憲法における天皇と国家
百地 章 著
定価:5,940円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2024年03月20日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
264頁 -
ISBN:
978-4-7923-0730-1
書籍購入は弊社「早稲田正門店インターネット書店」サイトでの購入となります。
内容紹介
《目 次》
はしがき ⅰ
初出一覧 xiii
第一部 天皇をめぐる憲法問題
第一章 「皇位の世襲」の意味と「女系天皇」への疑問 3
一 はじめに 3
二 「皇位の世襲」について 4
1 政府見解 4
2 学説 9
3 私見 11
三 「女系天皇」への疑問 17
1 「女系天皇」論 17
2 「女系天皇」の問題点 22
四 おわりに 29
第二章 「男系の皇統」維持のため旧宮家からの養子を 31
一 「皇室の伝統」と男系主義 31
1 皇室の「男系」の伝統 31
2 「女系天皇」論および「愛子天皇」論への疑問 33
二 「男系の皇統」を支えた四世襲親王家 36
三 旧一一宮家の皇籍離脱 38
四 常に皇室とともにあった伏見宮家 41
五 皇室と旧宮家の姻戚関係および交際 44
六 皇室と養子制度 46
七 旧宮家の男系男子孫を皇族の養子に 50
第三章 憲法と大嘗祭 53
一 はじめに 53
二 大嘗祭をめぐる従来の憲法解釈 57
1 大嘗祭違憲論および合憲論 57
2 政府解釈 60
三 憲法と大嘗祭 69
1 皇位継承儀礼としての大嘗祭 69
2 大嘗祭と政教分離 74
四 おわりに 83
第四章 憲法と天皇 86
一 天皇の地位 86
1 象徴としての天皇 86
2 象徴天皇をめぐる問題 91
3 皇位 95
二 天皇の権能 99
1 国事行為の意義 99
2 内閣の助言と承認 104
3 国事行為の内容 105
4 国事行為の代行 109
三 天皇の公的行為 112
四 皇室の財政 116
1 皇室の財産 116
2 皇室財産の授受 118
第五章 象徴天皇と国政への関与 119
一 はじめに 119
二 国事行為の性質をめぐって 125
三 憲法四条一項の成立過程とその評価 130
1 成立過程 130
2 評価 142
四 おわりに 152
第二部 国家をめぐる憲法問題
第六章 国家主権の行使としての「国籍付与」 161
一 はじめに 161
二 最高裁の国籍法違憲判決(最大判平成二〇・六・四)をめぐって 163
1 事案 163
2 判決(多数意見)の概要 164
3 判決(多数意見)の問題点 165
三 「国籍」の「取得」ないし「付与」について ―「権利」(国籍の取得)か、「主権の行使」(国籍の付与)か? 170
1 「国籍」の定義 170
2 「権利」としての「国籍取得」か、「主権の行使」としての「国籍付与」か? 171
3 国籍法で「日本国民たる要件」を定める行為は「確認行為」か「創設行為」か? 174
四 国籍法改正の問題点 176
1 判決の射程を超えた国籍法改正 176
2 「偽装認知」防止のために 179
3 「DNA鑑定」の採用を 180
五 おわりに―「国家」と「国籍」の重みを 183
第七章 外国人の人権―社会権と参政権を中心に― 185
一 はじめに 185
二 わが国における「外国人の人権」―問題状況 186
1 憲法と外国人の人権 186
2 外国人には「保障されない」人権 187
3 外国人と社会権―生活保護を中心に 191
三 わが国における外国人の参政権(選挙権・被選挙権)をめぐって 195
1 判例 195
2 学説 197
3 政府見解(政府答弁書) 200
四 ドイツおよび韓国との比較 201
1 ドイツにおける外国人参政権 201
2 韓国における外国人参政権 204
五 おわりに 206
第八章 宗教法と犠牲者の葬送・追悼・慰霊 208
一 はじめに 208
二 これまでの事例より 209
1 関東大震災・大空襲の犠牲者と東京都慰霊堂 209
2 函館大火殉難者の仏式慰霊法要 210
三 東日本大震災と犠牲者の葬送・追悼・慰霊 211
1 各宗教団体の取組み 211
2 震災犠牲者の葬送・追悼・慰霊をめぐる行政の混乱 212
四 犠牲者の葬送・追悼・慰霊と政教分離 215
1 改めて「政教分離」の意味を問い直す 215
2 「信教の自由」と「政教分離」の関係 218
3 望ましい犠牲者の葬送・追悼・慰霊と政教分離 218
五 被災者の心のケアをめぐって 221
六 おわりに 224
第九章 国家論の再構築に向けて―試論― 225
一 はじめに 225
二 戦前の国家論―わが国の場合 226
1 国体論―「国体」と「政体」 226
2 明治憲法下の国家論 228
三 社会契約説から国家有機体説へ―ヨーロッパ 232
1 社会契約説 232
2 国家有機体説 233
3 社会契約説と国家有機体説のいう「国家」 236
四 国民国家(nation-state)をめぐって 238
1 国民国家とは? 238
2 国民国家の形成 239
3 国民国家の二類型 242
五 おわりに―国家論の再構築に向けて 244