犯罪予測

犯罪予測

―AIによる分析―
守山 正 編著
定価:3,850円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2022年03月30日
  • 判型:
    A5判並製
  • ページ数:
    272頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5361-2
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内容紹介


《目 次》

はしがき
第1章 犯罪予測とは何か
Ⅰ 犯罪予測の意義1
 1 犯罪予測の概念 (1)
 2 犯罪予測の歴史 (5)
 3 犯罪予測の分類 (6)
 4 犯罪予測の理論 (8)
Ⅱ 犯罪予測のデータ・セット11
 1 過去の犯罪・事案データ (11)
 2 人口統計データ (12)
 3 SNS・モバイルデータ (12)
Ⅲ 犯罪予測の構図・手順14
 1 データの収集 (15)
 2 犯罪データの分析 (16)
 3 警察の介入 (16)
 4 犯行者の反応 (18)

第2章 犯罪の現状と犯罪不安感
Ⅰ 犯罪統計と犯罪不安感の乖離19
Ⅱ 犯罪不安感の意義20
Ⅲ 海外における犯罪不安感(fear of crime)をめぐる議論22
 1 犯罪不安感の認識 (22)
 2 犯罪不安感に関する議論 (23)
 3 犯罪不安感と無秩序行為の関係 (27)
 コラム1 ジンバルドーの実験 (29)
Ⅳ 各種不安感調査の状況32
 1 わが国の傾向 (32)
 2 世界の傾向 (33)

第3章 犯罪予測の必要性
Ⅰ 犯罪問題の質的解決39
Ⅱ 犯罪不安感解消と「生活の質」向上40
Ⅲ 社会的弱者の保護43
Ⅳ 警察活動の効率化・科学化46
 1 警察資源の有効活用 (47)
 2 エビデンスに基づく警察活動 (48)
 3 合理的な防犯パトロール (51)
 4 問題解決型活動の推進 (52)
 5 効率的な犯罪捜査・犯人検挙 (55)
 6 地域防犯活動への示唆 (56)

第4章 犯罪予測の理論的基盤
Ⅰ 環境犯罪学と犯罪予測59
 1 環境犯罪学の展開 (59)
 2 反復被害現象の発見 (61)
 コラム2 最適採餌理論 (63)
Ⅱ 各種理論とその適用65
 1 環境防犯設計理論(CPTED, Crime Prevention Through Environmental Design) (65)
 2 日常活動理論(routine activity approach) (69)
 3 合理的選択理論(rational choice theory) (70)
 4 犯罪パターン理論(crime pattern theory) (72)
Ⅲ 犯罪分析と犯罪予防活動73
 1 犯罪分析とECCA会議 (74)
 2 ホットスポット分析 (76)
 3 問題指向型警察活動 (78)
 4 地理的プロファイリング (79)
 5 コンプスタット(Compstat) (81)

第5章 犯罪分析と統計学
Ⅰ 犯罪統計分析の基礎85
 1 統計的分析の設計 (85)
 2 解釈における注意点 (88)
Ⅱ 犯罪予測に利用可能な統計学94
 1 統計的予測モデルの設計 (94)
 2 回帰モデル (99)
 3 確率密度推定?カーネル密度推定 (102)

第6章 犯罪予測の技法
Ⅰ 分析と技法105
Ⅱ 技法の内容106
 1 ホットスポット分析 (106)
 2 近接反復被害分析 (112)
 3 RTM(リスク地帯モデリング) (115)

第7章 AI活用による犯罪予測
Ⅰ AIとアルゴリズム121
 1 アルゴリズムとは何か (121)
 2 AIとその発展の経緯 (122)
 3 機械学習 (125)
 4 機械学習の種類 (128)
 5 「ブラックボックス」問題 (137)

第8章 海外の犯罪予測に基づく警察活動
Ⅰ アメリカ139
 1 犯罪予測導入の経緯 (139)
 コラム3 アルゴリズム提供企業 (140)
 2 アメリカ警察の犯罪予測導入の状況 (141)
Ⅱ イギリス148
 1 犯罪予測の研究と実施 (148)
 2 ロンドン警視庁の予測プロジェクト (151)
 3 ケント警察の犯罪予測活動 (153)
 4 ソーシャル・メディア解析による予測プロジェクト (153)
Ⅲ ドイツ154
 1 バーバリア警察(バーデン・ビュルテンベルク州) (154)
 2 ベルリン州犯罪捜査局 (155)
 3 ドイツのその他の地域 (155)
 コラム4 その他の国々の犯罪予測状況 (157)
Ⅴ 過渡期の犯罪予測事業157

第9章 わが国における犯罪分析の実証研究
Ⅰ 集合住宅における侵入盗の近接反復被害162
 1 問題の所在 (162)
 2 研究の方法 (164)
 3 分析結果 (166)
 4 考 察 (171)
 コラム5 犯罪予防研究アドバイザー (173)
Ⅱ さいたま市におけるRTM活用による防犯パトロール174
 1 内容の概要 (174)
 2 研究方法 (175)
 3 予測に基づく犯罪多発地点の特定 (175)
 4 防犯パトロール経路の構築 (178)
 5 構築した防犯パトロール経路の評価 (180)
Ⅲ RTMを用いた繁華街における車上狙い等の予測181
 1 地理的犯罪予測とRTM (181)
 2 RTMの有効性の検証(研究1) (183)
 3 予測精度向上を目指したRTMの拡張(研究2) (185)
 4 まとめと考察 (189)

第10章 わが国における警察の犯罪予測事業
Ⅰ 神奈川県警察本部の犯罪予測の試み191
 1 経 緯 (191)
 2 神奈川県の犯罪情勢 (192)
 3 本調査研究の目標 (196)
 4 実証実験の準備 (197)
 5 実証実験の実施と結果 (205)
 6 本調査の要約と課題 (210)
Ⅱ 他の都府県および警察庁の動き211
 1 京都府警察本部の動き (211)
 2 警視庁の動き (212)
 コラム6 警視庁の混雑予測システム (214)
 3 警察庁の動き (217)

第11章 個人情報とプライバシーの保護
Ⅰ 犯罪予防と従来の法的議論219
 1 刑事法と行政法の狭間 (219)
 2 地方自治法・警察官職務執行法に基づく施策と犯罪予防 (220)
 3 犯罪予防要求の高まり (221)
Ⅱ AIを用いた犯罪予測と個人情報該当性222
 1 個人情報該当性 (222)
 2 「個人情報」の利用枠組み (223)
 3 「個人情報以外」の情報の法的利用枠組み (225)
Ⅲ 警察活動における犯罪予測とプライバシーの利益への影響225
 1 プライバシーの利益への影響 (225)
 2 AI活用の警察活動の合理性 (226)
 3 捜査・警察活動とプライバシーの利益 (227)
 4 個人情報保護とプライバシー保護との相違 (227)
 5 プライバシーの利益とは何か (229)
Ⅳ AI解析に基づく犯罪予測の法的性質と許容性231
 1 人の判断を中心に据えることの重要性 (231)
 2 「異議申立て」の重要性 (233)
 3 比較衡量に基づく警察活動の許容性判断 (235)
Ⅴ 今後の課題236
 1 現実のニーズとプライバシーの利益への現実的影響を見据えた議論の必要性 (236)
 2 場所型予測とプライバシー保護のための方策 (237)

第12章 わが国における犯罪予測の課題
Ⅰ 警察内部の課題241
 1 警察官の意識改革とコンピュータ科学研修 (241)
 2 警察の多機関との協働 (243)
 3 犯罪関連データ形式の統一 (244)
 4 検証・評価の必要性 (244)
Ⅱ 技術・技法に関する課題246
 1 犯罪予測に必要なデータ化の可否 (246)
 2 データの絶対数の不足 (249)
Ⅲ 犯罪予測と地域社会250


事項索引253