早稲田大学比較法研究所叢書49
スイス民事訴訟法概論
松村和德・吉田純平 著
定価:5,000円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2022年03月31日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
410頁 -
ISBN:
978-4-7923-2782-8
書籍購入は弊社「早稲田正門店インターネット書店」サイトでの購入となります。
内容紹介
《目 次》
はしがき i
主要参照文献・略語一覧 xix
第1章 スイス統一民事訴訟法の成立史 1
第1節 スイス民事訴訟法研究の目的 1
第2節 スイス統一民事訴訟法の成立史 2
1 スイス統一民事訴訟法の立法過程 2
(1) スイス民事訴訟法の統一法典化以前の状況 2
(2) スイス民事訴訟法の統一法典化の過程 6
2 スイス民事訴訟法典の構成 13
3 スイス民事訴訟法の適用範囲と手続の種類 14
第2章 スイス民事訴訟における調停制度とMediation 17
第1節 調停制度 17
1 調停前置主義と調停手続 17
(1) 調停義務─調停前置主義─ 17
(2) 調停義務の例外 18
2 調停機関 23
(1) 州の機関 23
(2) 対等に構成された調停機関 24
(3) 調停機関の役割 24
3 調停手続 25
(1) 調停手続の開始 25
(2) 審理 27
(3) 費用 31
4 調停手続の終了 31
(1) 原則 31
(2) 合意 32
(3) 訴えの許可 33
(4) 調停提案 34
(5) 審決 36
5 施行後の調停制度の利用状況 37
第2節 Mediation 38
1 Mediationの意義 38
2 スイスにおけるMediationの発展 39
(1) スイス統一民事訴訟法以前 39
(2) スイス統一民事訴訟法制定におけるMediation 40
3 Mediationの手続 40
(1) 調停手続に代わるMediationと判決手続におけるMediation 40
(2) Mediationの構成とその手続 42
(3) 訴訟手続との関係 43
(4) Mediationの費用 43
第3章 スイス民事訴訟における訴訟主体 45
第1節 当事者 45
1 スイス民事訴訟における当事者概念 45
(1) 当事者能力 45
(2) 訴訟能力 47
2 スイス民事訴訟における訴訟代理 52
(1) 契約上の代理 52
(2) 職業上の代理 53
(3) 法定代理 54
(4) 代理された当事者本人の出頭 54
3 スイス民事訴訟における訴訟追行権と訴訟担当 56
4 スイス民事訴訟における弁論能力 57
第2節 共同訴訟 57
1 共同訴訟の概要 57
2 必要的共同訴訟 57
(1) 必要的共同訴訟の概念 57
(2) 必要的共同訴訟の規律 60
3 通常共同訴訟 61
(1) 通常共同訴訟の概念 61
(2) 通常共同訴訟の要件─請求の牽連性及び同種性─ 63
(3) 通常共同訴訟の規律 63
第3節 訴訟参加 64
1 主参加(Hauptintervention) 64
(1) 主参加の意義 64
(2) 主参加の要件 65
(3) 主参加の効果 65
2 補助参加(Nebenintervention) 66
(1) 補助参加の意義及び要件 66
(2) 補助参加人の地位 68
(3) 補助参加の効果 69
(4) 共同訴訟的補助参加 70
3 訴訟告知(Streitverkündung) 70
(1) 通常の訴訟告知の意義 70
(2) 被告知者の地位 71
(3) 訴訟告知の効果 72
4 訴訟告知の訴え 74
(1) 訴訟告知の訴えの意義 74
(2) 訴訟告知の訴えの要件 75
(3) 被告知者の地位 77
(4) 許可手続 77
第4節 団体訴訟 (Verbandsklage) 78
1 スイス民事訴訟法における団体訴訟の概要 78
2 スイス民訴法89条に基づく団体訴訟の要件 79
(1) 団体訴訟の適格団体 79
(2) 団体の規約(Statuten)による利益保護 80
(3) 集団的利益 80
3 団体訴訟における請求対象 80
4 団体訴訟の判決の効力 81
5 特別規定 81
第5節 スイス民事訴訟における当事者の交替 82
第6節 裁判所 84
第4章 スイス民事訴訟における訴え(請求) 85
第1節 訴えの種類 85
1 給付の訴え 85
(1) 概説 85
(2) 金額を特定しない給付の訴え 85
(3) 将来給付の訴え 87
(4) 特別の給付の訴え 87
(5) 一部請求 88
2 形成の訴え 89
3 確認の訴え 90
第2節 訴訟対象(訴訟物) 91
1 訴訟物概念と請求の特定 91
2 スイス民事訴訟における訴訟物理論 92
(1) 通説・実務における訴訟物理論 92
(2) 訴訟物理論と訴えの同一性判断 92
第3節 訴えの変更 93
1 訴えの変更の意義 93
2 調停手続における訴えの変更 95
3 Aktenschluss前の訴えの変更 95
4 Aktenschluss後の訴えの変更 96
第4節 二重起訴禁止原則 97
1 訴訟係属 97
2 二重起訴禁止原則 99
第5節 訴えの客観的併合 100
第6節 反訴 102
第7節 訴訟要件 104
第8節 管轄 105
1 職分管轄 106
2 土地管轄 106
(1) 普通裁判籍 107
(2) 特別の裁判籍 108
3 事物管轄 121
4 合意管轄・応訴管轄 123
第5章 スイス民事訴訟手続の基礎 125
第1節 手続原則 125
1 憲法上の手続原則 126
(1) 信義誠実義務 126
(2) 法的審問請求権 127
(3) 公開主義 129
2 民事訴訟法上の手続原則 131
(1) 処分権主義と職権主義 131
(2) 弁論主義と職権探知主義 132
(3) 手続集中原則 136
第2節 訴訟行為 136
1 訴訟上の責任(Last) 137
2 訴訟行為の懈怠と現状回復 137
3 訴訟上の義務 139
第3節 訴訟指揮 139
1 訴訟運営 139
2 手続の迅速な準備と実施 140
3 合議体構成員への訴訟指揮の委託 140
4 当事者の合意形成 140
5 手続規律及び軽率な訴訟追行 141
第6章 スイス民事訴訟における通常手続 (Ordentliches Verfahren) 143
第1節 適用範囲 144
第2節 手続の開始 145
1 訴訟要件としての訴えの認可 145
2 訴えの提起による手続の開始 145
3 訴訟係属 146
4 訴状・答弁書 146
(1) 訴状 146
(2) 答弁書 147
(3) 反訴 149
第3節 弁論準備─争点の整理─ 149
1 答弁書提出後の手続 149
2 書面交換とインストラクション手続 151
(1) 2回目の書面交換 151
(2) インストラクション手続 153
3 書面交換又はインストラクション手続を伴わない主要弁論期日への呼出し 156
第4節 主要弁論期日(Hauptverhandlung) 157
1 主要弁論期日の目的 157
2 主要弁論期日の過程 158
(1) 最初の当事者陳述(ersten Parterivortrage) 158
(2) 訴えの変更 159
(3) 証拠調べ 159
(4) 最終弁論陳述 160
3 主要弁論の放棄 161
4 主要弁論期日における当事者の欠席 161
(1) 一方当事者の欠席 162
(2) 両当事者の欠席 162
第5節 同時提出主義(Eventualmaxime) 163
1 Aktenschluss(新たな事実及び証拠方法の提出制限の基準時) 163
2 新たな事実及び証拠方法の提出要件 166
第6節 調書 167
1 手続調書 168
2 証拠調べについての調書 168
3 手続調書の内容 168
4 手続調書の形式 169
5 調書の訂正 169
第7節 裁判 170
1 終局判決 171
2 中間判決 172
3 判決の内容 173
4 判決の開示 174
第8節 判決によらない終了 175
1 和解,請求の放棄・認諾 175
2 対象の喪失 176
第7章 スイス民事訴訟における証拠法 179
第1節 スイス民事訴訟法における証拠法の構造 179
1 証明対象 179
(1) 事実 180
(2) 慣習,地方の慣行及び外国の法律 182
(3) 公知の事実 183
2 証明責任 185
(1) 概念 185
(2) 証明責任の分配 186
(3) 法律上の推定(praesumptiones juris) 188
(4) 事実上の推定(praesumptiones hominis) 190
(5) 証明責任の転換 191
3 本証,反証及び反対事実の証明 192
(1) 本証 192
(2) 反証 192
(3) 反対事実の証明 193
4 証明度 193
5 証明権 195
(1) 証拠の取調べを求める権利 195
(2) 違法収集証拠の場合における証明権の制限 196
(3) 証明権のその他の制限 198
第2節 証拠の取調べ 199
1 当事者の申出による証拠の取調べと職権証拠調べ 199
2 証拠決定 200
3 証拠の取調べの実施 202
4 保全的証明 203
(1) 要件 204
(2) 手続 206
(3) 保全的証明に関する訴訟費用 207
(4) 効果 208
第3節 証拠調べにおける協力義務 210
1 証拠手続における当事者及び第三者の協力義務 210
(1) 協力義務の意義と内容 210
(2) 未成年者の協力義務 212
2 補償 212
3 実体法上の文書提示義務及び情報提供義務 212
第4節 当事者の拒絶権 213
1 当事者の拒絶権の意義 213
2 当事者の協力義務に対する拒絶 214
第5節 第三者の拒絶権 215
1 第三者の拒絶権の意義 215
2 制限的拒絶権 217
3 第三者の協力義務に対する拒絶 218
4 裁判所の教示義務 219
第6節 証拠方法 220
第7節 証拠評価─自由心証主義─ 221
1 自由な証拠評価(自由心証主義) 222
2 証拠法規 223
3 個々における裁判所の証拠評価 224
(1) 証言及び鑑定の評価の特殊性 224
(2) 余分な証拠結果 225
(3) 間接事実 226
(4) 事実上の推定 226
(5) 当事者の行動 227
(6) 先行的証拠評価(antizipierte Beweiswürdigung) 227
第8節 個々の証拠方法 229
1 証人 229
(1) 証言能力 229
(2) 証言の対象 230
(3) 証人尋問の手続 231
2 文書 236
(1) 概 念 236
(2) 文書の真正 237
(3) 公的記録及び公文書の証拠力 237
(4) 文書提出義務 237
3 検証物 239
(1) 概念と実施 239
(2) 検証の手続 240
4 鑑定人 241
(1) 鑑定の概念 241
(2) 鑑定人 242
(3) 鑑定の実施 245
(4) 仲裁鑑定(Schiedsgutachten) 246
(5) 私鑑定 248
5 書面による情報収集 248
(1) 公官庁の書面による回答 248
(2) 私人の書面による回答 248
6 当事者本人(当事者尋問及び証拠供述) 249
(1) 尋問される当事者 250
(2) 当事者尋問の意義と目的 250
(3) 当事者尋問 251
(4) 証拠供述 251
第8章 スイス民事訴訟における上訴 253
第1節 概 説 253
1 上訴の概念と意義 253
(1) 上訴の概念と意義 253
(2) 上訴の種類 254
2 スイスの上訴システム 257
3 上訴制度の構造 258
(1) 州のシステム─二審制の原則─ 258
(2) 連邦裁判所への上訴 259
4 上訴の要件 260
(1) 上訴の対象 260
(2) 上訴期間 260
(3) 費用の予納・担保 260
(4) 申立て要件 261
5 上訴の理由 262
6 上訴手続における諸原則 263
(1) 上訴の教示義務 263
(2) 不利益変更(Reformaito in peius)禁止原則 264
(3) 上訴の取下げ・上訴権の放棄 264
(4) 上訴手続における裁判の無償申請 265
(5) 不適法上訴の転換(Konversion) 265
第2節 州の上訴システム 265
1 控訴 265
(1) 概念 265
(2) 控訴の対象 266
(3) 控訴理由 269
(4) 控訴の効果 270
(5) 控訴の手続 273
2 抗告 280
(1) 概念 280
(2) 抗告の対象 281
(3) 抗告理由 283
(4) 抗告の効果 284
(5) 抗告の手続 284
3 再審(Revision) 288
(1) 再審の意義と目的 288
(2) 再審の対象となる裁判 288
(3) 再審事由 288
(4) 再審の効果 291
(5) 再審の手続 291
(6) 裁判 292
4 説示及び更正 292
(1) 意義 292
(2) 説示及び更正の対象となる裁判 293
(3) 更正 293
(4) 説示 293
(5) 手続 293
第3節 連邦裁判所への上訴 294
1 民事事件における特別抗告(民事特別抗告) 295
(1) 意義と対象 295
(2) 特別抗告理由 299
(3) 特別抗告の効果 300
(4) 特別抗告の手続 300
2 緊急の憲法抗告 302
3 再審 303
4 説示及び更正 304
第9章 スイス民事訴訟における判決効 315
第1節 スイス民事訴訟法における既判力概念 315
第2節 形式的確定力 317
1 概念と作用 317
2 形式的確定力の発生時点 318
第3節 実質的確定力(=既判力)の概念と範囲 319
1 概念 319
2 既判力の範囲 319
(1) 客観的範囲 319
(2) 主観的範囲 321
(3) 時的限界 322
第4節 判決の種類による区別 323
1 本案判決 323
2 判決によらない訴訟の終了:和解,請求の放棄・認諾 324
3 訴訟判決 324
4 訴訟指揮上の処分 325
第10章 スイス民事訴訟における特別手続 327
第1節 スイス民事訴訟手続の範囲と種類 327
第2節 簡易手続 327
1 目的と特色 327
2 適用範囲 328
(1) 訴額が30,000スイス・フランまでの財産法上の争訟 329
(2) 訴額に関係なく適用対象となる争訟 329
3 調停手続及び通常手続の原則的適用 330
4 特別な手続規定 331
(1) 訴え提起 331
(2) 審理 332
(3) 簡易手続における裁判及び上訴 339
第3節 略式手続 339
1 意義と特徴 339
2 適用範囲 340
(1) 法律で規定されている場合 341
(2) 簡明な事案における権利保護 344
(3) 裁判所による禁止 345
(4) 仮処分 347
(5) 非訟事件(Freiwilligen Gerichtsbarkeit) 350
3 手続及び裁判 350
(1) 一般的な手続規定 350
(2) 手続の流れ 351
(3) 証拠方法の制限 353
(4) 裁判(判決)の公開 353
(5) 上訴 354
第4節 家族法上の手続 355
1 家族法上の手続の意義 355
(1) 家族法上の手続の概念及び変遷 355
(2) 家族法上の裁判手続の種類とその対象 356
(3) 家族法上の裁判手続 356
(4) 裁判外の手続 357
(5) 裁判外の手続についての適用法規 357
2 婚姻法上の手続 358
(1) 婚姻保護及び保全措置 358
(2) 離婚手続 359
(3) 離婚判決の変更又は補充の手続 371
(4) 夫婦別居及び婚姻無効の訴えの手続 372
3 子の福祉に関する手続 373
(1) 職権探知主義及び職権主義 373
(2) 婚姻法上の手続における子の福祉 373
(3) 独立した訴え(血縁関係に関する訴え・扶養に関する訴え) 376
4 登録されたパートナー関係に関する手続 377
5 児童及び成人保護法上の手続 377
(1) 概説 377
(2) KESB(児童及び成人保護局)での手続 378
(3) 不服申立て 379
スイス民事訴訟法関連の主な邦文文献 381