韓国の刑事手続電子化
わが国の制度運用等に与える示唆今井輝幸 著
定価:4,620円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2026年06月10日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
264 -
ISBN:
978-4-7923-5477-0
書籍購入は弊社「早稲田正門店インターネット書店」サイトでの購入となります。
《目 次》
はしがき i
略語例 xvii
初出一覧 xxii
「韓国の刑事手続電子化 ─わが国の制度運用等に与える示唆─」骨子 xxiii
Abstract of Doctoral Thesis xxv
第1章 韓国の刑事手続電子化 ─わが国の制度運用等に与える示唆─
第1 はじめに ─日韓の刑事手続電子化比較の意義─ 1
1 書類の電子化、発受のオンライン化 2
2 映像・音声の送受信による捜査・公判手続等 3
第2 韓国の刑事手続電子化 ─その制度概要、導入経過─ 3
1 刑事電文法、刑事電文規則の概要 3
(1) 刑事電文法 (3)
ア 目的(同法1条) (3)
イ 電子文書による刑事司法手続(同法5.9条) (3)
ウ 電子文書等の作成、送達、通知、閲覧、複写等(同法10.16条) (4)
エ 令状等の執行に関する特例(同法17条) (4)
オ 証拠調べ等に関する特例(同法18.19条) (5)
カ 電子文書の廃棄に関する規定(同法20条) (5)
(2) 刑事電文規則 (5)
ア 電子文書による刑事司法手続 (5)
イ 電子文書等の作成、送達、通知、閲覧、複写等及び証拠調べ等 (5)
ウ 令状等の執行 (5)
エ 電子文書の廃棄に関する規定(同規則42条1項) (5)
2 韓国の刑事手続電子化の導入経過 6
(1) 日本における裁判手続電子化の経緯 (6)
(2) 韓国における裁判手続電子化の経緯 (6)
(3) 韓国の裁判手続電子化から得られる示唆 (8)
ア デジタル完結の観点 (9)
イ 民事電子訴訟等定着の経験 (10)
ウ 機関間のシステム連携における隘路 (10)
エ 刑事記録電子写本化の運用 (11)
3 日韓の法構造の差異─電子訴訟の基本法としての電子文書法─ 12
4 韓国の刑事立法作用等に対する評価(私見)─周到に準備された刑事手続電子化─ 12
第3 韓国の刑事手続電子化に関し、わが国が得られる示唆 14
1 起訴状一本主義等との関係(韓国刑訴法294条、韓国刑訴規則118条、刑訴法256条6項、310条) 14
2 証拠の厳選との関係(韓国改正刑訴規則132条、刑訴規則189条の2)15
(1) 証拠厳選に関する規定 (15)
(2) 民事電子訴訟における証拠量増大 (16)
3 動画証拠等の取調べ(刑事電文法18条1号、韓国改正刑訴規則134条の8第4項、刑訴法305条、306条、最一小決昭和35・3・24刑集14巻4号462頁) 17
(1) 韓国における動画証拠の状況 (17)
(2) 二次証拠作成過程の合理化 (17)
(3) 法廷での動画証拠再生状況 (18)
4 デジタル完結が可能な手続の整理 18
5 秘匿事件におけるマスキング処理 19
6 判決書作成時のAI機能による支援等 19
7 裁判官の電子署名 24
第4 韓国における裁判手続電子化の関連・周辺制度 25
1 画像・スマート接見 25
2 スマートワークセンター ─デジタル化時代の働き方改革─ 27
3 法廷通訳センター 30
第5 わが国で検討を要すると指摘される事項について 32
1 主張書面や判決書の詳密化、長文化に対する懸念 32
2 証拠量の増加に対する懸念 33
3 円滑な法廷機器の運用に対する懸念 33
4 法廷の景色の一変、刑事裁判の感銘力の観点 34
第6 おわりに 34
第2章 韓国の刑事手続電子化 ─適用完了後の動向─
第1 はじめに 37
第2 刑事電子訴訟の成果を含む処理状況等 37
第3 韓国刑事弁護の現在─刑事手続電子化の下で─ 39
1 国選専担弁護士制度 39
(1) 制度概 (39)
(2) 制度に対する評価等 (40)
(3) 国選専担弁護士選任事件の割合 (41)
2 刑事手続電子化と刑事弁護 41
第4 裁判事務におけるAI活用 43
1 先行研究の状況 43
2 法院における本格研究の開始 44
3 『裁判官のためのAIガイドブック』全裁判官に配布 48
4 刑事手続電子化と量刑基準制の高い親和性 51
5 量刑判断へのAI活用に関する日韓比較まとめ 56
第5 台湾の状況について 58
1 刑事手続におけるAIの活用等 58
2 AI量刑システム 58
第6 ナ・ホルロ訴訟(民事)について 59
第7 おわりに 60
第3章 韓国国民参与裁判の動向と電子化
第1 はじめに 63
第2 制度内容等 65
1 制度の目的、当初立法の位置付け 65
2 導入経過─日本の裁判員制度との差異を念頭に─ 65
3 対象事件と意思確認手続等 67
4 排除決定及び被告人の撤回 68
5 陪審員 69
(1) 陪審員の数 (69)
(2) 陪審員の選定、解任 (70)
(3) 選定過程と刑事手続電子化 (71)
6 公判手続等 71
(1) 公判準備手続 (72)
(2) 訴訟関係人の座席、法廷設備 (72)
(3) 公判手続 (73)
7 評議・評決・量刑討議 74
(1) 被告人の有罪・無罪についての評議、評決 (74)
(2) 量刑についての討議、量刑意見 (74)
(3) 評決等の勧告的効力 (75)
8 判決 75
9 上訴 76
10 その他 76
第3 国民参与裁判の実施状況等及びこれに対する検討 76
1 実施状況 76
(1) 実施件数等の推移 (76)
(2) 検討 (77)
(3) 選択型・勧告型国民参与裁判の「象徴性」論 (81)
2 自白・否認の別、無罪率、控訴状況等 82
(1) 実施状況等 (82)
(2) 検討 (83)
(3) 控訴状況 (85)
3 弁護人の状況 86
4 刑事手続電子化と評議等 86
第4 国民司法参与委員会の最終形態等について 87
1 これまでの法改正等の経緯 87
(1) 数次にわたる対象事件の拡大 (87)
ア 施行当初の対象事件 (87)
イ 2009年参与規則改正 (87)
ウ 2012年参与法改正(87)
(2) 排除事由の若干の具体化 (88)
2 国民司法参与委員会の最終形態 88
第5 国民参与裁判制度の今後の展望 90
1 参与裁判研究のスタンス ─司法に対する信頼は高まったのかの点を中心に─ 90
2 実施件数の点─選択型についての評価と展望─ 93
(1) 選択型についての評価と展望 (93)
(2) これまでに採られた実施件数増大のための方策について (94)
3 陪審員評決の効力─勧告型についての評価と展望─ 95
4 陪審員のインターネット、SNS等使用に関する懸念 95
5 国民参与裁判と刺激証拠 96
6 議員立法による参与法改正案の提出 100
第6 おわりに 101
第4章 日本の刑事手続電子化の展望
第1 刑事手続電子化の施行に向けた方向性 ─韓国との比較も踏まえながら─ 103
第2 現在の準備状況及び今後の展望 104
1 刑訴規則の改正 104
2 標準的事務フロー検討の必要性 104
3 機関間のシステム連携におけるあい路 105
4 民事訴訟電子化の成果等の参照 106
第3 時間外の一般令状事件の集約処理 107
第4 おわりに 109
第5章 刑事手続電子化を契機とした裁判員制度の活性化 ─韓国の制度運用等も参考に─
第1 裁判員制度が直面している課題 111
第2 陪審員等選定手続におけるデジタル技術活用 115
第3 韓国で公判準備手続の迅速進行を可能にしている理由に対する考察 116
1 日韓の証拠開示制度の差異 118
2 画像接見及びその周辺事情 120
3 マスキングや二次証拠化の際の証拠加工 121
第4 台湾国民法官制度における公判前整理手続の状況 123
第5 公判前整理手続の期間短縮のための方策 125
1 公判前整理手続の長期化原因 125
2 ㋐㋒刑事手続電子化に伴う改善 126
3 ㋑現代的プラクティス確立による改善 ─公判前整理手続の目的の明確化と法曹三者の認識共有─ 128
4 ㋓審理期間を早期に確保することによる改善 133
5 公判での立て直し事例の集積と分析 134
6 波及効果を最大化する振り返り会の活用 135
第6 その他の事項について 136
1 公判審理及び評議におけるデジタル技術の活用可能性 136
2 法廷通訳センター 136
第7 おわりに 137
第6章 韓国の刑訴法等の沿革 ─日本との関係を念頭に─
1 はじめに 139
2 韓国刑訴法の制定以前 ─日本の植民地支配との関り─ 139
3 韓国刑訴法の制定及びその際の日本刑訴法の参酌等 142
4 その後の日韓刑訴法の変遷、韓国刑訴法学の発展経過 143
5 日韓比較法研究の現代的意義 143
第7章 裁判員裁判における刺激証拠に関する運用
1 本稿の目的 145
2 刺激証拠に関する現在の運用 145
3 前記運用に至った経緯 147
4 運用の根拠及び法的問題点の有無等に関する検討 148
(1) 証拠能力の関係(法的問題点の有無等)からの検討 (148)
(2) 精神的負担の実情からの検討 (148)
(3) 運用に対する懸念についての検討 (149)
ア 審理、判断に悪影響を与えているとの指摘について (149)
イ 選任手続、公判における措置で対応すべきとの指摘について (149)
ウ 裁判員・裁判官裁判で異なる運用を採ることは問題であるとの指摘について (150)
(4) 現在の運用の評価と本稿の提言 (150)
ア 現在の運用に対する評価 (150)
イ 本稿の提言 (151)
5 関係裁判例に関する若干の検討 151
6 おわりに 152
第8章 刑事司法のデジタル化に対する期待とコロナ禍
1 コロナ下の刑事関係分野で起こった事象 153
2 感染拡大を受けての訴訟等手続に関する対応 153
3 刑事司法の近未来図 ─DXに向けた検討─ 154
第9章 〔韓国語要旨〕韓国の刑事手続電子化 ─日本の制度運用等に与える示唆─
【資料1】 刑事電文法(刑事司法手続における電子文書利用等に関する法律)〔試訳〕
[2021.10.19制定、法律第18485号、2024.10.20施行] 185
【資料2】刑事電文規則(刑事司法手続における電子文書利用等に関する規則)〔試訳〕
[2025.5.30施行、大法院規則第3214号] 196
【資料3】韓国刑事電子訴訟の電子パンフレット 222
電子パンフレット和訳 224
事項索引 227