刑事法の理論と実務④

刑事法の理論と実務④

佐伯仁志/高橋則夫/只木 誠/松宮孝明 編集委員
定価:4,620円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2022年10月01日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    280頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5368-1
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内容紹介


《目 次》

はしがき

[刑法の過去・現在・未来]
ナチス刑法理論とキール学派・マールブルク学派 ―ナチス刑法学研究プロレゴーメナ―   山中敬一(3)
 一 はじめに 3
 二 ナチス刑法学研究へのアプローチ 3
 三 ナチス刑法理論登場の背景 6
 四 キール学派とマールブルク学派の由来 11
 五 キール学派とマールブルク学派のそれぞれの主張内容 15
 六 まとめ 21


[理論と実務の交錯―作為義務論の課題―]
不真正不作為犯の作為義務とその認定   江見健一(25)
 一 はじめに 25
 二 不真正不作為犯の事例における事実の認定 26
 三 刑事判決と刑事実体法理論 28
 四 作為と不作為の区別及び同価値性の判断 31
 五 保障人的地位が要求される根拠について 37
 六 おわりに 42

不作為犯に関する実務上の問題 ―故意の認定を中心として―   石井 隆(43)
 一 はじめに―不作為犯の現代的意義と「虐待」― 43
 二 不作為により人が死亡した事件の類型ごとの故意の認定 45
 三 結び 62

不作為犯における弁護活動の留意点   南川 学(63)
 一 はじめに 63
 二 作為義務等の存在が問題となる事案 64
 三 作為義務等の認識が問題となる事案 66
 四 因果関係が問題となる事案 71
 五 捜査段階での弁護活動 74
 六 おわりに 75

救助的因果経過の切断について ―最決令和2・8・24刑集74巻5号517頁を素材に―    平山幹子(77)
 一 はじめに 77
 二 本決定について 78
 三 救助妨害と間接正犯 81
 四 救助妨害と不作為への関与 86
 五 むすびにかえて 95

不作為犯論における実務と理論の距離 ―不作為殺人の実行行為該当性の判断手法を中心に―    鎮目征樹(97)
 一 問題の所在 97
 二 最高裁平成30年判決が示唆するもの 101
 三 裁判実務における不真正不作為犯の実行行為該当性判断の実状 104
 四 検討課題の抽出 126
 五 おわりに 137
 

[論争刑法 ―量刑論の現在―]
裁判員裁判時代の量刑論を考える ―野村健太郎『量刑の思考枠組み』を読んで―   城下裕二(141)
 一 はじめに 141
 二 本書の内容 142
 三 検 討 155
 四 おわりに 163

城下教授の論評に応えて   野村健太郎(165)
 一 はじめに 165
 二 責任刑の構造・内容について 165
 三 特別予防判断における量刑事情の限界について 173
 四 量刑傾向の逸脱と責任主義との関係について 176

[理論刑法学の最先端]
正当化論の諸問題と結果帰属   松本圭史(183)
 一 はじめに 183
 二 失敗した正当防衛 184
 三 偶然防衛 188
 四 中止犯の法的性格 190
 五 違法性の連帯性 196
 六 おわりに 204

サイバーセキュリティと刑法 ―サイバー犯罪対策規定の解釈論と刑事立法学―    西貝吉晃(205)
 一 問題意識 205
 二 無権限アクセス罪 209
 三 マルウェア対策犯罪の法律論 221
 四 まとめと課題 ―サイバー犯罪対策立法における刑事立法学の難しさ― 228


[海外の動向]
韓国刑法の展開と刑事立法の特徴   安部祥太(233)
 一 はじめに 233
 二 韓国刑法の制定過程 233
 三 韓国刑法の改正過程 242
 四 韓国刑法と刑事立法の特徴 246
 五 おわりに 250

陳興良著/西原春夫 監修『中国刑法学の新展開』―中国刑法学の過去、現在、未来を照らす不朽の名著―    松宮孝明(253)
 一 はじめに 253
 二 本書の構成 254
 三 「段階的体系」に対する近時の批判 260
 四 「要素の体系」の意味 262
 五 中国刑法学の課題 266