犯罪概念の基底

犯罪概念の基底

―大塚刑法学の原点と軌跡―
佐久間 修 著
定価:2,750円(税込)
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  • 発行:
    2022年11月01日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    110頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5377-3
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内容紹介

《目 次》

はしがき

第1章 刑法概説(総論・各論)からみた全体像 1

第2章 刑法総論における大塚刑法学 6
第1節 構成要件論について 6
 1 構成要件論と実行行為 6  
 2 行為主義と結果主義 7  
 3 構成要件 ― 実行行為から故意・過失へ 8  
 4 構成要件的過失と違法・責任段階の過失 9  
 5 犯罪論体系上の故意犯と過失犯 9  
 6 過失犯の違法性と誤想防衛の取り扱い 10

第2節 因果関係論について 11
 1 相当因果関係説と客観的帰属論 11  
 2 事後的な介在事情と相当性判断 11  
 3 相当性判断とその対象事実 12  
 4 折衷説における因果関係の認識 13  
 5 構成要件論と因果的犯罪論 13

第3節 未遂犯と共犯について 15
 1 修正された構成要件としての未遂 15  
 2 修正された構成要件としての共犯 16  
 3 承継的共同正犯と片面的共同正犯 17  
 4 過失の共同正犯 ― 学説の変遷① 18  
 5 共同「実行」と共謀共同正犯 ― 学説の変遷② 18  
 6 身分犯の共犯と「実行」の意義 19  
 7 修正された構成要件と違法・責任 20

第4節 違法論について 21
 1 評価規範と命令規範(意思決定規範) 21  
 2 主観的違法要素と行為者の存在 22  
 3 行為無価値論と結果無価値論 23  
 4 違法性阻却事由と主観的正当化要素 24  
 5 正当防衛と過剰防衛 25  
 6 第三者侵害と緊急避難 25

第5節 責任論について 26
 1 人格的責任論と規範的責任論 26  
 2 責任無能力と刑事未成年 27  
 3 原因において自由な行為 28  
 4 責任論における故意・過失 29  
 5 構成要件の類別機能について 30  
 6 違法性の意識について ― 厳格故意説 31  
 7 責任過失と期待可能性 32  
 8 人格形成責任と罪数論 32

第3章 刑法各論における大塚刑法学 34
第1節 個人的法益に対する罪 35
 1 殺人の罪と傷害の罪 35  
 2 遺棄の罪 36  
 3 自由に対する罪 37  
 4 生活の平穏に対する罪 37  
 5 名誉に対する罪 38  
 6 信用および業務に対する罪 39  
 7 財産に対する罪① ― 窃盗罪 40  
 8 財産に対する罪② ― 強盗罪 40  
 9 財産に対する罪③ ― 詐欺罪と恐喝罪 41  
 10 財産に対する罪④ ― 横領罪 42  
 11 財産に対する罪⑤ ― 身分犯と共犯、背任罪 43

第2節 社会的法益に対する罪 44
 1 社会の安全に対する罪 ― 騒乱罪と放火罪 44  
 2 公共の信用に対する罪① ― 偽造罪 45  
 3 公共の信用に対する罪② ― 電子コピーと代理・代表資格 45  
 4 公衆の風俗に対する罪 ― 公然わいせつ罪など 46

第3節 国家的法益に対する罪 47
 1 国家の作用に対する罪① ― 公務執行妨害罪 47  
 2 国家の作用に対する罪② ― 犯人蔵匿・証拠隠滅罪 48  
 3 国家の作用に対する罪③ ― 偽証罪と賄賂罪 48

第4節 各論における罪と罰 49
 1 刑法各論における罪と罰 49  
 2 義務違反説と結果的加重犯 50  
 3 保護法益論と刑事学的分析 51

第4章 大塚刑法学の原点は何か 53
第1節 形式的犯罪論と実質的犯罪論 53
 1 構成要件論の徹底・深化 53  
 2 二元的行為無価値論と人的違法観 54  
 3 人格的責任論 55

第2節 構成要件論の再検討 56
 1 構成要件論と罪刑法定主義 56  
 2 犯罪の外枠としての構成要件 57  
 3 違法・責任類型としての構成要件 58  
 4 個別的な構成要件と一般的な違法性阻却事由 59  
 5 構成要件の違法性推定機能 60  
 6 構成要件の(犯罪)構成事実 60  
 7 構成要件の犯罪個別化機能 61  
 8 故意規制機能と主観的構成要件要素 62  
 9 ドイツ刑法典16条と日本の刑法典38条 63  
 10 故意・過失の客観化 64

第3節 実行行為の概念と行為論の意義 65
 1 犯罪論の中核としての実行行為 65  
 2 実行行為の実質化・規範化 65  
 3 実行行為否定論 66  
 4 構成要件論と「裸の行為論」 67  
 5 評価の対象となる事実的行為 68  
 6 行為者人格の表れとしての行為 69  
 7 人格的行為論と人格的責任論 70  
 8 行為者人格の主体的人格化 71

第4節 人格的責任論と刑罰論 72
 1 個別的行為責任と人格的責任論 72  
 2 相対的自由意思と「やわらかな」決定論 73  
 3 機能主義と功利主義 74  
 4 リベットの実験と自由意思否定論 74  
 5 人格的責任論から人格的刑罰理論へ 75  
 6 責任のポジティブな側面 76  
 7 改悛的自覚と修復的司法 77  
 8 刑罰における相対主義と絶対主義 78  
 9 応報刑論と罪刑均衡の原則 78

第5節 犯罪論と刑罰論 80
 1 刑罰の目的性と正当性 80  
 2 刑罰の正当化根拠について 81  
 3 規範的一般予防論における違法・責任 82  
 4 犯罪論と刑罰論の結びつき 83  
 5 刑罰の目的と刑法の目的 84  
 6 犯罪と刑罰のグランドセオリー 85  
 7 刑事立法の時代における犯罪と刑罰 87

第5章 大塚仁先生をお偲びして 89

あとがき 95