愛媛大学法学会叢書12
中世君主制から近代国家理性へ
南 充彦 著
定価:5,830円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2007年05月30日
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判型:
A5判上製 -
ページ数:
330頁
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内容紹介
政治はいかに宗教から自立していったのか、中世の君主中心の王国から近代の非人格的国家への移行はいかに起きたのかを分析する。また主権、王権神授説、国家理性という三つの概念が政治の自立の異なった表現であったことも解明される。本書から本格的な国家理性研究が始まるだろう。
≪目次≫
はじめに
第一部 中世君主制
第一章 キリスト教と政治権力
反政治主義/政治の消極的容認/教会の二面性/教権と俗権の二元主義
第二章 教会と君主制
フランク王国とカトリック教会の同盟/国王の聖別/王権と教権の抗争/教皇統治理論の系譜/王権の称揚
第三章 法と君主制
「法を中心とする主権」/神法の下にある君主/自然法の下にある君主/慣習法の下にある君主
第四章 封建制の超克
封建制の遠心化傾向/王権の領土的拡張 ?フランスをめぐる覇権闘争/国王権力の増大/王権の継承 ?不死鳥としての国王/封建制から身分制国家へ/官僚制国家へ
第二部 近代国家と君主制
第五章 近代的国家観の萌芽
「祖国」の再生/ローマ法の復活/領域的主権国家観の形成/有機体的国家観から抽象的国家観へ
第六章 主権の成立
歴史的・論争的概念/主権の絶対性 ?内乱終結のイデオロギー/世俗的概念としての主権 ?政治の自律/「正しい」統治
第七章 王権神授説
最良の統治形態としての君主制/国王の世襲的権利ならびに個人的神権/人民および教会からの独立宣言 ?政治の自立/主権理論と王権神授説/無抵抗の服従/近代的王権神授説の独自性 ?中世君主制論との相違
第三部 近代国家理性
第九章 近代国家理性とは何か
公的効用・公共善/道徳および法の超越/必要性と状況の関数としての国家理性/慎慮/世俗性原理としての国家理性 ?政治の自立
第十章 国家理性の三類型
マキャヴェリと国家理性/キリスト教的国家理性 ?「信仰の理性」あるいは「聖なる口実」/ボテロの国家理性 ?もう一つの国家理性/フーコー敵国家理性 ?第三の国家理性
あとがき