法益論の研究

法益論の研究

甲斐克則 著
定価:6,600円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2023年08月01日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    298頁
  • ISBN:
    978-4-7923-5400-8
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内容紹介

《目 次》

はしがき(ⅰ)
初出一覧(xi)

第1章 法益論の基本的視座
 一 序 ―法益論の現代的意義― 1
 二 法益論の史的素描 4
 三 法益論の基本的視座 27
 四 結語 42

第2章 法益論と社会的有害性(社会侵害性)論をめぐるK・アメルンク教授との対話
 一 はじめに 45
 二 アメルンク教授への質問とその解答 46
 三 アメルンク教授の解答の検討 49
 四 残された問題点 54

第3章 法益論の一側面 ―人工心肺器遮断の許容性をめぐって―
 一 序 56
 二 当罰的法益侵害欠缺説とその検討 60
 三 法益蔑視不存在説とその検討 83
 四 法益性減少説とその検討 93
 五 結語 102

第4章 刑事立法と法益概念の機能
 一 序 104
 二 刑事立法と法益論の位相―法益論モデルの抽出 105
 三 近年の日本における刑事立法と法益論 115
 四 結語 ―法益論の再生へ向けて― 119

第5章 日本刑法学における違法論の潮流と法益論 ―その(1)・主観的違法論および初期の規範違反説を中心に―
 一 序 121
 二 主観的違法論と法益論 123
 三 初期の規範違反説と法益論 138
 四 結語 144

第6章 日本刑法学における違法論の潮流と法益論 ―その(2)・第二次世界大戦前後から1970年代までの客観的違法論と法益論―
 一 序 146
 二 第二次世界大戦前後から1970年代までの法益侵害説と法益論 147
 三 第二次世界大戦前後から1970年代までの行為無価値論と法益論 165
 四 結語 171

第7章 日本刑法学における違法論の潮流と法益論 ―その(3)・1980年代から2010年代までの法益論の推移と法益論の課題―
 一 序 172
 二 1980年代から1990年代の法益論 173
 三 21世紀になってからの20年間の法益論の動向 177
 四 結語 ―法益論の展望 187

第8章 被害者の承諾
 一 序 ―被害者の承諾の歴史的意義と現代的意義― 189
 二 被害者の承諾の正当化根拠と有効要件 194
 三 被害者の承諾と医療におけるインフォームド・コンセント  200
 四 被害者の承諾とリスクの引受け 203
 五 結語 206

第9章 刑事法と人権
 一 序 207
 二 刑事実体法と人権   ―特に「被害者の人権」保護と刑事立法― 208
 三 刑事手続と人権 ―被疑者・被告人の人権と被害者の人権― 214 
 四 行刑と受刑者の人権 217
 五 結語 221

第10章 海洋環境の保護と刑法 ―三菱石油水島製油所重油流出事故判決を契機として―
 一 序 222
 二 海洋汚染の実態 224
 三 関連主要判例の分析 227
 四 海洋環境の保護に関する現行刑事法体制の意義と限界 239
 五 結語 ―海洋環境の保護と刑法 246

第11章 漁業権の保護と刑法 258
 一 序 258
 二 漁業権の本質 261
 三 漁業権侵害罪の構造 268
 四 漁業権侵害罪と他罪との関係 272
 五 漁業権と権利衝突 275
 六 結語 277