疑問からはじまる刑法 I [総論]
川端 博 著
定価:2,970円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2006年08月10日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
342頁
書籍購入は弊社「早稲田正門店インターネット書店」サイトでの購入となります。
内容紹介
≪目次≫
第1章 構成要件該当性
1 構成要件および構成要件該当性
構成要件の意義/構成要件該当性判断の特色
2 因果関係論
因果関係論と責任論との関係/条件説と相当因果関係説/相当因果関係説と判断基底/相当因果関係説の基本構造
3 法人の犯罪能力
法人の犯罪能力/法人の犯罪能力否定説の批判的検討
4 行為論および不作為犯論
行為論の意義・種類・機能/不作為犯と罪刑法定主義/作為義務の体系的地位/作為義務の根拠
5 故意論
故意の体系的地位/構成要件的故意・過失とは何か/結果発生の認識に関する判例/意味の認識に関する判例(チャタレイ事件判決)/概括的故意の意義/概括的故意に関する判例/未必的故意認識ある過失の区別/未必的故意に関する学説の検討/未必の故意に関する判例/結果回避義務と未必の故意に関する判例/条件つき故意に関する判例
6 構成要件的事実の錯誤
故意と錯誤論/構成要件的事実の錯誤の意義と種類/具体的符号説と法定的符号説/法定的符号説の正当性/方法の錯誤と過剰結果の併発/因果関係の錯誤/抽象的符号説
7 過失犯をめぐって
新旧過失犯論/構成要件的過失/信頼の原則/結果的加重犯の基本問題/結果的加重犯と予見可能性に関する判例
第2章 違法性
1 行為無価値論と結果無価値論
違法性の本質としての行為無価値・結果無価値/行為無価値論と結果無価値論の基礎的考察
2 事前判断と事後判断
3 主観的違法要素
4 刑法における「危険」概念
5 正当化事由
被害者の承諾/正当防衛の正当化根拠/正当防衛の意思/偶然防衛・対物防衛/緊急避難の本質/過失犯と緊急行為/誤想過剰防衛
第3章 責任(有責性)
1 責任能力
精神分裂病者の責任能力に関する判例/心神喪失と心神耗弱に関する判例/原因において自由な行為(1)―故意犯のばあいに関する判例/原因において自由な行為(2)―過失犯のばあいに関する判例/心神耗弱と原因において自由な行為に関する判例
2 違法性の認識ないしその可能性
故意説と責任説/違法性の認識に関する判例(1)―羽田空港デモ事件/違法性の認識に関する判例(2)―黒い雪事件
3 違法性の錯誤(法律の錯誤)
違法性の錯誤と構成要件的事実の錯誤との区別/違法性の錯誤に関する諸説と「相当の理由」
第4章 未遂犯・不能犯
1 実行の着手の意義
2 中止犯(中止未遂)
中止犯の法的性格/中止犯の法的性格の概要/中止犯の成否(1)/中止犯の成否(2)
3 不能犯・事実の欠缺
不能犯の意義および未遂犯との区別/事実の欠缺
第5章 共犯
1 共犯一般
共犯の意義と種類/犯罪共同説と行為共同説/必要的共犯/不作為犯と共犯/身分犯と共犯
2 共同正犯をめぐって
共謀共同正犯/過失犯の共同正犯/承継的共同正犯/共同正犯の中止と離脱
3 狭義の共犯をめぐって
共犯の処罰根拠/共犯の従属性の有無/共犯の従属性の程度/幇助の因果関係