刑法における自己決定権の限界
新刊

刑法における自己決定権の限界

石居 圭 著
定価:4,620円(税込)
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  • 発行:
    2025年05月20日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    200
  • ISBN:
    978-4-7923-5444-2
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《目 次》

 

はしがき ⅰ

序章   1

Ⅰ 本書の問題意識と目的   1

Ⅱ 各章の構成   2

 

第一章 死ぬ権利とパターナリズムの検討   5

Ⅰ 本章の主題   5

Ⅱ 憲法学における「死ぬ権利」   5

 1.憲法13条の解釈論との関係   6

 2.「死ぬ権利」の議論と刑法202条の処罰根拠の関係   15

 3.小括   18

Ⅲ パターナリズムに基づく介入の正当化   19

 1.問題設定   19

 2.強いパターナリズムの正当化モデル   22

 3.弱いパターナリズムの正当化モデル   25

 4.検討   28

Ⅳ 小括   30

 

第二章 「医師による臨死介助」に関するドイツ判例の動向と日本の議論への示唆   33

Ⅰ 本章の主題   33

Ⅱ 「医師による臨死介助」に関するドイツ判例とそれに対するドイツ学説の評価   34

 1.Wittig判決   34

 2.Hamburg/Berlin判決   38

Ⅲ 日本の議論への示唆―今後の検討の基本的方向性として―   54

 1.「死ぬ権利」について   54

 2.日本刑法202条の解釈論について   56

 3.自由答責性の判断基準について   57

Ⅳ 小括   58

 

第三章 自殺の法的性質と「死ぬ権利」の検討   59

Ⅰ 本章の主題   59

Ⅱ ドイツ刑法とオーストリア刑法における自殺の法的性質に関する議論   60

 1.ドイツの議論状況   60

 2.オーストリアの議論状況   65

 3.小括   69

Ⅲ 日本における自殺の法的性質に関する議論   70

 1.違法性阻却説   70

 2.違法説   72

 3.法的中立性説   74

 4.可罰的違法性阻却説   76

Ⅳ 自殺の法的性質に関する私見   79

 1.前提   79

 2.自己決定の自由としての「自殺の権利」とその制限   81

 3.自殺の権利の要件   83

Ⅴ 小括   87

 

第四章 要求に基づく殺人と自殺幇助の処罰根拠について   89

Ⅰ 本章の主題   89

Ⅱ 要求に基づく殺人(嘱託殺人)の処罰根拠論   89

 1.殺人のタブーの保護(ダム決壊論)による説明とその検討   90

 2.「性急性」からの保護   92

Ⅲ 自殺関与と要求に基づく殺人の処罰根拠論   95

 1.Kubicielの見解   96

 2.Engländerの見解   99

 3.Schmollerの見解   101

Ⅳ 私見の展開   105

 1.これまでの各見解の共通点・相違点   105

 2.各見解の検討   106

 3.私見   110

Ⅴ 小括   114

 

第五章 ドイツにおける臨死介助法案について   117

Ⅰ 本章の主題   117

Ⅱ 各法案の概要   121

 1.議員グループの提案   121

 2.緑の党の提案   124

 3.研究者たちの提案   127

 4.連邦保健省の提案   131

Ⅲ 検討   134

 1.前提   134

 2.自殺介助の原則的可罰性と「親族又は密接な関係にある者」の一身的処罰免除   136

 3.自殺介助広告の処罰   137

 4.未成年者に対する臨死介助   139

 5.間接的臨死介助と積極的臨死介助   142

 6.自殺教唆及び承諾殺人の処罰   144

Ⅳ 小括   147

 

第六章 日本刑法典第202条の処罰根拠論の検討と法改正の指針   149

Ⅰ 刑法202条の処罰根拠論に関する学説   149

 1.「生命に対する抽象的危険」の論拠   149

 2.「個人の尊厳」のパラドックス性の理論   150

 3.他の利益侵害説   156

 4.法政策説   161

 5.私見(自殺意思二分説)   164

 6.刑法202条の限定解釈の可能性   167

Ⅱ 刑法202条の合憲性   169

 1.規制の目的と手段の適合性   169

 2.規制の必要性   170

 3.小括   171

Ⅲ 総括に代えて―「性急性」論拠に基づく刑法202条の改正案―   172

 

終章   175

引用文献一覧   183

事項索引   189