租税回避否認論の新展開
横井里保 著
定価:6,050円(税込)-
在庫:
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発行:
2023年08月20日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
324頁 -
ISBN:
978-4-7923-0734-9
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内容紹介
目 次
はしがき i
初出一覧 xiii
序 章 1
第一節 本書の目的と構成 1
一 本書の目的 1
二 本書の構成 4
第二節 租税法律主義と租税公平主義の相克と調整 8
一 はじめに 8
二 租税法律主義と租税公平主義 9
三 租税法の立法段階における相克と調整 13
四 租税法の解釈適用段階における相克と調整 14
五 小 括 17
第一部 相続税回避の否認論の展開
第一章 租税回避否認論の意義と展開 27
第一節 はじめに 27
第二節 税負担減少行為の類型と異同 28
一 税負担減少行為の類型 28
二 脱税と租税回避の異同 31
第三節 租税回避の否認手法の整理 36
一 租税回避の否認の意義 36
二 実質主義による否認 37
三 私法上の法律構成による否認 44
四 個別否認規定による否認 49
第四節 結 語 51
第二章 個別否認規定の法的限界 67
第一節 はじめに 67
第二節 所得税法五九条の法的限界 69
一 趣旨と沿革 69
二 限定承認に係る相続又は包括遺贈による資産の移転 77
三 法人に対する贈与又は遺贈 81
第三節 相続税法七条の法的限界 84
一 趣旨と沿革 84
二 「著しく低い価額」の判断基準 86
三 時価評価 90
第四節 個別否認規定における不確定概念と租税法律主義 93
一 個別否認規定としてのみなし規定の合理性 93
二 租税法上の不確定概念と租税法律主義 99
第五節 結 語 106
第三章 相続財産の時価評価と租税回避の否認 125
第一節 はじめに 125
第二節 相続税法二二条の「時価」の意義 127
第三節 総則六項の適用と租税回避の否認の関係 129
第四節 総則六項の意義と適用要件 132
一 財産評価基本通達の性質と租税法律主義 132
二 財産評価基本通達の構造と総則六項の位置付け 134
三 総則六項の適用要件 136
第五節 総則六項の発動要件としての「特別の事情」の射程─裁判例の検討 138
一 客観的交換価値が明らかな場合と特別の事情 138
二 評価通達によらない「特別の事情」の射程─租税回避の意図の問題を中心に 141
三 「国税庁長官の指示を受けて」評価することの意義 146
第六節 結 語 147
第四章 相続財産の時価評価と租税公平主義
─最高裁令和四年四月一九日判決を素材として─ 159
第一節 はじめに 159
第二節 租税公平主義の意義と内容 161
第三節 最高裁令和四年四月一九日判決の判断構造 163
第四節 評価通達によらない相続財産の評価を巡る裁判例の概観 168
第五節 相続財産の時価評価における租税法律主義と租税公平主義の相克と調整 172
一 令和四年最高裁判決の特徴 172
二 租税法の基本原則からの検討─予測可能性の視点から 174
第六節 結 語 177
第二部 米国連邦遺産税における租税回避の否認論と展開
第五章 米国における租税回避の否認手法の整理 187
第一節 はじめに 187
第二節 租税回避の意義 188
第三節 租税回避の否認手法の展開 189
第四節 結 語 193
第六章 米国連邦遺産税の合憲性
─我が国の相続税のあり方を検討する素材として─ 201
第一節 はじめに 201
第二節 歴史的沿革 202
第三節 連邦遺産税の課税根拠 205
第四節 連邦遺産税の合憲性が争点とされた裁判例 207
一 憲法解釈の姿勢 207
二 連邦遺産税の合憲性の判断 209
第五節 結 語 213
第七章 米国連邦遺産税における不動産の時価評価の法的構造 223
第一節 はじめに 223
第二節 米国連邦遺産税の法的構造 224
第三節 総遺産(gross estate)に含まれる財産評価に関する財務省規則(Treasury Regulations) 227
第四節 不動産評価における公正市場価値(fair market value) 230
一 一般原則─最高かつ最善の利用(the highest and best use) 230
二 農場その他の事業目的で利用される不動産 233
第五節 財務省規則の法的効力 238
第六節 結 語 244
第八章 米国におけるFLPを利用した連邦遺産税回避の否認 257
第一節 はじめに 257
第二節 FLPを利用した連邦遺産税回避の構造 258
第三節 FLPを利用した連邦遺産税回避に対する法的規制 262
一 内国歳入法典二〇三六条の法的構造 262
二 内国歳入法典二〇三六条の趣旨 264
第四節 FLPを利用した連邦遺産税回避に対する判例上の統制 266
一 内国歳入法典二〇三六条(a)項の適用を巡る裁判例の整理 266
二 Estate of Moore v. Commissioner判決 276
三 例外要件該当性の判断基準の整理 280
第五節 結 語 283
終 章 結びに代えて 293
事項索引 305