自律と保護

自律と保護

憲法上の人権保障が意味するものをめぐって
西原博史 著
定価:5,060円(税込)
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  • 発行:
    2009年09月07日
  • 判型:
    A5版上製
  • ページ数:
    304頁
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内容紹介

目   次
 
 
序 1
 
1 構造転換の中で問われる憲法規範の役割
1 「憲法実現」と「決断としての枠」の狭間で 4
1 理論的反省と構造転換への対応(4)
2 憲法構造における政治部門と裁判所の位置(4)
3 公共の福祉・生存権理念・プログラム規定(7)
4 改革期における「憲法価値」による統合(10)
5 憲法を「使う」主体性の確立に向けて(14)
2 憲法構造における立法の位置づけと立法学の役割 17
1 立法:憲法「枠」秩序内の決断か、憲法実現か?(17)
2 立法を拘束する憲法原理(21)
 
2 「社会権」なるものを解釈する枠組を
めぐって
3 「社会権」理論の50年における「抽象的権利説」的
思考の功罪 28
1 問題としての社会国家のあり方(28)
2 労働基本権論における労働者個人の自由(32)
3 「国民の教育権」論における教育の受け手の権利と自由(43)
4 「生存権理念」の理念と現実(53)
5 規制緩和と個人の自律可能性(64)
4 生存権論の理論的課題と自己決定・社会的包摂・
潜在能力 67
1 「格差社会化」と空転する生存権論(67)
2 社会的排除の克服という視点と潜在能力アプローチ(70)
5 80年代ドイツ憲法学における給付請求権の理論 76
Ⅰ 序 論 76
1 問題の背景(76)
2 問題領域の限定(80)
Ⅱ 自由主義的基本権理解と基本権的給付請求権 83
1 法治国家と社会国家の対立―初期の社会的基本権否定論(83)
2 「現実的」自由―共通の前提の形成(85)
3 基本権的給付請求権否定論(89)
Ⅲ 基本権としての給付請求権 94
1 主観的請求権としての給付請求権―最低限度の保障(94)
2 「社会的基本権」肯定論(100)
3 社会国家的基本権理解(105)
4 大学入学定員判決(115)
Ⅳ 憲法委託としての社会的基本権 117
1 立法委託・プログラム規定・国家目標規定(117)
2 社会的基本権の客観法的意義(119)
Ⅴ 《自由vs. 制約》の構図と《立法により整形された自由》の構図
―結びに代えて 122

6 ドイツにおける社会国家的基本権解釈の源流 126
1 問題としての社会国家のあり方(126)
2 社会国家のアンビヴァレンツ
  ―ドイツの社会国家理解と自由(130)
3 統合と自由―スメントの基本権論(135)
4 社会国家における自由の理論的可能性―むすびに代えて(144)
 
3 「国家による人権保護」の道理と無理
7 国家の基本権保護義務論の意義と限界 150
Ⅰ 自由をめぐる問題状況 150
Ⅱ 私人間の「人権」保障と国家の保護義務? 156
1 「人権」が私人間で「適用」される意味(156)
2 個人の人権を保護する国家の義務(163)
3 少数派の自由にこだわる(170)
Ⅲ 基本権保護義務論と基本的人権の法律による実現について 173
1 保護義務論の核心としての立法義務をめぐる評価(173)
2 問題としての「価値秩序としての基本権」(175)
Ⅳ 国家の社会契約論的な存在理由と人権の保障 183
1 人権の前国家性と社会契約論における「基本的権利の実現」(183)
2 「国民一般の権利」による基本権の相対化
  ―伝統理論の桎梏(187)
3 政治的課題としての「基本権保護義務」の実現(192)
8 「公共の福祉」の理論における人権観念と
人間像 196
1 社会的法治国家のパターナリズム(196)
2 「経済的自由権」対「生存権」(198)
3 公共の福祉論における「生存権理念」(207)
4 コミュニケイション的法治国家における「人権制約」(213)
5 コミュニケイション的法治国家における個人
  ―残された課題(220)
 
4 立憲主義の概念と憲法の守ろうとするもの
9 「国家を縛るルール」から「国民支配のための道具」へ? 222
1 改憲論の目指すもの(222)
2 価値観の一元化に向けた危険(227)
10 立憲主義において国家を縛るもの 235
1 現代憲法学における近代立憲主義モデルの意義(235)
2 コンセンサスとしての憲法と違憲審査制(239)
3 憲法解釈と先行する憲法規範の存在問題(240)
4 決断の対象としての立憲主義モデル(247)
あとがき 251
初出一覧 254
参考文献一覧 255