立憲主義の法思想
香川大学法学会叢書 7

立憲主義の法思想

ホッブズへの応答
山本陽一 著
定価:5,500円(税込)
  • 在庫:
    在庫があります
  • 発行:
    2010年02月20日
  • 判型:
    A5版上製
  • ページ数:
    292頁
  • ISBN:
    978-4-7923-0478-2
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内容紹介

目  次
はしがき
第一章 ホッブズの所有権概念と法の支配―『市民論』を中心に―…1
一 はじめに…1
二 ホッブズの所有権概念―〈私権〉〈憲法〉〈行政〉…4
1 共同体の不在(4)
2 所有権の諸相(5)
三 ロウスンによるホッブズ批判―「共同体」の倫理と論理…14
1 私法としての自然法(15)
2 国家の基本法としての憲法(16)
3 所有権を制限する〈方法〉と〈目的〉(18)
四 ホッブズの法理論―「法の支配」の三類型…21
1 リバタリアニズム(23)
2 裁判官の法創造(24)
3 合理的選択(26)
五 おわりに…28
第二章 ロウスンによる「古来の国制」論批判―神学者の立憲主義―…34
一 はじめに…34
1 課題の提示(34)
2 ロウスンの法思想―コンテクストとヴィジョン(36)
二 ロウスン研究の視角…40
1 従来の三つの視角(40)
2 もうひとつの方向性―中世アリストテレス政治学(46)
三 「古来の国制」とロウスン…51
1 古来の国制の解体(52)
2 「古来の国制」論の研究動向(55)
3 グレン・バージェスの所論の位置づけ(60)
四 「古来の国制」論の枠組み…65
1 「古来の国制」論の性格―法システムの自律性(65)
2 「古来の国制」論の機能―「バランス」の維持(74)
五 慣習・歴史的継続性・権力の「混合」…82
1 普遍的合理性の優位―許可的自然法(83)
2 封建制の認識と王権制約の論理(86)
3 三つの「混合国制」論(91)
六 摂理の思想…105
1 神による統治の方法・正当性・計画(106)
2 摂理としての正義と功利(111)
七 おわりに…117
第三章 一九世紀イングランドにおけるホッブズ再生の一背景…137
一 はじめに…137
二 ホッブズの思想への封印…138
1 ジョージ・グロートの視角(139)
2 世俗化と民主化(141)
3 ジョン・グロートのミル批判(145)
三 テキストの出現と出版市場…147
1 規制から自由へ(148)
2 著作権をめぐる論争(151)
3 ジャーナリズムの発展(155)
四 おわりに…157
第四章 スティーヴンによる刑事法の法典化…167
一 はじめに…167
1 課題の提示(167)
2 各節の主題(168)
二 法典化の機縁…170
1 起草の経緯(170)
2 自己評価―法文献の整備と法学教育の文脈(174)
三 法の支配と国会の主権…178
1 国会の環境と議論の焦点―一八八三年法案のばあい(179)
2 司法機構の強化と民主政の発展(181)
四 法典の「完全性」をめぐって…187
1 国会審議に現れる法典観(188)
2 イングランド首席裁判官への反論(190)
五 法典論の基礎にある「法の科学」…195
1 価値の体系化―バックル批判(196)
2 歴史法学の役割(203)
六 「法の科学」の根底にあるもの…207
1 歪曲された「同感」(208)
2 古い形態の「功利主義」(213)
七 おわりに…216
第五章 日本国憲法における「信託」の含意―「法人」からの離脱―…236
一 はじめに…236
二 立憲主義的な憲法の意味…237
1 公権力への制限(238)
2 立憲主義の生成(239)
三 明治憲法と法人理論…243
1 明治憲法の二面性(243)
2 自己拘束と責任免除(244)
四 日本国憲法と信託理論…249
1 「法の支配」の理念(249)
2 「信託」による政治権力の重層化(251)
3 「法の支配」と憲法制定権力(254)
五 おわりに…258
あとがき…269
初出一覧…270
索  引…278(1)