アジア法叢書29
中国における違憲審査制の歴史と課題
大法官憲法解釈制度を中心として牟 憲魁 著
定価:5,500円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2009年11月10日
-
判型:
A5版上製 -
ページ数:
272頁
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内容紹介
目 次
はしがき
序 章 違憲審査制と中国立憲主義の過去・現在・未来 1
一 違憲審査制の意義と課題…1
(一) 違憲審査制の意義と仕組み…1
(二) 違憲審査制導入のアプローチと司法制度の課題…4
(三) 民主主義への移行期における違憲審査制の機能とあり方…11
二 本研究の目的と構成…16
(一) 本研究の背景…16
(二) 問題意識…20
(三) 本研究の構成…23
第1章 近代中国における大法官憲法解釈制度の形成
―憲法解釈の可能性をめぐる司法制度史的研究― 27
一 はじめに…27
二 北京政府時代における司法権と憲法解釈の可能性…28
(一) 大理院体制の成立経緯…28
1 近代的司法制度の導入 (28)
2 大陸型司法制度の確立 (29)
3 憲法制定作業の挫折 (30)
(二) 大理院の役割及び大理院体制の問題性…32
1 大理院の役割 (32)
2 法令統一解釈制度の特徴 (33)
3 司法権の独立をめぐる問題点 (34)
(三) 司法権をめぐる制憲構想…36
1 司法権の範囲 (36)
2 司法の観念 (40)
(四) 司法による憲法解釈の可能性…41
1 憲法解釈制度にみる司法制度の課題 (41)
2 大理院の憲法解釈の法的性格 (43)
三 国民政府時代における司法権と憲法解釈の可能性…44
(一) 司法院体制の成立経緯…44
1 国民政府の大理院 (44)
2 国民政府の最高法院 (45)
3 国民政府の司法院 (46)
4 訓政時期約法の制定 (46)
5 五権憲法の起草 (47)
(二) 司法院の役割及び司法院体制の問題性…48
1 司法院の役割 (48)
2 法令統一解釈制度の特徴 (50)
3 司法権の独立をめぐる問題点 (52)
(三) 司法権をめぐる制憲構想…54
1 司法権の範囲 (54)
2 司法の観念 (59)
(四) 司法による憲法解釈の可能性…60
1 憲法解釈制度にみる司法制度の課題 (60)
2 最高法院及び司法院の憲法解釈の法的性格 (61)
3 司法による憲法解釈の成立可能性 (63)
四 1946年憲法における司法権と大法官憲法解釈制度の成立…64
(一) 憲法にみる司法院と大法官憲法解釈制度…65
1 政協憲法草案の形成 (65)
2 中華民国憲法の制定 (67)
(二) 司法院組織法にみる司法院と大法官憲法解釈制度…70
(三) 大法官憲法解釈制度の出発と到達点…71
1 大法官の就任 (71)
2 大法官会議規則の制定 (73)
3 大法官の憲法解釈 (74)
五 小 括…76
第2章 台湾における大法官憲法解釈制度50年の軌跡
(1952?2003) 79
一 はじめに…79
二 憲法解釈制度の萎縮期(1952年?1976年)…81
(一) 大法官会議規則の修正…81
(二) 司法院組織法の修正と大法官会議法の制定…82
1 「国会」解釈事件の紛争と司法院組織法の修正 (82)
2 大法官会議法の制定 (84)
(三) 大法官解釈による憲法解釈制度の展開…86
1 補充解釈制度の確立 (87)
2 憲法精神に対する憲法解釈 (88)
(四) 憲法解釈権の運用…90
1 違憲審査制の萎縮 (90)
2 大法官の役割 (94)
三 憲法解釈制度の復権期(1976年?1993年)…97
(一) 大法官解釈による憲法解釈制度の展開…97
1 人民の違憲審査申請適格の緩和 (97)
2 大法官解釈の効力の補充 (102)
(二) 大法官会議法修正の動きとその方向…107
1 司法院の大法官会議法修正草案の形成背景 (107)
2 司法院の大法官会議法修正作業の方向 (108)
3 大法官会議法施行細則の修正と不同意見書制度の変革 (111)
(三) 憲法解釈権の運用…112
1 違憲審査制の復権 (112)
2 大法官の役割 (114)
四 憲法解釈制度の転換期(1993年以降)…118
(一) 大法官審理案件法の制定と憲法裁判の試み…118
1 政党違憲裁判権の付与 (118)
2 大法官審理案件法の制定とその内容 (119)
3 憲法法廷の設立と憲法裁判の試み (122)
(二) 大法官解釈による憲法解釈制度の展開…124
1 下級裁判官に対する違憲審査申請権の付与 (124)
2 人民の違憲審査申請適格の緩和 (125)
3 被告人の違憲審査申請権の容認 (129)
(三) 憲法解釈権の運用…130
1 違憲審査の積極性 (130)
2 大法官の役割 (133)
(四) 大法官審理案件法修正の動きとその方向…139
1 法改正の最初方向と第一次草案の修正要旨 (139)
2 司法院の裁判機関化と第二次草案の修正要旨 (141)
五 小 括…145
第3章 台湾における大法官憲法解釈制度の性格 147
一 はじめに…147
二 憲法解釈権の内部構造…148
(一) 憲法解釈権の枠組み…148
1 大法官の権限 (148)
2 憲法解釈権の枠組み (151)
(二) 憲法解釈の類型分析…152
1 憲法疑義解釈 (152)
2 職権争議解釈 (154)
3 抽象的違憲審査 (156)
4 付随的違憲審査 (158)
5 終審裁判後の違憲審査 (159)
(三) 内部構造の特徴…161
三 憲法解釈権の外部構造…162
(一) 憲法解釈権の位置づけ…162
(二) 司法権の構造(20世紀後半)…164
1 司法院体制の変遷 (164)
2 司法行政権を含む司法の概念 (167)
(三) 司法院体制の問題性…169
(四) 司法院の定位をめぐる動向…171
1 憲法裁判所制度への変容 (171)
2 司法行政問題と憲法原意問題の提出 (171)
3 司法改革会議の結論に示された課題 (173)
四 大法官憲法解釈制度の性格…175
(一) 違憲審査制の性格…175
(二) 大法官憲法解釈制度の性格…176
(三) 憲法解釈制度の性格の歴史性…178
五 小 括…180
第4章 台湾における大法官憲法解釈制度のあり方
―学説論議と法改正草案を踏まえて― 182
一 はじめに…182
二 司法院改革のアプローチと大法官の憲法法廷化…184
(一) 司法院のあり方をめぐる学説論議…184
1 「制憲の本旨」の捉え方 (184)
2 司法行政権をめぐる論争 (187)
(二) 司法院の裁判機関化のアプローチ…190
1 司法院の法改正草案 (190)
2 立法委員連名の法改正草案 (191)
(三) 大法官の憲法法廷化…192
三 大法官の憲法法廷化と憲法解釈制度の改善方向…193
(一) 憲法解釈権から憲法裁判権への転換…194
1 憲法解釈の裁判化 (194)
2 憲法疑義解釈制度の廃止 (194)
3 職権争議解釈の裁判化 (195)
4 立法委員の違憲審査申請権 (196)
5 裁判官の違憲立法審査申請権 (198)
(二) 人権救済機能の効率化問題…198
1 現制度の問題性 (198)
2 人権救済措置の比較 (199)
3 司法院の改革方向との関連性 (200)
四 付随的違憲審査制導入の可能性…201
(一) 「一元単軌」の最終目標と付随的違憲審査制の導入…201
(二) 付随的違憲審査制の導入をめぐる学説論議…202
1 通常裁判官の違憲審査権に関する従来の論議 (202)
2 司法改革会議を契機とする違憲審査制論争 (207)
(三) 日本における憲法訴訟制度論とその示唆…213
1 「日本の経験」に対する警戒感 (213)
2 憲法裁判所設置論の提出とその背景 (214)
3 憲法裁判所制度の導入に関する批判的な論議 (217)
4 「第三の類型」を探る意義とそれにかかわる課題 (221)
(四) 付随的違憲審査制導入の可能性とその展望…225
1 付随的違憲審査制導入の意義 (226)
2 司法制度のあり方 (227)
3 付随的違憲審査制導入の展望 (231)
五 小 括…233
終 章 中国違憲審査制度史からの示唆と展望 236
一 本研究のまとめ…236
(一) 大法官憲法解釈制度の性格…236
(二) 「近代型」司法制度の現代化…237
(三) 大法官憲法解釈制度の機能…239
二 中国大陸における「憲法の司法化」の現実と展望…240
(一) 司法の現実問題と行政型司法の傾向…240
(二) 「憲法の司法化」の展望…243
参考文献…247
あとがき…255
事項索引…257
図表目次
図1 各期大法官の解釈数の推移 91
図2 各期大法官の憲法解釈の内訳 91
図3 申請数の推移 113
図4 公布された大法官解釈の申請者 113
図5 大法官の権限と憲法解釈権の枠組み 152
図6 司法院行政組織システム 165
表1 司法院と憲法解釈制度に関する国民政府憲法草案規定の推移 57
表2 司法院に関する規定の比較 67
表3 大法官憲法解釈制度の時期区分 81
表4 司法院の定位に関する諸提案 174
表5 司法院改革の計画 183
表6 人権救済措置の比較 199
はしがき
序 章 違憲審査制と中国立憲主義の過去・現在・未来 1
一 違憲審査制の意義と課題…1
(一) 違憲審査制の意義と仕組み…1
(二) 違憲審査制導入のアプローチと司法制度の課題…4
(三) 民主主義への移行期における違憲審査制の機能とあり方…11
二 本研究の目的と構成…16
(一) 本研究の背景…16
(二) 問題意識…20
(三) 本研究の構成…23
第1章 近代中国における大法官憲法解釈制度の形成
―憲法解釈の可能性をめぐる司法制度史的研究― 27
一 はじめに…27
二 北京政府時代における司法権と憲法解釈の可能性…28
(一) 大理院体制の成立経緯…28
1 近代的司法制度の導入 (28)
2 大陸型司法制度の確立 (29)
3 憲法制定作業の挫折 (30)
(二) 大理院の役割及び大理院体制の問題性…32
1 大理院の役割 (32)
2 法令統一解釈制度の特徴 (33)
3 司法権の独立をめぐる問題点 (34)
(三) 司法権をめぐる制憲構想…36
1 司法権の範囲 (36)
2 司法の観念 (40)
(四) 司法による憲法解釈の可能性…41
1 憲法解釈制度にみる司法制度の課題 (41)
2 大理院の憲法解釈の法的性格 (43)
三 国民政府時代における司法権と憲法解釈の可能性…44
(一) 司法院体制の成立経緯…44
1 国民政府の大理院 (44)
2 国民政府の最高法院 (45)
3 国民政府の司法院 (46)
4 訓政時期約法の制定 (46)
5 五権憲法の起草 (47)
(二) 司法院の役割及び司法院体制の問題性…48
1 司法院の役割 (48)
2 法令統一解釈制度の特徴 (50)
3 司法権の独立をめぐる問題点 (52)
(三) 司法権をめぐる制憲構想…54
1 司法権の範囲 (54)
2 司法の観念 (59)
(四) 司法による憲法解釈の可能性…60
1 憲法解釈制度にみる司法制度の課題 (60)
2 最高法院及び司法院の憲法解釈の法的性格 (61)
3 司法による憲法解釈の成立可能性 (63)
四 1946年憲法における司法権と大法官憲法解釈制度の成立…64
(一) 憲法にみる司法院と大法官憲法解釈制度…65
1 政協憲法草案の形成 (65)
2 中華民国憲法の制定 (67)
(二) 司法院組織法にみる司法院と大法官憲法解釈制度…70
(三) 大法官憲法解釈制度の出発と到達点…71
1 大法官の就任 (71)
2 大法官会議規則の制定 (73)
3 大法官の憲法解釈 (74)
五 小 括…76
第2章 台湾における大法官憲法解釈制度50年の軌跡
(1952?2003) 79
一 はじめに…79
二 憲法解釈制度の萎縮期(1952年?1976年)…81
(一) 大法官会議規則の修正…81
(二) 司法院組織法の修正と大法官会議法の制定…82
1 「国会」解釈事件の紛争と司法院組織法の修正 (82)
2 大法官会議法の制定 (84)
(三) 大法官解釈による憲法解釈制度の展開…86
1 補充解釈制度の確立 (87)
2 憲法精神に対する憲法解釈 (88)
(四) 憲法解釈権の運用…90
1 違憲審査制の萎縮 (90)
2 大法官の役割 (94)
三 憲法解釈制度の復権期(1976年?1993年)…97
(一) 大法官解釈による憲法解釈制度の展開…97
1 人民の違憲審査申請適格の緩和 (97)
2 大法官解釈の効力の補充 (102)
(二) 大法官会議法修正の動きとその方向…107
1 司法院の大法官会議法修正草案の形成背景 (107)
2 司法院の大法官会議法修正作業の方向 (108)
3 大法官会議法施行細則の修正と不同意見書制度の変革 (111)
(三) 憲法解釈権の運用…112
1 違憲審査制の復権 (112)
2 大法官の役割 (114)
四 憲法解釈制度の転換期(1993年以降)…118
(一) 大法官審理案件法の制定と憲法裁判の試み…118
1 政党違憲裁判権の付与 (118)
2 大法官審理案件法の制定とその内容 (119)
3 憲法法廷の設立と憲法裁判の試み (122)
(二) 大法官解釈による憲法解釈制度の展開…124
1 下級裁判官に対する違憲審査申請権の付与 (124)
2 人民の違憲審査申請適格の緩和 (125)
3 被告人の違憲審査申請権の容認 (129)
(三) 憲法解釈権の運用…130
1 違憲審査の積極性 (130)
2 大法官の役割 (133)
(四) 大法官審理案件法修正の動きとその方向…139
1 法改正の最初方向と第一次草案の修正要旨 (139)
2 司法院の裁判機関化と第二次草案の修正要旨 (141)
五 小 括…145
第3章 台湾における大法官憲法解釈制度の性格 147
一 はじめに…147
二 憲法解釈権の内部構造…148
(一) 憲法解釈権の枠組み…148
1 大法官の権限 (148)
2 憲法解釈権の枠組み (151)
(二) 憲法解釈の類型分析…152
1 憲法疑義解釈 (152)
2 職権争議解釈 (154)
3 抽象的違憲審査 (156)
4 付随的違憲審査 (158)
5 終審裁判後の違憲審査 (159)
(三) 内部構造の特徴…161
三 憲法解釈権の外部構造…162
(一) 憲法解釈権の位置づけ…162
(二) 司法権の構造(20世紀後半)…164
1 司法院体制の変遷 (164)
2 司法行政権を含む司法の概念 (167)
(三) 司法院体制の問題性…169
(四) 司法院の定位をめぐる動向…171
1 憲法裁判所制度への変容 (171)
2 司法行政問題と憲法原意問題の提出 (171)
3 司法改革会議の結論に示された課題 (173)
四 大法官憲法解釈制度の性格…175
(一) 違憲審査制の性格…175
(二) 大法官憲法解釈制度の性格…176
(三) 憲法解釈制度の性格の歴史性…178
五 小 括…180
第4章 台湾における大法官憲法解釈制度のあり方
―学説論議と法改正草案を踏まえて― 182
一 はじめに…182
二 司法院改革のアプローチと大法官の憲法法廷化…184
(一) 司法院のあり方をめぐる学説論議…184
1 「制憲の本旨」の捉え方 (184)
2 司法行政権をめぐる論争 (187)
(二) 司法院の裁判機関化のアプローチ…190
1 司法院の法改正草案 (190)
2 立法委員連名の法改正草案 (191)
(三) 大法官の憲法法廷化…192
三 大法官の憲法法廷化と憲法解釈制度の改善方向…193
(一) 憲法解釈権から憲法裁判権への転換…194
1 憲法解釈の裁判化 (194)
2 憲法疑義解釈制度の廃止 (194)
3 職権争議解釈の裁判化 (195)
4 立法委員の違憲審査申請権 (196)
5 裁判官の違憲立法審査申請権 (198)
(二) 人権救済機能の効率化問題…198
1 現制度の問題性 (198)
2 人権救済措置の比較 (199)
3 司法院の改革方向との関連性 (200)
四 付随的違憲審査制導入の可能性…201
(一) 「一元単軌」の最終目標と付随的違憲審査制の導入…201
(二) 付随的違憲審査制の導入をめぐる学説論議…202
1 通常裁判官の違憲審査権に関する従来の論議 (202)
2 司法改革会議を契機とする違憲審査制論争 (207)
(三) 日本における憲法訴訟制度論とその示唆…213
1 「日本の経験」に対する警戒感 (213)
2 憲法裁判所設置論の提出とその背景 (214)
3 憲法裁判所制度の導入に関する批判的な論議 (217)
4 「第三の類型」を探る意義とそれにかかわる課題 (221)
(四) 付随的違憲審査制導入の可能性とその展望…225
1 付随的違憲審査制導入の意義 (226)
2 司法制度のあり方 (227)
3 付随的違憲審査制導入の展望 (231)
五 小 括…233
終 章 中国違憲審査制度史からの示唆と展望 236
一 本研究のまとめ…236
(一) 大法官憲法解釈制度の性格…236
(二) 「近代型」司法制度の現代化…237
(三) 大法官憲法解釈制度の機能…239
二 中国大陸における「憲法の司法化」の現実と展望…240
(一) 司法の現実問題と行政型司法の傾向…240
(二) 「憲法の司法化」の展望…243
参考文献…247
あとがき…255
事項索引…257
図表目次
図1 各期大法官の解釈数の推移 91
図2 各期大法官の憲法解釈の内訳 91
図3 申請数の推移 113
図4 公布された大法官解釈の申請者 113
図5 大法官の権限と憲法解釈権の枠組み 152
図6 司法院行政組織システム 165
表1 司法院と憲法解釈制度に関する国民政府憲法草案規定の推移 57
表2 司法院に関する規定の比較 67
表3 大法官憲法解釈制度の時期区分 81
表4 司法院の定位に関する諸提案 174
表5 司法院改革の計画 183
表6 人権救済措置の比較 199