款 独立行政法人国立病院機構の業務……92
第3款 独立行政法人国立病院機構の職員の地位……92
第1 刑罰の適用における公務員性……92
第2 守秘義務……93
1 機構法上の守秘義務規定 (93)
2 機構法上の秘密漏示罪と刑法上の秘密漏示罪との関係 (93)
第3 告発義務……94
1 序論 (94)
2 平成17年7月19日最高裁決定における事案の概要 (94)
3 公務員に対する告発義務の概要 (95)
4 守秘義務との対立に関する問題 (98)
第3編 調剤行為等の医療行為の規制等に関する法制度……104
第1章 民法上の調剤契約の法的性質及びこれに基づく薬剤師の義務……105
第1款 調剤契約の法的性質……105
第2款 調剤契約に基づく薬剤師の患者に対する義務……106
第2章 調剤契約に基づく民法上の義務以外で、薬剤師法等に基づく薬剤師の患者に対する義務……106
第1款 調剤義務(応調剤義務)……106
第2款 薬局等指定場所での調剤義務……107
第3款 処方せんによる調剤義務……107
第4款 処方せん疑義照会義務……108
第1 本義務の内容……108
第2 平成23年2月10日東京地裁判決(判例時報2109号56頁)……109
1 事案の概要及び原告の主張内容 (109)
2 本件東京地裁判決の判示内容 (110)
第5款 調剤された薬剤の表示義務……111
第6款 説明義務(情報の提供及び指導義務)……111
第7款 処方せんへの記入義務……112
第8款 処方せん・調剤録保存義務……113
第9款 処方せんを持たない者への処方せん薬の販売をしてはならない義務……114
第10款 医薬品を無許可で販売してはならない義務……114
第11款 品質不良医薬品等を販売してはならない義務……115
第12款 刑法上の守秘義務……115
第3章 医薬分業制度……115
1 医薬分業制度の概要 (115)
2 平成14年11月21日福岡高裁判決(公刊物未登載) (116)
第4編 補助的医療行為等を定めた看護師等法における規制等に関する法制度……122
第5編 刑事事件と交錯する医療行為に関する諸問題……124
第1章 人工妊娠中絶(堕胎罪・母体保護法)……125
第1款 人工妊娠中絶の是非に関する見解……125
第2款 堕胎に対する刑法の規定……125
第1 自己堕胎罪(刑法212条)……125
第2 同意堕胎罪(刑法213条)……126
第3 業務上堕胎罪(刑法214条)……126
第4 不同意堕胎罪(刑法215条)……127
第3款 胎児は、「人」か……127
第1 民事法・刑事法・医師法での胎児に対するそれぞれの考え方……127
第2 胎児の権利能力……127
第3 胎児への攻撃は何罪を構成するのか……128
第4款 我が国において、人工妊娠中絶は、年間どの程度の件数が実施されているのか……129
第5款 人工妊娠中絶が実施されている法的根拠……130
第1 母体保護法における人工妊娠中絶とは……130
第2 母体保護法における人工妊娠中絶に関する規定……130
第3 母体保護法14条1項1号の要件の問題点……131
第6款 医師による堕胎が刑法上問題とされた事例……132
第1 医師が妊婦からの依頼を受けて堕胎したものの、排出した胎児が生存していたものの、医師がこれをそのまま放置して死亡させた場合には、どのような刑責を負うことになるのか……132
第2 外科医が交際していた女性が妊娠したことにより無断で堕胎させた場合は、どのような刑責を負うのか……133
第2章 性同一性障害(傷害罪・母体保護法違反)……134
第1款 序章……134
第2款 性同一性障害の概要及びその診断……135
第1 性同一性障害の成因……135
第2 性同一性障害者の定義……136
1 医学上の定義 (136) 2 法律上の定義 (136)
第3 診断基準……137
1 ジェンダー・アイデンティティ(Gender Identity)の判定 (137)
2 身体的性別の判定 (137)
3 除外事由として確認すべき事項 (137)
第3款 性同一性障害の治療としての性別適合手術の起源及び我が国での以前の実施状況……138
第1 性別適合手術の始まり……138
第2 昭和時代における我が国での性転換手術に関する実態……138
第4款 性別適合手術(性転換手術)の刑事法上の問題点……139
第1 性別適合手術(性転換手術)に関する法律上の規定……139
第2 性転換手術が優生保護法違反として審理された事例……141
1 事案の概要 (141)
2 本件東京地裁判決の判示内容 (141)
3 本件東京高裁判決の判示内容 (143)
第5款 性同一性障害の診断と治療のガイドラインの策定……144
第6款 ガイドライン一般についての法的性質についての検討……145
第7款 治療等のガイドラインに従った性別適合手術の適法性……147
第8款 手術療法である性別適合手術の概要……150
第9款 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に関する諸問題……150
第1 対象者……150
第2 性同一性障害者における性別変更の手続及び問題点(その1)……150
1 性別変更のための要件 (150)
2 上記①から⑥までの各要件についての問題点 (151)
第3 平成31年1月23日最高裁決定(裁判所時報1716号4頁) (154)
1 本件最高裁決定の法廷意見 (154)
2 本件最高裁決定の補足意見 (155)
3 本件最高裁決定の法廷意見に対する批判的見解 (160)
第2 性同一性障害者における性別変更の手続及び問題点(その2)……161
1 前記⑥の要件について (161)
2 性別特例法に基づく手続による法的効果 (162)
第3章 刑法における性犯罪に関する規定……163
第1款 はじめに……163
第2款 平成29年の刑法改正について……163
第3款 改正された刑法の強制性交等罪について……164
第1 法改正の内容について……164
第2 本罪の客体について……164
第3 本罪の実行行為について……165
1 「性交」とは、「肛門性交」とは、「口腔性交」とは (165)
2 ここでいう「陰茎」や「膣」とは何を指すのか。性別適合手術による造膣術によって形成されたものであっても「膣」に含まれるのか (165)
3 肛門性交及び口腔性交が追加されたのはなぜか (166)
4 自己の性器を舐めさせる行為は「口腔性交」に該当するか (166)
5 上記の性交等は「暴行又は脅迫を用いて」なされる必要があるが、それはどの程度の暴行又は脅迫である必要があるのか (167)
第4款 改正された刑法の強制わいせつ罪について……167
第1 法改正の内容について……167
第2 基本的構成要件について……167
1 強制わいせつ罪の手段として規定されている「暴行又は脅迫」の程度はどの程度のものである必要があるのか (167)
2 強制わいせつ罪の「わいせつな行為」には、どのような行為が含まれるのか (168)
3 被害者を裸体にして写真撮影をする行為は、強制わいせつ罪に該当するのか (168)
第3 参考となる裁判例……169
1 平成26年7月18日神戸地裁判決(公刊物未登載) (169)
2 平成22年3月5日京都地裁判決(公刊物未登載) (169)
3 平成29年12月20日横浜地裁判決(公刊物未登載) (170)
第5款 改正された刑法の準強制わいせつ及び準強制性交等について……170
第1 法改正の内容について……170
第2 本罪の立証上の問題点……171
第3 参考事例:平成29年12月4日長野地裁判決(公刊物未登載)……171
第4章 宗教上の理由による輸血拒否(傷害罪・保護責任者遺棄致死罪等)……172
第1款 序論……172
第2款 エホバの証人とは……173
第3款 東京大学医科学研究所付属病院事件(平成12年2月29日最高裁判決(民集54巻2号582頁)……174
第1 事案の概要……174
1 患者の立場及び医師の立場 (174)
2 患者が本件病院で治療を受けることとなった経緯 (174)
3 手術及びその後の状況 (175)
第2 問題の所在(その1)……176
1 平成9年3月12日東京地裁判決(判例タイムズ964号82頁)の判示内容 (176)
2 平成10年2月9日東京高裁判決(判例時報1629号34頁)の判示内容 (180)
3 平成12年2月29日最高裁判決の判示内容 (182)
4 本件各判決の比較検討 (183)
第3 問題の所在(その2)……184
1 本件東京地裁判決の判示内容 (185)
2 本件東京高裁判決の判示内容 (185)
3 輸血拒否の場合における輸血行為に関するその他の見解 (186)
第4款 子供の治療のために輸血が必要であるにもかかわらず、「エホバの証人」である親権者が反対した場合の問題……187
第1 川崎事件が提起した問題……187
第2 本件親権者による輸血拒否は事故に遭った子の真意に沿ったものといえるのか……188
第3 川崎事件における刑事事件としての処分……189
第5款 宗教的輸血拒否に関するガイドライン……189
第6款 親権の喪失等に関する法的規制並びにその実施例……194
第1 親権の喪失等に関する規定の概要……194
第2 実施例……195
1 平成17年2月15日大阪家庭裁判所岸和田支部審判(家庭裁判月報59巻4号135頁) (195)
2 平成18年7月25日名古屋家裁審判(家庭裁判月報59巻4号127頁) (196)
第3 上記実施例等を踏まえた対策の検討及びガイドラインへの反映 (198)
第7款 宗教的輸血拒否に関するガイドラインにおいて残された問題と解決の方向性……199
第5章 医療過誤(業務上過失致死傷罪)……200
第1款 序論……200
第2款 過失の法的構造……201
第1 結果回避義務違反……201
第2 結果回避可能性……202
第3 予見義務・予見可能性……202
第4 上記4要素と善管注意義務との関係……203
第5 因果関係……204
第3款 民事医療過誤における重要なポイントである医療水準について……205
第1 医療水準の概念……205
第2 平成7年6月9日最高裁判決(民集49巻6号1499頁)……206
1 未熟児網膜症の概要及び治療方法の発展の経緯 (206)
2 本件最高裁判決の事案の概要 (208)
3 本件の下級審である大阪高裁判決の概要 (209)
4 本件最高裁判決の概要 (210)
5 差戻審である平成7年12月4日大阪高裁判決(判例時報1637号34頁) (214)
第3 平成8年1月23日最高裁判決(民集50巻1号1頁)……215
1 事案の概要 (215)
2 麻酔薬の使い方に関する問題点 (215)
3 本件最高裁判決の判示内容 (216)
4 善管注意義務の判断基準が「診療当時のいわゆる臨床医学の実践における医療水準」であるということ (216)
第4款 刑事医療過誤……217
第1 刑事法上の過失と民事法上の過失の違い……217
第2 刑事法上の過失犯規定……218
1 刑法の基本的なスタンス (218)
2 過失傷害罪 (218)
3 過失致死罪 (218)
4 重過失致死傷罪 (219)
5 業務上過失致死傷罪 (219)
第3 刑事医療過誤として起訴された事例……220
1 福島県立大野病院事件 (220)
2 横浜市立大学病院における患者取り違え事件 (226)
3 杏林大学病院割りばし死事件 (245)
4 埼玉医大病院事件 (262)
5 独立行政法人国立国際医療研究センター病院事件 (268)
第5款 チーム医療における信頼の原則……269
第1 信頼の原則とは……269
第2 北大電気メス事件……271
1 事案の概要及び問題の所在 (271)
2 札幌地裁及び札幌高裁の判示内容 (272)
第3 北大電気メス事件及び横浜市立大学病院における患者取り違え事件におけるチーム医療と信頼の原則の適用について……273
第6章 安楽死・尊厳死(殺人・嘱託殺人)……274
第1款 序論……274
第2款 安楽死・尊厳死の概念等に関する基本的な問題……275
第1 なぜ安楽死・尊厳死が問題となるのか……275
1 安楽死・尊厳死が基本的に殺人罪等に該当すること (275)
2 安楽死・尊厳死で殺人罪等が成立しない場合 (276)
3 安楽死・尊厳死は違法性阻却事由となるのか (277)
第2 安楽死の概念等……278
1 安楽死の概念 (278)
2 安楽死の分類 (279)
第3 尊厳死の概念……280
1 尊厳死の沿革 (280)
2 尊厳死の定義 (281)
第4 なぜ安楽死・尊厳死を処罰しないでよいと考えるのか……282
1 文学にみる古典的な肯定論 (283)
2 人間的同情心に基づく肯定論 (283)
3 自己決定権に基づく肯定論 (284)
4 「人を殺すことは本来的に悪である」という考え方に基づく否定論 (284)
5 滑り坂論法(Slippery Slope Theory)に基づく否定論 (285)
6 自己決定権には「死ぬ権利」は含まれないとの理論に基づく否定論 (285)
7 人間的同情論は弱者への抑圧につながるとの反論に基づく否定論 (286)
第5 理論的な面からの安楽死・尊厳死が容認されるべき根拠 (286)
1 平成7年3月28日横浜地裁判決(判例時報1530号28頁)における尊厳死を許容する根拠 (286)
2 患者の自己決定権について (287)
3 医療を提供する側の治療義務の限界 (288)
第3款 安楽死の行為主体性の問題……289
第1 安楽死は誰が行ってもよいのか……289
1 本件名古屋高裁判決の事案の概要 (289)
2 本件判決の判示内容 (290)
3 医師以外の者が安楽死を実施することの問題点 (291)
4 医師以外の者による殺害行為でありながら安楽死の問題として取り上げた本件判決の問題点 (293)
第2 医師以外の者による殺害行為が安楽死と認められるか問題となった裁判例……295
1 平成27年7月8日千葉地裁判決(公刊物未登載) (295)
2 平成13年10月24日名古屋地裁判決(判例タイムズ1107号301頁) (296)
3 その他の同種事案 (298)
第3 安楽死の行為主体性についての帰結……299
第4款 安楽死が違法性阻却事由として認められるための患者側の要件……299
第1 序論……299
第2 東海大学病院事件―平成7年3月28日横浜地裁判決(判例時報1530号28頁)―……301
1 事案の概要 (301)
2 本件横浜地裁判決の判示内容 (301)
3 本件事案における上記①の要件の位置付け (303)
4 本件事案における上記②の要件の位置付け (304)
5 本件事案における上記③の要件の位置付け (306)
6 本件事案における上記④の要件の位置付け (307)
7 本件事案における医療実務上の問題点 (311)
第3 川崎協同病院事件―平成21年12月7日最高裁決定(刑集63巻11号1899頁)―……315
1 事案の概要 (315)
2 本件における安楽死以前の問題点 (317)
3 本件最高裁決定の判示内容 (317)
4 本件最高裁決定の事案における尊厳死に関する問題提起 (318)
第5款 議論の焦点は安楽死から尊厳死へ……320
第6款 終末期医療ガイドラインの提示する「終末期医療及びケアの在り方」……323
第1 本件ガイドラインの法的性質及びその構造……323
第2 基本となる3つの規定……323
第3 上記②の規定について……324
1 延命治療の不開始又は中止等を医療・ケアチームの判断に係らしめることの意義 (324)
2 人工呼吸器の装着・取外しについての医療的意味 (325)
3 本件ガイドラインの提供するもの (326)
4 医療・ケアチームの判断の尊重 (326)
第4 終末期ガイドラインの提示する「終末期医療及びケアの方針の決定手続」に規定される「患者の意思確認」について……328
1 患者の意思確認ができる場合 (328)
2 患者の意思確認ができない場合 (328)
第7款 終末期医療ガイドラインが尊厳死の捜査・起訴等に与える影響……330
第8款 本件ガイドラインの射程範囲……333
第9款 安楽死(積極的安楽死)の必要性の検討……334
第7章 死後臓器移植(殺人罪・死体損壊罪・臓器移植法)……336
第1款 序論……336
第2款 我が国における脳死移植の歴史と生じた問題点……336
第3款 人の死とは……337
第1 三兆候説……337
1 三兆候説の要件 (337)
2 死の認定に関する法令の規定 (338)
3 死の経過 (338)
4 死の判定が誤っていたケース (339)
第2 脳死説……340
1 臓器移植法の規定……(340)
2 脳死の判定基準及び脳死後の臓器の状況……(341)
3 臓器移植法の「脳死」に関する規定の意義 (342)
第3 植物状態……343
1 植物状態の意義 (343)
2 植物状態の判定基準 (343)
3 植物状態での患者の状態 (343)
第4款 三兆候説と脳死説の対立……344
第1 脳死を人の死とする見解の根拠……344
第2 上記の脳死を人の死とする見解への医学的見地からの反論……345
第3 上記第1の見解への法律学的見地からの反論……346
第5款 三兆候説と脳死説の棲み分け……346
第6款 臓器移植の手順……347
第8章 再生医療……348
第1款 序論……348
第2款 再生医療法における再生医療等提供計画の提出義務……349
第3款 再生医療法違反の事例―平成29年12月21日松山地裁判決(公刊物未登載)―……350
第1 事案の概要……350
第2 臍帯血移植について……351
第3 本件松山地裁判決の内容……352
第9章 死体解剖(死体損壊罪)……353
第1款 司法解剖・行政解剖・病理解剖・系統解剖の位置付け……353
第1 解剖法2条1項1号について……354
第2 解剖法2条1項2号について……354
第3 解剖法2条1項3号について……355
第4 解剖法2条1項4号について……355
第5 解剖法2条1項5号について……355
第6 解剖法2条1項6号について……356
第7 解剖法2条1項7号について……358
第2款 司法解剖……358
第1 検視……358
第2 司法解剖の法的根拠……359
1 検証による死体解剖 (359)
2 鑑定嘱託による死体解剖 (360)
第3 司法解剖の実情……361
第3款 行政解剖……361
第1 監察医解剖……361
第2 その他の行政解剖……362
1 監察医務院が置かれていない地域での行政解剖 (362)
2 食品衛生法に基づく解剖等の行政解剖 (362)
3 警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律に基づく行政解剖 (363)
第4款 病理解剖……364
第5款 系統解剖……364
第6編 医療行為の手段たる医薬品等及び指定薬物の規制並びに規制薬物の取締り等に関する諸問題……365
第1章 医薬品医療機器等法における規制……366
第1款 医薬品医療機器等法の目的……366
第2款 医薬品等に関する規制……367
第1 医薬品……367
1 医薬品の定義規定 (367)
2 医薬品は危険な薬理作用を有するものでなければならないのか (368)
第2 医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品……371
1 医薬部外品 (371)
2 化粧品 (372)
3 医療機器 (372)
4 再生医療等製品 (372)
第3 医薬品等に対する規制内容……373
1 製造販売における主体に対する規制 (373)
2 流通販売における主体に対する規制 (374)
3 製造販売における客体に対する規制 (374)
第3款 指定薬物の規制……375
第1 指定薬物制度以前の脱法ハーブ対策……375
1 脱法ハーブの登場 (375)
2 平成19年10月11日東京高裁判決(高等裁判所刑事判決速報集(平19)338頁) (376)
第2 指定薬物制度の新設……377
第3 指定薬物制度の問題点……378
第4 指定薬物に関する本法違反として処罰された裁判例……380
1 平成27年11月16日横浜地裁判決(公刊物未登載) (380)
2 平成28年9月29日名古屋地裁判決(公刊物未登載) (381)
第5 指定薬物とされていない危険ドラッグへの対処……382
1 医薬品の無許可販売で処罰した事例―平成26年10月31日福岡地裁判決(公刊物未登載)― (382)
2 事案の概要と問題点 (382)
3 本件福岡地裁判決で認定された罪となるべき事実の概要 (383)
第6 危険ドラッグがもたらした重大事件……384
第7 危険ドラッグを含む指定薬物違反の現状……385
第2章 規制薬物に対する取締り等を含めた規制……386
第1款 大麻取締法における規制対象……386
第1 大麻のうちの「大麻草」とは……386
1 大麻取締法における大麻草についての定義と問題点 (386)
2 大麻取締法の制定過程に照らしての大麻草についての理解 (386)
3 大麻草についての一般的な特徴 (388)
第2 大麻のうちの「大麻製品」とは……389
1 大麻製品の定義及び確定方法 (389)
2 大麻製品の同定に関する問題点 (390)
第2款 麻薬及び向精神薬取締法における規制対象……391
第1 麻薬とは……391
1 法律上の定義 (391)
2 主要な麻薬の薬理作用等 (391)
第2 麻薬としてのテトラヒドロカンナビノール……393
第3 大麻であることと麻薬であることの違い……394
第4 向精神薬とは……395
第3款 覚醒剤取締法における規制対象……396
第1 覚醒剤とは……396
第2 覚醒剤の薬理作用……396
第4款 あへん法・刑法における規制対象……397
第1 あへんに対する法規制の仕方……397
第2 あへんの薬理効果……398
第3章 規制薬物の利用等に関する規制の解除……398
第1款 製造関係……398
第1 覚醒剤製造業者(覚醒剤取締法2条2項ないし4項)……398
1 覚醒剤を製造することを業としており、そのための厚生労働大臣による指定を受けた者 (398)
2 製造した覚醒剤を覚醒剤施用機関又は覚醒剤研究者に譲り渡すことを業としており、そのための厚生労働大臣による指定を受けた者 (398)
第2 覚醒剤原料製造業者(覚醒剤取締法2条8項)……399
1 覚醒剤原料を製造することを業としており、そのための厚生労働大臣による指定を受けた者 (399)
2 業務のため覚醒剤原料を製造することができる者で、そのための厚生労働大臣による指定を受けた者 (399)
第3 麻薬製造業者(麻薬及び向精神薬取締法2条12号)……399
第4 麻薬製剤業者(麻薬及び向精神薬取締法2条13号)……399
1 厚生労働大臣の免許を受けて、麻薬を製剤することを業とする者 (399)
2 厚生労働大臣の免許を受けて、麻薬を小分けすることを業とする者 (400)
第5 家庭麻薬製造業者(麻薬及び向精神薬取締法2条14号)……400
第6 向精神薬製造製剤業者(麻薬及び向精神薬取締法2条30号)……400
1 厚生労働大臣の免許を受けて、向精神薬を製造することを業とする者 (400)
2 厚生労働大臣の免許を受けて、向精神薬を製剤することを業とする者 (400)
3 厚生労働大臣の免許を受けて、向精神薬を小分けすることを業とする者 (400)
第7 麻薬等原料製造業者(麻薬及び向精神薬取締法2条39号)……400
1 麻薬向精神薬原料を製造することを業とする者 (400)
2 麻薬向精神薬原料を小分けすることを業とする者 (401)
第8 特定麻薬等原料製造業者(麻薬及び向精神薬取締法2条40号)……401
第9 けし栽培者等(あへん法3条4号乃至7号)……401
1 けし栽培者 (401)
2 けし耕作者 (401)
3 甲種研究栽培者 (401)
4 乙種研究栽培者 (401)
第10 大麻栽培者(大麻取締法2条2項)……402
第2款 輸出入関係……402
第1 覚醒剤輸出入業者……402
第2 覚醒剤原料輸出入業者(覚醒剤取締法2条6及び7号)……402
1 覚醒剤原料輸入業者 (402)
2 覚醒剤原料輸出業者 (402)
第3 麻薬輸入業者(麻薬及び向精神薬取締法2条10及び11号)……402
1 麻薬輸入業者 (402)
2 麻薬輸出業者 (402)
第4 向精神薬輸出入業者(麻薬及び向精神薬取締法2条28及び29号)……402
1 向精神薬輸入業者 (402) 2 向精神薬輸出業者 (403)
第5 麻薬等原料輸出入業者(麻薬及び向精神薬取締法2条37及び38号)……403
1 麻薬等原料輸入業者 (403)
2 麻薬等原料輸出業者 (40)
第6 あへん輸出入業者……403
第7 大麻輸出入業者……403
第3款 取扱及び研究関係……403
第1 覚醒剤取扱者……403
第2 覚醒剤研究者(覚醒剤取締法2条4項)……403
第3 覚醒剤原料取扱者(覚醒剤取締法2条9号)……404
第4 覚醒剤原料研究者(覚醒剤取締法2条10号)……404
第5 麻薬取扱者(麻薬及び向精神薬取締法2条8、15乃至19号)……404
1 麻薬元卸売業者 (404)
2 麻薬卸売業者 (404)
3 麻薬小売業者 (404)
4 麻薬施用者 (404)
5 麻薬管理者 (404)
第6 麻薬研究者(麻薬及び向精神薬取締法2条20号)……405
第7 麻薬等原料取扱者である麻薬等原料営業者(麻薬及び向精神薬取締法2条36、41号)……405
第8 特定麻薬等原料取扱者である特定麻薬等原料卸小売業者(麻薬及び向精神薬取締法2条42号)……405
第9 向精神薬取扱者(麻薬及び向精神薬取締法2条26、31乃至34号、医療法7条)……405
1 向精神薬使用業者 (405)
2 向精神薬卸売業者 (405)
3 向精神薬小売業者 (405)
4 病院等の開設者 (406)
5 向精神薬試験研究施設設置者 (406)
第10 向精神薬研究者……406
第11 あへん取扱者・あへん研究者……406
第12 大麻取扱者(大麻取締法2条1及び3項)……406
第4章 規制薬物の乱用等に対する規制及び刑罰……406
第1款 覚醒剤取締法違反……406
第1 覚醒剤取締法における代表的な罰則規定……406
第2 同法違反による検挙状況……407
第3 医師らによる覚醒剤取締法違反の検挙状況等……408
第2款…… 麻薬及び向精神薬取締法違反・大麻取締法違反・あへん法違反……409
第1 麻薬及び向精神薬取締法における代表的な罰則規定……409
第2 大麻取締法における代表的な罰則規定……410
第3 あへん法における代表的な罰則規定……411
第4 それら規制法違反による検挙状況……411
第5 医師らによる上記各法律違反の検挙状況等……412
1 令和元年12月26日秋田地裁判決(公刊物未登載) (413)
2 平成29年9月20日神戸地裁判決(公刊物未登載) (413)
3 平成28年10月4日東京地裁判決(公刊物未登載) (413)
4 平成27年10月22日函館地裁判決(公刊物未登載) (415)
5 平成20年5月20日横浜地裁川崎支部判決(公刊物未登載) (417)
事項索引……420
判例索引……424