優越的地位濫用規制の基礎理論
比較法研究を通じた体系的考察森平明彦 著
定価:7,150円(税込)-
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発行:
2024年11月10日
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判型:
A5判上製 -
ページ数:
316 -
ISBN:
978-4-7923-2811-5
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内容紹介
《目 次》
はしがき i
欧文引用文献略語表 vi
邦文引用文献略語表 xv
序説 1
第1章 需要力の本質論 3
Ⅰ.需要力の経済学;需要力、市場力及び交渉力 3
1.買い手独占モデルと買い手寡占モデル 3
2.需要力と交渉力提示の条件 5
3.交渉力行使による厚生への影響とその評価 13
Ⅱ.外部選択理論による交渉力概念の基礎付け(ブリュッセル/フィレンツェ報告書) 18
1.競争制限と異なる市場力の把握―交渉力のアンバランス問題 20
2.「交渉に基づく合意よりも好都合な代替的取引先」の指標 21
3.取引費用経済学に基づく交渉力理論の問題点 34
Ⅲ.不公正取引慣行の経済学――競争とコンフリクトの融合的理解 42
1.抗争交換理論による不完備契約論(ボウルズ) 42
2.内生的強制と内生的選好による交渉力理論の検討 53
Ⅳ.需要力の法的分析(ドイツ) 69
1.市場力としての需要力 69
2.取引相手に対する相対力(Partnermacht)としての需要力(アルント) 69
3.メストメッカーの需要力概念―「流通における販売経路の支配」 72
4.「供給者に対して自己の利益を追求する需要者の力」(ケーラー) 75
第2章 需要競争の本質論 83
Ⅰ.ドイツにおける需要競争をめぐる学説と判例の状況 83
1.より有利な取引条件の獲得と需要競争 83
2.供給者の需要者に対する回避可能性と需要競争の本質論(ケーラー理論) 94
3.カルテル法判例における需要競争の本質論 105
Ⅱ.日本における需要競争の本質論 113
1.個別的な競争の機能と市場における競争の機能(今村説) 113
2.需要競争及び購買力に関する和田理論 114
第3章 需要力濫用規制の体系構成 117
Ⅰ.法学基礎論としての法の体系構成 117
Ⅱ.法律学における概念形成と体系形成(ラーレンツ/カナリス) 120
1.法律学的な体系形成の課題と可能性 120
2.学問的法律学の課題 ―法秩序の機能と価値決定の正当化・統一化 121
3.法の外的体系;法技術的概念 122
4.類型、類型系列及び類型形成 122
5.普遍的法原則の秩序としての内的体系 126
6.法律学的体系の構成要因(まとめ) 129
Ⅲ.英国における綱領審判官制 ――類型形成による体系構成 130
1.市場調査の制度による類型形成と普遍的法原則の導出 130
2.英国競争委員会による市場調査制度(競争法の補完機能) 131
3.綱領審判官制の法理論的な検討 137
Ⅳ.ケーラー提案における普遍的法原則と類型「指導像」の整序 145
1.ケーラーによる行動綱領提案に至る背景事情 145
2.不公正取引慣行規制としての行動綱領案 146
3.ケーラー提案の検討 153
Ⅴ.GWBにおける需要力濫用規制の体系的位置付け 174
1.ドイツ需要力濫用規制の展開 ―歴史と理論的展開 175
2.市場支配的事業者の濫用監視(GWB18/19条)と需要力濫用規制 191
3.市場構造を指向した市場支配的地位の濫用監視 ―その捉え方の諸相 199
4.市場構造志向論に対する批判 204
5.GWBにおける需要力濫用規制の体系的位置付け(まとめ) 221
Ⅵ.独占禁止法における優越的地位濫用規制の体系構成 222
1.独占禁止法の普遍的法原則と体系構成 222
2.原始独占禁止法における不公正な競争方法の制定 235
3.昭和28年改正による優越的地位濫用規制の導入 236
4.独占禁止法の需要力濫用規制に係る類型形成の意義(比較法的考察) 246
5.昭和57年の一般指定の改正 259
6.改正法2条9項5号の類型形成―民事法規律との連続性 261
7.優越的地位の濫用規制における類型の「指導像」と法的構造類型の達成 264
第4章 比較法的検討に基づく日本法への示唆 271
1.需要競争の本質論 271
2.需要力濫用規制の本質論 277
3.需要力濫用規制の「ある法」と「あるべき法」 286
事項索引 291