刑事法の理論と実務5

刑事法の理論と実務5

佐伯仁志・高橋則夫・只木 誠・松宮孝明 編集委員
定価:4,620円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2023年06月01日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    280頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5394-0
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内容紹介

《目 次》

はしがき

[刑法の過去・現在・未来]
刑法学の争点と理論的基軸の意義   日髙義博(3)
 一 はじめに 3
 二 客観主義刑法理論と主観主義刑法理論 4
 三 犯罪論体系と構成要件理論 8
 四 目的的行為論との対峙 13
 五 違法の実質をめぐる論争の変遷 18
 六 正犯概念と共犯の類別 21


[理論と実務の交錯 ―過失犯論の現在― ]
過失犯における結果回避可能性の判断について   半田靖史(25)
 一 言葉の整理=結果回避可能性ⅠないしⅣ 25
 二 刑事訴訟における結果回避可能性Ⅱの判断について 29
 三 履行可能性としての結果回避可能性Ⅳについて 42

特殊過失事件における過失の認定について   田野尻 猛(49)
 一 はじめに 49
 二 東富士演習場野焼事件 50
 三 ドーナツ提供事件 55
 四 教訓 61
 五 おわりに 69

自然災害による被害と刑事責任   上田正和(71)
 一 はじめに 71
 二 東京電力福島第一原子力発電所事故判決 73
 三 災害と刑事責任に関する海外の動向 76
 四 予見可能性の適用に関する判例の動向 77
 五 現代社会における刑事制裁や刑事法理論のあり方を踏まえた検討 82
 六 おわりに 88

危険創出行為を基軸とした過失競合事例の注意義務の類型化   稲垣悠一(91)
 一 はじめに 91
 二 危険創出行為者の注意義務 92
 三 危険創出行為への間接的関与者・介在者の注意義務 101
 四 おわりに 111

過失犯における近年の理論と実務   松宮孝明(113)
 一 問題の所在 113
 二 予見可能性の捉え方 115
 三 長期スパンでの結果の予見可能性が求められる事案 126
 四 予見可能性と結果回避義務との関係 132
 五 「過失の標準」と「組織体過失」 135
 六 むすびにかえて 136


[論争刑法 ―サイバー刑法― ]
情報化社会における刑事立法のあり方 ―西貝吉晃『サイバーセキュリティと刑法』を読む―   渡邉卓也(141)
 一 はじめに 141
 二 本書の概要 142
 三 検討 153
 四 結語 160

渡邉教授による批判に応えて   西貝吉晃(161)
 一 はじめに 161
 二 三分法の意義 162
 三 三分法を用いた機密性侵害罪の論証 164
 四 アナロジーの使い方 168
 五 なりすまし罪構成に対する批判に対して 172
 六 情報刑法の体系と刑事立法 174
 七 おわりに 175


[理論刑法学の最先端]
包括一罪の現状と課題   青木陽介(179)
 一 はじめに 179
 二 包括一罪の一罪性 181
 三 包括一罪の中の様々な類型 184
 四 反復型の成立要件 188
 五 おわりに 199

統合失調症と刑事責任能力判断の関係について ―近時の裁判例・学説の検討―   佐野文彦(201)
 一 はじめに 201
 二 統合失調症に関する事案における責任能力判断の実務的傾向 202
 三 学説の状況 211
 四 検討 216
 五 おわりに 225


[海外の動向]
ドイツ・オーストリアの自殺関与違憲判決とその後の立法動向   天田 悠(229)
 一 はじめに 229
 二 ドイツ・オーストリアの自殺関与違憲判決 234
 三 違憲判決後の立法動向 239
 四 ドイツ・オーストリア法の比較検討とそれに基づく課題の析出 255
 五 まとめ 264