現代雇用社会と労働契約法

現代雇用社会と労働契約法

三井正信 著
定価:5,500円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2010年03月01日
  • 判型:
    A5版上製
  • ページ数:
    270頁
  • ISBN:
    978-4-7923-3267-9
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内容紹介

 目  次

 はしがき
 第1章 労働契約法の制定とその意義…1
 Ⅰ.はじめに…1
 Ⅱ.日本的雇用慣行と労働契約法理…3
 1 個別的労働関係法の基本法である労働基準法の基本的特徴と
その限界 (3)
2 日本的雇用慣行に依拠した労働契約法理の形成とその展開 (5)
3 社会経済状況の変化と労働契約をめぐる制定法ルールの
必要性 (10)
 Ⅲ.労働契約法制定へ向けての動き…13
 Ⅳ.労働契約法の意義と内容…14
 1 労働契約法の意義と特徴 (14)
2 労働契約をめぐる基本概念 (17)
3 労働契約の基本理念 (19)
4 就業規則による労働条件の決定・変更 (29)
5 出向,懲戒,解雇に関する権利濫用の禁止 (41)
6 有期労働契約に関する法規制 (43)
 Ⅴ.労働契約法の問題点と課題…45
 1 総合性・体系性の欠如 (45)
2 判例法理や正社員モデルに依拠することの問題点,及び,雇用を
めぐる柔軟な多様性の視点が欠如していることの問題点 (46)
3 労使対等性の確保のための具体的装置と手続的規制の必要性 (47)
4 労働者の「真意」ないし納得性の確保のための法規制の必要性 (49)
5 労働者類似の者に対する保護の必要性 (50)
6 法の実効性確保のための措置の必要性 (51)
7 労働契約法に規定された事項の不十分さないし問題点 (52)
8 労働基準法等との有機的連携ないし接続の必要性 (58)
9 民法(債権法)改正問題と労働契約法 (59)
 Ⅵ.今後の展望…60

 第2章 労働契約法7条についての一考察…62
 Ⅰ.はじめに…62
 1 就業規則と労働契約の関係をめぐる法的問題及び労働契約法に
おけるその解決 (62)
2 労働契約法にともなう新たな問題点の登場と本章の検討課題 (64)
 Ⅱ.問題の所在…65
 1 従来の議論では何が問題とされていたのか (65)
2 労働契約法7条の規定内容と守備範囲をめぐる問題点 (72)
 Ⅲ.労働契約法7条の効力…74
 1 労働契約法7条と就業規則の法的性質 (74)
2 就業規則の法的性質をめぐる検討 (80)
 Ⅳ.労働契約法体系内における労働契約法7条の位置づけ…90
 1 労働契約法第2章「労働契約の成立及び変更」の意義 (90)
2 労働基準法旧93条と労働契約法12条の関係 (100)
 Ⅴ.おわりに…109

 第3章 労働契約法と就業規則の不利益変更…111
 Ⅰ.はじめに…111
 Ⅱ.労働契約の基本原則と就業規則の不利益変更…113
 Ⅲ.労働契約法10条と判例法理の関係…115
 1 これまでの判例法理における就業規則の不利益変更の
考え方 (115)
2 労働契約法10条の解釈論的検討 (119)
3 労働契約法10条の射程ないし解釈をめぐる今後の方向性 (122)
 Ⅳ.労働契約法体系内における就業規則の不利益変更の
位置づけ…134
 1 労働契約法において判例法理を確認することの意味 (134)
2 労働条件変更をめぐる当事者意思 (141)
 Ⅴ.おわりに…149

 第4章 労働契約法と企業秩序・職場環境…152
 Ⅰ.はじめに…152
 Ⅱ.企業秩序と労働契約…155
 1 最高裁の企業秩序論 (155)
2 最高裁の考えの変化 (158)
 Ⅲ.労働契約法と企業秩序・懲戒処分…160
 1 労働契約法の基本原則と企業秩序・懲戒処分 (160)
2 懲戒権の「権利」性 (166)
 Ⅳ.企業秩序と職場環境…169
 1 セクハラ・職場いじめと職場環境配慮義務 (169)
2 職場環境配慮義務の拡大の可能性と企業秩序 (178)
 Ⅴ.企業秩序・懲戒処分論の基礎…184
 1 基礎の確認 (184)
2 使用者の職場環境配慮義務の観点からみた企業秩序・懲戒 (188)
3 懲戒権限行使をめぐる法的コントロール (199)
 Ⅵ.おわりに…214

 第5章 労働者の能力を公正に評価する義務は使用者
の労働契約上の義務として構成可能か…216
 Ⅰ.問題の所在と背景…216
 1 経済状況の変容と労働者処遇のあり方の変化 (216)
2 従来の議論状況とその限界 (217)
3 新法理の展開とその方向性 (218)
 Ⅱ.公正評価義務の法理…219
 1 公正評価義務をめぐる議論状況 (219)
2 公正評価義務論の意義・射程と実効性 (221)
 Ⅲ.労働者の職業能力と職場環境…224

 第6章 労働者の「意思」と労働契約法…226
 Ⅰ.契約関係としての労働関係…226
 Ⅱ.フランスの教訓…228
 Ⅲ.労働契約法理と労働契約法…229
 Ⅳ.労使の交渉力と情報の格差あるいは企業の
社会的権力性…230
 Ⅴ.再びフランスの教訓…232

 第7章 企業の社会的権力コントロールと
労働契約法…234
 Ⅰ.問題の所在…234
 Ⅱ.労働契約法についての基本的考え方…236
 1 概 説 (236)
2 労働基準法1条・2条と労働契約法 (239)
 Ⅲ.労働契約法の解釈論的・立法論的基本構想…246
 1 基本構想の方向性 (246)
2 労働者の人権保障の法理 (247)
3 人事異動の法理―出向を例にとって― (249)
4 解雇規制の法理 (251)
 Ⅳ.若干のまとめ…253