中止未遂における点と線

中止未遂における点と線

関 哲夫 著
定価:4,950円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2022年11月13日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    200頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5369-8
カートに入れる

書籍購入は弊社「早稲田正門店インターネット書店」サイトでの購入となります。

内容紹介


《目 次》

はしがき i
論文の初出について vii

第1章 はじめに   1
 1 課題の設定   1
 (1) 中止犯をめぐる論点   1
 (2) 本書の課題   3
 (3) 検討の順序   4

 2 用語の説明   5
 (1) 結果の発生・不発生   5
 (2) 結果の概念   6
 (3) 犯罪の意義   8
 (4) 未遂犯・中止犯   9

 3 拡大犯罪の類型   10
 (1) 故意犯   10
 (2) 過失犯   11

 4 学説の名称   12

 5 脚注の記載   13

第2章 ドイツの一体的評価説   15
 1 ドイツ刑法の中止犯規定   15

 2 不処罰効果の根拠   15
 (1) 学説の状況   16
 (2) 不処罰効果の根拠要素   19
 (3) 法的性格   20

 3 一体的評価説   21
 (1) 意義   21
 (2) Lang-Hinrichsenの見解   23
 (3) Bindingの見解   28
 (4) Zaczykの見解   31
 (5) Roxinの見解   38

 4 一体的評価説の検討   44
 (1) 一体的・個別的評価法と不処罰効果の根拠、体系的地位   44
 (2) 一体的評価説・個別的評価説と24条   46
 (3) 一体的評価法の契機   47

 5 被害者保護思想   49
 (1) 意義   49
 (2) 部分要素としての被害者保護   50

第3章 日本の学説の検討   53
 1 支配的見解   53
 (1) 意義   53
 (2) 検討   65

 2 一体的評価法を導入する見解   77
 (1) 条件付き一体的評価説   77
 (2) 浮動状態一体的評価説   85

第4章 負指向の行為と正指向の行為との一体的評価   95
 1 はしがき   95
 (1) 考察の視点   95
 (2) 組合せの類型   96

 2 「正指向⇒正指向」類型   96
 (1) 事例   96
 (2) 考察   96

 3 「負指向⇒負指向」類型   98
 (1) 事例   98
 (2) 考察   98

 4 「正指向⇒負指向」類型   100
 (1) 量的過剰防衛   100
 (2) 正当防衛後の不作為   126

 5 「負指向⇒正指向」類型   140
 (1) 刑法各則の規定   140
 (2) 自白減免規定   140
 (3) 解放減軽規定   142
 (4) 中止犯との異同   143

第5章 私見   147
 1 前提認識   147
 (1) 前提の思考法   147
 (2) 一体的評価法   150
 (3) 中止犯の法的性格   153

 2 根拠   155
 (1) 刑の不均衡   155
 (2) 終局結果の阻止   157
 (3) 「犯罪」の意義   160

 3 具体的処理   161
 (1) 故意犯   162
 (2) 過失犯   164

 4 批判と反論   166
 (1) 43条の文理違反   166
 (2) 一体的評価法への疑問   168
 (3) 中止犯と正当防衛・緊急避難との同一視   169
 (4) 可罰的行為を不可罰的行為とする危険   171

第6章 おわりに  175
 1 支配的見解への疑問 175
 (1) 未遂前提の根拠   175
 (2) 思考法   176

 2 私見の要約   178
 (1) 前提の思考法   178
 (2) 一体的評価法   179

 3 批判への反論   181
 (1) 立法論の解釈   181
 (2) 流動的な思考法   183
 (3) 一体的評価説   184

 4 結び   185


事項索引   189