国際刑事裁判所の研究

国際刑事裁判所の研究

国際刑法研究 11
森下 忠 著
定価:7,150円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2009年09月01日
  • 判型:
    A5版上製
  • ページ数:
    338頁
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内容紹介

目   次
はしがき
序章 ニュールンベルクからデン・ハーグまで…1
まえがき…1
第1節 ニュールンベルク裁判…2
1 裁判所の創設,構成,管轄犯罪…2
2 裁判に対する批判点…3
3 判決とその影響…4
〔Ⅰ〕 判  決(4)  〔Ⅱ〕 判決の影響(4)
第2節 東京裁判…5
1 管轄犯罪,裁判官…5
2 裁  判…6
第3節 アド・ホック法廷…8
Ⅰ 旧ユーゴ国際刑事法廷…9
1 国連安保理による設置…9
2 法的な問題点…10
Ⅱ ルワンダ国際刑事法廷…12
1 管轄犯罪,裁判官…12
2 裁  判…13
第4節 国際刑事裁判所…14
1 ローマ会議までの歩み…14
2 ローマ規程の採択…16
〔Ⅰ〕 ローマ会議の参加国など(16)  
〔Ⅱ〕 賛成,反対,棄権(17)  〔Ⅲ〕 署名,決議,発効(19)
3 日本の加入…19
第1章 ICCの法的地位と管轄権…21
第1節 ICCの法的地位と権限…21
第2節 ICCの管轄権…23
1 固有の管轄犯罪…23
2 裁判の運営に対する罪…24
〔Ⅰ〕 付随的犯罪としての性格(24)  〔Ⅱ〕 犯罪類型(25)  
〔Ⅲ〕 管轄権行使の原則と手続(26)  〔Ⅳ〕 刑  罰(27)  
〔Ⅴ〕 締約国における裁判権の拡大(27)
3 時を理由とする管轄権…28
〔Ⅰ〕 罪刑法定主義との関係(28)  
〔Ⅱ〕 遡及適用をめぐる問題(31)  
〔Ⅲ〕 発効後に批准または加入した国(32)
4 人を理由とする管轄権…33
〔Ⅰ〕 意  義(33)  〔Ⅱ〕 18歳未満の者の除外(34)  
〔Ⅲ〕 公的資格との非関連性(35)
5 真実和解委員会との生じうる管轄権の衝突…39
〔Ⅰ〕 真実和解委員会(39)  〔Ⅱ〕 生じうる管轄権の衝突(40)
第3節 管轄権行使の前提条件…42
1 はげしい議論の対象―規程12条…42
2 準備作業に現れた諸提案…44
〔Ⅰ〕 英国の提案(44)  〔Ⅱ〕 ドイツの提案(45)  
〔Ⅲ〕 韓国の提案(46)  〔Ⅳ〕 米国の提案(46)  
〔Ⅴ〕 事務局の妥協提案(47)
第4節 管轄権の行使…48
1 引き金のメカニズム…48
2 締約国による検察官への事態の付託…49
3 安保理による検察官への事態の付託…49
4 検察官による捜査の開始…50
5 結  び…51
第2章 補完性の原則…53
Ⅰ 創造された原則…53
Ⅱ アド・ホック法廷における優位性の問題…54
Ⅲ ローマ規程における補完性…55
Ⅳ 補完性の基準…56
Ⅴ 意思の欠如…57
〔Ⅰ〕 まえがき(57)  
〔Ⅱ〕 見せかけの裁判,インチキ執行(59)  
〔Ⅲ〕 不当な遅延(60)  〔Ⅳ〕 独立性と公正性との欠如(61)
Ⅵ 能力の欠如…62
Ⅶ アフリカにおける内戦…63
Ⅷ 解決すべき事件…64
Ⅸ 国際犯罪の国内訴追…65
Ⅹ 包括的責任追及制度…68
第3章 戦争犯罪…71
第1節 歴史的概観…71
1 国際人道法の概観…71
〔Ⅰ〕 第2次世界大戦までの歩み(71)  
〔Ⅱ〕 第2次大戦後の歩み(72)  〔Ⅲ〕 ICTYとICTR(74)
2 戦争犯罪の意義…75
〔Ⅰ〕 用語の多義性(75)  〔Ⅱ〕 国際人道法の基本原則(76)
第2節 ローマ規程における戦争犯罪…78
1 戦争犯罪の意義…78
2 戦争犯罪の類型…79
〔Ⅰ〕 規程8条1項の法意(79)  
〔Ⅱ〕 戦争犯罪のカテゴリー(79)  〔Ⅲ〕 第1のカテゴリー(80)  
〔Ⅳ〕 第2カテゴリー(81)  〔Ⅴ〕 第3カテゴリー(81)  
〔Ⅵ〕 第4カテゴリー(82)

3 武力紛争の意義と分類…83
〔Ⅰ〕 意 義(83)  〔Ⅱ〕 国際紛争と国内紛争(83)
第3節 戦争犯罪の類型の解説…84
1 まえがき…84
2 人に対する戦争犯罪…85
〔Ⅰ〕 被保護者(85)  
〔Ⅱ〕 殺 害(86)  
〔Ⅲ〕 非戦闘員の殺害および傷害(86)  
〔Ⅳ〕 虐待行為(87)  
〔Ⅴ〕 性暴力(90)  
〔Ⅵ〕 人間の尊厳に対する侵害(91)  
〔Ⅶ〕 敵対国の軍隊における強制的使役(92)  
〔Ⅷ〕 奴隷化(92)  
〔Ⅸ〕 正規の裁判を経ない処罰(93)  
〔Ⅹ〕 国際紛争における不法な追放,移送または監禁,
国内紛争における移住命令(94)  
〔XI〕 人質に取ること(95)  
〔XII〕 子ども兵士の使用(96)
3 財産その他の権利に対する戦争犯罪(侵奪罪)…96
4 特別に保護されている人および物に対する攻撃…97
5 禁止された戦闘手段の使用…98
6 あとがき…99
第4章 刑事手続の構造…101
第1節 当事者主義と職権主義…101
1 まえがき…101
2 公判前審理…102
3 公  判…104
第2節 ICCにおける手続構造…105
1 ハイブリッド法の誕生…105
2 ICTYにおけるハイブリッド法の誕生…107

3 刑事手続の基本構造…108
〔Ⅰ〕 まえがき(108)  
〔Ⅱ〕 予備尋問(108)  
〔Ⅲ〕 検察官(109)  〔Ⅳ〕 予審部における被疑事実の確認(110)  
〔Ⅴ〕 公  判(111)  〔Ⅵ〕 上  訴(112)
第5章 裁判所の構成と権限…113
第1節 裁判所の機関…113
1 まえがき…113
2 統括部…114
3 上訴部門,第一審部門,予審部門…115
4 書記局…115
5 弁護人の問題…116
第2節 裁 判 官…116
1 定員,選出…116
2 資格要件…117
3 独立性…117
4 公平性…118
第3節 検 察 官…119
1 検察局…119
2 捜査に関する義務と権限…120
〔Ⅰ〕 コモン・ロー制度とシヴィル・ロー制度との架橋(120)  
〔Ⅱ〕 検察官の責務(121)  〔Ⅲ〕 検察官の権限(122)
3 捜査活動の内容…123
4 捜査段階における人の権利…123
〔Ⅰ〕 捜査段階における人の意義(123)  
〔Ⅱ〕 第2次大戦後における人権保障規定(124)  
〔Ⅲ〕 ローマ規程55条(126)
第4節 予審部の役割…128
1 ICC予審制度の特色…128
2 検察官への捜査許可…129
3 付加的職務行為…130
4 捜査の機会における予審部の役割…130
5 予審部の職務と権限…131
〔Ⅰ〕 多数決による権限の行使(132)  
〔Ⅱ〕 単独裁判官による権限の行使(132)  〔Ⅲ〕 付加的職務(132)
6 逮捕状または召喚状の発付…134
7 逮捕の手続…135
〔Ⅰ〕 まえがき(135)  〔Ⅱ〕 所在国における逮捕手続(135)  
〔Ⅲ〕 仮逮捕(138)
第5節 予審部における手続…140
Ⅰ 予審構造の分析…140
1 まえがき…140
2 さまざまな予審の構造…141
Ⅱ ICCの予審構造…143
1 予審の二重構造…143
2 裁判所における冒頭手続…144
〔Ⅰ〕 権利等が告知されたことの確認(145)  
〔Ⅱ〕 保釈の請求(145)
3 公判前における被疑事実の確認…146
〔Ⅰ〕 証拠の開示(146)  
〔Ⅱ〕 確認の聴問(147)
第6章 第一審部における刑事手続…149
第1節 刑事手続の基本構造…149
1 コモン・ローとシヴィル・ロー…149
2 陪審制度に内在する問題点…150
3 ICCにおける陪審不採用…151
第2節 公判審理の基本的諸原則…153
Ⅰ ICCにおける適用法…153
Ⅱ 公開審理の原則…154
1 国際人権法の立場…154
2 公開審理…154
3 ローマ規程の立場…155
Ⅲ 口頭主義…157
Ⅳ 被告人の在廷の原則…158
1 国際人権法と比較法…158
2 規程63条(被告人の在廷)…158
Ⅴ 迅速裁判の原則…160
1 人権条約…160
2 ローマ規程…161
Ⅵ 無罪の推定の原則…161
1 国際人権法…161
2 ローマ規程66条…163
Ⅶ 武器対等の原則…165
1 武器対等の原則…165
2 英米法と大陸法…166
3 ローマ規程67条…167
第3節 証拠法則…168
1 国際刑事訴訟における証拠法則…168
2 違法に収集された証拠…170
3 ICC規程69条…172
〔Ⅰ〕 宣誓と証言(172)  〔Ⅱ〕 証拠の関連性と許容性(173)  
〔Ⅲ〕 秘密保持の特権(174)  
〔Ⅳ〕 違法収集証拠の証拠能力(174)  
〔Ⅴ〕 証拠の関連性または許容性についての決定(175)
第7章 判  決…177
第1節 有罪の自認についての手続…177
1 「有罪の自認」の意義…177
2 有罪の自認が有効とされるための要件…178
第2節 無罪の推定…180
Ⅰ 沿革的考察…180
Ⅱ ローマ規程66条…181
1 第66条第1項…181
2 第66条第2項(挙証責任)…182
3 合理的疑いの余地なきまでの証明…182
第3節 判決のための要件…184
1 裁判官の継続的出席…184
2 判決の対象範囲…184
3 原則としての一致,判決理由…185
第4節 刑の言渡し…187
第5節 適用されうる刑罰…188
1 適用されうる刑罰の限定…188
2 刑罰の種類…190
〔Ⅰ〕 主刑と付加刑(190)  〔Ⅱ〕 拘禁刑(190)  
〔Ⅲ〕 罰金と没収(191)
第6節 刑の量定…192
1 量刑で考慮される事情…192
2 未決勾留日数の本件への算入…193
3 複数判決と統合刑…194
第8章 上訴と再審…197
第1節 上  訴…197
Ⅰ まえがき…197
1 国際裁判における上訴…197
2 上訴手続という用語…198
Ⅱ 規程81条1項・2項…199
1 上訴の対象…199
2 上訴権者…199
3 上訴の理由…200
Ⅲ 規程81条3項・4項…202
第2節 再  審…203
1 まえがき…203
2 再審の理由…204
3 再審申立権者…206
4 再審の法的効果(規程84条2項)…206
第9章 手続関係人の権利と義務…209
第1節 捜査段階における人の権利…209
1 国際人権法の歩み…209
2 ローマ規程55条…211
第2節 被告人の権利…214
1 第2次大戦後における発展…214
2 ローマ規程における最小限保障…214
3 検察官の証拠開示義務…218
第3節 弁護人の役割…219
1 弁護人の任命と資格…219
2 弁護人の役割…220
3 特権と免責…220
4 捜査段階における弁護人の役割の拡大…221
第4節 刑事補償…223
1 まえがき…223
2 ローマ規程85条…223
3 解決すべき問題点…224
4 原状回復制度の提案…226

第10章 被害者と証人の保護…227
第1節 被害者の地位と役割…227
1 被害者の意義…227
〔Ⅰ〕 国際機関による定義(227)  〔Ⅱ〕 ローマ規程(228)
2 被害者の地位…229
〔Ⅰ〕 戦後における国際的歩み(229)  〔Ⅱ〕 ローマ規程(230)
第2節 被害者および証人の保護…230
1 アド・ホック法廷からICCへ…230
2 規程68条1項…231
〔Ⅰ〕 証人保護の一般原則(231)  〔Ⅱ〕 証人保護の措置(231)
3 被害者・証人課(VWU)…233
第3節 被害者の手続参加…235
1 まえがき…235
2 比較法的考察…236
3 ローマ規程…237
4 残された課題…238
第4節 被害者への賠償…239
1 まえがき…239
2 規程75条1項…240
3 賠償命令(規程75条2項)…241
4 規程75条6項…242
第5節 被害者のための信託基金…242
1 設立の趣旨…242
2 賠償金の査定と支払い…243
第11章 国際協力と司法共助…245
第1節 総  説…245
1 まえがき…245
2 協力体制の主要な形態…246
3 2つの法系における国際協力…248
第2節 協力の一般的義務…249
1 規程86条…249
2 締約国の一般的協力義務…250
3 非締約国による協力…251
〔Ⅰ〕 規程12条3項にもとづき管轄権を受諾する場合(251)  
〔Ⅱ〕 特別の取決め等にもとづく場合(251)  
〔Ⅲ〕 政府間機関による協力(252)
4 協力義務の履行…253
〔Ⅰ〕 協力のための国内法整備義務(253)  
〔Ⅱ〕 協力義務の限度(254)  
〔Ⅲ〕 不協力の場合における措置(255)
第3節 逮捕と引渡し…257
Ⅰ 逮  捕…257
Ⅱ 裁判所への人の引渡し…258
1 ICCへの引渡しの特殊性…258
2 用語の定義…259
〔Ⅰ〕 surrenderとextradition(259)  
〔Ⅱ〕 人(person)の意義(260)
3 伝統的な犯罪人引渡しの原則の修正…261
4 引渡請求の競合…263
〔Ⅰ〕 まえがき(263)  
〔Ⅱ〕 同一の行為に関する請求の競合(264)  
〔Ⅲ〕 異なる行為に関する引渡請求の競合(265)  
〔Ⅳ〕 請求国への引渡しを拒絶した場合(266)
5 裁判所への人の引渡し…266
〔Ⅰ〕 逮捕または引渡しの義務(266)  〔Ⅱ〕 通過護送(267)  
〔Ⅲ〕 異なる犯罪について被請求国において訴追中その他の場合(268)

第4節 司法共助…268
Ⅰ 総  説…268
1 他の形態の協力…268
〔Ⅰ〕 言葉の意義(268)  
〔Ⅱ〕 拡大する刑事司法共助の内容(269)  
〔Ⅲ〕 共助の一般的義務とその例外(271)
Ⅱ 規程93条1項の解釈…272
1 第1項の総説…272
〔Ⅰ〕 協力義務(272)  〔Ⅱ〕 共助の範囲(273)
2 各種の共助形態…273
3 安全行動の保障…275
4 被拘禁者の一時移送…276
5 文書と情報の秘密保持…277
6 締約国への協力と共助…278
7 請求の執行の延期…278
〔Ⅰ〕 進行中の捜査または訴追に関する場合(278)  
〔Ⅱ〕 受理許容性の異議に関する場合(279)
8 免責の放棄および引渡しの同意に関する協力…279
〔Ⅰ〕 まえがき(279)  〔Ⅱ〕 請求をすることの制限(280)
9 規程93条および96条にもとづく請求の実行…282
〔Ⅰ〕 消極的司法共助の導入(282)  
〔Ⅱ〕 要件の分析と解釈(283)
10 特定主義…285
〔Ⅰ〕 まえがき(285)  〔Ⅱ〕 適用の範囲(286)  
〔Ⅲ〕 特定主義の放棄(287)
第12章 刑の執行…289
第1節 執行をめぐる基本的課題…289
1 ICC判決の執行…289

2 執行国の役割…291
〔Ⅰ〕 ICC判決の法的地位(291)  〔Ⅱ〕 執行国の選択(291)  
〔Ⅲ〕 執行国の指定の変更(293)  〔Ⅳ〕 執行の期間(293)
第2節 執行の監督および監督の条件…295
1 処遇の基準…295
2 拘禁刑の条件…296
3 刑の執行終了後の移送…297
第3節 執行に関する特定主義…298
1 たての関係における特定主義…298
2 本人の同意…300
3 安全行動の保障期間の経過…300
第4節 罰金と没収の執行…301
1 国際的協力の歩み…301
2 規程109条…302
〔Ⅰ〕 執行義務(302)  〔Ⅱ〕 価値没収(302)  
〔Ⅲ〕 執行の条件(302)
 
索  引
外国語索引