目　　　次
はしがき
1　平　等―国籍法違憲判決のインパクト　大沢秀介　1
　１．はじめに…2
　２．国籍法と違憲問題…3
　３．平等保護原則の判断枠組み…8
　４．違憲判決の弾力化と救済のあり方…14
　５．おわりに…23
2　私人間の現代的論点
―集会の開催をめぐる憲法問題　高木康一　26
　１．はじめに…28
　２．従来の間接適用説…28
　３．新無適用説…29
　４．基本権保護義務論…30
　５．設問の文脈と各説の検討…33
　６．カナダ憲法学における私人間効力論…34
　７．日本における一般条項の解釈をめぐる立法府と裁判所の関係…37
　８．本問の検討…39
　９．おわりに…42
3　公務員の労働基本権　齊藤　愛　44
　１．はじめに…45
　２．最高裁判例の流れ…45
　３．全農林判例に関する考察…49
　４．アメリカの制度…54
　５．おわりに…55
4　環境権―景観の利益　齊藤笑美子　59
　１．はじめに…60
　２．環境権の法的性格…60
　３．景観利益は法律上の利益か…62
　４．行政訴訟…66
　５．憲法からみた景観…67
　６．憲法における環境規定…68
5　医療技術の発展と自己決定
―終末期医療における治療中止の
憲法問題　【葛】西まゆこ　73
　１．はじめに―これは憲法問題なのか？―…74
　２．憲法学における医療に関する自己決定権の理論上の射程…75
　３．医療に関する自己決定権についての判例の展開…78
　４．終末期医療における治療中止についての憲法学的視座…88
6　住基ネットとプライバシー権　齊藤　愛　91
　１．はじめに…91
　２．住基ネットとその問題点…92
　３．最高裁判例（最判平20年3月6日)の概要…95
　４．プライバシー権ないし自己情報コントロール権…97
　５．おわりに…103
7　性と家族の多様化と自己決定
―性別の憲法問題　齊藤笑美子　105
　１．はじめに…106
　２．セックスとジェンダーと法的性別…107
　３．自己決定権と性別…108
　４．特例法の問題点…110
　５．家族秩序と個人の権利…114
　６．おわりに―法的性別は何のために…116
8　公立学校における思想・良心の自由
―国旗・国歌をめぐる憲法問題　斎藤一久　119
　１．はじめに…119
　２．思想・良心の自由…122
　３．思想・良心に基づく外部的行為…124
　４．公務員の人権…127
　５．ピアノ伴奏拒否事件最高裁判決における藤田宙靖裁判官の
　　　反対意見…128
　６．その他のアプローチ…129
　７．おわりに…131
9　表現の自由と知的財産
―ドメイン名をめぐる憲法問題　大林啓吾　134
　１．はじめに…135
　２．商標としてのドメイン名の保護…137
　３．表現の自由と商標…138
　４．調整法理…139
　５．裁判所の調整法理…140
　６．表現の自由とドメイン名の使用…144
　７．おわりに…149
10　報道の自由
―記者の情報源秘匿特権　溜箭将之　152
　１．はじめに…153
　２．表現の自由と裁判の公正…154
　３．アメリカ法との比較…158
　４．比較衡量の再検討…164
11　通信技術の発展と報道
―放送と通信との融合・連携と
その規制のあり方　井上禎男　171
　１．はじめに―通信技術の発展が意味すること…171
　２．法概念としての「放送」と「通信」―法制度設計のあり方…174
　３．「知る権利」の理念的機能…179
　４．対象をめぐる「公共性」の所在と探求…184
　５．おわりに…189
12　政教分離規定の射程
―靖国参拝の憲法問題　高木康一　194
　１．はじめに…194
　２．憲法上の政教分離規定…195
　３．政教分離原則の意義…196
　４．靖国参拝の意義…200
　５．損害賠償請求の可能性…201
　６．「司法権」（76条）と「違憲審査権」（81条)…203
　７．違憲審査のあり方…203
　８．内閣総理大臣の裁量と裁判官の裁量…206
　９．違憲の行為に対する終局的裁定者…207
13　営業の自由に対する制約
―受動喫煙防止条例の憲法適合性　井上武史　211
　１．はじめに…212
　２．受動喫煙防止条例の内容と問題点…214
　３．ドイツ連邦憲法裁判所の判断…217
　４．日本国憲法と営業の自由…219
　５．営業の自由に対する規制の合憲性審査…221
　６．おわりに…225
14　生存権の現代的意義
―格差をめぐる憲法問題　【葛】西まゆこ　228
　１．はじめに…229
　２．社会権のうちの生存権の特殊性―「自立」との整合性―…230
　３．キーポイントは「最低限度」のみ？
　　　―自由権的効果と制度後退禁止原則―…233
　４．アメリカにおける福祉と憲法…236
　５．生存権の現代的意義…240
15　政党をめぐる憲法問題
―結社の自由の観点から　井上武史　245
　１．はじめに…246
　２．政党の二面性…247
　３．憲法と政党…249
　４．政党助成と結社の自由…253
　５．政党助成法と法の下の平等…258
　６．おわりに…261
16　権力分立制と行政権
―法執行の裁量　大林啓吾　264
　１．はじめに…265
　２．権力分立の問題…267
　３．行政権の概念…271
　４．死刑執行に関する国務大臣の裁量…276
　５．おわりに…280
17　裁判員制度と司法権
―事実審の再検討　溜箭将之　283
　１．はじめに…284
　２．前提となる論点…286
　３．公平な裁判所の裁判…289
　４．裁判員制度と司法権のゆくえ…297