憲法と制定法

憲法と制定法

―準憲法論―
富井幸雄 著
定価:6,270円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2024年02月20日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    260頁
  • ISBN:
    978-4-7923-0731-8
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内容紹介


《目 次》

はしがき(i)
文献略語(iv)

Ⅰ はじめに 1
1 本書の課題 1
(1)制定法が構築する立憲主義(1)
(2)entrench(7)
(3)憲法変化の制定法(10)
(4)憲法解釈は実質的意味の憲法の範囲を画定させること(15)
2 本書の構成 19

Ⅱ わが国における準憲法の概念 27
1 憲法の形式的意義と実質的意義 27
2 実質的な憲法改正のジレンマ 31
3 基本法と準憲法 33
(1)基本法の概念(33)
(2)憲法従属の基本法(37)
4 憲法附属法と準憲法 41
(1)準憲法は憲法附属法を包含する(41)
(2)準憲法の形式的効力(45)

Ⅲ カナダ憲法の構造的特徴 ―カナダにおける準憲法の前提的考察― 47
1 イギリス憲法の伝統とカナダ憲法の制定 47
(1)カナダ憲法のモザイク(47)
(2)憲法の改正から制定へ:自主憲法の産みの苦しみ(52)
2 カナダ憲法の法源 58
(1)憲法典にリストアップされた形式的意味の憲法(58)
(2)1982年憲法にリストアップされていない実質的意味の憲法(63)
3 強度の硬性の憲法 74
4 本章のまとめ 83

Ⅳ イギリス立憲主義と憲法的制定法(CS) 85
1 不文憲法と制定法 85
(1)イギリス憲法の特性(85)
(2)entrenchされた制定法(88)
(3)CSの概念(92)
2 CSと黙示的廃止の制限:Laws判事 96
3 議会主権との葛藤 102
(1)古典的理論:ダイシー(102)
(2)コモンロー立憲主義(106)
(3)制定法の解釈の問題としてのCS(114)
4 本章のまとめ 120

Ⅴ カナダの準憲法概念 127
1 カナダ憲法の両性:C とc 127
2 司法による準憲法の認定 130
(1)議会主権とカナダ権利章典(130)
(2)準憲法論と議会主権原理との整合性の試み(133)
(3)司法による準憲法の認定(135)
3 準憲法と位置づける意義 138
4 本章のまとめ 142

Ⅵ 制定法による実質的憲法改正:準憲法のもうひとつの側面 145
1 C 国家における憲法の変化 145
2 カナダにおける準憲法による改正(quasi-constitutional amendment) 153
(1)非公式の憲法改正(153)
(2)上院改革法照会(157)
(3)制定法による実質的憲法改正?(162)
3 アメリカ憲法での実質的憲法改正 169
(1)アメリカ憲法の改正(169)
(2)人民と議会の民主主義:アッカマン(183)
(3)憲法的モーメントと憲法革命:実質的憲法改正の正当化(189)
(4)小括(215)
4 特級制定法(superstatute (SS)) 217
(1)SSの概念(217)
(2)SSの形式的優位性:entrenchの問題(224)
5 本章のまとめ 228

Ⅶ むすびにかえて 233
1 比較憲法的考察からの準憲法の意義 233
2 準憲法論 239
3 日本の公法学への視点 241