現代社会と実質的刑事法論
星 周一郎 著
定価:7,150円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2023年10月31日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
342頁 -
ISBN:
978-4-7923-5404-6
書籍購入は弊社「早稲田正門店インターネット書店」サイトでの購入となります。
内容紹介
《目 次》
はしがき iii
初出一覧xvi
序章 1
第1章 社会構造の変容と犯罪論の対応 ―危険犯論・放罪論をめぐる理論展開― 9
Ⅰ はじめに 9
Ⅱ 危険犯論・公共危険犯論・放火罪論をめぐる状況の変化 10
1 法益侵害原則と危険犯論の変容 (10)
2 「個人的法益原則」と公共危険犯論 (11)
3 公共の危険論の具体化と放火罪をめぐる社会状況の変化 (12)
4 リスク社会と危険犯の処罰 (14)
5 危険犯論と放火罪論 (16)
Ⅲ 抽象的危険犯と具体的危険犯 16
1 抽象的危険犯の「問題性」解消論の動向 (16)
2 「二項対立的思考」の桎梏 (18)
3 書かれざる構成要件要素への安易な依存と実務的観点 (19)
4 実践性に基づく解釈論の視点と構成要件要素危険内在説 (20)
Ⅳ 実質的構成要件解釈と公共の危険の個別的解釈 21
1 各犯罪類型毎の公共の危険 (21)
2 処罰根拠たる公共の危険に対する各論的アプローチ (22)
3 小括 (24)
Ⅴ 焼損概念について 24
1 焼損(焼燬)をめぐる従来の議論 (24)
2 焼損の解釈に求められる基本的視座 (26)
3 独立燃焼説の再評価とその理論的・実際的根拠 (27)
Ⅵ 公共の危険の認識をめぐる学説と実務の責任主義の理解 29
1 公共の危険の認識の要否と責任主義 (29)
2 理論の整合性と実践性 (31)
3 理論的展開の「場」の設定 (34)
Ⅶ 放火罪論の意義と危険犯論の今後 35
1 刑事政策的要請と刑法理論 (35)
2 刑事法の相対的検討の必要性 (37)
3 刑法理論の方向性 (39)
第2章 刑法学における判例と学説の間
第1節 木村光江教授『財産犯論の研究』がもたらしたもの 43
Ⅰ はじめに 43
Ⅱ 外国刑法の「継受」とドイツ刑法学の影響 45
Ⅲ 判例と学説の従来の対立状況 46
1 因果関係論 (46)
2 故意論における違法性の意識論 (49)
3 結果的加重犯の重い結果に対する過失の要否 (50)
4 共謀共同正犯論 (50)
Ⅳ 団藤重光博士の「意見」 ―昭和57年7月16日決定の「衝撃」 52
1 最決昭和57年7月16日(刑集36巻6号695頁) (52)
2 団藤重光博士の改説の経緯 (53)
3 社会事象・社会一般の法意識と判例と学説の関係 (54)
Ⅴ 香城敏麿調査官の解説 ―平成元年7月7日決定の意義 55
1 財産犯の保護法益に関する判例の展開 (55)
2 木村光江教授の理論の意義 (57)
Ⅵ 刑法解釈論における判例と学説との新たな関係 58
1 信頼の原則 (58)
2 共犯関係の解消 (60)
3 判例と学説との新たな関係 (61)
(1) 因果関係論に関する展開 (61)
(2) 違法性の意識の可能性論に関する展開 (62)
(3) 結果的加重犯の重い結果に関する過失の要否 (64)
(4) 実務の要請に応える学説 (64)
Ⅶ 外国法研究の意義 65
Ⅷ むすびに代えて 67
第2節 「離脱の意思表明とその了承フォーミュラ」の成立と解消 ―共犯関係の解消論・共犯の離脱論をめぐる判例と学説― 69
Ⅰ はじめに 69
Ⅱ 戦前の議論の展開 ―共犯の解消に関する大審院判例と戦前の学説 71
1 大審院時代の判例 (71)
(1) 実行の着手前の離脱が問題となった事案 (71)
(2) 実行の着手後の離脱が問題となった事案 (72)
2 学説の展開 (73)
Ⅲ 戦後昭和期の議論 ―最決平成元年6月30日までの展開 74
1 実行の着手前の共犯関係の解消に関する下級審裁判例 (74)
(1) 共犯関係の解消が肯定された事例 (74)
(2) 共犯関係の解消が否定された事例 (77)
2 実行の着手後の共犯関係の解消に関する判例・下級審裁判例 (80)
(1) 最高裁判例 (80)
(2) その後の下級審裁判例 (82)
3 学説における展開 (84)
(1) 中止犯規定の適用可否論の桎梏とそこからの離脱 (84)
(2) 共犯関係の解消論の確立と「離脱の意思表明とその了承」フォーミュラの完成 (87)
(3) 「離脱の意思表明とその了承」が判断要素とされた根拠 (89)
(4) 小括 ―戦後昭和期における学説の対応 (91)
Ⅳ 共謀共同正犯論の変容 92
1 共同意思主体説からの離脱 ―練馬事件判決の影響 (92)
(1) 練馬事件判決 (92)
(2) 藤木英雄博士による共謀共同正犯の理論化と共犯関係解消論の展開 (92)
(3) 判例と当時の通説との共通性 (94)
2 因果的共犯論と因果性遮断説 (95)
(1) 大越義久博士による因果的共犯論の展開と共犯関係の解消論 (95)
(2) 西田典之博士による共犯関係の解消論 (96)
Ⅴ 最決平成元年6月26日と最決平成21年6月30日 98
1 最決平成元年6月26日 (98)
(1) 事案の概要 (98)
(2) 因果的共犯論による根拠づけ (98)
2 最決平成21年6月30日 (100)
(1) 事案の概要 (100)
(2) 平成21年決定の理解 (101)
Ⅵ むすびに代えて 103
第3章 詐欺行為処罰の諸相 107
第1節 詐欺罪の機能と損害概念の解釈論的展開 107
Ⅰ はじめに 107
Ⅱ 預金通帳の不正取得と詐欺罪の成否に関する判例 108
Ⅲ 詐欺罪における損害概念 109
Ⅳ 交付の判断の基礎となる重要な事項の偽り 111
Ⅴ 預金通帳の不正取得と詐欺罪の成否 114
1 預金通帳の財物性 (114)
2 預金通帳の交付に伴う銀行の損害 (115)
3 「住み分け」論について (117)
Ⅵ むすびに代えて 118
第2節 不正受給罪と詐欺罪 ―補助金・給付金等の不正取得に関する処罰規定の意義― 121
Ⅰ はじめに 121
Ⅱ 補助金・給付金等の不正取得に対する処罰規定 122
Ⅲ 詐欺罪と補助金等適正化法上の不正受交付罪との関係 123
1 従来の判例の状況 (123)
2 保護法益と成立範囲 (125)
3 行為態様における相違 (129)
4 罪数関係 (130)
5 刑事政策的要請 (133)
Ⅳ 詐欺罪と社会保障法上の不正受給等罪との関係 135
1 従来の判例の状況 (135)
2 不正受給罪と行為態様と成立範囲 (140)
3 保護法益 (142)
4 罪数関係 (143)
5 適用の実態と刑事政策的要請 (144)
Ⅴ 不正受交付・不正受給行為の独自処罰の意義 150
1 不正受給行為処罰規定の意義 (150)
2 詐欺罪の機能と位置づけ (151)
3 罪数関係 (152)
4 今後の課題 (153)
第3節 詐欺罪と「詐欺隣接罰則」の罪数関係 155
Ⅰ はじめに 155
Ⅱ 「詐欺隣接罰則」の類型 157
1 保護法益による分類 (157)
(1) 国家的法益に対するもの (157)
(2) 社会的法益に対するもの (158)
(3) 個人的法益に対するもの (158)
2 実行行為による分類 (159)
Ⅲ 国家的法益・社会的法益に対する詐欺 160
Ⅳ 詐欺罪の適用を排除する罰則 ―租税犯罪・証明文書の不正取得 161
1 租税犯罪と詐欺罪 (162)
(1) 判例の基本的見解と従来の学説 (162)
(2) 租税ほ脱犯は詐欺罪と競合するか (163)
(3) 不正受還付犯と詐欺罪 (164)
(4) 租税ほ脱犯の法定刑引上げ (165)
2 証明文書の不正取得と詐欺隣接罰則 (166)
(1) 証明文書の不正取得と詐欺罪の成否 (166)
(2) 旅券の不正取得 (168)
(3) 健康保険証の不正取得 (168)
Ⅴ 詐欺罪の補充規定 170
1 鉄道営業法上の不正乗車罪 (170)
2 「ただし,刑法に正条があるときは,刑法による」 ―従来の見解 (171)
Ⅵ 観念的競合 173
1 特定商取引法における不正勧誘罪 (173)
2 犯罪収益移転防止法上の通帳譲渡罪 (174)
3 健康保険法上の事業主の虚偽届出罪 (175)
Ⅶ 立法趣旨と罪質の解釈 176
1 詐欺罪と補助金等不正受交付罪 (176)
(1) 詐欺罪と不正受交付罪の関係に関する判例の展開 (176)
(2) 罪数関係に関する見解の対立 (178)
(3) 若干の検討 (180)
2 社会保障法における不正受給罪 (182)
Ⅷ 若干のまとめと検討 183
1 犯罪類型ごとの整理 (183)
2 若干の検討 (184)
(1) 法条競合・包括一罪の観念の整理の必要性 (184)
(2) 特別刑法整備の必要性 (185)
Ⅸ 結語 187
第4章 刑事手続と犯罪論の相関 189
第1節 裁判員裁判時代における責任能力判断の所在 189
Ⅰ はじめに 189
Ⅱ 精神鑑定の拘束力 190
1 従来の議論 (190)
(1) 責任能力の定義と責任能力の法的判断性 (190)
(2) 生物学的要素の判断と精神鑑定の拘束性に関する見解の対立 (191)
(3) 不拘束説の「確立」 (192)
2 最高裁平成20年4月25日判決と最高裁平成21年12月8日決定 (194)
(1) 最高裁平成20年4月25日判決 (194)
(2) 東京高裁平成21年5月25日判決 ―差戻審 (197)
3 最高裁平成21年12月8日決定 (200)
4 精神鑑定の拘束性と法律判断 ―「平成20年判決判示」に対する評価 (202)
Ⅲ 責任能力判断と裁判員裁判 204
1 裁判員裁判での責任能力判断 (204)
2 司法研究における責任能力概念 (205)
(1) 「精神障害のためか・もともとの人格に基づく判断か」 (205)
(2) 司法研究の見解に対する評価 (207)
(3) 平成21年決定の意義 (208)
3 裁判員による責任能力判断と精神鑑定の拘束性 (208)
4 精神鑑定と公判審理 (210)
Ⅳ 起訴率に関する近時の動向 212
1 重大犯罪の起訴率の推移 (212)
2 鑑定留置の増加と心神喪失者等医療観察法の申立て件数 (213)
Ⅴ 責任能力は誰がどのように判断するのか ―むすびに代えて 218
第2節 営業秘密侵害罪の刑事手続における秘匿決定手続の意義 221
Ⅰ はじめに 221
Ⅱ 刑事訴訟手続の特例としての秘匿決定手続等 222
1 従来の立法経緯 (222)
(1) 刑事罰規定導入の経緯 (222)
(2) 民事訴訟手続における秘密保持命令等の導入 (223)
(3) 刑事訴訟における「秘匿決定」手続の導入 (223)
2 刑事訴訟手続の特例としての秘匿等決定手続の概要 (224)
(1) 秘匿決定手続等の概要 (224)
(2) 秘匿決定手続の適用状況について (226)
(3) 小括 (227)
Ⅲ アメリ力経済スパイ法におけるトレード・シークレットの秘密性保護 227
1 刑事手続における秘密保持命令 (227)
(1) 経済スパイ法における秘密保持命令規定 (227)
(2) 連邦刑事訴訟規則16条(1)項の「保護命令」 (228)
(3) 経済スパイ法の秘密保持命令規定の意義 (229)
(4) 職務執行令状 ― 全令状法 (230)
(5) 合衆国憲法修正6条との関係 (232)
2 「代替的起訴」 (232)
(1) 経済スパイ罪等の未遂罪・コンスピラシーによる起訴 (232)
(2) 経済スパイ罪等以外の犯罪での起訴 (233)
3 トレード・シークレットの保護に関するアメリカでの評価 (234)
Ⅳ 裁判の公開原則・公開裁判を受ける権利と「秘匿決定手続」 235
1 裁判の公開原則と公開裁判を受ける権利の意義 (235)
(1) 意義 (235)
(2) 公開原則の相対性 (236)
2 裁判を受ける権利・関係者の利益保護と裁判の公開原則 (237)
(1) 裁判の公開原則の範囲を画定する要素 (237)
(2) プライバシーの保護と裁判の公開原則 (237)
3 営業秘密侵害に関する刑事訴訟手続における秘匿決定等と裁判の公開原則 (239)
(1) 訴訟手続における「非公開審理」の是非 (239)
(2) 適正な裁判実現の保障と保護されるべき利益の調整 (239)
(3) 小括 (241)
Ⅴ むすびに代えて 242
第5章 犯罪予防 ―刑事政策的課題の位相 245
第1節 犯罪の事前予防と秩序違反行為の法的規制 245
Ⅰ はじめに 245
Ⅱ イギリスのASBO政策とその「限界」 246
Ⅲ 「犯罪不安」・「体感不安」 246
Ⅳ 事前予防と法的対応 ―行政的措置と刑事的措置 247
1 社会構造の変化と犯罪予防 (247)
2 行政法学からみた犯罪予防 (249)
3 刑事法学からみた犯罪予防 (250)
4 秩序違反行為の処罰と犯罪予防 (251)
Ⅴ 事前予防に関する法制の今後 253
1 法律学と一般社会との相関 (253)
2 事前予防のための法的対応のあり方について (254)
Ⅵ むすびに代えて 256
第2節 犯罪の未然防止・再犯防止と情報の取扱い 257
Ⅰ はじめに 257
Ⅱ サイバーセキュリティにおける情報共有 258
1 サイバーセキュリティのための情報共有の必要性 (258)
2 捜査情報の犯罪防止のための利用 (259)
Ⅲ 人身犯罪の未然防止 ―ストーカー事案を中心に 262
1 「被害者特定事項」の扱い (262)
2 警察との情報共有の限界とGPS 情報の利用可能性 (265)
Ⅳ 「犯行ツール」等の対策と本人確認制度等に基づく犯罪の未然防止 267
1 銀行取引等における本人確認制度などの機能 (267)
2 携帯電話事業等における本人確認制度および情報の取扱い (268)
3 古物営業等における本人確認制度および情報の取扱い (270)
Ⅴ 街頭犯罪の防止と情報の共有 271
1 即応体制整備のための情報共有 (271)
2 防犯カメラ映像の利用方法 ―犯人検挙と犯罪の未然防止 (273)
Ⅵ 出所情報の通知・共有 275
Ⅶ 犯罪被害拡大防止・再被害防止と個人情報保護法 277
1 犯罪被害の防止における情報の重要性 (277)
2 犯罪の検挙という文脈における個人情報の利用 (278)
3 犯罪の再被害防止という文脈における個人情報の利用 (279)
4 情報の適正な利用・共有を促す枠組みの必要性 (281)
5 小括 (283)
Ⅷ むすびに代えて 284
第3節 高齢犯罪者対策と法的対応のあり方 285
Ⅰ はじめに 285
Ⅱ 高齢者万引きとその対応 286
1 高齢者万引きの類型 (286)
2 認知症型万引きへの対応 (287)
3 生活困窮型万引きへの対応 (289)
4 万引き自己目的型万引きへの対応 (291)
5 高齢者万引きに対する刑事司法的対応の意義と限界 (292)
Ⅲ 高齢者万引き等の未然防止(再犯防止)のあり方 ―犯罪機会の減少 293
1 犯罪機会の減少 (293)
2 問題を抱えた高齢者への対応 (294)
3 個人情報と個人情報保護法制の基本構造 (295)
4 個人情報保護と情報共有 (296)
5 個人情報の取扱いに関する整理の必要性とプライバシー保護 (298)
Ⅳ 事後的対応の意義と限界 299
1 刑罰の意義と目的 (299)
2 「介護疲れ殺人」の量刑 (300)
3 執行猶予の意義と介護疲れ殺人犯の「処遇」 (301)
Ⅴ むすびに代えて ―高齢者犯罪対策への法的対応のあり方の一断面 302
第6章 前田雅英教授の刑事法学 305
Ⅰ はじめに 305
Ⅱ 学説の系譜における前田理論 305
1 平野理論の影響 (305)
2 藤木理論の継承 (307)
Ⅲ 刑法理論 308
1 実務的な認定容易性を踏まえた犯罪論体系 (308)
2 犯罪の客観面 ―構成要件論・違法性論と『可罰的違法性論の研究』 (309)
(1) 刑法上の違法性の意義 (309)
(2) 実質的客観的構成要件論の内実 (310)
3 犯罪の主観面 ―故意論と過失論 (311)
(1) 主観的構成要件と実質的故意論 ―判例との関係 (311)
(2) 社会状況の変化と過失犯処罰の機能を踏まえた過失犯論 (314)
4 阻却事由論 (315)
(1) 違法性阻却事由論 (315)
(2) 責任阻却事由論 (317)
(3) 誤想防衛・誤想過剰防衛論 (318)
5 共犯論 (319)
Ⅳ 刑事訴訟法理論 320
1 刑事手続法を視野に入れた理論構築 (320)
2 事実認定論 (321)
(1) 「被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない事実関係」 (321)
(2) 「合理的な疑いを超える」証明の実践的意義 (322)
Ⅴ 刑事政策論 323
Ⅵ むすびに代えて 325
初出一覧
全体的に加筆補正を加えてはいるが,それぞれの初出は以下のとおりである.
第1章 「社会構造の変容と犯罪論における危険犯論・放火罪論の意義」川端博ほか編『理論刑法学の探究第10巻』(成文堂・2017年)
第2章
第1節 「刑法解釈論における判例と学説の間 ─木村光江教授『財産犯論の研究』がもたらしたもの─ 」法学会雑誌62巻1号(2021年)
第2節 「離脱の意思表明とその了承フォーミュラ」の成立と解消 ─共犯関係の解消・共犯の離脱に関する実務的要請と学説の対応─ 」法学会雑誌57巻1号(2016年)
第3章
第1節 「詐欺罪の機能と損害概念」研修738号(2009年)
第2節 「不正受給罪と詐欺罪 ─補助金・給付金等の不正取得に関する処罰規定の意義」法学会雑誌52巻2号(2012年)
第3節 「詐欺罪と『詐欺隣接罰則』の罪数関係」法学会雑誌53巻2号(2013年)
第4章
第1節 「裁判員裁判時代における責任能力判断の所在」信州大学経法論集1号(2017年)
第2節 「営業秘密侵害罪に関する秘匿決定手続の意義」法学新報123巻9=10号(2017年)
第5章
第1節 「事前予防と秩序違反行為の法的規制」刑法雑誌54巻3号(2015年)
第2節 「犯罪の未然防止・再犯防止と情報の取扱いに関する覚書き」法学会雑誌58巻1号(2017年)
第3節 「高齢犯罪者対策と法的対応のあり方」犯罪社会学研究43号(2018年)
第6章 「前田雅英教授の刑事法学」秋吉淳一郎ほか編著『池田修先生 前田雅英先生 退職記念論文集 これからの刑事司法の在り方』(弘文堂・2020年)
はしがき iii
初出一覧xvi
序章 1
第1章 社会構造の変容と犯罪論の対応 ―危険犯論・放罪論をめぐる理論展開― 9
Ⅰ はじめに 9
Ⅱ 危険犯論・公共危険犯論・放火罪論をめぐる状況の変化 10
1 法益侵害原則と危険犯論の変容 (10)
2 「個人的法益原則」と公共危険犯論 (11)
3 公共の危険論の具体化と放火罪をめぐる社会状況の変化 (12)
4 リスク社会と危険犯の処罰 (14)
5 危険犯論と放火罪論 (16)
Ⅲ 抽象的危険犯と具体的危険犯 16
1 抽象的危険犯の「問題性」解消論の動向 (16)
2 「二項対立的思考」の桎梏 (18)
3 書かれざる構成要件要素への安易な依存と実務的観点 (19)
4 実践性に基づく解釈論の視点と構成要件要素危険内在説 (20)
Ⅳ 実質的構成要件解釈と公共の危険の個別的解釈 21
1 各犯罪類型毎の公共の危険 (21)
2 処罰根拠たる公共の危険に対する各論的アプローチ (22)
3 小括 (24)
Ⅴ 焼損概念について 24
1 焼損(焼燬)をめぐる従来の議論 (24)
2 焼損の解釈に求められる基本的視座 (26)
3 独立燃焼説の再評価とその理論的・実際的根拠 (27)
Ⅵ 公共の危険の認識をめぐる学説と実務の責任主義の理解 29
1 公共の危険の認識の要否と責任主義 (29)
2 理論の整合性と実践性 (31)
3 理論的展開の「場」の設定 (34)
Ⅶ 放火罪論の意義と危険犯論の今後 35
1 刑事政策的要請と刑法理論 (35)
2 刑事法の相対的検討の必要性 (37)
3 刑法理論の方向性 (39)
第2章 刑法学における判例と学説の間
第1節 木村光江教授『財産犯論の研究』がもたらしたもの 43
Ⅰ はじめに 43
Ⅱ 外国刑法の「継受」とドイツ刑法学の影響 45
Ⅲ 判例と学説の従来の対立状況 46
1 因果関係論 (46)
2 故意論における違法性の意識論 (49)
3 結果的加重犯の重い結果に対する過失の要否 (50)
4 共謀共同正犯論 (50)
Ⅳ 団藤重光博士の「意見」 ―昭和57年7月16日決定の「衝撃」 52
1 最決昭和57年7月16日(刑集36巻6号695頁) (52)
2 団藤重光博士の改説の経緯 (53)
3 社会事象・社会一般の法意識と判例と学説の関係 (54)
Ⅴ 香城敏麿調査官の解説 ―平成元年7月7日決定の意義 55
1 財産犯の保護法益に関する判例の展開 (55)
2 木村光江教授の理論の意義 (57)
Ⅵ 刑法解釈論における判例と学説との新たな関係 58
1 信頼の原則 (58)
2 共犯関係の解消 (60)
3 判例と学説との新たな関係 (61)
(1) 因果関係論に関する展開 (61)
(2) 違法性の意識の可能性論に関する展開 (62)
(3) 結果的加重犯の重い結果に関する過失の要否 (64)
(4) 実務の要請に応える学説 (64)
Ⅶ 外国法研究の意義 65
Ⅷ むすびに代えて 67
第2節 「離脱の意思表明とその了承フォーミュラ」の成立と解消 ―共犯関係の解消論・共犯の離脱論をめぐる判例と学説― 69
Ⅰ はじめに 69
Ⅱ 戦前の議論の展開 ―共犯の解消に関する大審院判例と戦前の学説 71
1 大審院時代の判例 (71)
(1) 実行の着手前の離脱が問題となった事案 (71)
(2) 実行の着手後の離脱が問題となった事案 (72)
2 学説の展開 (73)
Ⅲ 戦後昭和期の議論 ―最決平成元年6月30日までの展開 74
1 実行の着手前の共犯関係の解消に関する下級審裁判例 (74)
(1) 共犯関係の解消が肯定された事例 (74)
(2) 共犯関係の解消が否定された事例 (77)
2 実行の着手後の共犯関係の解消に関する判例・下級審裁判例 (80)
(1) 最高裁判例 (80)
(2) その後の下級審裁判例 (82)
3 学説における展開 (84)
(1) 中止犯規定の適用可否論の桎梏とそこからの離脱 (84)
(2) 共犯関係の解消論の確立と「離脱の意思表明とその了承」フォーミュラの完成 (87)
(3) 「離脱の意思表明とその了承」が判断要素とされた根拠 (89)
(4) 小括 ―戦後昭和期における学説の対応 (91)
Ⅳ 共謀共同正犯論の変容 92
1 共同意思主体説からの離脱 ―練馬事件判決の影響 (92)
(1) 練馬事件判決 (92)
(2) 藤木英雄博士による共謀共同正犯の理論化と共犯関係解消論の展開 (92)
(3) 判例と当時の通説との共通性 (94)
2 因果的共犯論と因果性遮断説 (95)
(1) 大越義久博士による因果的共犯論の展開と共犯関係の解消論 (95)
(2) 西田典之博士による共犯関係の解消論 (96)
Ⅴ 最決平成元年6月26日と最決平成21年6月30日 98
1 最決平成元年6月26日 (98)
(1) 事案の概要 (98)
(2) 因果的共犯論による根拠づけ (98)
2 最決平成21年6月30日 (100)
(1) 事案の概要 (100)
(2) 平成21年決定の理解 (101)
Ⅵ むすびに代えて 103
第3章 詐欺行為処罰の諸相 107
第1節 詐欺罪の機能と損害概念の解釈論的展開 107
Ⅰ はじめに 107
Ⅱ 預金通帳の不正取得と詐欺罪の成否に関する判例 108
Ⅲ 詐欺罪における損害概念 109
Ⅳ 交付の判断の基礎となる重要な事項の偽り 111
Ⅴ 預金通帳の不正取得と詐欺罪の成否 114
1 預金通帳の財物性 (114)
2 預金通帳の交付に伴う銀行の損害 (115)
3 「住み分け」論について (117)
Ⅵ むすびに代えて 118
第2節 不正受給罪と詐欺罪 ―補助金・給付金等の不正取得に関する処罰規定の意義― 121
Ⅰ はじめに 121
Ⅱ 補助金・給付金等の不正取得に対する処罰規定 122
Ⅲ 詐欺罪と補助金等適正化法上の不正受交付罪との関係 123
1 従来の判例の状況 (123)
2 保護法益と成立範囲 (125)
3 行為態様における相違 (129)
4 罪数関係 (130)
5 刑事政策的要請 (133)
Ⅳ 詐欺罪と社会保障法上の不正受給等罪との関係 135
1 従来の判例の状況 (135)
2 不正受給罪と行為態様と成立範囲 (140)
3 保護法益 (142)
4 罪数関係 (143)
5 適用の実態と刑事政策的要請 (144)
Ⅴ 不正受交付・不正受給行為の独自処罰の意義 150
1 不正受給行為処罰規定の意義 (150)
2 詐欺罪の機能と位置づけ (151)
3 罪数関係 (152)
4 今後の課題 (153)
第3節 詐欺罪と「詐欺隣接罰則」の罪数関係 155
Ⅰ はじめに 155
Ⅱ 「詐欺隣接罰則」の類型 157
1 保護法益による分類 (157)
(1) 国家的法益に対するもの (157)
(2) 社会的法益に対するもの (158)
(3) 個人的法益に対するもの (158)
2 実行行為による分類 (159)
Ⅲ 国家的法益・社会的法益に対する詐欺 160
Ⅳ 詐欺罪の適用を排除する罰則 ―租税犯罪・証明文書の不正取得 161
1 租税犯罪と詐欺罪 (162)
(1) 判例の基本的見解と従来の学説 (162)
(2) 租税ほ脱犯は詐欺罪と競合するか (163)
(3) 不正受還付犯と詐欺罪 (164)
(4) 租税ほ脱犯の法定刑引上げ (165)
2 証明文書の不正取得と詐欺隣接罰則 (166)
(1) 証明文書の不正取得と詐欺罪の成否 (166)
(2) 旅券の不正取得 (168)
(3) 健康保険証の不正取得 (168)
Ⅴ 詐欺罪の補充規定 170
1 鉄道営業法上の不正乗車罪 (170)
2 「ただし,刑法に正条があるときは,刑法による」 ―従来の見解 (171)
Ⅵ 観念的競合 173
1 特定商取引法における不正勧誘罪 (173)
2 犯罪収益移転防止法上の通帳譲渡罪 (174)
3 健康保険法上の事業主の虚偽届出罪 (175)
Ⅶ 立法趣旨と罪質の解釈 176
1 詐欺罪と補助金等不正受交付罪 (176)
(1) 詐欺罪と不正受交付罪の関係に関する判例の展開 (176)
(2) 罪数関係に関する見解の対立 (178)
(3) 若干の検討 (180)
2 社会保障法における不正受給罪 (182)
Ⅷ 若干のまとめと検討 183
1 犯罪類型ごとの整理 (183)
2 若干の検討 (184)
(1) 法条競合・包括一罪の観念の整理の必要性 (184)
(2) 特別刑法整備の必要性 (185)
Ⅸ 結語 187
第4章 刑事手続と犯罪論の相関 189
第1節 裁判員裁判時代における責任能力判断の所在 189
Ⅰ はじめに 189
Ⅱ 精神鑑定の拘束力 190
1 従来の議論 (190)
(1) 責任能力の定義と責任能力の法的判断性 (190)
(2) 生物学的要素の判断と精神鑑定の拘束性に関する見解の対立 (191)
(3) 不拘束説の「確立」 (192)
2 最高裁平成20年4月25日判決と最高裁平成21年12月8日決定 (194)
(1) 最高裁平成20年4月25日判決 (194)
(2) 東京高裁平成21年5月25日判決 ―差戻審 (197)
3 最高裁平成21年12月8日決定 (200)
4 精神鑑定の拘束性と法律判断 ―「平成20年判決判示」に対する評価 (202)
Ⅲ 責任能力判断と裁判員裁判 204
1 裁判員裁判での責任能力判断 (204)
2 司法研究における責任能力概念 (205)
(1) 「精神障害のためか・もともとの人格に基づく判断か」 (205)
(2) 司法研究の見解に対する評価 (207)
(3) 平成21年決定の意義 (208)
3 裁判員による責任能力判断と精神鑑定の拘束性 (208)
4 精神鑑定と公判審理 (210)
Ⅳ 起訴率に関する近時の動向 212
1 重大犯罪の起訴率の推移 (212)
2 鑑定留置の増加と心神喪失者等医療観察法の申立て件数 (213)
Ⅴ 責任能力は誰がどのように判断するのか ―むすびに代えて 218
第2節 営業秘密侵害罪の刑事手続における秘匿決定手続の意義 221
Ⅰ はじめに 221
Ⅱ 刑事訴訟手続の特例としての秘匿決定手続等 222
1 従来の立法経緯 (222)
(1) 刑事罰規定導入の経緯 (222)
(2) 民事訴訟手続における秘密保持命令等の導入 (223)
(3) 刑事訴訟における「秘匿決定」手続の導入 (223)
2 刑事訴訟手続の特例としての秘匿等決定手続の概要 (224)
(1) 秘匿決定手続等の概要 (224)
(2) 秘匿決定手続の適用状況について (226)
(3) 小括 (227)
Ⅲ アメリ力経済スパイ法におけるトレード・シークレットの秘密性保護 227
1 刑事手続における秘密保持命令 (227)
(1) 経済スパイ法における秘密保持命令規定 (227)
(2) 連邦刑事訴訟規則16条(1)項の「保護命令」 (228)
(3) 経済スパイ法の秘密保持命令規定の意義 (229)
(4) 職務執行令状 ― 全令状法 (230)
(5) 合衆国憲法修正6条との関係 (232)
2 「代替的起訴」 (232)
(1) 経済スパイ罪等の未遂罪・コンスピラシーによる起訴 (232)
(2) 経済スパイ罪等以外の犯罪での起訴 (233)
3 トレード・シークレットの保護に関するアメリカでの評価 (234)
Ⅳ 裁判の公開原則・公開裁判を受ける権利と「秘匿決定手続」 235
1 裁判の公開原則と公開裁判を受ける権利の意義 (235)
(1) 意義 (235)
(2) 公開原則の相対性 (236)
2 裁判を受ける権利・関係者の利益保護と裁判の公開原則 (237)
(1) 裁判の公開原則の範囲を画定する要素 (237)
(2) プライバシーの保護と裁判の公開原則 (237)
3 営業秘密侵害に関する刑事訴訟手続における秘匿決定等と裁判の公開原則 (239)
(1) 訴訟手続における「非公開審理」の是非 (239)
(2) 適正な裁判実現の保障と保護されるべき利益の調整 (239)
(3) 小括 (241)
Ⅴ むすびに代えて 242
第5章 犯罪予防 ―刑事政策的課題の位相 245
第1節 犯罪の事前予防と秩序違反行為の法的規制 245
Ⅰ はじめに 245
Ⅱ イギリスのASBO政策とその「限界」 246
Ⅲ 「犯罪不安」・「体感不安」 246
Ⅳ 事前予防と法的対応 ―行政的措置と刑事的措置 247
1 社会構造の変化と犯罪予防 (247)
2 行政法学からみた犯罪予防 (249)
3 刑事法学からみた犯罪予防 (250)
4 秩序違反行為の処罰と犯罪予防 (251)
Ⅴ 事前予防に関する法制の今後 253
1 法律学と一般社会との相関 (253)
2 事前予防のための法的対応のあり方について (254)
Ⅵ むすびに代えて 256
第2節 犯罪の未然防止・再犯防止と情報の取扱い 257
Ⅰ はじめに 257
Ⅱ サイバーセキュリティにおける情報共有 258
1 サイバーセキュリティのための情報共有の必要性 (258)
2 捜査情報の犯罪防止のための利用 (259)
Ⅲ 人身犯罪の未然防止 ―ストーカー事案を中心に 262
1 「被害者特定事項」の扱い (262)
2 警察との情報共有の限界とGPS 情報の利用可能性 (265)
Ⅳ 「犯行ツール」等の対策と本人確認制度等に基づく犯罪の未然防止 267
1 銀行取引等における本人確認制度などの機能 (267)
2 携帯電話事業等における本人確認制度および情報の取扱い (268)
3 古物営業等における本人確認制度および情報の取扱い (270)
Ⅴ 街頭犯罪の防止と情報の共有 271
1 即応体制整備のための情報共有 (271)
2 防犯カメラ映像の利用方法 ―犯人検挙と犯罪の未然防止 (273)
Ⅵ 出所情報の通知・共有 275
Ⅶ 犯罪被害拡大防止・再被害防止と個人情報保護法 277
1 犯罪被害の防止における情報の重要性 (277)
2 犯罪の検挙という文脈における個人情報の利用 (278)
3 犯罪の再被害防止という文脈における個人情報の利用 (279)
4 情報の適正な利用・共有を促す枠組みの必要性 (281)
5 小括 (283)
Ⅷ むすびに代えて 284
第3節 高齢犯罪者対策と法的対応のあり方 285
Ⅰ はじめに 285
Ⅱ 高齢者万引きとその対応 286
1 高齢者万引きの類型 (286)
2 認知症型万引きへの対応 (287)
3 生活困窮型万引きへの対応 (289)
4 万引き自己目的型万引きへの対応 (291)
5 高齢者万引きに対する刑事司法的対応の意義と限界 (292)
Ⅲ 高齢者万引き等の未然防止(再犯防止)のあり方 ―犯罪機会の減少 293
1 犯罪機会の減少 (293)
2 問題を抱えた高齢者への対応 (294)
3 個人情報と個人情報保護法制の基本構造 (295)
4 個人情報保護と情報共有 (296)
5 個人情報の取扱いに関する整理の必要性とプライバシー保護 (298)
Ⅳ 事後的対応の意義と限界 299
1 刑罰の意義と目的 (299)
2 「介護疲れ殺人」の量刑 (300)
3 執行猶予の意義と介護疲れ殺人犯の「処遇」 (301)
Ⅴ むすびに代えて ―高齢者犯罪対策への法的対応のあり方の一断面 302
第6章 前田雅英教授の刑事法学 305
Ⅰ はじめに 305
Ⅱ 学説の系譜における前田理論 305
1 平野理論の影響 (305)
2 藤木理論の継承 (307)
Ⅲ 刑法理論 308
1 実務的な認定容易性を踏まえた犯罪論体系 (308)
2 犯罪の客観面 ―構成要件論・違法性論と『可罰的違法性論の研究』 (309)
(1) 刑法上の違法性の意義 (309)
(2) 実質的客観的構成要件論の内実 (310)
3 犯罪の主観面 ―故意論と過失論 (311)
(1) 主観的構成要件と実質的故意論 ―判例との関係 (311)
(2) 社会状況の変化と過失犯処罰の機能を踏まえた過失犯論 (314)
4 阻却事由論 (315)
(1) 違法性阻却事由論 (315)
(2) 責任阻却事由論 (317)
(3) 誤想防衛・誤想過剰防衛論 (318)
5 共犯論 (319)
Ⅳ 刑事訴訟法理論 320
1 刑事手続法を視野に入れた理論構築 (320)
2 事実認定論 (321)
(1) 「被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない事実関係」 (321)
(2) 「合理的な疑いを超える」証明の実践的意義 (322)
Ⅴ 刑事政策論 323
Ⅵ むすびに代えて 325
初出一覧
全体的に加筆補正を加えてはいるが,それぞれの初出は以下のとおりである.
第1章 「社会構造の変容と犯罪論における危険犯論・放火罪論の意義」川端博ほか編『理論刑法学の探究第10巻』(成文堂・2017年)
第2章
第1節 「刑法解釈論における判例と学説の間 ─木村光江教授『財産犯論の研究』がもたらしたもの─ 」法学会雑誌62巻1号(2021年)
第2節 「離脱の意思表明とその了承フォーミュラ」の成立と解消 ─共犯関係の解消・共犯の離脱に関する実務的要請と学説の対応─ 」法学会雑誌57巻1号(2016年)
第3章
第1節 「詐欺罪の機能と損害概念」研修738号(2009年)
第2節 「不正受給罪と詐欺罪 ─補助金・給付金等の不正取得に関する処罰規定の意義」法学会雑誌52巻2号(2012年)
第3節 「詐欺罪と『詐欺隣接罰則』の罪数関係」法学会雑誌53巻2号(2013年)
第4章
第1節 「裁判員裁判時代における責任能力判断の所在」信州大学経法論集1号(2017年)
第2節 「営業秘密侵害罪に関する秘匿決定手続の意義」法学新報123巻9=10号(2017年)
第5章
第1節 「事前予防と秩序違反行為の法的規制」刑法雑誌54巻3号(2015年)
第2節 「犯罪の未然防止・再犯防止と情報の取扱いに関する覚書き」法学会雑誌58巻1号(2017年)
第3節 「高齢犯罪者対策と法的対応のあり方」犯罪社会学研究43号(2018年)
第6章 「前田雅英教授の刑事法学」秋吉淳一郎ほか編著『池田修先生 前田雅英先生 退職記念論文集 これからの刑事司法の在り方』(弘文堂・2020年)