熊本大学法学会叢書9
紛争解決システムの新展開
吉田 勇 編著
定価:5,830円(税込)-
在庫:
在庫があります -
発行:
2009年11月20日
-
判型:
A5版上製 -
ページ数:
328頁 -
ISBN:
978-4-7923-8062-5
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内容紹介
目 次
はしがき
第1部 紛争解決システムと日常世界
第1章 司法制度改革とADRの可能性
―日常世界と法の世界の架橋を求めて―…吉田 勇…2
はじめに…2
Ⅰ 司法制度改革と「法の支配」…4
1.「法の支配」の現代的再定義…5
2.「意見書」にみる「法の支配」と日常世界…11
Ⅱ ADRの制度理念…15
1.「意見書」におけるADR…15
2.ADRの制度理念と公共型ADRの可能性…17
おわりに…26
第2章 対話促進型調停の制度化可能性…吉田 勇…28
はじめに…28
Ⅰ 対話促進型調停の類型的位置…29
Ⅱ 家事調停における対話促進型調停の試み…32
1.家事調停における当事者主体型調停論…32
2.同席方式による調停への変換可能性…41
Ⅲ 対話促進型調停の制度化…44
1.対話促進型調停を定着させる二つの試み…44
2.対話促進型調停における法的情報ニーズへの応答可能性…49
3.裁判所における調停の制度的再編成の可能性…52
おわりに…57
第3章 紛争と日常のはざま
―アジア・アフリカ社会の事例から―…若曽根健治…61
はじめに…61
Ⅰ アジアの社会から…65
1.スリランカ ハリヤッダ村について―「謗語」事件とその放置…65
2.ボルネオ島北東部マレーシア領サバ州のルングス族および
ムルット族について―「熱冷観念」と賠償…68
3.フィリピン・ミンドロ島山岳民マンヤンの一種族ハヌノオ・
マンヤンについて―会食の場としての裁判…73
Ⅱ アフリカの社会から…78
1.エチオピア ボディ族について―ウシの死…80
2.スーダン ナーリム族について―ウシの分配…89
むすび…94
第4章 裁判を受ける権利の再構成
―犯罪被害者の権利を中心にして―…山本悦夫…97
はじめに…97
Ⅰ 被害者の裁判を受ける権利の伝統的理解…98
1.明治憲法における裁判を受ける権利…98
2.日本国憲法32条の裁判を受ける権利…101
3.犯罪被害者の起訴請求権をめぐる判決…103
Ⅱ 犯罪被害者の保護制度の展開…108
1.犯罪被害者の保護の嚆矢…108
2.犯罪被害者保護二法の制定…109
3.犯罪被害者等基本法の制定…112
4.犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法の一部を
改正する法律…116
Ⅲ 刑事事件における裁判を受ける権利…117
1.裁判を受ける権利の3つのフェーズ…117
2.刑事事件における裁判を受ける権利…119
おわりに…126
第2部 紛争解決システムの諸相
第5章 行政型ADRとしての自治体紛争解決システムの
意義と課題
―「中高層建築物の建築に係る紛争の予防・調整条例」を
中心にして―…中川義朗…130
はじめに―考察の視点…130
Ⅰ 行政紛争解決としての「調整型」手法の意義とその拡大…133
Ⅱ 地域まちづくり行政における紛争解決の手法とその特徴…140
Ⅲ 「調整型」紛争解決システムの法的意義と問題点…153
むすびに代えて―地方分権下の紛争解決手続の課題…159
第6章 税法における裁判外の権利救済手続
―行政不服審査法改正に伴う国税不服審査制度の改正に向けて―
…山崎広道…165
はじめに…165
Ⅰ 行政不服審査制度改正の機運と国税不服審査制度改正の要望
…166
1.行政不服審査制度改正の機運…166
2.国税不服審査制度改正の要望…168
Ⅱ 国税不服審査制度に関連する行政不服審査法の改正点…171
1.不服申立ての種類の一元化…172
2.審査請求期間の延長…174
3.標準審理期間の設定…175
4.審理員…176
5.審理手続の充実…177
6.証拠書類の閲覧…179
7.第三者機関の審理への関与の明確化…180
8.再調査請求の手続…182
Ⅲ 行政不服審査制度改正と国税不服審査制度の改善点…182
1.不服申立ての種類の一元化・審理の一段階化…183
2.審査請求期間の延長…186
3.標準審理期間の設定…186
4.審理員国税不服審判官の任用に関する基準の策定…187
5.審理手続きの充実…188
6.証拠書類等の閲覧,謄写…190
7.第三者機関の審理への関与の明確化…191
Ⅳ 国税不服審査制度に関するその他の事項の改革の方向性…193
1.義務付け裁決…193
2.理由附記の実現…195
3.一定の処分を求める申出…196
おわりに…197
第7章 熊本成年後見センターの設立構想について
…小野義美…199
はじめに…199
Ⅰ 全国の実践例の検討…200
1.多摩南部成年後見センター(愛称:ほっとす)…200
2.杉並区成年後見センター…203
3.北九州成年後見センター(愛称:みると)…205
4.品川成年後見センター…207
5.出雲成年後見センター…209
6.既存成年後見センターの特徴…210
Ⅱ 熊本成年後見センターの設立構想…213
1.組織形態…213
2.事業内容…215
3.運営体制…217
おわりに…218
第8章 倒産処理における法的および非法的紛争解決システムの
連携とその限界…水元宏典…220
はじめに…220
Ⅰ 倒産処理における法的紛争解決システム
―裁判上の倒産手続―の概観…220
Ⅱ 倒産処理における非法的紛争解決システム
―裁判外の倒産処理―の展開…221
1.私的整理と倒産ADRの区別…221
2.私的整理…221
3.私的整理に関するガイドラインと立法…222
4.倒産ADR…224
Ⅲ 裁判外の倒産処理の整備拡充とその背景…226
Ⅳ 裁判外の倒産処理から裁判上の倒産手続への移行と
その連続性…228
1.連続性の確保と限界―総論…228
2.各論的検討…229
おわりに…234
第9章 「内向きの企業防衛」としての小規模非公開会社の
機関設計と株主の処遇…若色敦子…235
Ⅰ 小規模非公開株式会社の選択肢…235
Ⅱ 業務執行機関の設計…236
1.機関設計の留意点…236
2.定款による機関設計…238
Ⅲ 株式設計と株主対策…242
1.課題…242
2.株式設計等の準則と設計プラン…243
3.株主の処遇をめぐるその他の問題…250
おわりに…251
第10章 国際紛争の管理及び転換に関する考察…林 一郎…252
はじめに…252
Ⅰ 紛争とは何か,dispute and conflict…256
Ⅱ 紛争の処理と解決,settlement and resolution…261
Ⅲ 国際紛争の管理と転換…264
1.管理(management)…264
2.転換(transformation)…266
おわりに…270
第11章 中国における調停制度改革及び多元的紛争解決
システムの整備
―上海の「大調停」メカニズムを中心に―…葉 陵陵…273
はじめに…274
Ⅰ 中国における調停制度改革の新展開…276
Ⅱ 「大調停」メカニズムの実践と「上海モデル」…291
1.法院調停の「社会化」…292
2.人民調停機構の「専門化」…299
3.人民調停員の「専従化」…303
4.調停手続の「規範化」…305
Ⅲ 「大調停」改革の特徴及び課題…308
おわりに…312
はしがき
第1部 紛争解決システムと日常世界
第1章 司法制度改革とADRの可能性
―日常世界と法の世界の架橋を求めて―…吉田 勇…2
はじめに…2
Ⅰ 司法制度改革と「法の支配」…4
1.「法の支配」の現代的再定義…5
2.「意見書」にみる「法の支配」と日常世界…11
Ⅱ ADRの制度理念…15
1.「意見書」におけるADR…15
2.ADRの制度理念と公共型ADRの可能性…17
おわりに…26
第2章 対話促進型調停の制度化可能性…吉田 勇…28
はじめに…28
Ⅰ 対話促進型調停の類型的位置…29
Ⅱ 家事調停における対話促進型調停の試み…32
1.家事調停における当事者主体型調停論…32
2.同席方式による調停への変換可能性…41
Ⅲ 対話促進型調停の制度化…44
1.対話促進型調停を定着させる二つの試み…44
2.対話促進型調停における法的情報ニーズへの応答可能性…49
3.裁判所における調停の制度的再編成の可能性…52
おわりに…57
第3章 紛争と日常のはざま
―アジア・アフリカ社会の事例から―…若曽根健治…61
はじめに…61
Ⅰ アジアの社会から…65
1.スリランカ ハリヤッダ村について―「謗語」事件とその放置…65
2.ボルネオ島北東部マレーシア領サバ州のルングス族および
ムルット族について―「熱冷観念」と賠償…68
3.フィリピン・ミンドロ島山岳民マンヤンの一種族ハヌノオ・
マンヤンについて―会食の場としての裁判…73
Ⅱ アフリカの社会から…78
1.エチオピア ボディ族について―ウシの死…80
2.スーダン ナーリム族について―ウシの分配…89
むすび…94
第4章 裁判を受ける権利の再構成
―犯罪被害者の権利を中心にして―…山本悦夫…97
はじめに…97
Ⅰ 被害者の裁判を受ける権利の伝統的理解…98
1.明治憲法における裁判を受ける権利…98
2.日本国憲法32条の裁判を受ける権利…101
3.犯罪被害者の起訴請求権をめぐる判決…103
Ⅱ 犯罪被害者の保護制度の展開…108
1.犯罪被害者の保護の嚆矢…108
2.犯罪被害者保護二法の制定…109
3.犯罪被害者等基本法の制定…112
4.犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法の一部を
改正する法律…116
Ⅲ 刑事事件における裁判を受ける権利…117
1.裁判を受ける権利の3つのフェーズ…117
2.刑事事件における裁判を受ける権利…119
おわりに…126
第2部 紛争解決システムの諸相
第5章 行政型ADRとしての自治体紛争解決システムの
意義と課題
―「中高層建築物の建築に係る紛争の予防・調整条例」を
中心にして―…中川義朗…130
はじめに―考察の視点…130
Ⅰ 行政紛争解決としての「調整型」手法の意義とその拡大…133
Ⅱ 地域まちづくり行政における紛争解決の手法とその特徴…140
Ⅲ 「調整型」紛争解決システムの法的意義と問題点…153
むすびに代えて―地方分権下の紛争解決手続の課題…159
第6章 税法における裁判外の権利救済手続
―行政不服審査法改正に伴う国税不服審査制度の改正に向けて―
…山崎広道…165
はじめに…165
Ⅰ 行政不服審査制度改正の機運と国税不服審査制度改正の要望
…166
1.行政不服審査制度改正の機運…166
2.国税不服審査制度改正の要望…168
Ⅱ 国税不服審査制度に関連する行政不服審査法の改正点…171
1.不服申立ての種類の一元化…172
2.審査請求期間の延長…174
3.標準審理期間の設定…175
4.審理員…176
5.審理手続の充実…177
6.証拠書類の閲覧…179
7.第三者機関の審理への関与の明確化…180
8.再調査請求の手続…182
Ⅲ 行政不服審査制度改正と国税不服審査制度の改善点…182
1.不服申立ての種類の一元化・審理の一段階化…183
2.審査請求期間の延長…186
3.標準審理期間の設定…186
4.審理員国税不服審判官の任用に関する基準の策定…187
5.審理手続きの充実…188
6.証拠書類等の閲覧,謄写…190
7.第三者機関の審理への関与の明確化…191
Ⅳ 国税不服審査制度に関するその他の事項の改革の方向性…193
1.義務付け裁決…193
2.理由附記の実現…195
3.一定の処分を求める申出…196
おわりに…197
第7章 熊本成年後見センターの設立構想について
…小野義美…199
はじめに…199
Ⅰ 全国の実践例の検討…200
1.多摩南部成年後見センター(愛称:ほっとす)…200
2.杉並区成年後見センター…203
3.北九州成年後見センター(愛称:みると)…205
4.品川成年後見センター…207
5.出雲成年後見センター…209
6.既存成年後見センターの特徴…210
Ⅱ 熊本成年後見センターの設立構想…213
1.組織形態…213
2.事業内容…215
3.運営体制…217
おわりに…218
第8章 倒産処理における法的および非法的紛争解決システムの
連携とその限界…水元宏典…220
はじめに…220
Ⅰ 倒産処理における法的紛争解決システム
―裁判上の倒産手続―の概観…220
Ⅱ 倒産処理における非法的紛争解決システム
―裁判外の倒産処理―の展開…221
1.私的整理と倒産ADRの区別…221
2.私的整理…221
3.私的整理に関するガイドラインと立法…222
4.倒産ADR…224
Ⅲ 裁判外の倒産処理の整備拡充とその背景…226
Ⅳ 裁判外の倒産処理から裁判上の倒産手続への移行と
その連続性…228
1.連続性の確保と限界―総論…228
2.各論的検討…229
おわりに…234
第9章 「内向きの企業防衛」としての小規模非公開会社の
機関設計と株主の処遇…若色敦子…235
Ⅰ 小規模非公開株式会社の選択肢…235
Ⅱ 業務執行機関の設計…236
1.機関設計の留意点…236
2.定款による機関設計…238
Ⅲ 株式設計と株主対策…242
1.課題…242
2.株式設計等の準則と設計プラン…243
3.株主の処遇をめぐるその他の問題…250
おわりに…251
第10章 国際紛争の管理及び転換に関する考察…林 一郎…252
はじめに…252
Ⅰ 紛争とは何か,dispute and conflict…256
Ⅱ 紛争の処理と解決,settlement and resolution…261
Ⅲ 国際紛争の管理と転換…264
1.管理(management)…264
2.転換(transformation)…266
おわりに…270
第11章 中国における調停制度改革及び多元的紛争解決
システムの整備
―上海の「大調停」メカニズムを中心に―…葉 陵陵…273
はじめに…274
Ⅰ 中国における調停制度改革の新展開…276
Ⅱ 「大調停」メカニズムの実践と「上海モデル」…291
1.法院調停の「社会化」…292
2.人民調停機構の「専門化」…299
3.人民調停員の「専従化」…303
4.調停手続の「規範化」…305
Ⅲ 「大調停」改革の特徴及び課題…308
おわりに…312