刑事責任能力について
箭野章五郎 著
定価:8,800円(税込)-
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発行:
2024年11月20日
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判型:
A5判上製 -
ページ数:
384 -
ISBN:
978-4-7923-5434-3
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内容紹介
《目 次》
はしがき(i)
初出一覧(vii)
責任能力の意義
第一章 刑事責任能力における「精神の障害」概念 3
はじめに 4
Ⅰ 「精神の障害」概念の法的構成の必要性 7
Ⅱ 法的病気概念の二つの考え方 13
Ⅲ ドイツにおける法的病気概念の意義 20
Ⅳ ドイツにおける「精神の障害」の複合性 27
Ⅴ わが国の解釈への示唆および「精神の障害」概念 37
Ⅵ 規範的責任論のもとでの責任能力 46
おわりに 52
第二章 刑法39条と刑法41条のそれぞれの責任能力 ―一般的な能力か、個々の行為についての能力か― 55
はじめに 56
Ⅰ ドイツにおける責任能力 58
1 責任能力に関する年齢段階(59)
2 責任能力制度の構造(82)
Ⅱ わが国における責任能力 94
1 ドイツと同様の理解の可能性および妥当性(94)
2 「一般的な責任能力」を責任能力判断において問題とする見解(101)
おわりに 111
第三章 責任能力の意義と責任非難の構造について 113
はじめに 114
Ⅰ 判例の定義の観点からの責任能力 116
Ⅱ 故意犯における責任非難 122
むすびに代えて 130
第四章 責任能力制度の理解と事前責任論 133
はじめに 134
Ⅰ 責任能力制度の構造上の特徴 134
Ⅱ 認識・制御能力を損なう原因について ―とくに「精神の障害」の範囲と意義― 139
Ⅲ 事前責任論への影響 142
おわりに 146
責任能力と精神の障害にもとづく錯誤
第五章 医療観察法における「対象行為」とその主観的要件 ―精神の障害にもとづく錯誤の場合― 151
はじめに 152
Ⅰ ドイツにおける議論 157
Ⅱ 医療観察法における「対象行為」の主観面 189
Ⅲ 刑法39条の適用について 196
Ⅳ 「対象行為」該当性に関する最高裁の判断 202
おわりに 208
責任能力と精神鑑定
第六章 責任能力判断における裁判官と鑑定人の関係 ―鑑定人は、「責任能力の喪失あるいは著しい減少」についての言明を控えるべきか― 213
はじめに 215
Ⅰ 記述的、事実的側面(生物学的要素)と評価的、規範的側面(心理学的要素)の峻別 219
Ⅱ ドイツにおける議論 227
おわりに 270
補論 271
第七章 精神鑑定の拘束力について ―最高裁平成20年4月25日判決および平成21年12月8日決定を契機として― 275
はじめに 276
Ⅰ 精神鑑定の拘束力に関する判例・通説 278
Ⅱ 最高裁20年判決・21年決定と学説の反応 282
Ⅲ 検討および不拘束説について 294
Ⅳ 鑑定評価にあたっての留意点 300
おわりに 302
限定責任能力概念
第八章 責任能力論の系譜 ―わが国における限定責任能力概念(刑法39条2項)についての史的考察― 307
はじめに 309
1 今日広く受け入れられていると解される理解(309)
2 限定責任能力(39条2項)(312)
3 本稿の対象・方法(313)
Ⅰ 責任能力をめぐる言説 314
1 旧刑法下での諸見解 ―前史:明治20年代までの諸見解(314)
2 明治34年頃から昭和6年頃(321)
Ⅱ 限定責任能力の程度 355
1 現行刑法制定過程の議論と「程度」に関する可能な解釈(356)
2 限定責任能力と精神障害者の処遇(361)
補論 ―ドイツにおける限定責任能力 362