不公正な取引方法と優越的地位の濫用
新刊

不公正な取引方法と優越的地位の濫用

森平明彦 著
定価:9,900円(税込)
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  • 発行:
    2026年05月20日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    448
  • ISBN:
    978-4-7923-2835-1
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《目 次》

 

はしがき  i

欧文引用文献等略語表  xiii

引用文献略語表  xix

 

序章 解題と初出   1

第1章 自律的主体と経済法―市場の自由と経済規制の体系―   19

Ⅰ.はじめに   19

Ⅱ.自由の相互行為理論   22

 1.「自由のリアリティー」  22

 2.市場自由の基本体系  25

 3.商品連関と欲求実現の機会の不確実性  29

 4.中間団体論  30

 5.社会福祉及び公共企業論  32

 6.適応的選好形成の問題点  36

Ⅲ.市場のコンテクスト論   36

Ⅳ.自律的取引主体   39

Ⅴ.むすびに代えて   44

第2章 経済法と私法   47

序   47

Ⅰ.契約正義論的アプローチ   48

Ⅱ.基本権保護義務論=山本敬三私的自治論   50

Ⅲ.市民社会論   53

Ⅳ.債権侵害論的アプローチ   60

Ⅴ.機能論的アプローチー=私法の再定義   62

Ⅵ.古典的私的自治の再生と経済法   63

結びにかえて   68

第3章 経済法と私法・報告―契約違反誘致と優越的地位の濫用   71

Ⅰ.問題点の所在―市民社会論と基盤確保的禁止事項   71

Ⅱ.条件付取引違反誘致の契約侵害に係る類型を題材として   74

Ⅲ.契約違反誘致と「基盤確保的禁止事項」との関係   75

Ⅳ.基盤確保的禁止事項の歴史的認識と民事的/行政的規律の競異化   76

Ⅴ.優越的地位の濫用に対する競争法的公序の観点からする評価   78

Ⅵ.契約違反誘致に対する競争法的公序の観点からする評価   80

第4章 不公正な取引方法―今村/正田両学説の統合、展開、批判と展望   85

序   85

Ⅰ.「両学説」の「理論的共通基盤」   85

Ⅱ.「両学説」の統合   86

Ⅲ.「両学説」の展開と批判   87

 1.両学説における体系的理解の展開  87

 2.市場における全体としての競争と競争秩序保護  88

 3.能率競争を重視する捉え方の展開  93

 4.公正な競争と自由な競争の一体的な把握―その展開  94

Ⅳ.展望   96

 1.「競争の実質的制限」と「競争の減殺」の関係についての整合的説明  96

 2.手段の不公正さの類型と市場力規制との体系的整合性  99

 3.自由競争基盤の確保の類型と市場力規制との体系的整合性  99

結語   101

第5章 独占禁止法における不公正な取引方法の位置づけ―競争者排除行為を例にして―   103

序   103

Ⅰ.独占禁止法の体系理解と不公正な取引方法   103

Ⅱ.拘束条件付取引に係る近時の審決例   108

 1.研究開発意欲に係る「指導理念」の類型化(マイクロソフトNAP条項事件)  108

 2.ネットワーク効果と競争者の競争機能(大分大山町農協事件)  113

Ⅲ.取引妨害に係る近時の審決・命令   114

 1.市場力規制の法体系における手段の不公正さの規制(DeNA事件)  114

 2.手段の不公正さと自由競争減殺の総合的考慮(第一興商事件)  117

Ⅳ.まとめと結語   118

第6章 不公正な取引方法の課題―その法体系的な構成との関連において―   121

はじめに   121

Ⅰ.不公正な取引方法の課題を検討する前提条件   122

Ⅱ.自由競争減殺グループにおける市場閉鎖効果に係る課題   123

Ⅲ.一般指定14項の取引妨害に係る課題   127

Ⅳ.自由競争基盤の侵害(優越的地位の濫用)に係るグループの課題   130

第7章 優越的地位濫用規制の本質論   133

はじめに   133

Ⅰ.取引当事者間の主観的事情とセコマ事件判例   135

Ⅱ.抗争交換理論と優越的地位の源泉   137

Ⅲ.当事者間の主観的関係性と「今後の取引に与える影響を懸念して」   141

Ⅳ.「優越的地位の濫用規制の手続化」と「直接の利益」   144

Ⅴ.需要競争の本質論[拙稿・問題点(2)245頁以下]   150

おわりに   151

第8章 公正かつ自由な競争のパラドックス―コンビニ本部に対する優越的地位濫用の判断枠組み―   153

序論   153

Ⅰ.コンビニ本部に対する優越的地位濫用規制の事例   155

 1.ローソン事件  155

 2.セブン-イレブン・ジャパン事件  157

Ⅱ.優越的地位濫用の判断枠組みの検討   158

 1.割戻しによる自由競争の促進機能と一方的収受態様(ローソン事件)  158

 2.標準棚割商品の統一的陳列とあらかじめ計算できない不利益  160

 3.セブン-イレブン事件における見切り販売制限の濫用判断の枠組み  161

Ⅲ.より有利な取引条件の獲得に係る競争と「統一的な統制、指導、援助」   168

 1.本部の加盟者に対する「統一的な統制、指導、援助」  168

 2.より有利な取引条件の獲得と競争理論上の議論  169

 3.売上総利益方式に対する管理会計論による検討  171

 4.フランチャイズ・システムの本質的特性と優越的地位の濫用規制  173

 5.本件排除措置の命令内容の問題点  176

Ⅳ.「過大な不利益」の検討と利益衡量の問題   177

 1.統一的管理の要請に基づき利益衡量のされた事例  177

 2.優越的地位濫用規制が問題にする市場の機能不全  179

 3.利益衡量を退ける違法性判断基準の具体化  180

 4.利益衡量アプローチに対する比較法的考察  181

Ⅴ.経済的行為自由の限界と公正な競争秩序   183

Ⅵ.公正かつ自由な競争のパラドックスと市場倫理の体系的考察   185

 1.競技としての市場の競争(桂木/ナイト理論)  185

 2.「フェアな競争の感覚」を構成する価値的要素  186

 3.市場競争の倫理に関する体系的な規範構造  193

 4.優越的地位濫用規制におけるバランス感覚とパラドキシカルな感覚  195

結語―まとめに代えて―   197

第9章 優越的地位の濫用と契約合意の遡及的変更―競争と合意の拘束力との関係について―   201

序論   201

Ⅰ.独禁法における「減額」と契約合意の遡及的変更問題   203

Ⅱ.契約条件の調整と遡及効の問題   206

Ⅲ.日本法とGWBの比較法的考察;まとめ   227

Ⅳ.結語に代えて   230

第10章 優越的地位の濫用とセオリーオブハーム―自由かつ自主的な判断の阻害に係る比較法的検討―   233

序論   233

 1.優越的地位濫用規制とセオリーオブハーム:その問題点  233

 2.セオリーオブハーム構成上の諸条件とその検証課題  234

 3.因果関係論とセオリーオブハーム  236

 4.搾取と妨害の混合による濫用の認定とカルテル法の目的論的体系構成  236

Ⅰ.独占委員会のセオリーオブハーム   238

 1.顧客データの濫用に係るセオリーオブハームの新たな展開  238

 2.顧客データの濫用とその制御に関する一般論の展開  239

 3.セオリーオブハームの検証構想Ⅰ  242

 4.セオリーオブハームの検証構想Ⅱ:データ保護法とGWB 19条1項  246

Ⅱ.民事法規を援用したセオリーオブハームに対する批判   252

 1.フェイスブック事件控訴審決定  252

 2.フックスによるカルテル庁のセオリーオブハームに対する批判  258

Ⅲ.GWB 19条1項の一般条項におけるセオリーオブハーム   260

 1.フェイスブック事件BGH決定  260

 2.約款規制やデータ保護法の法価値の取入れ(ノースデュルフト)  274

 3.データ保護法と競争法の紐帯としての同意(ブフナー)  277

 4.競争秩序と契約秩序の統合的理解(モール)  282

Ⅳ.比較法的検討に基づく日本法への示唆   286

 1.セオリーオブハームの基礎:取引相手方の回避可能性  286

 2.経済的取引行為に個人情報という非金銭的な価値の対象を加える必要性  289

 3.同意に係る自由かつ自主的な意思決定の法原則:その比較法的意義  290

 4.目的論的概念構成としての体系的思考  291

 5.セオリーオブハームに解消される因果関係論  293

結語   294

第11章 優越的地位の濫用と直接の利益基準   295

序論   295

A.搾取濫用法理の新展開   297

Ⅰ.市場の相手方保護   297

 1.BGHのFacebook決定  297

 2.連邦議会の改正理由  307

 3.市場の競争阻害のメルクマール  309

 4.搾取濫用と水平的な競争阻害効果(ノースデュルフト)  314

 5.市場の相手方保護論に対する批判(ヴォルフ)  316

Ⅱ.市場の相手方保護と直接の利益基準   317

 1.搾取濫用法理の新展開と直接の利益基準  317

 2.直接の利益基準と従属的な市場の相手方保護  319

B.搾取濫用規制における取引条件の全体的観察   320

 1.ファボリート事件1984年BGH判決  320

 2.ファボリート事件BGH判決に対する批判と評釈  322

 3.約款規制法理の適用問題  326

C.比較法的検討に基づく日本法への示唆   333

Ⅰ.独禁法;「直接の利益」と合理的範囲を超える負担   333

 1.協賛金等の負担の要請(優越ガイドライン第4、2、(1)のア)  333

 2.従業員派遣(優越ガイドライン第4、2、(2))  334

Ⅱ.カルテル法;間接的な利益と受領額の見込み(GWB 19条2項)   334

 1.取引条件の全体的観察  334

 2.要求利益の算出根拠  335

 3.新搾取濫用法理と直接の利益  335

Ⅲ.検討   336

 1.直接の利益と需要競争の本質論  336

 2.市場参加者の個人的保護と市場構造の競争的機能  338

 3.「直接の利益」と合理性の認められる範囲の負担  339

 4.合理的範囲を限定する直接の利益  340

 5.間接的な利益と反対給付の見込みの算出  340

 6.「直接の利益」基準の重要性  341

 7.優越的地位濫用規制と公正な競争秩序  341

結語   344

1.水平的競争関係と因果関係  344

2.比較法的検討の留意点  345

3.搾取濫用と競争阻害のモデル理論  346

第12章 優越的地位の濫用と自由競争基盤―民事法原則による濫用法理の形成―   349

序論   349

Ⅰ.モールの自己決定原則に基づく濫用法理の形成   351

 1.民事法原則による濫用法理の形成―その背景事情  351

 2.自己決定原則の妥当根拠  356

 3.個人自由の相互的な調整原理―契約の自由、契約正義そして社会モデル  360

 4.競争法による個人の経済的な自己決定(実質的機会の平等)の保護  364

 5.競争法における競争制限の規制と搾取濫用禁止の関係  367

Ⅱ.モールの民事法的な濫用法理の検討   371

 1.「私法社会」論  371

 2.「私法社会」論と市民主義的な競争保護の理念  373

 3.自由のパラドックス  379

 4.個人自由の相互的な調整原理  381

 5.力と自由の密接な関係:公正な実質的機会の平等  382

 6.公正な実質的機会の平等に係る内容の不明確さ  384

 7.搾取濫用禁止の競争法上の目的と体系構成  386

Ⅲ.バッハマンによる「グループの利益」概念の検討   388

 1.バッハマン「私的秩序」  388

 2.私人間の規律設定の正当化  389

 3.市民法の同意と公益の協働:「グループの利益」  389

 4.搾取禁止に服する「グループの利益」  390

Ⅳ.日本法への示唆   390

 1.独占禁止法の法目標と自由競争基盤  390

 2.濫用法理における同意と搾取禁止の重要性  397

結語   398

第13章 独占禁止法における優越的地位濫用規制の意義   403

Ⅰ.根岸教授の規制抑制論   403

Ⅱ.需給不一致市場における給付の不均衡   404

Ⅲ.自由競争のパラドックス   405

Ⅳ.パラッドクスを内包した需要競争概念の展開   406

Ⅴ.市場の相手方を保護する競争概念の展開   407

Ⅵ.経済的成果の規制でなく行為規制であること   409

Ⅶ.規制抑制論に対する反論   411

 

事項索引  413