委任の任意解除権
長谷川貞之 著
定価:6,600円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2023年01月31日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
330頁 -
ISBN:
978-4-7923-2790-3
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内容紹介
《目 次》
はしがき ⅰ
初出一覧 ⅹⅶ
第一部
第一章 委任などの労務供給契約― 債権法改正前の法状況 3
第一節 はじめに 3
1 委任の概念 3
2 現代社会における委任の多様性 4
3 本研究の意義と狙い 4
第二節 委任の基本的法律関係 5
1 委任の法的性質 5
2 委任無償の原則 5
3 委任事務の拡張と有償性の原理 7
4 委任契約の民事ルール 7
第三節 委任をめぐる従来の学説と判例 11
1 委任と他の労務供給契約との区別 11
2 判例にみる委任の例 12
3 サービス契約の法理と委任 13
第四節 問題の整理と所在 13
1 委任の機能的分化 13
2 特別の委任類型の拡充と整理 14
3 委任と信認義務の法理による再構築 14
第二章 委任における任意解除権の規範的性質 18
第一節 問題の所在 18
第二節 継続的債務関係と解除 20
1 ギールケの継続的債務関係論 20
2 解約告知制度の史的発展 21
3 わが国における継続的債権契約に関する議論と解除(解約告知) 23
第三節 解約告知に関する民法典の規定と委任の解除 25
1 解約告知制度と民法典 25
2 委任以外の役務提供契約における解除と各規定の対比―横断的考察 27
3 委任における契約「解除」の意味 31
第四節 委任の任意解除に関する改正前民法六五一条の立法的沿革 32
1 明治初期の民法典編纂と委任(名代)の解除 32
2 旧民法の編纂に至るまでの経緯 34
3 旧民法の編纂と委任の解除 36
4 改正前民法六五一条の制定と立法理由 44
5 小括 50
第五節 改正前民法六五一条の指導形象と規範的性質 53
1 改正前民法六五一条の指導形象 53
2 改正前民法六五一条の規範的性質と解釈指針 56
3 委任の任意解除に関する類型的処理 62
4 解約告知としての委任の「解除」が果たす機能 64
第六節 今後の課題と展望 65
第三章 信認関係と忠実義務 ―信認型契約の創設を構想する立場からの提言― 88
第一節 はじめに 88
第二節 債権法改正に現れた二つの改正案 89
1 民法改正検討委員会の改正案 89
2 民法改正研究会の改正案 89
第三節 既成民法典と受任者の忠実義務 90
1 旧民法財産編二三七条・二三九条と善管注意義務 90
2 法典調査会提出の民法原案六五〇条と忠実義務 91
3 民法整理会における修正案六四二条と忠実義務から善管注意義務への修正 93
4 民法中修正案六四三条 94
第四節 受任者の忠実義務を論ずることの意義 95
1 善管注意義務と区別される忠実義務 95
2 忠実義務の概念 96
3 忠実義務の内容と機能 96
第五節 信認型契約の提唱と忠実義務 100
第二部
第四章 役務提供型の典型契約(雇用、請負、委任、寄託)と債権法改正―総論 111
第一節 法制審議会提案 111
1 提案内容 111
2 提案前の議論 114
3 審議の状況 127
4 中間的な論点整理と補足説明 128
第二節 検討 130
1 新しい役務・サービスの給付を目的とする契約への対応 130
2 役務提供型に属する典型契約のあり方 133
3 役務提供型契約と既存の四つの典型契約の機能分担 135
第五章 新民法と強行法・任意法 ―請負・委任における契約不適合責任、解除を中心に― 141
第一節 問題の所在 141
第二節 役務提供契約に関する検討課題と二つの視点 144
1 債権法改正に至る経緯 144
2 役務提供契約に関する検討課題と二つの視点 145
3 役務提供契約の改正点 146
第三節 債権法改正における強行法・任意法の議論と契約自由の制約原理 147
1 民法部会における議論 147
2 契約自由の制約原理としての強行法規 150
3 契約自由・私的自治と国家意思 151
第四節 請負における契約不適合責任・解除と強行法規性 152
1 改正民法における担保責任としての契約不適合責任 152
2 請負における契約不適合責任への規定の一元化 153
3 請負の契約不適合責任と解除に関する規律 154
第五節 委任の任意解除権をめぐる判例法理の条文化とその射程 156
1 改正法六五一条の意義 156
2 委任における任意解除権の規範構造 157
3 条文化された判例法理とその射程 160
第六節 受け皿としての準委任と契約相互間の振分け・利害調整 165
1 中間試案と準委任の規律 165
2 多様化する事務処理契約と準委任 166
3 準委任の規定による当事者間の利害調整 168
第七節 結び 169
第六章 委任の任意解除に関する判例法理の条文化と半強行法規性 180
第一節 問題の所在 180
第二節 委任の解除と任意解除権 182
1 継続的契約としての委任の解除 182
2 改正前民法六五一条にいう委任の任意解除権と起草者の意図―指導形象 184
3 委任における任意解除権の正当化根拠 185
第三節 委任の任意解除権に関する判例法理の条文化と改正民法六五一条の意義 187
1 委任の任意解除権に関する判例法理 187
2 委任の解除に関する学説 193
3 債権法改正による判例法理の条文化(改正法六五一条) 197
4 改正法六五一条が判例・学説に与える影響 198
第四節 条文化された判例法理の規律 200
1 任意法規の強行法規化をめぐる議論 200
2 条文化された判例法理の半強行法規性 202
3 受け皿としての準委任と利害調整 203
第五節 契約解除の通則に関する規定の補充的適用 205
1 伝統的な支配学説―改正前民法五四一条適用肯定説 205
2 契約解除の通則に関する規定の改正(改正法五四一条) 206
3 改正法五四一条の補充的適用と契約正義の実現 208
第六節 改正法六五一条の解釈指針 209
第七節 結語 215
第七章 委任における委任者の任意解除権と「受任者の利益」 ―債権法改正過程から見えたもの― 232
第一節 問題の所在 232
第二節 役務提供契約と債権法改正 235
1 債権法改正の概要 235
2 民法部会における論点の整理と絞り込み 237
3 債権法改正の基本的視座と役務提供型契約に関する規律のあり方 238
第三節 債権法改正過程から見た委任の任意解除権と「受益者の利益」 239
1 債権法改正における委任の任意解除権 239
2 民法改正検討委員会の基本方針と委任の任意解除権 240
3 民法部会の立法提案と委任の任意解除権 244
第四節 改正法六五一条の法意と「受任者の利益」をも目的とする委任の任意解除 260
1 改正法六五一条の意義 260
2 改正法六五一条の法意と解除できない委任 261
3 「受任者の利益」と損害賠償の要否 266
第三部
第八章 委任契約の終了と契約の解除 279
第一節 はじめに 279
第二節 委任における契約解除の自由と制約原理 282
1 改正法六五一条の立法経緯 282
2 委任の解除に関する従来の判例法理と学説 283
3 改正法六五一条の法意と「受任者の利益」概念 284
第三節 契約解除の通則規定と委任の任意解除の関係 286
1 新たな契約解除の通則規定の規律 286
2 契約解除と債権法改正の視点 286
3 契約の拘束力からの解放と改正法五四一条の補充的利用 287
第四節 結語 288
第九章 委任の任意解除による契約関係の清算と金銭賠償・補償 294
第一節 やむを得ない事由の考慮要素 294
第二節 特定商取引法における中途解約権、損害賠償額の上限規制との関係 296
第三節 金銭的損害賠償と補償 298
第四節 今後の課題―結びに代えて 299
事項索引 (1)
はしがき ⅰ
初出一覧 ⅹⅶ
第一部
第一章 委任などの労務供給契約― 債権法改正前の法状況 3
第一節 はじめに 3
1 委任の概念 3
2 現代社会における委任の多様性 4
3 本研究の意義と狙い 4
第二節 委任の基本的法律関係 5
1 委任の法的性質 5
2 委任無償の原則 5
3 委任事務の拡張と有償性の原理 7
4 委任契約の民事ルール 7
第三節 委任をめぐる従来の学説と判例 11
1 委任と他の労務供給契約との区別 11
2 判例にみる委任の例 12
3 サービス契約の法理と委任 13
第四節 問題の整理と所在 13
1 委任の機能的分化 13
2 特別の委任類型の拡充と整理 14
3 委任と信認義務の法理による再構築 14
第二章 委任における任意解除権の規範的性質 18
第一節 問題の所在 18
第二節 継続的債務関係と解除 20
1 ギールケの継続的債務関係論 20
2 解約告知制度の史的発展 21
3 わが国における継続的債権契約に関する議論と解除(解約告知) 23
第三節 解約告知に関する民法典の規定と委任の解除 25
1 解約告知制度と民法典 25
2 委任以外の役務提供契約における解除と各規定の対比―横断的考察 27
3 委任における契約「解除」の意味 31
第四節 委任の任意解除に関する改正前民法六五一条の立法的沿革 32
1 明治初期の民法典編纂と委任(名代)の解除 32
2 旧民法の編纂に至るまでの経緯 34
3 旧民法の編纂と委任の解除 36
4 改正前民法六五一条の制定と立法理由 44
5 小括 50
第五節 改正前民法六五一条の指導形象と規範的性質 53
1 改正前民法六五一条の指導形象 53
2 改正前民法六五一条の規範的性質と解釈指針 56
3 委任の任意解除に関する類型的処理 62
4 解約告知としての委任の「解除」が果たす機能 64
第六節 今後の課題と展望 65
第三章 信認関係と忠実義務 ―信認型契約の創設を構想する立場からの提言― 88
第一節 はじめに 88
第二節 債権法改正に現れた二つの改正案 89
1 民法改正検討委員会の改正案 89
2 民法改正研究会の改正案 89
第三節 既成民法典と受任者の忠実義務 90
1 旧民法財産編二三七条・二三九条と善管注意義務 90
2 法典調査会提出の民法原案六五〇条と忠実義務 91
3 民法整理会における修正案六四二条と忠実義務から善管注意義務への修正 93
4 民法中修正案六四三条 94
第四節 受任者の忠実義務を論ずることの意義 95
1 善管注意義務と区別される忠実義務 95
2 忠実義務の概念 96
3 忠実義務の内容と機能 96
第五節 信認型契約の提唱と忠実義務 100
第二部
第四章 役務提供型の典型契約(雇用、請負、委任、寄託)と債権法改正―総論 111
第一節 法制審議会提案 111
1 提案内容 111
2 提案前の議論 114
3 審議の状況 127
4 中間的な論点整理と補足説明 128
第二節 検討 130
1 新しい役務・サービスの給付を目的とする契約への対応 130
2 役務提供型に属する典型契約のあり方 133
3 役務提供型契約と既存の四つの典型契約の機能分担 135
第五章 新民法と強行法・任意法 ―請負・委任における契約不適合責任、解除を中心に― 141
第一節 問題の所在 141
第二節 役務提供契約に関する検討課題と二つの視点 144
1 債権法改正に至る経緯 144
2 役務提供契約に関する検討課題と二つの視点 145
3 役務提供契約の改正点 146
第三節 債権法改正における強行法・任意法の議論と契約自由の制約原理 147
1 民法部会における議論 147
2 契約自由の制約原理としての強行法規 150
3 契約自由・私的自治と国家意思 151
第四節 請負における契約不適合責任・解除と強行法規性 152
1 改正民法における担保責任としての契約不適合責任 152
2 請負における契約不適合責任への規定の一元化 153
3 請負の契約不適合責任と解除に関する規律 154
第五節 委任の任意解除権をめぐる判例法理の条文化とその射程 156
1 改正法六五一条の意義 156
2 委任における任意解除権の規範構造 157
3 条文化された判例法理とその射程 160
第六節 受け皿としての準委任と契約相互間の振分け・利害調整 165
1 中間試案と準委任の規律 165
2 多様化する事務処理契約と準委任 166
3 準委任の規定による当事者間の利害調整 168
第七節 結び 169
第六章 委任の任意解除に関する判例法理の条文化と半強行法規性 180
第一節 問題の所在 180
第二節 委任の解除と任意解除権 182
1 継続的契約としての委任の解除 182
2 改正前民法六五一条にいう委任の任意解除権と起草者の意図―指導形象 184
3 委任における任意解除権の正当化根拠 185
第三節 委任の任意解除権に関する判例法理の条文化と改正民法六五一条の意義 187
1 委任の任意解除権に関する判例法理 187
2 委任の解除に関する学説 193
3 債権法改正による判例法理の条文化(改正法六五一条) 197
4 改正法六五一条が判例・学説に与える影響 198
第四節 条文化された判例法理の規律 200
1 任意法規の強行法規化をめぐる議論 200
2 条文化された判例法理の半強行法規性 202
3 受け皿としての準委任と利害調整 203
第五節 契約解除の通則に関する規定の補充的適用 205
1 伝統的な支配学説―改正前民法五四一条適用肯定説 205
2 契約解除の通則に関する規定の改正(改正法五四一条) 206
3 改正法五四一条の補充的適用と契約正義の実現 208
第六節 改正法六五一条の解釈指針 209
第七節 結語 215
第七章 委任における委任者の任意解除権と「受任者の利益」 ―債権法改正過程から見えたもの― 232
第一節 問題の所在 232
第二節 役務提供契約と債権法改正 235
1 債権法改正の概要 235
2 民法部会における論点の整理と絞り込み 237
3 債権法改正の基本的視座と役務提供型契約に関する規律のあり方 238
第三節 債権法改正過程から見た委任の任意解除権と「受益者の利益」 239
1 債権法改正における委任の任意解除権 239
2 民法改正検討委員会の基本方針と委任の任意解除権 240
3 民法部会の立法提案と委任の任意解除権 244
第四節 改正法六五一条の法意と「受任者の利益」をも目的とする委任の任意解除 260
1 改正法六五一条の意義 260
2 改正法六五一条の法意と解除できない委任 261
3 「受任者の利益」と損害賠償の要否 266
第三部
第八章 委任契約の終了と契約の解除 279
第一節 はじめに 279
第二節 委任における契約解除の自由と制約原理 282
1 改正法六五一条の立法経緯 282
2 委任の解除に関する従来の判例法理と学説 283
3 改正法六五一条の法意と「受任者の利益」概念 284
第三節 契約解除の通則規定と委任の任意解除の関係 286
1 新たな契約解除の通則規定の規律 286
2 契約解除と債権法改正の視点 286
3 契約の拘束力からの解放と改正法五四一条の補充的利用 287
第四節 結語 288
第九章 委任の任意解除による契約関係の清算と金銭賠償・補償 294
第一節 やむを得ない事由の考慮要素 294
第二節 特定商取引法における中途解約権、損害賠償額の上限規制との関係 296
第三節 金銭的損害賠償と補償 298
第四節 今後の課題―結びに代えて 299
事項索引 (1)