タチアナ・ヘルンレ刑罰論集
表出的刑罰論と犯罪被害者の意義松澤 伸 監訳/十河隼人 訳
定価:4,400円(税込)-
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発行:
2025年09月20日
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判型:
A5判上製 -
ページ数:
172 -
ISBN:
978-4-7923-5453-4
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《目 次》
監訳者はしがき(i)
日本語版へのはしがき(iii)
第1部 タチアナ・ヘルンレの刑罰論
刑罰論[第2版] 3
第二版への序言 3
Ⅰ.序論 3
1 問題定立(3)
2 本研究の構造(5)
Ⅱ.刑法規範の目的は何か? 7
Ⅲ.刑罰規範は当事者に対して正統であるか? 10
Ⅳ.刑事裁判上の有罪判決にはいかなる意味があるのか? 12
1 「絶対的」理論(12)
2 将来の犯罪行為の予防(16)
3 表出的刑罰論(21)
Ⅴ.刑事罰の賦科は被処罰者に対して正統であるか? 31
1 正当化の必要性(31)
2 行為を通じた行為者の同意(34)
3 行為時における他行為可能性(35)
4 行為後の損害回復義務(36)
5 社会契約による根拠づけ(37)
6 民主主義理論的考察(38)
7 遵法義務と享受される利点(38)
Ⅵ.要約:本書の主張 40
クラウス・ロクシンの刑罰論的アプローチ 53
Ⅰ.序論 53
Ⅱ.クラウス・ロクシンによる刑罰論の根底にある不可欠なテーゼ 54
1 刑事罰は何らかの目的に資するのでなければならない(54)
2 重大な基本権侵害を正当化できる諸目的(55)
3 刑罰論の重要な支柱としての一般予防(59)
4 処罰を受ける者に対する正統化の必要性(63)
Ⅲ.補足と修正 65
1 法律上の刑罰予告:当事者に対する正統化(65)
2 刑罰の賦科(67)
3 量刑論および行刑の基礎に対する刑罰論の意義(75)
刑罰論および実体刑法における被害者の役割 79
Ⅰ.序論 79
Ⅱ.刑罰論における被害者 81
1 被害者の疎外(81)
2 被害者の利益を考慮に入れる刑罰論の基礎づけ(88)
Ⅲ.刑法解釈論上の帰結 102
Ⅳ.結語 106
第2部 解題
タチアナ・ヘルンレの刑罰へのアプローチについて―解題― 111
1 序説―本稿の目的 111
2 なぜ刑事罰なのか? 113
2.1 問題点(113)
2.2 問題へのアプローチ方法(114)
2.3 刑罰理論の複線的検討(116)
2.4 刑罰理論の多元性(117)
3 刑法規範/刑罰の目的と抑止のシステム 118
3.1 刑法規範の目的(118)
3.2 裁判規範か行為規範か(118)
3.3 威嚇一般予防/抑止のシステム(120)
3.4 期待されている効果は本当に生じるのか(121)
3.5 刑罰の目的(122)
4 特別予防 124
4.1 問題設定(124)
4.2 特別予防の意義と実証可能性(124)
4.3 特別抑止(125)
4.4 改善(126)
4.5 無害化(126)
4.6 特別予防をどのように考慮するか(127)
4.7 不利な社会条件に対するアプローチ(128)
5 一般予防(消極的一般予防と積極的一般予防) 129
5.1 消極的一般予防(129)
5.2 積極的一般予防(130)
5.3 へルンレの見解―統合予防論の支持(133)
6 表出的刑罰論の意義 134
6.1 目的刑論の多様性(134)
6.2 表出的刑罰論の内容(134)
6.3 規範指向的表出的刑罰論(135)
6.4 人格指向的表出的刑罰論(136)
7 犯罪被害者の意義 141
7.1 表出的刑罰論で図られるものは「犯罪被害者の利益」であるという見解(141)
7.2 刑罰論において疎外されてきた被害者(142)
7.3 「被害者の利益」とは?(143)
7.4 「被害者の利益」の探求(144)
7.5 「被害者の利益」の検討(145)
7.6 補説:第三者における憤激感情の緩和と被害者の反応的感情(147)
8 害悪(ハード・トリートメント) 148
8.1 被害者の権利を基礎付けるための害悪という考え方(148)
8.2 害悪と刑罰の事実的基礎(150)
9 刑罰制度の正当化と実際に処罰を受ける者―2段階の正当化 153
9.1 序(153)
9.2 2段階正当化とヘルンレの見解(154)
9.3 グレコによる批判(155)
9.4 H. L. A. ハートの見解(156)
9.5 展望的非難の理論(158)
10 結語 160