船舶衝突法 第2版

船舶衝突法 第2版

箱井崇史・松田忠大 編著
定価:8,800円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2023年02月01日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    552頁
  • ISBN:
    978-4-7923-2791-0
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内容紹介

《目 次》

第2版はしがき
略語一覧

第1章 序論 1
第1節 船舶衝突に関する法 1
 第1 船舶衝突の性質 1
 第2 船舶衝突の法規整 2
  1 船舶衝突法の意義 2
  2 船舶衝突私法 3
  3 船舶衝突公法 4
   1 海上交通三法 4   
   2 その他の法令 6
 第3 船舶衝突法の国際的統一 12
  1 船舶衝突私法の統一 12
   1 1910年の衝突統一条約 12  
   2 その他のブリュッセル条約 13
   3 国際海事機関(IMO)条約 15 
   4 1987年のリスボン規則 17
  2 衝突統一条約の概要 17
   1 衝突統一条約の適用範囲 18
   2 衝突統一条約の特徴 20
第2節 船舶衝突の意義 21
 第1 船舶衝突法における船舶の概念 22
  1 海商法の適用または準用のある船舶 22
   1 商法海商編の適用される船舶 22
   2 海商法の準用される船舶 25
   3 船主責任制限法の適用される船舶の概念 26
  2 衝突統一条約の適用のある船舶 27
 第2 船舶衝突の要件 28
  1 2隻以上の船舶の接触 29
   1 船舶と船舶でない物との衝突 29
   2 船舶の種別 30
   3 接触の態様 37
  2 衝突の生じた水面 41
  3 損害の発生 41

第2章 船舶衝突の責任原則 43
第1節 船舶衝突の私法上の責任原則 43
 第1 損害賠償の当事者 44
  1 損害賠償請求権者 44
   1 船舶所有者(登録船主)等 44
   2 船舶賃借人(裸傭船者) 45
   3 積荷等の所有者 46
   4 その他 47
  2 損害賠償義務者 47
   1 船舶所有者(登録船主)等 47
   2 船舶賃借人(裸傭船者) 49
   3 定期傭船者 49
 第2 過失による船舶の衝突 60
  1 船舶の衝突における過失 60
   1 船員の過失 60
   2 船員の負う注意義務 61
   3 船主等の過失 63
  2 海上衝突予防法と船員の注意義務 63
   1 衝突予防のための一般的な航法および船員の注意義務 63
   2 狭い水道等の航行 67
   3 互いに他の船舶の視野の内にある船舶の航法 70
   4 視界制限状態における航行 76
   5 錨泊中の船舶およびそれに対する航行 78
  3 水先人の過失による衝突 80
   1 水先人の意義および水先の種類 80
   2 水先人の法的地位 81  
   3 水先人と船長との関係 82
   4 水先人の過失による衝突と船主の責任 83
 第3 過失の立証責任 84
  1 過失の立証 84
  2 過失の推定 86
   1 法律上の過失の推定 86
   2 事実上の過失の推定 86
第2節 船舶衝突から生じた損害の分担 87
 第1 事変による衝突および原因不明の衝突 87
 第2 一方船舶の過失による衝突 89
 第3 双方船舶の過失による衝突 90
  1 損害分担主義 90
  2 商法788条と船舶所有者相互の関係 91
   1 商法788条の意義 91
   2 商法788条の適用範囲 94
   3 過失の軽重に応じた損害の分担 95
   4 過失の軽重を判定することができない場合 96
  3 損害賠償請求権の性質 96
   1 判例 97   
   2 学説 100
第3節 船舶所有者の第三者に対する責任 103
 第1 衝突船舶と第三者との法律関係 103
 第2 衝突統一条約の規定 104
 第3 判例および学説 107
  1 判例 107
  2 学説 109
   1 民法719条適用ないし類推適用説 109
   2 商法788条適用説 111
   3 学説の検討 112
 第4 非運送船主による免責約款の援用の可否 114
  1 判例 115
  2 学説 116
  3 双方過失衝突約款(Both to Blame Collision Clause) 118
第4節 曳船と衝突 122
 第1 曳船契約の意義とその法的類型 122
  1 曳船(挽船)契約の意義 122
  2 曳船契約の法的類型 123
   1 学説 123
   2 判例 124
 第2 曳船と被曳船との衝突 125
  1 曳船契約の内部関係 125
   1 曳船および被曳船の一般的な注意義務 125
   2 物品運送型の場合 127
   3 請負型の場合 127
   4 雇用型の場合 128
  2 曳船契約における過失免責約款 129
   1 過失免責約款の意義 129
   2 過失免責約款の効力 130
  3 損害補償条項の効力 131
  4 船舶衝突法適用の可否 132
 第3 曳船列(曳船および被曳船)と第三船との衝突 133
  1 曳船列一体の原則 134
   1 意義 134
   2 わが国における曳船列一体の原則 134
  2 衝突責任の帰属 138
   1 物品運送型の場合 139
   2 請負型の場合 140
   3 雇用型の場合 140
第5節 船舶衝突によって生じた債権の消滅時効 142
 第1 短期消滅時効の立法趣旨 142
 第2 商法789条の意義および適用範囲 144
  1 船舶の衝突を原因とする不法行為によって生じた損害賠償請求権  144
  2 適用範囲 145
   1 本条の適用のある債権 145
   2 損害の範囲 146
 第3 時効の起算点 149
  1 判例 149
  2 学説 152
   1 衝突時説 152
   2 被害者側の事情を考慮する説 153
   3 判例・学説および商法789条の検討 154
 第4 時効の完成猶予・更新 157MOVE up=-20Q

第3章 損害 159
第1節 損害と因果関係 159
 1 損害の概念 160
 2 事実的因果関係 160
 3 損害賠償の範囲 161
第2節 船舶所有者等の損害 163
 第1 積極損害 164
  1 船舶の分損における損害 164
   1 修繕費用 164
   2 救助費用 170
   3 回航費用 173
   4 港費 173
   5 船舶の検査費用 173
   6 共同海損分担金 174
  2 船舶の全損における損害 176
   1 船舶 177
   2 船骸等撤去費用 184
   3 船主の財物滅失 184
   4 雇止手当・失業手当 185
   5 代替船の取得費用 186
   6 船舶保険の保険料 187
  3 分損・全損に共通の損害 187
   1 乗組員・乗客の捜索費用 187
   2 乗組員・乗客の帰還費用 188
   3 油濁等清掃・流出防止費用 188
   4 通信費・代理店料その他費用等 188
   5 損害調査費用 189
   6 物的損害に関する慰謝料 190
   7 弁護士費用 191
 第2 消極損害(休航損害) 193
  1 船舶の分損における損害 193
   1 定期傭船されている場合 195
   2 自営運航されている場合 195
   3 運送に従事していない場合 196
   4 船主工事等が併行して行われる場合 198
   5 当局の捜査・調査のための休航 199
   6 被害船主の損害軽減防止義務 200
  2 船舶の全損における損害 200
 第3 遅延損害金および外国通貨による損害賠償請求 206
  1 遅延損害金 206
  2 外国通貨による損害賠償請求 207
第3節 第三者の損害 208
 第1 乗組員の損害 209
  1 損害賠償と社会保障給付 209
   1 損害賠償 209
   2 社会保障給付 212
  2 積極損害 214
   1 傷害の場合 215
   2 死亡の場合 218
   3 乗組員の所有物 220
  3 消極損害 221
   1 休業損害 221
   2 後遺症による逸失利益 225
   3 死亡による逸失利益 230
  4 精神的損害 233
   1 傷害慰謝料 233
   2 後遺症に対する慰謝料 234
   3 死者の精神的損害 234
   4 遺族の精神的損害 235
  5 その他の損害に関する問題 236
   1 企業損害 236
   2 外国人船員に対する損害賠償の問題 236
  6 損害の減額・調整に関する問題 240
   1 過失相殺 240
   2 素因による減額 241
   3 損益相殺 241
 第2 旅客の損害 245
  1 旅客自身の人的損害 245
   1 責任の原則 245
   2 損害賠償額の算定 246
  2 手荷物の損害 247
   1 託送手荷物 247
   2 持込手荷物 247
 第3 荷主の損害 248
  1 自船側の損害賠償責任 248
   1 外航運送の場合 248
   2 内航運送の場合 251
  2 相手船に対する損害賠償請求 252
 第4 定期傭船者の損害 254
   1 燃料油等の財産上の損害 254
   2 営業損害 255
第4節 環境に関する損害 256
 第1 船舶または積荷の撤去に関する責任 257
  1 公法上の責任 257
   1 海洋汚染防止法 258
   2 港則法 259
   3 港湾法 260
   4 海上交通安全法 261
   5 海岸法 262
   6 条例 262
  2 私法上の責任 264
   1 物権的請求権 264
   2 損害賠償請求権 266
 第2 油濁損害に関する責任 269
  1 公法上の責任 269
   1 条約制定の経緯 269
   2 わが国における公法上の規律(海洋汚染防止法) 272
  2 私法上の損害賠償・補償制度 276
  3 タンカーからの油濁損害 283
   1 タンカー油濁損害 283
   2 損害賠償義務者 284
   3 損害の範囲 286
   4 請求権の制限・消滅 294
   5 強制保険 296
   6 国際基金 299
   7 管轄 301
  4 一般船舶による油濁損害 302
   1 一般船舶等油濁損害 302
   2 損害賠償義務者 303
   3 損害の範囲 303
   4 請求権の制限・消滅 304
   5 強制保険 305
   6 国際基金 306
   7 管轄 306
  5 民間自主協定 307
   1 制定に至る経緯 307
   2 STOPIA2006 309
   3 TOPIA2006 310

第4章 衝突債権の実現・保全 313
第1節 訴え提起・仲裁申立て 313
 第1 訴え提起 314
  1 裁判管轄 314
   1 国際裁判管轄 314
   2 国内裁判管轄 324
  2 訴状の送達 326
   1 外国に対する送達 327
   2 公示送達 328
 第2 仲裁の申立て 328
 第3 法人格否認の法理に基づく衝突債権の請求 329
  1 法人格否認の法理 329
  2 便宜置籍船の事例における法人格否認 330
  3 法人格否認の法理の準拠法 334
第2節 衝突債権の準拠法 335
 1 船舶衝突責任の準拠法選択の原則 336
  1 旗国法主義とその限界 336
  2 わが国の抵触規定 337
 2 船舶の衝突が特定の国の領海内で生じた場合 338
  1 衝突がわが国の領海内において生じた場合 338
  2 衝突が他国の領海内において生じた場合 339
 3 衝突が公海上で生じた場合 339
  1 異国籍船舶間の衝突 340
  2 同一国籍船舶間の衝突 348
 4 準拠法につき当事者間で合意がなされた場合 349
第3節 衝突債権の実現(船舶の差押え) 350
 第1 船舶に対する強制執行 351
  1 執行の対象となる船舶 351
   1 不動産に準じる強制執行 351
   2 動産に準じる強制執行 352
   3 建造中の船舶に対する強制執行 352
  2 船舶執行申立前の船舶国籍証書等の引渡命令 352
  3 管 轄 354
   1 強制競売 354
   2 船舶執行申立前の船舶国籍証書等の引渡命令 355
  4 船舶執行の申立て 355
   1 申立書類 355
   2 債務名義 356
  5 船舶競売開始決定後の手続き 359
   1 競売手続開始決定 359
   2 取上執行 360
   3 差押登記 361
   4 船舶保管人 361
 第2 船舶先取特権に基づく担保権の実行 362
  1 船舶先取特権の成立・効力・消滅 362
   1 船舶先取特権の意義 362
   2 衝突債権について生じうる船舶先取特権 363
   3 担保権の優先順位 363
   4 船舶先取特権の効力 364
   5 船舶先取特権の消滅事由 365
   6 船舶先取特権の準拠法 366
  2 衝突債権に関する船舶先取特権の実行 367
   1 担保権実行手続 367
   2 担保権を証する文書 367
 第3 船舶差押からの救済 369
  1 保証の提供による船舶執行・競売手続の取消し 369
  2 航行許可 371
  3 船舶執行・競売手続申立の取下げ 372
第4節 衝突債権の保全(船舶の仮差押え) 372
 第1 船舶仮差押の管轄 373
  1 国際保全管轄 373
  2 国内保全管轄 378
 第2 船舶仮差押命令に関する手続き 379
  1 仮差押命令の申立て 380
   1 申立てに要する書類 380
   2 申立てが認められるための要件 381
  2 仮差押命令の発令と担保 383
   1 仮差押命令の発令 383
   2 立担保命令 383
   3 担保提供の手続き 384
   4 担保金取消し 385
  3 仮差押命令の申立却下と再度の申立て 385
  4 仮差押命令の執行 386
   1 執行の要件 387
   2 執行の効果 388
 第3 船舶仮差押からの解放 389
  1 仮差押命令に対する不服申立て 390
  2 仮差押解放金 392
  3 仮差押命令申立の取下げ 394
 第4 違法・不当な執行による損害賠償責任 394

第5章 加害船主の責任制限 397
 第1 船主責任制限の法制度 398
  1 船主責任制限条約 398
  2 船主責任制限法 399
 第2 責任制限の裁判管轄と準拠法 400
  1 裁判管轄 400
  2 準拠法 402
  3 外国における制限基金の形成の効果 405
 第3 制度の概要 406
  1 責任制限の主体 406
  2 制限債権 407
  3 非制限債権 410
  4 責任制限をすることができない場合(責任制限阻却事由) 411
  5 同一事故から生じた損害に基づく債権の差引き 413
  6 責任制限の及ぶ範囲 414
  7 責任の限度額 415
 第4 手続きの概要 418
  1 責任制限手続開始の申立て・決定 419
  2 制限債権の届出・調査 420
  3 配当 421

第6章 船舶衝突と海上保険 423
第1節 総 説 424
 第1 船舶衝突による損害と保険制度の関係 424
  1 船舶衝突事件における保険処理の3つの局面 424
  2 本章において扱う範囲 428
 第2 衝突損害に対する賠償責任保険制度の沿革 428
  1 海上保険の生成とイギリスの法制度 428
  2 船舶保険と衝突賠償責任 429
 第3 船舶衝突責任を填補する保険制度 431
  1 船舶保険における船舶衝突損害賠償責任担保 431
  2 P&I保険 432
  3 漁船保険など 433
 第4 保険契約に関する適用法 434
  1 船舶保険に対する適用法 434
  2 P&I保険に対する適用法 436
第2節 船舶保険における衝突賠償責任担保 437
  1 被保険利益 438
  2 保険期間 438
  3 危険の変動と保険者の責任 439
   1 危険の変動 439
   2 危険の変動に関する法律上の規律 439
   3 保険約款 442
  4 保険の目的物 444
  5 保険事故 445
   1 保険事故の意義 445
   2 他船との衝突 446
   3 物理的な衝突 447
   4 「他船」の意義 448
   5 他船またはその積荷およびその他の財物に損害を与えたこと 448
  6 免責事故(免責危険) 448
   1 免責の意義 448
   2 法定免責事由 449
   3 船舶保険約款上の免責事由 450
  7 因果関係 451
  8 填補する損害 451
   1 責任保険における保険給付方式 451
   2 船舶保険において衝突賠償責任に関して支払われる保険金の種類 453
   3 衝突損害賠償金 453
   4 損害防止費用 455
   5 訴訟費用・仲裁費用 456
  9 被害者の権利 457
   1 保険法に基づく権利 457
   2 海上分野の直接請求権 458
  10 保険代位 458
   1 意義 458
   2 衝突事件における代位 459
   3 代位請求に備えた担保の取得、管轄の合意 460
  11 消滅時効 461
第3節 P&I保険における船舶衝突賠償責任担保 462
  1 P&I保険とP&Iクラブ 462
  2 P&I保険の特徴 463
  3 船舶衝突責任に関するP&I保険の内容 464
   1 補償の対象損害 464
   2 免責 466
   3 填補の条件、限度額 467
   4 事故発生時の措置、保険金の請求等 468

資料 471
 1.Convention internationale pour l´unification de certaines reglès en matière d´Abordage
  船舶衝突ニ付テノ規定ノ統一ニ関スル条約
 2.船荷衝突統一条約加盟国一覧
 3.1987年CMIリスボン規則(LISBON RULES 1987)
 4.1996年議定書による改正後の1976年の海事債権についての責任の制限に関する条
約(Convention on Limitation of Liability for maritime claims: LLMC 1976; LLMC
Prot 1996)
 5.1992年議定書による改正後の1969年の油による汚染損害についての民事責任に関
する国際条約(International Convention on Civil liability for oil pollution damage:
CLC 1969; CLC Prot 1992)

事項索引 513
判例索引 522