日本国憲法講義
憲法政治学からの接近小林昭三 監修
定価:3,300円(税込)-
在庫:
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発行:
2009年09月01日
-
判型:
A5版上製 -
ページ数:
420頁
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内容紹介
目 次
はしがき
第1編 序 説1
第1章 日本国憲法を通して近代憲法の検討も3
第1節 近代憲法史一世紀後からの日本近代憲法史3
第2節 憲法の「制定」と憲法の「改正」(1)
――成文憲法と不文憲法5
第3節 憲法の「制定」と憲法の「改正」(2)
――全面的改正により憲法制定7
第4節 旧憲法断罪・新憲法絶賛の手法の落し穴に
気づくとき11
第5節 縦割りの憲法機構を統合した天皇の制度は明治で
終わった12
第6節 旧憲法意識による日本国憲法運用成功の問題提起16
第7節 日本国憲法の改正手続き19
第2編 総 説21
第1章 天 皇23
第1節 ポツダム宣言と「国体」変革をめぐる論争23
1 ポツダム宣言の受諾と「国体の護持」(23)
2 明治憲法下の「国体」の概念とその動揺(24)
3 金森徳次郎の「憧れの象徴論」(24)
4 佐々木惣一の「国体変更論」と和辻哲郎の
「文化的天皇論」(25)
5 宮沢俊義の「八月革命説」と尾高朝雄の「ノモス主権論」(26)
6 「国体」論争が残した課題(27)
第2節 日本国憲法成立過程における天皇制28
1 占領政策と天皇制の効用(28)
2 日本政府の「国体」への執着(29)
3 総司令部における天皇制構想(30)
4 総司令部案の手交とその後の政府案(31)
5 「新日本建設に関する詔書(人間宣言)」における天皇制(32)
第3節 象徴天皇制34
1 国民主権と共存する天皇制(34)
2 天皇の象徴機能の要件(35)
3 君主制憲法史における象徴天皇制(37)
4 現代象徴元首論の再構成(38)
5 象徴天皇の行為の新しい分類(39)
6 内奏制度による内閣助言制の活用(41)
第2章 第9条戦争の放棄の理念と日米安保体制による
補完の現実43
第1節 戦争の放棄の理念:敗戦と占領の現実を前に43
1 敗戦と占領(43) 2 『あたらしい憲法のはなし』(44)
第2節 戦争の放棄の前提:前文の国際社会像46
1 前文の国際社会像(46) 2 冷 戦(47)
第3節 占領下における戦争の放棄:ポツダム宣言の履行47
1 ポツダム宣言の要求(47)
2 制憲議会での政府の9条解釈(48)
3 占領下における憲法解釈(49)
4 朝鮮戦争と警察予備隊(50)
第4節 独立と日米安保体制:日米同盟下の再軍備51
1 独立と政府解釈の変化(51) 2 日米安保条約(52)
3 自衛隊の創設(53)
第5節 冷戦の終焉と国連協力:想定外の「名誉ある地位」
54
1 国際社会の変化(54)
2 自衛隊の国連協力(55)
第6節 集団的自衛権:国家固有の権利と憲法規定56
1 国連憲章と自衛権(56)
2 集団的自衛権と9条(57)
第3編 各 論59
第1部 人 権61
第1章 自由・独立の個人の権利と公共の福祉61
第1節 人権の永久不可侵性とその意義61
1 11条の沿革と意義(61)
2 12条の沿革と意義(62)
第2節 個人の尊重と幸福追求権64
1 13条前段と「個人の尊重」原理(65)
2 13条後段と幸福追求権の意味・内容(67)
第3節 「公共の福祉」論81
1 12条の「公共の福祉」の意義(81)
2 13条の「公共の福祉」の意義(82)
第2章 法の下の平等84
第1節 法の下の平等が強調されたフランス革命直後84
第2節 法の前の平等に見るキリスト教的契機85
第3節 一般意思の表明である法と「市民宗教」的神聖と87
第4節 成文「法の前の平等」観の定着89
第5節 「法の下の平等」―日本国憲法14条1項の場合
90
第6節 人権規定群における「法の下の平等」の位置92
第7節 人権発展史のきっかけになってきた「法の下の
平等」93
第8節 「法の下の平等」の自由国家的と社会国家的と94
第9節 14条1項後段の差別禁止の項目に焦点を
合わせて96
第10節 憲法14条1項後段での差別禁止が関わる
諸関係101
第11節 「法の下に平等」にとっての権利と義務のバランス
103
第3章 個人と権力の関係、そして参政権105
第1節 参 政 権105
1 選挙権・被選挙権(106)
2 選挙の原則(108)
3 選挙制度(110)
4 外国人の参政権(112)
第2節 請 願 権114
1 請願権の意味(114)
2 わが国における請願権の保障(114)
第3節 国家賠償請求権115
1 国家賠償請求権の意味(115)
2 わが国における国家賠償請求権の保障(116)
第4節 裁判を受ける権利117
1 裁判を受ける権利の意味(117)
2 わが国における裁判を受ける権利の保障(117)
第4章 自由権的人権120
第1節 内心の自由120
1 思想・良心の自由(120)
2 信教の自由(123)
3 政教分離の原則(126)
第2節 行動の自由136
1 表現の自由(21条)(136)
2 学問の自由(23条)(148)
3 婚姻の自由(24条)(151)
第5章 社会権的基本権154
第1節 社会権の誕生154
1 夜警国家から社会国家へ(154)
2 ワイマール憲法(155)
第2節 日本国憲法における社会権156
第3節 生 存 権157
1 戦後まもなくの頃(157)
2 生存権をめぐる判例の展開(159)
第4節 教 育 権161
1 憲法と教育権(161)
2 教育権をめぐる判例の展開(162)
第5節 勤 労 権164
1 勤労権の意義と性格(164)
2 勤労条件の法定(165)
3 児童酷使の禁止(166)
第6節 労働基本権166
1 労働基本権とは(166)
2 労働基本権をめぐる判例の展開(166)
第7節 環 境 権171
第8節 社会権の法的性格172
1 生存権の法的性格(172)
2 社会権の自由権的権利化(173)
3 「国策の指導原則」と社会権(174)
第6章 経済的自由176
第1節 経済的自由の位置づけ176
第2節 職業選択の自由177
1 規制の合憲性審査基準(177)
2 裁判所の役割と目的二分論(180)
3 目的二分論の限界と判例の動向(181)
第3節 居住・移転の自由183
1 海外渡航の自由(183)
2 国籍離脱の自由(184)
第4節 財 産 権184
1 規制の合憲性審査基準(185)
2 条例による規制(188)
3 財産権の制限と損失補償の要否(188)
4 正当な補償(191)
第7章 国民の義務192
第1節 日本国憲法における国民の義務192
1 明治憲法における国民の義務(192)
2 国民の権利と義務の関係(192)
3 一般的義務規定:権利を保持する責任と濫用の禁止(193)
第2節 教育を受けさせる義務193
1 教育を受けさせる義務の意味(193)
2 日本国憲法における教育を受けさせる義務(194)
3 教育を受けさせる義務の主体(194)
4 義務教育無償の意味(195)
5 教育権の所在からみた国家の義務(196)
第3節 勤労の義務197
1 日本国憲法での規定(197)
2 勤労の義務の意味(198)
第4節 納税の義務198
1 近代憲法における納税の義務の意義と由来(198)
2 租税の公平な負担と租税法律主義(199)
3 納税の義務の主体(199)
第5節 憲法の尊重擁護義務200
1 憲法の最高法規性と公務員の尊重擁護義務(200)
2 国民の憲法尊重擁護義務(201)
第8章 人身の自由203
第1節 人身の自由の意義203
1 意 義(203)
2 規定の特徴(203)
3 私人間効力(203)
第2節 日本国憲法における人身の自由の特徴204
1 条文上の構成(204)
2 類似する権利との関係(204)
3 侵害に対する救済手段(205)
第3節 合憲性判定基準205
第4節 行政手続への適用206
1 行政手続への適用(206)
第5節 人身の自由を具体化する諸規定206
1 奴隷的拘束および苦役からの自由(18条)(206)
2 法定手続の保障(31条)(209)
3 被疑者および被告人の権利(33~35条)(212)
4 不当な抑留・拘禁からの自由(34条)(214)
5 国選弁護人の依頼権(37条)(216)
6 住居等の不可侵(35条)(216)
第2部 統治機構221
第1章 国会の地位、代表議会制、政党制による変色
221
第1節 全国民の代表222
第2節 国権の最高機関222
第3節 唯一の立法機関225
1 「立法」の意味(225)
2 唯一の立法機関の意味(225)
第4節 選挙制度227
1 日本の選挙制度(227)
2 政党助成制度(227)
第5節 国会議員の地位228
1 国会議員の身分(228)
2 国会議員の歳費受給権(228)
3 国会議員の不逮捕特権(229)
4 国会議員の免責特権(229)
5 公開討論の要請(229)
第6節 会議の諸原則229
1 定 足 数(229)
2 表 決 数(230)
3 会議の公開(230)
4 一事不再議(230)
5 両院協議会(230)
6 国務大臣の出席(231)
第7節 議会制の変化と政党231
1 日本国憲法と政党(231)
2 政党の憲法的融合(232)
第8節 政党国家論233
1 議会制国家から政党国家へ(233)
2 無拘束委任の原則と政党国家(234)
3 議会と政党(235)
第2章 二 院 制236
第1節 はじめに一院制案があった236
第2節 松本大臣の二院制採用論237
第3節 貴族院の痕跡除去の参議院制239
第4節 総司令部と合作しての二院制原案240
第5節 憲法での衆議院優越の場合242
第6節 二院制での組織と権限との対応の通例244
第7節 衆議院と違う参議院づくり246
第8節 参議院職能代表制論の残影247
第9節 参議院の政党化の懸念と現実249
第3章 国会の活動252
第1節 会 期252
1 会期の種類(253)
2 会期制における諸原則(254)
3 開会・休会・閉会(255)
4 参議院の緊急集会(257)
第2節 会議の諸原則258
1 定足数・表決(258)
2 会議の公開(259)
第3節 議事手続260
1 議案の発議・提出(260)
2 委 員 会(261)
3 本 会 議(262)
4 両院の意思の調整と議案の成立(263)
第4節 議院の自律権264
1 憲法に定める自律権(264)
2 国会法と議院規則の関係(265)
第4章 国会の権限267
第1節 法律案の議決267
1 法律案の提出・発議(268)
2 審議と議決(269)
第2節 予算の議決271
1 予算の提出(272)
2 審議と議決(273)
3 予算と法律の不一致の問題(274)
第3節 条約締結の承認275
1 国会の承認を要する「条約」(275)
2 条約締結の承認の手続(275)
3 条約承認案の修正(275)
4 締結後に承認を得られなかった条約の効力(276)
第4節 内閣総理大臣の指名276
第5節 弾劾裁判所の設置権277
第6節 憲法改正の発議278
第7節 議院の国政調査権278
1 国政調査権行使の主体および方法(279)
2 国政調査権の性質(280)
3 国政調査権の範囲と限界(280)
第8節 その他の権限282
第5章 内閣・議院内閣制284
第1節 国政における内閣・行政権・議院内閣制284
第2節 明治憲法下の内閣制度285
第3節 内閣の組織と運営286
1 行政権の主体(286)
2 内閣の組織(287)
3 行政各部(288)
4 行政委員会(289)
5 内閣の運営(291)
第4節 内閣の権能――行政権292
1 「行政権」の概念(292)
2 一般国政上の権能(292)
3 その他の内閣の事務(295)
第5節 議院内閣制295
1 議院内閣制の起源(295)
2 議院内閣制の概念と「本質」(296)
3 わが国における議院内閣制の歴史(296)
4 議院内閣制論の展開(298)
第6章 財政と行政国家302
第1節 財政に関する憲法上の原則302
第2節 租税法律主義303
第3節 国費支出・債務負担に関する原則と特例306
第4節 予算制度に関する原則307
1 予算の作成(307)
2 予算の修正(309)
3 予備費制度(311)
4 予算不成立の場合(311)
第5節 決算制度に関する原則313
第6節 行政国家と規律政党314
1 行政国家(314)
2 政党の規律化(316)
第7章 司法権の独立318
第1節 司法権の概念318
1 司法と裁判(318)
2 英米法の系統と大陸法の系統(318)
第2節 我が国の司法権320
1 近代的司法の成立(320)
2 明治初期の司法制度(321)
3 明治後半の司法制度(322)
4 戦後の司法制度(322)
第3節 司法権の独立の意味323
1 司法権の独立と裁判官の独立(323)
2 権力分立論の背景(フランスの場合)(323)
3 権力分立論の背景(イギリスの場合)(324)
4 ロックの権力分立論(325)
5 モンテスキューの権力分立論(325)
6 裁判の役割(326)
第4節 戦前における司法権の独立327
1 明治初期の司法権独立の要請(327)
2 三審制の採用(327)
3 裁判官独立の要請(328)
4 大津事件(328)
第5節 現行憲法下の司法権の独立329
1 日本国憲法の成立(329)
2 裁判所法の制定(330)
第6節 司法権独立をめぐるできごと331
1 浦和事件(331)
2 吹田黙祷事件(332)
3 平賀書簡問題(332)
4 宮本判事補再任拒否事件(333)
第7節 む す び334
第8章 違憲審査制335
第1節 現行憲法の制度デザイン335
1 現行81条に至る経緯(335)
2 当初の81条解釈(336)
第2節 アメリカにおける違憲審査制度の成立とその運用337
1 違憲審査制度の成立(337)
2 ドレッド・スコット対サンフォード事件判決(340)
3 1937年判例変更まで(341)
4 ウォレンコート以降(342)
第3節 各国の違憲審査制度344
1 フランス(344)
2 ド イ ツ(345)
第4節 我が国の違憲審査制度とその運用346
1 付随的違憲審査制(346)
2 実際の運用(347)
3 条約の違憲審査(348)
4 違憲判決の効力(348)
5 現在までの法令違憲判決(349)
6 違憲審査権の範囲(350)
7 違憲審査の限界(352)
第9章 最高裁裁判官の国民審査制度353
第1節 裁判官の任用制度353
第2節 国民審査制度導入時の議論354
第3節 国民審査制度355
第4節 国民審査制度の運用356
第10章 地方自治:小規模(直接)民主政治、地方分権
359
第1節 小規模民主政治と地方自治359
1 民主主義の学校(359)
2 小規模デモクラシーの条件(359)
3 国と地方の関係(360)
第2節 明治憲法下における地方自治361
第3節 日本国憲法と地方自治362
第4節 地方自治の本旨363
1 地方自治の本旨の意味(363)
2 団体自治と住民自治(363)
3 地方自治を成り立たせる条件(364)
第5節 自治権の根拠365
1 固有権説と伝来説の対立(365)
2 制度的保障説(365)
3 新固有権説(366)
第6節 地方公共団体の組織366
1 地方公共団体の意味(366)
2 二 層 制(368)
3 都道府県と市町村の役割(368)
4 地方公共団体の組織(369)
第7節 条例制定権371
1 条例制定権の本質(371)
2 条例制定権の限界(371)
第8節 地方分権改革の展望373
1 行政の効率化(373)
2 動き始めた分権改革(374)
日本国憲法
大日本帝国憲法
索 引
はしがき
第1編 序 説1
第1章 日本国憲法を通して近代憲法の検討も3
第1節 近代憲法史一世紀後からの日本近代憲法史3
第2節 憲法の「制定」と憲法の「改正」(1)
――成文憲法と不文憲法5
第3節 憲法の「制定」と憲法の「改正」(2)
――全面的改正により憲法制定7
第4節 旧憲法断罪・新憲法絶賛の手法の落し穴に
気づくとき11
第5節 縦割りの憲法機構を統合した天皇の制度は明治で
終わった12
第6節 旧憲法意識による日本国憲法運用成功の問題提起16
第7節 日本国憲法の改正手続き19
第2編 総 説21
第1章 天 皇23
第1節 ポツダム宣言と「国体」変革をめぐる論争23
1 ポツダム宣言の受諾と「国体の護持」(23)
2 明治憲法下の「国体」の概念とその動揺(24)
3 金森徳次郎の「憧れの象徴論」(24)
4 佐々木惣一の「国体変更論」と和辻哲郎の
「文化的天皇論」(25)
5 宮沢俊義の「八月革命説」と尾高朝雄の「ノモス主権論」(26)
6 「国体」論争が残した課題(27)
第2節 日本国憲法成立過程における天皇制28
1 占領政策と天皇制の効用(28)
2 日本政府の「国体」への執着(29)
3 総司令部における天皇制構想(30)
4 総司令部案の手交とその後の政府案(31)
5 「新日本建設に関する詔書(人間宣言)」における天皇制(32)
第3節 象徴天皇制34
1 国民主権と共存する天皇制(34)
2 天皇の象徴機能の要件(35)
3 君主制憲法史における象徴天皇制(37)
4 現代象徴元首論の再構成(38)
5 象徴天皇の行為の新しい分類(39)
6 内奏制度による内閣助言制の活用(41)
第2章 第9条戦争の放棄の理念と日米安保体制による
補完の現実43
第1節 戦争の放棄の理念:敗戦と占領の現実を前に43
1 敗戦と占領(43) 2 『あたらしい憲法のはなし』(44)
第2節 戦争の放棄の前提:前文の国際社会像46
1 前文の国際社会像(46) 2 冷 戦(47)
第3節 占領下における戦争の放棄:ポツダム宣言の履行47
1 ポツダム宣言の要求(47)
2 制憲議会での政府の9条解釈(48)
3 占領下における憲法解釈(49)
4 朝鮮戦争と警察予備隊(50)
第4節 独立と日米安保体制:日米同盟下の再軍備51
1 独立と政府解釈の変化(51) 2 日米安保条約(52)
3 自衛隊の創設(53)
第5節 冷戦の終焉と国連協力:想定外の「名誉ある地位」
54
1 国際社会の変化(54)
2 自衛隊の国連協力(55)
第6節 集団的自衛権:国家固有の権利と憲法規定56
1 国連憲章と自衛権(56)
2 集団的自衛権と9条(57)
第3編 各 論59
第1部 人 権61
第1章 自由・独立の個人の権利と公共の福祉61
第1節 人権の永久不可侵性とその意義61
1 11条の沿革と意義(61)
2 12条の沿革と意義(62)
第2節 個人の尊重と幸福追求権64
1 13条前段と「個人の尊重」原理(65)
2 13条後段と幸福追求権の意味・内容(67)
第3節 「公共の福祉」論81
1 12条の「公共の福祉」の意義(81)
2 13条の「公共の福祉」の意義(82)
第2章 法の下の平等84
第1節 法の下の平等が強調されたフランス革命直後84
第2節 法の前の平等に見るキリスト教的契機85
第3節 一般意思の表明である法と「市民宗教」的神聖と87
第4節 成文「法の前の平等」観の定着89
第5節 「法の下の平等」―日本国憲法14条1項の場合
90
第6節 人権規定群における「法の下の平等」の位置92
第7節 人権発展史のきっかけになってきた「法の下の
平等」93
第8節 「法の下の平等」の自由国家的と社会国家的と94
第9節 14条1項後段の差別禁止の項目に焦点を
合わせて96
第10節 憲法14条1項後段での差別禁止が関わる
諸関係101
第11節 「法の下に平等」にとっての権利と義務のバランス
103
第3章 個人と権力の関係、そして参政権105
第1節 参 政 権105
1 選挙権・被選挙権(106)
2 選挙の原則(108)
3 選挙制度(110)
4 外国人の参政権(112)
第2節 請 願 権114
1 請願権の意味(114)
2 わが国における請願権の保障(114)
第3節 国家賠償請求権115
1 国家賠償請求権の意味(115)
2 わが国における国家賠償請求権の保障(116)
第4節 裁判を受ける権利117
1 裁判を受ける権利の意味(117)
2 わが国における裁判を受ける権利の保障(117)
第4章 自由権的人権120
第1節 内心の自由120
1 思想・良心の自由(120)
2 信教の自由(123)
3 政教分離の原則(126)
第2節 行動の自由136
1 表現の自由(21条)(136)
2 学問の自由(23条)(148)
3 婚姻の自由(24条)(151)
第5章 社会権的基本権154
第1節 社会権の誕生154
1 夜警国家から社会国家へ(154)
2 ワイマール憲法(155)
第2節 日本国憲法における社会権156
第3節 生 存 権157
1 戦後まもなくの頃(157)
2 生存権をめぐる判例の展開(159)
第4節 教 育 権161
1 憲法と教育権(161)
2 教育権をめぐる判例の展開(162)
第5節 勤 労 権164
1 勤労権の意義と性格(164)
2 勤労条件の法定(165)
3 児童酷使の禁止(166)
第6節 労働基本権166
1 労働基本権とは(166)
2 労働基本権をめぐる判例の展開(166)
第7節 環 境 権171
第8節 社会権の法的性格172
1 生存権の法的性格(172)
2 社会権の自由権的権利化(173)
3 「国策の指導原則」と社会権(174)
第6章 経済的自由176
第1節 経済的自由の位置づけ176
第2節 職業選択の自由177
1 規制の合憲性審査基準(177)
2 裁判所の役割と目的二分論(180)
3 目的二分論の限界と判例の動向(181)
第3節 居住・移転の自由183
1 海外渡航の自由(183)
2 国籍離脱の自由(184)
第4節 財 産 権184
1 規制の合憲性審査基準(185)
2 条例による規制(188)
3 財産権の制限と損失補償の要否(188)
4 正当な補償(191)
第7章 国民の義務192
第1節 日本国憲法における国民の義務192
1 明治憲法における国民の義務(192)
2 国民の権利と義務の関係(192)
3 一般的義務規定:権利を保持する責任と濫用の禁止(193)
第2節 教育を受けさせる義務193
1 教育を受けさせる義務の意味(193)
2 日本国憲法における教育を受けさせる義務(194)
3 教育を受けさせる義務の主体(194)
4 義務教育無償の意味(195)
5 教育権の所在からみた国家の義務(196)
第3節 勤労の義務197
1 日本国憲法での規定(197)
2 勤労の義務の意味(198)
第4節 納税の義務198
1 近代憲法における納税の義務の意義と由来(198)
2 租税の公平な負担と租税法律主義(199)
3 納税の義務の主体(199)
第5節 憲法の尊重擁護義務200
1 憲法の最高法規性と公務員の尊重擁護義務(200)
2 国民の憲法尊重擁護義務(201)
第8章 人身の自由203
第1節 人身の自由の意義203
1 意 義(203)
2 規定の特徴(203)
3 私人間効力(203)
第2節 日本国憲法における人身の自由の特徴204
1 条文上の構成(204)
2 類似する権利との関係(204)
3 侵害に対する救済手段(205)
第3節 合憲性判定基準205
第4節 行政手続への適用206
1 行政手続への適用(206)
第5節 人身の自由を具体化する諸規定206
1 奴隷的拘束および苦役からの自由(18条)(206)
2 法定手続の保障(31条)(209)
3 被疑者および被告人の権利(33~35条)(212)
4 不当な抑留・拘禁からの自由(34条)(214)
5 国選弁護人の依頼権(37条)(216)
6 住居等の不可侵(35条)(216)
第2部 統治機構221
第1章 国会の地位、代表議会制、政党制による変色
221
第1節 全国民の代表222
第2節 国権の最高機関222
第3節 唯一の立法機関225
1 「立法」の意味(225)
2 唯一の立法機関の意味(225)
第4節 選挙制度227
1 日本の選挙制度(227)
2 政党助成制度(227)
第5節 国会議員の地位228
1 国会議員の身分(228)
2 国会議員の歳費受給権(228)
3 国会議員の不逮捕特権(229)
4 国会議員の免責特権(229)
5 公開討論の要請(229)
第6節 会議の諸原則229
1 定 足 数(229)
2 表 決 数(230)
3 会議の公開(230)
4 一事不再議(230)
5 両院協議会(230)
6 国務大臣の出席(231)
第7節 議会制の変化と政党231
1 日本国憲法と政党(231)
2 政党の憲法的融合(232)
第8節 政党国家論233
1 議会制国家から政党国家へ(233)
2 無拘束委任の原則と政党国家(234)
3 議会と政党(235)
第2章 二 院 制236
第1節 はじめに一院制案があった236
第2節 松本大臣の二院制採用論237
第3節 貴族院の痕跡除去の参議院制239
第4節 総司令部と合作しての二院制原案240
第5節 憲法での衆議院優越の場合242
第6節 二院制での組織と権限との対応の通例244
第7節 衆議院と違う参議院づくり246
第8節 参議院職能代表制論の残影247
第9節 参議院の政党化の懸念と現実249
第3章 国会の活動252
第1節 会 期252
1 会期の種類(253)
2 会期制における諸原則(254)
3 開会・休会・閉会(255)
4 参議院の緊急集会(257)
第2節 会議の諸原則258
1 定足数・表決(258)
2 会議の公開(259)
第3節 議事手続260
1 議案の発議・提出(260)
2 委 員 会(261)
3 本 会 議(262)
4 両院の意思の調整と議案の成立(263)
第4節 議院の自律権264
1 憲法に定める自律権(264)
2 国会法と議院規則の関係(265)
第4章 国会の権限267
第1節 法律案の議決267
1 法律案の提出・発議(268)
2 審議と議決(269)
第2節 予算の議決271
1 予算の提出(272)
2 審議と議決(273)
3 予算と法律の不一致の問題(274)
第3節 条約締結の承認275
1 国会の承認を要する「条約」(275)
2 条約締結の承認の手続(275)
3 条約承認案の修正(275)
4 締結後に承認を得られなかった条約の効力(276)
第4節 内閣総理大臣の指名276
第5節 弾劾裁判所の設置権277
第6節 憲法改正の発議278
第7節 議院の国政調査権278
1 国政調査権行使の主体および方法(279)
2 国政調査権の性質(280)
3 国政調査権の範囲と限界(280)
第8節 その他の権限282
第5章 内閣・議院内閣制284
第1節 国政における内閣・行政権・議院内閣制284
第2節 明治憲法下の内閣制度285
第3節 内閣の組織と運営286
1 行政権の主体(286)
2 内閣の組織(287)
3 行政各部(288)
4 行政委員会(289)
5 内閣の運営(291)
第4節 内閣の権能――行政権292
1 「行政権」の概念(292)
2 一般国政上の権能(292)
3 その他の内閣の事務(295)
第5節 議院内閣制295
1 議院内閣制の起源(295)
2 議院内閣制の概念と「本質」(296)
3 わが国における議院内閣制の歴史(296)
4 議院内閣制論の展開(298)
第6章 財政と行政国家302
第1節 財政に関する憲法上の原則302
第2節 租税法律主義303
第3節 国費支出・債務負担に関する原則と特例306
第4節 予算制度に関する原則307
1 予算の作成(307)
2 予算の修正(309)
3 予備費制度(311)
4 予算不成立の場合(311)
第5節 決算制度に関する原則313
第6節 行政国家と規律政党314
1 行政国家(314)
2 政党の規律化(316)
第7章 司法権の独立318
第1節 司法権の概念318
1 司法と裁判(318)
2 英米法の系統と大陸法の系統(318)
第2節 我が国の司法権320
1 近代的司法の成立(320)
2 明治初期の司法制度(321)
3 明治後半の司法制度(322)
4 戦後の司法制度(322)
第3節 司法権の独立の意味323
1 司法権の独立と裁判官の独立(323)
2 権力分立論の背景(フランスの場合)(323)
3 権力分立論の背景(イギリスの場合)(324)
4 ロックの権力分立論(325)
5 モンテスキューの権力分立論(325)
6 裁判の役割(326)
第4節 戦前における司法権の独立327
1 明治初期の司法権独立の要請(327)
2 三審制の採用(327)
3 裁判官独立の要請(328)
4 大津事件(328)
第5節 現行憲法下の司法権の独立329
1 日本国憲法の成立(329)
2 裁判所法の制定(330)
第6節 司法権独立をめぐるできごと331
1 浦和事件(331)
2 吹田黙祷事件(332)
3 平賀書簡問題(332)
4 宮本判事補再任拒否事件(333)
第7節 む す び334
第8章 違憲審査制335
第1節 現行憲法の制度デザイン335
1 現行81条に至る経緯(335)
2 当初の81条解釈(336)
第2節 アメリカにおける違憲審査制度の成立とその運用337
1 違憲審査制度の成立(337)
2 ドレッド・スコット対サンフォード事件判決(340)
3 1937年判例変更まで(341)
4 ウォレンコート以降(342)
第3節 各国の違憲審査制度344
1 フランス(344)
2 ド イ ツ(345)
第4節 我が国の違憲審査制度とその運用346
1 付随的違憲審査制(346)
2 実際の運用(347)
3 条約の違憲審査(348)
4 違憲判決の効力(348)
5 現在までの法令違憲判決(349)
6 違憲審査権の範囲(350)
7 違憲審査の限界(352)
第9章 最高裁裁判官の国民審査制度353
第1節 裁判官の任用制度353
第2節 国民審査制度導入時の議論354
第3節 国民審査制度355
第4節 国民審査制度の運用356
第10章 地方自治:小規模(直接)民主政治、地方分権
359
第1節 小規模民主政治と地方自治359
1 民主主義の学校(359)
2 小規模デモクラシーの条件(359)
3 国と地方の関係(360)
第2節 明治憲法下における地方自治361
第3節 日本国憲法と地方自治362
第4節 地方自治の本旨363
1 地方自治の本旨の意味(363)
2 団体自治と住民自治(363)
3 地方自治を成り立たせる条件(364)
第5節 自治権の根拠365
1 固有権説と伝来説の対立(365)
2 制度的保障説(365)
3 新固有権説(366)
第6節 地方公共団体の組織366
1 地方公共団体の意味(366)
2 二 層 制(368)
3 都道府県と市町村の役割(368)
4 地方公共団体の組織(369)
第7節 条例制定権371
1 条例制定権の本質(371)
2 条例制定権の限界(371)
第8節 地方分権改革の展望373
1 行政の効率化(373)
2 動き始めた分権改革(374)
日本国憲法
大日本帝国憲法
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