ステップアップ法学 [第2版]
小林忠正 著
定価:3,850円(税込)-
在庫:
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発行:
2010年04月01日
-
判型:
A5版上製 -
ページ数:
412頁 -
ISBN:
978-4-7923-0484
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内容紹介
目次
はしがき
補訂版のはしがき、第2版のはしがき
第1部 法 学
第1章 法の起源と発展3
1 原始社会とその規範3
原始規範とは 3
原始規範の萌芽 5
(1)タブー (2)反坐制 (3)裁判制度の発生
2 古代社会の法9
古代法とは 9
(1)ハンムラビ法典 (2)マヌー法典 (3)古代ローマ法
3 中世社会の法13
中世法とは 13
(1)教会法 (2)都市法
4 近代社会の法15
近代法とは 15
資本制社会の特色 15
(1)営利追求の社会 (2)取引自由の社会 (3)商品生産の社会
(4)飛躍的に技術が発達した社会
個人主義法制の原則 17
(1)権利能力平等の原則 (2)個人意思自治の原則 (3)個人財産権尊重の原則
(4)自己責任(過失責任)の原則
5 現代社会の法20
現代法とは 20
個人主義法制の原則に対する修正 20
(1)抽象的平等から具体的平等への修正 (2)公序良俗尊重への修正
(3)権利の公共性・社会性とその濫用禁止への修正 (4)無過失責任論への修正
第2章 法の概念24
1 法とは何か24
法という言葉 24
法をとらえる角度 25
法とは何か 26
(1)法の規範性 (2)社会生活上の規範性 (3)法の強行性
第3章 法と他の社会規範29
1 法と道徳29
法と道徳の区別の沿革 29
道徳とは 30
法と道徳の相違 30
(1)認定者の違い(強制説) (2)効力範囲の違い(基盤説)
法と道徳との衝突 31
(1)「悪法も法であるか」の問題 (2)確信犯の問題
(3)法の外面性、道徳の内面性の問題
2 法と宗教34
宗教とは 34
宗教の法への影響 35
3 法と習俗(習慣)36
習俗とは 36
第4章 法の妥当根拠と法理念38
1 法の妥当根拠38
法の目的とは 38
法の妥当根拠 39
(1)法の内容にもとづく分類 (2)法の制定にもとづく分類
2 法の理念43
法理念とは 43
(1)理念としての正義 (2)正義の実質 (3)公共の福祉 (4)法的安定性
第5章 法源の理論54
1 法源の意味54
法源とは 54
2 成文法55
成文法とは 55
成文法の種類 56
(1)成文憲法 (2)狭義の法律 (3)命令 (4)規則 (5)自治法 (6)条約
3 不文法61
不文法とは 61
不文法の種類 61
(1)慣習法 (2)判例法 (3)条理
第6章 法の分類66
1 法の分類とその意味66
法の分類とは 66
2 法の内容にもとづく分類67
法の内容にもとづく分類とは 67
(1)国内法と国際法 (2)直接法と間接法 (3)公法と私法および社会法
(4)実体法と手続法
3 法の効力範囲にもとづく分類72
法の効力範囲にもとづく分類とは 72
(1)普通法と特別法 (2)基本法と付属法 (3)原則法と例外法
4 法の効力の強行性にもとづく分類74
法の効力の強行性にもとづく分類とは 74
(1)強行法と任意法
5 法の成立資料にもとづく分類76
法の成立資料にもとづく分類とは 76
(1)固有法と継受法
第7章 法の一般的効力78
1 法の効力78
法の効力とは 78
2 法の効力の内容79
法の効力の内容とは 79
(1)時に関する法の効力 (2)人に関する法の効力 (3)所に関する法の効力
第8章 法の適用83
1 法の適用83
法の適用とは 83
2 事実の認定84
事実の認定とは 84
(1)法的事実の認定 (2)事実認定と価値判断 (3)事実の推定と擬制
第9章 法の解釈88
1 法の解釈88
法の解釈とは 88
2 法解釈の方法の種類89
法解釈の方法 89
(1)有権解釈 (2)学理解釈
3 法解釈の目的97
法解釈の目的とは 97
(1)立法者意思説と法律意思説 (2)法的安定性と具体的妥当性
第10章 法の消滅100
1 法の消滅原因100
法の消滅とは 100
(1)明示の廃止 (2)新立法による廃止 (3)施行期限の到来による廃止
(4)目的事項の消滅による法の廃止 (5)実質的原因による法の廃止
(6)文化性・事実性との関連による法の廃止
第11章 権利と義務103
1 権利の序説103
権利とは何か 103
(1)法律関係と権利義務 (2)義務から権利へ
2 権利の本質105
権利の本質とは 105
(1)意思説 (2)利益説 (3)折衷説 (4)法力説 (5)法的地位説
3 権利濫用107
権利行使と権利濫用 107
(1)権利濫用とその事例 (2)権利濫用の成立と効果
(3)権利濫用と公序良俗と信義則との判断比較
4 権利の分類114
権利の分類とは 114
(1)公権 (2)私権 (3)社会権
5 権利の主体125
権利の主体とは 125
(1)人または自然人 (2)法人
6 権利の客体129
権利の客体とは 129
(1)物の意味 (2)物の種類
7 権利の変動132
権利の変動とは 132
(1)権利の発生(取得) (2)権利の変更 (3)権利の消滅(喪失)
法律行為の意味と種類 134
(1)人の行為 (2)事件
8 義 務136
義務とは 136
(1)権利と義務の対応 (2)義務の履行 (3)義務と責任
(4)権利本位の法思想と義務本位の法思想
第2部 日本国憲法
第1章 国 家141
1 国 家141
国家の法的意味 141
(1)国家という言葉
国家概念 142
(1)主権 (2)国民 (3)領土
国家形態 147
(1)君主国と共和国 (2)絶対国と民主国 (3)単一国と連邦国
第2章 憲法の概念151
1 憲法の定義151
憲法の意味 151
(1)固有の意味の憲法 (2)近代的意味の憲法 (3)現代的意味の憲法
(4)形式的意味の憲法 (5)実質的意味の憲法
2 憲法の分類154
憲法の類型 154
(1)成文憲法と不文憲法 (2)硬性憲法と軟性憲法 (3)欽定憲法と民定憲法
(4)協約憲法と国約(条約)憲法 (5)その他の分類
3 憲法の本質156
法の中の法 156
(1)授権規範としての憲法の本質 (2)制限規範としての憲法の本質
(3)最高規範としての憲法の本質
第3章 大日本帝国憲法158
1 大日本帝国憲法158
大日本帝国憲法の制定 158
大日本帝国憲法の基本原理 160
(1)専主的立憲君主制的原理 (2)民主的・自由主義的原理
第4章 日本国憲法の成立と原理164
1 日本国憲法制定とその基本原理164
日本国憲法の制定 164
日本国憲法の基本原理 166
(1)民主主義、国民主権主義 (2)自由主義 (3)平和主義、国際平和主義
(4)象徴天皇制
第5章 天 皇173
1 天皇の地位173
象徴としての天皇 173
(1)象徴の意味 (2)日本国の象徴と日本国民統合の象徴
(3)天皇の地位と国民の総意 (4)天皇に対する特別な扱い
2 天皇の権能175
国事行為 175
(1)国事行為の内容 (2)内閣の助言と承認と天皇の責任 (3)天皇の権能の代行
3 皇位の継承178
皇位継承 178
(1)皇位継承の原因 (2)皇位継承の資格 (3)皇位継承の順序 (4)即位の礼
4 皇室経済179
皇室の経済 179
(1)皇室財産の国有化 (2)皇室財産授受の制限 (3)皇室の経費
5 国 体180
国体について 180
(1)天皇と主権と国体の変更 (2)天皇は君主か天皇は元首か
第6章 戦争の放棄182
1 平和主義182
国際平和主義 182
(1)国際法の平和主義 (2)各国憲法の平和主義
2 憲法とその戦争の放棄184
平和主義宣言 184
(1)平和主義宣言
憲法9条の解釈 185
(1)戦争の放棄 (2)戦力の廃止と交戦権の否認
政府解釈の変遷 187
(1)憲法制定当時の解釈 (2)警察予備隊、保安隊発足当時の解釈
(3)自衛隊発足による解釈
3 憲法9条と日米安全保障条約190
日米安全保障条約 190
安保条約と憲法 191
(1)砂川事件 (2)長沼ナイキ基地訴訟
4 憲法9条論争と根本問題195
憲法9条論争の争点 195
(1)正義と平和 (2)正戦論と無差別戦争論 (3)国家と憲法の関係
第7章 国 民198
1 国 民198
国民とは 198
(1)国籍の取得 (2)国籍の喪失 (3)国籍の離脱 (4)領土の変更と国籍
2 皇 族201
皇族とは 201
(1)皇族の身分取得 (2)皇族の身分の喪失
第8章 権利宣言と基本的人権203
1 基本的人権203
基本的人権とは 203
2 権利宣言204
権利宣言の経緯 204
権利宣言の一般原則 205
基本的人権と公共の福祉 206
(1)公共の福祉 (2)基本的人権と公共の福祉
私人相互における人権保障と限界 216
(1)直接適用説 (2)間接適用説
第9章 個人の尊厳と幸福追求権221
1 個人の尊厳221
基本的人権の根本である個人の尊重 221
2 幸福追求権222
幸福追求権の意味と対象人権 222
(1)判例が認めるプライバシーの権利 (2)プライバシーの権利と今後
(3)プライバシー権侵害の判断
自己決定権とプライバシー 226
知る権利 227
アクセス権 227
反論権 228
第10章 法の下の平等229
1 平等の原則229
平等の認識 229
法の下の平等とは 230
(1)憲法14条にいう法の下の平等 (2)合理性判断の基準
(3)憲法14条に関する判例 (4)憲法14条1項後段の具体的列挙事項について (5)憲法14条2項、3項について
第11章 精神的自由権236
1 思想・良心の自由236
精神的自由の基礎となる自由 236
思想・良心の自由の意味と内容 236
(1)思想・良心の自由の意味 (2)思想・良心の自由の内容
(3)思想・良心の自由の限界 (4)憲法19条に関する判例
2 信教の自由240
大日本帝国憲法の信教の自由 240
信教の自由の意味と内容 241
(1)信教の自由 (2)国家と宗教の分離(政教の分離)
(3)政教分離の基準としての目的・効果論 (4)憲法20条に関する判例
3 学問の自由249
学問の自由とは 249
(1)学問の自由の内容 (2)学問の自由の保障
大学の自治 251
(1)自治の意味
4 表現の自由254
表現の自由とは 255
表現の自由の内容 255
(1)報道の自由 (2)取材の自由と取材源秘匿の自由 (3)放送の自由
(4)わいせつ的表現と表現の自由 (5)名誉毀損的表現と表現の自由
(6)営利的言論と表現の自由
表現の自由の限界 262
(1)表現の自由を規制する立法の合憲性判断の基準
(2)事前抑制の理論としての検閲の禁止
5 集会・結社の自由、通信の秘密265
集会の自由 265
(1)集会の自由の限界
結社の自由 268
通信の秘密 268
第12章 経済的自由権270
1 職業選択の自由270
職業選択の自由とは 270
(1)職業選択の自由の制限 (2)職業選択の自由を規制する合憲性判断の基準
2 居住・移転の自由273
居住・移転の自由 273
海外渡航の自由 273
国籍離脱の自由 274
外国人の出入国 274
3 財産権の保障275
財産権の保障とは 275
(1)財産不可侵の意味 (2)財産権の制限と公共の福祉
(3)財産権の制限と損失補償
第13章 人身の自由279
1 基礎的自由279
奴隷的拘束からの自由 279
適正手続の保障 280
(1)憲法31条の意義 (2)憲法31条と行政手続
2 被疑者の権利保障281
不法逮捕の要件 281
不法抑留・拘禁の要件 281
住居等の不可侵、捜索・押収の要件 282
3 刑事被告人の権利283
公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利 283
証人審問権・喚問権 284
弁護人依頼権 285
自己負罪拒否(黙秘権)の特権 285
自白の制限と証拠力 286
事後法と二重処罰の禁止 287
拷問および残虐刑の禁止 288
第14章 受益権290
1 請願権290
請願権とは 290
2 国家賠償請求権291
国家賠償請求権とは 291
3 裁判を受ける権利292
裁判を受ける権利とは 292
4 刑事補償請求権293
刑事補償請求権とは 293
第15章 参政権295
1 公務員の選定・罷免権と本質295
公務員の選定・罷免権 295
公務員の本質 296
(1)全体の奉仕者 (2)公務員の政治活動
2 選挙権297
選挙権の法的性質 297
選挙権の要件 298
(1)普通選挙 (2)平等選挙 (3)直接選挙 (4)秘密選挙 (5)自由選挙
第16章 社会権302
1 生存権302
憲法25条 302
生存権の法的性質 303
(1)プログラム規定説 (2)抽象的権利説 (3)具体的権利説 (4)論点
環境権 305
2 教育を受ける権利306
教育権の性質 306
教育の機会均等 307
教育権の所在 307
3 勤労権と労働基本権308
勤労権 308
労働基本権 309
(1)団結権 (2)団体交渉権 (3)団体行動権(争議権)
公務員の労働基本権 310
第17章 家庭生活における個人の尊厳と両性の平等312
1 人間の尊厳と平等312
家庭生活と憲法 312
婚姻の成立とその維持 313
(1)婚姻の成立 (2)夫婦同権 (3)夫婦生活の維持
家庭生活に関する立法の基準 315
(1)配偶者の選択 (2)財産権 (3)相続 (4)住所の選定 (5)離婚
第18章 基本的義務319
1 憲法12条の義務319
憲法12条の義務とは 319
2 教育の義務320
教育の義務とは 320
3 勤労の義務320
勤労の義務とは 320
4 納税の義務321
納税の義務とは 321
法律の定めによる納税(租税法律主義) 321
第19章 国 会323
1 国会の地位と性格323
国民の代表機関とは 323
国権の最高機関とは 324
唯一の立法機関とは 324
2 国会の組織325
国会の二院制 325
二院制の組織上の差異 326
二院制間の関係 326
3 議員の地位と権利327
国会議員の地位と権利 327
(1)議員身分の得喪 (2)議員の権利
国会議員の特権 328
(1)不逮捕特権 (2)免責特権 (3)歳費(給与)受領権
4 国会の運営329
会期 329
(1)常会(通常会・通常国会) (2)臨時会 (3)特別会
会議の原則と方法 330
(1)定足数 (2)表決数 (3)会議の公開 (4)両院協議会 (5)国務大臣の議院出席
(6)一事不再議の原則
衆議院の解散 333
参議院の緊急集会 334
委員会制度 334
(1)委員会中心主義の理由 (2)委員会の組織
5 国会の権能と議院の権能336
国会の権能 336
(1)憲法改正の発議権 (2)法律の制定権 (3)条約の承認権
(4)内閣総理大臣の指名権 (5)弾劾裁判所の設置権 (6)財政の監督権
議院の権能 339
(1)議院自律権 (2)国政調査権
第20章 内 閣340
1 行政権と内閣の地位340
行政権と内閣 340
議院内閣制 341
2 内閣の組織342
内閣構成員と資格 342
内閣総理大臣 342
国務大臣 343
内閣の総辞職 343
(1)衆議院の不信任決議 (2)衆議院の総選挙 (3)内閣総理大臣の欠缺
(4)その他の総辞職
3 内閣の権能344
憲法73条の定める事務 344
その他の行政事務 346
4 内閣の意思決定と責任346
閣議 346
内閣の責任 346
(1)責任の範囲 (2)責任の相手方 (3)責任の内容 (4)責任の性質
第21章 裁判所348
1 司法権の意味と範囲348
司法権とは 348
司法権の範囲 349
(1)憲法が認める例外 (2)国際法上の例外 (3)その他の例外
2 司法権の独立350
司法権の独立とは 350
裁判官の職権の独立 350
裁判官の身分保障 351
裁判官の経済的保障 352
3 裁判所の組織と権能352
裁判所の組織と権能 352
最高裁判所 352
(1)構成 (2)違憲立法審査権(法令審査権) (3)最高裁判所規則制定権
(4)下級裁判所裁判官指名権 (5)司法行政監督権
下級裁判所 356
(1)高等裁判所 (2)地方裁判所 (3)家庭裁判所 (4)簡易裁判所
裁判所の審級 357
4 裁判の公開358
裁判公開の原則 358
裁判公開の停止 359
第22章 財 政360
1 財政議会主義360
財政民主主義の原則 360
租税法律主義 360
国費支出、債務負担議決主義 361
(1)国費の支出の議決 (2)国の債務負担の議決
予算議決主義 362
(1)予算の議決 (2)国会の予算修正権 (3)暫定予算の議決 (4)予備費の議決
決算議決主義 363
(1)決算の議決 (2)財政状況の公開
第23章 地方自治365
1 地方自治の本旨365
地方自治の本旨とは 365
地方分権の方向 365
2 地方公共団体の機関366
地方公共団体の議会 366
地方自治と直接民主制 366
3 地方公共団体の権能と条例制定権367
地方公共団体の権能 367
条例制定権とは 368
条例制定権の範囲 368
(1)条例は自治事務の範囲内に限定 (2)条例は法令の範囲内に限定
4 地方住民の権利369
特別法の住民投票権 369
第24章 憲法改正371
1 憲法改正の意味371
憲法改正とは 371
衆参両議院に設置された憲法調査会 372
2 憲法改正の手続372
憲法改正の手続とは 372
(1)国会の発議 (2)国民の承認
3 憲法改正の限界373
憲法改正の限界について 373
(1)無限界説 (2)限界説
第25章 憲法の最高法規性と保障375
1 憲法の最高法規性375
最高法規性とは 375
(1)最高法規と人権不可侵の原則 (2)憲法の最高法規性 (3)憲法の保障
(4)憲法と条約の遵守
憲法尊重義務 377
参考文献379
付録 日本国憲法(全文)382
大日本帝国憲法(全文)390
はしがき
補訂版のはしがき、第2版のはしがき
第1部 法 学
第1章 法の起源と発展3
1 原始社会とその規範3
原始規範とは 3
原始規範の萌芽 5
(1)タブー (2)反坐制 (3)裁判制度の発生
2 古代社会の法9
古代法とは 9
(1)ハンムラビ法典 (2)マヌー法典 (3)古代ローマ法
3 中世社会の法13
中世法とは 13
(1)教会法 (2)都市法
4 近代社会の法15
近代法とは 15
資本制社会の特色 15
(1)営利追求の社会 (2)取引自由の社会 (3)商品生産の社会
(4)飛躍的に技術が発達した社会
個人主義法制の原則 17
(1)権利能力平等の原則 (2)個人意思自治の原則 (3)個人財産権尊重の原則
(4)自己責任(過失責任)の原則
5 現代社会の法20
現代法とは 20
個人主義法制の原則に対する修正 20
(1)抽象的平等から具体的平等への修正 (2)公序良俗尊重への修正
(3)権利の公共性・社会性とその濫用禁止への修正 (4)無過失責任論への修正
第2章 法の概念24
1 法とは何か24
法という言葉 24
法をとらえる角度 25
法とは何か 26
(1)法の規範性 (2)社会生活上の規範性 (3)法の強行性
第3章 法と他の社会規範29
1 法と道徳29
法と道徳の区別の沿革 29
道徳とは 30
法と道徳の相違 30
(1)認定者の違い(強制説) (2)効力範囲の違い(基盤説)
法と道徳との衝突 31
(1)「悪法も法であるか」の問題 (2)確信犯の問題
(3)法の外面性、道徳の内面性の問題
2 法と宗教34
宗教とは 34
宗教の法への影響 35
3 法と習俗(習慣)36
習俗とは 36
第4章 法の妥当根拠と法理念38
1 法の妥当根拠38
法の目的とは 38
法の妥当根拠 39
(1)法の内容にもとづく分類 (2)法の制定にもとづく分類
2 法の理念43
法理念とは 43
(1)理念としての正義 (2)正義の実質 (3)公共の福祉 (4)法的安定性
第5章 法源の理論54
1 法源の意味54
法源とは 54
2 成文法55
成文法とは 55
成文法の種類 56
(1)成文憲法 (2)狭義の法律 (3)命令 (4)規則 (5)自治法 (6)条約
3 不文法61
不文法とは 61
不文法の種類 61
(1)慣習法 (2)判例法 (3)条理
第6章 法の分類66
1 法の分類とその意味66
法の分類とは 66
2 法の内容にもとづく分類67
法の内容にもとづく分類とは 67
(1)国内法と国際法 (2)直接法と間接法 (3)公法と私法および社会法
(4)実体法と手続法
3 法の効力範囲にもとづく分類72
法の効力範囲にもとづく分類とは 72
(1)普通法と特別法 (2)基本法と付属法 (3)原則法と例外法
4 法の効力の強行性にもとづく分類74
法の効力の強行性にもとづく分類とは 74
(1)強行法と任意法
5 法の成立資料にもとづく分類76
法の成立資料にもとづく分類とは 76
(1)固有法と継受法
第7章 法の一般的効力78
1 法の効力78
法の効力とは 78
2 法の効力の内容79
法の効力の内容とは 79
(1)時に関する法の効力 (2)人に関する法の効力 (3)所に関する法の効力
第8章 法の適用83
1 法の適用83
法の適用とは 83
2 事実の認定84
事実の認定とは 84
(1)法的事実の認定 (2)事実認定と価値判断 (3)事実の推定と擬制
第9章 法の解釈88
1 法の解釈88
法の解釈とは 88
2 法解釈の方法の種類89
法解釈の方法 89
(1)有権解釈 (2)学理解釈
3 法解釈の目的97
法解釈の目的とは 97
(1)立法者意思説と法律意思説 (2)法的安定性と具体的妥当性
第10章 法の消滅100
1 法の消滅原因100
法の消滅とは 100
(1)明示の廃止 (2)新立法による廃止 (3)施行期限の到来による廃止
(4)目的事項の消滅による法の廃止 (5)実質的原因による法の廃止
(6)文化性・事実性との関連による法の廃止
第11章 権利と義務103
1 権利の序説103
権利とは何か 103
(1)法律関係と権利義務 (2)義務から権利へ
2 権利の本質105
権利の本質とは 105
(1)意思説 (2)利益説 (3)折衷説 (4)法力説 (5)法的地位説
3 権利濫用107
権利行使と権利濫用 107
(1)権利濫用とその事例 (2)権利濫用の成立と効果
(3)権利濫用と公序良俗と信義則との判断比較
4 権利の分類114
権利の分類とは 114
(1)公権 (2)私権 (3)社会権
5 権利の主体125
権利の主体とは 125
(1)人または自然人 (2)法人
6 権利の客体129
権利の客体とは 129
(1)物の意味 (2)物の種類
7 権利の変動132
権利の変動とは 132
(1)権利の発生(取得) (2)権利の変更 (3)権利の消滅(喪失)
法律行為の意味と種類 134
(1)人の行為 (2)事件
8 義 務136
義務とは 136
(1)権利と義務の対応 (2)義務の履行 (3)義務と責任
(4)権利本位の法思想と義務本位の法思想
第2部 日本国憲法
第1章 国 家141
1 国 家141
国家の法的意味 141
(1)国家という言葉
国家概念 142
(1)主権 (2)国民 (3)領土
国家形態 147
(1)君主国と共和国 (2)絶対国と民主国 (3)単一国と連邦国
第2章 憲法の概念151
1 憲法の定義151
憲法の意味 151
(1)固有の意味の憲法 (2)近代的意味の憲法 (3)現代的意味の憲法
(4)形式的意味の憲法 (5)実質的意味の憲法
2 憲法の分類154
憲法の類型 154
(1)成文憲法と不文憲法 (2)硬性憲法と軟性憲法 (3)欽定憲法と民定憲法
(4)協約憲法と国約(条約)憲法 (5)その他の分類
3 憲法の本質156
法の中の法 156
(1)授権規範としての憲法の本質 (2)制限規範としての憲法の本質
(3)最高規範としての憲法の本質
第3章 大日本帝国憲法158
1 大日本帝国憲法158
大日本帝国憲法の制定 158
大日本帝国憲法の基本原理 160
(1)専主的立憲君主制的原理 (2)民主的・自由主義的原理
第4章 日本国憲法の成立と原理164
1 日本国憲法制定とその基本原理164
日本国憲法の制定 164
日本国憲法の基本原理 166
(1)民主主義、国民主権主義 (2)自由主義 (3)平和主義、国際平和主義
(4)象徴天皇制
第5章 天 皇173
1 天皇の地位173
象徴としての天皇 173
(1)象徴の意味 (2)日本国の象徴と日本国民統合の象徴
(3)天皇の地位と国民の総意 (4)天皇に対する特別な扱い
2 天皇の権能175
国事行為 175
(1)国事行為の内容 (2)内閣の助言と承認と天皇の責任 (3)天皇の権能の代行
3 皇位の継承178
皇位継承 178
(1)皇位継承の原因 (2)皇位継承の資格 (3)皇位継承の順序 (4)即位の礼
4 皇室経済179
皇室の経済 179
(1)皇室財産の国有化 (2)皇室財産授受の制限 (3)皇室の経費
5 国 体180
国体について 180
(1)天皇と主権と国体の変更 (2)天皇は君主か天皇は元首か
第6章 戦争の放棄182
1 平和主義182
国際平和主義 182
(1)国際法の平和主義 (2)各国憲法の平和主義
2 憲法とその戦争の放棄184
平和主義宣言 184
(1)平和主義宣言
憲法9条の解釈 185
(1)戦争の放棄 (2)戦力の廃止と交戦権の否認
政府解釈の変遷 187
(1)憲法制定当時の解釈 (2)警察予備隊、保安隊発足当時の解釈
(3)自衛隊発足による解釈
3 憲法9条と日米安全保障条約190
日米安全保障条約 190
安保条約と憲法 191
(1)砂川事件 (2)長沼ナイキ基地訴訟
4 憲法9条論争と根本問題195
憲法9条論争の争点 195
(1)正義と平和 (2)正戦論と無差別戦争論 (3)国家と憲法の関係
第7章 国 民198
1 国 民198
国民とは 198
(1)国籍の取得 (2)国籍の喪失 (3)国籍の離脱 (4)領土の変更と国籍
2 皇 族201
皇族とは 201
(1)皇族の身分取得 (2)皇族の身分の喪失
第8章 権利宣言と基本的人権203
1 基本的人権203
基本的人権とは 203
2 権利宣言204
権利宣言の経緯 204
権利宣言の一般原則 205
基本的人権と公共の福祉 206
(1)公共の福祉 (2)基本的人権と公共の福祉
私人相互における人権保障と限界 216
(1)直接適用説 (2)間接適用説
第9章 個人の尊厳と幸福追求権221
1 個人の尊厳221
基本的人権の根本である個人の尊重 221
2 幸福追求権222
幸福追求権の意味と対象人権 222
(1)判例が認めるプライバシーの権利 (2)プライバシーの権利と今後
(3)プライバシー権侵害の判断
自己決定権とプライバシー 226
知る権利 227
アクセス権 227
反論権 228
第10章 法の下の平等229
1 平等の原則229
平等の認識 229
法の下の平等とは 230
(1)憲法14条にいう法の下の平等 (2)合理性判断の基準
(3)憲法14条に関する判例 (4)憲法14条1項後段の具体的列挙事項について (5)憲法14条2項、3項について
第11章 精神的自由権236
1 思想・良心の自由236
精神的自由の基礎となる自由 236
思想・良心の自由の意味と内容 236
(1)思想・良心の自由の意味 (2)思想・良心の自由の内容
(3)思想・良心の自由の限界 (4)憲法19条に関する判例
2 信教の自由240
大日本帝国憲法の信教の自由 240
信教の自由の意味と内容 241
(1)信教の自由 (2)国家と宗教の分離(政教の分離)
(3)政教分離の基準としての目的・効果論 (4)憲法20条に関する判例
3 学問の自由249
学問の自由とは 249
(1)学問の自由の内容 (2)学問の自由の保障
大学の自治 251
(1)自治の意味
4 表現の自由254
表現の自由とは 255
表現の自由の内容 255
(1)報道の自由 (2)取材の自由と取材源秘匿の自由 (3)放送の自由
(4)わいせつ的表現と表現の自由 (5)名誉毀損的表現と表現の自由
(6)営利的言論と表現の自由
表現の自由の限界 262
(1)表現の自由を規制する立法の合憲性判断の基準
(2)事前抑制の理論としての検閲の禁止
5 集会・結社の自由、通信の秘密265
集会の自由 265
(1)集会の自由の限界
結社の自由 268
通信の秘密 268
第12章 経済的自由権270
1 職業選択の自由270
職業選択の自由とは 270
(1)職業選択の自由の制限 (2)職業選択の自由を規制する合憲性判断の基準
2 居住・移転の自由273
居住・移転の自由 273
海外渡航の自由 273
国籍離脱の自由 274
外国人の出入国 274
3 財産権の保障275
財産権の保障とは 275
(1)財産不可侵の意味 (2)財産権の制限と公共の福祉
(3)財産権の制限と損失補償
第13章 人身の自由279
1 基礎的自由279
奴隷的拘束からの自由 279
適正手続の保障 280
(1)憲法31条の意義 (2)憲法31条と行政手続
2 被疑者の権利保障281
不法逮捕の要件 281
不法抑留・拘禁の要件 281
住居等の不可侵、捜索・押収の要件 282
3 刑事被告人の権利283
公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利 283
証人審問権・喚問権 284
弁護人依頼権 285
自己負罪拒否(黙秘権)の特権 285
自白の制限と証拠力 286
事後法と二重処罰の禁止 287
拷問および残虐刑の禁止 288
第14章 受益権290
1 請願権290
請願権とは 290
2 国家賠償請求権291
国家賠償請求権とは 291
3 裁判を受ける権利292
裁判を受ける権利とは 292
4 刑事補償請求権293
刑事補償請求権とは 293
第15章 参政権295
1 公務員の選定・罷免権と本質295
公務員の選定・罷免権 295
公務員の本質 296
(1)全体の奉仕者 (2)公務員の政治活動
2 選挙権297
選挙権の法的性質 297
選挙権の要件 298
(1)普通選挙 (2)平等選挙 (3)直接選挙 (4)秘密選挙 (5)自由選挙
第16章 社会権302
1 生存権302
憲法25条 302
生存権の法的性質 303
(1)プログラム規定説 (2)抽象的権利説 (3)具体的権利説 (4)論点
環境権 305
2 教育を受ける権利306
教育権の性質 306
教育の機会均等 307
教育権の所在 307
3 勤労権と労働基本権308
勤労権 308
労働基本権 309
(1)団結権 (2)団体交渉権 (3)団体行動権(争議権)
公務員の労働基本権 310
第17章 家庭生活における個人の尊厳と両性の平等312
1 人間の尊厳と平等312
家庭生活と憲法 312
婚姻の成立とその維持 313
(1)婚姻の成立 (2)夫婦同権 (3)夫婦生活の維持
家庭生活に関する立法の基準 315
(1)配偶者の選択 (2)財産権 (3)相続 (4)住所の選定 (5)離婚
第18章 基本的義務319
1 憲法12条の義務319
憲法12条の義務とは 319
2 教育の義務320
教育の義務とは 320
3 勤労の義務320
勤労の義務とは 320
4 納税の義務321
納税の義務とは 321
法律の定めによる納税(租税法律主義) 321
第19章 国 会323
1 国会の地位と性格323
国民の代表機関とは 323
国権の最高機関とは 324
唯一の立法機関とは 324
2 国会の組織325
国会の二院制 325
二院制の組織上の差異 326
二院制間の関係 326
3 議員の地位と権利327
国会議員の地位と権利 327
(1)議員身分の得喪 (2)議員の権利
国会議員の特権 328
(1)不逮捕特権 (2)免責特権 (3)歳費(給与)受領権
4 国会の運営329
会期 329
(1)常会(通常会・通常国会) (2)臨時会 (3)特別会
会議の原則と方法 330
(1)定足数 (2)表決数 (3)会議の公開 (4)両院協議会 (5)国務大臣の議院出席
(6)一事不再議の原則
衆議院の解散 333
参議院の緊急集会 334
委員会制度 334
(1)委員会中心主義の理由 (2)委員会の組織
5 国会の権能と議院の権能336
国会の権能 336
(1)憲法改正の発議権 (2)法律の制定権 (3)条約の承認権
(4)内閣総理大臣の指名権 (5)弾劾裁判所の設置権 (6)財政の監督権
議院の権能 339
(1)議院自律権 (2)国政調査権
第20章 内 閣340
1 行政権と内閣の地位340
行政権と内閣 340
議院内閣制 341
2 内閣の組織342
内閣構成員と資格 342
内閣総理大臣 342
国務大臣 343
内閣の総辞職 343
(1)衆議院の不信任決議 (2)衆議院の総選挙 (3)内閣総理大臣の欠缺
(4)その他の総辞職
3 内閣の権能344
憲法73条の定める事務 344
その他の行政事務 346
4 内閣の意思決定と責任346
閣議 346
内閣の責任 346
(1)責任の範囲 (2)責任の相手方 (3)責任の内容 (4)責任の性質
第21章 裁判所348
1 司法権の意味と範囲348
司法権とは 348
司法権の範囲 349
(1)憲法が認める例外 (2)国際法上の例外 (3)その他の例外
2 司法権の独立350
司法権の独立とは 350
裁判官の職権の独立 350
裁判官の身分保障 351
裁判官の経済的保障 352
3 裁判所の組織と権能352
裁判所の組織と権能 352
最高裁判所 352
(1)構成 (2)違憲立法審査権(法令審査権) (3)最高裁判所規則制定権
(4)下級裁判所裁判官指名権 (5)司法行政監督権
下級裁判所 356
(1)高等裁判所 (2)地方裁判所 (3)家庭裁判所 (4)簡易裁判所
裁判所の審級 357
4 裁判の公開358
裁判公開の原則 358
裁判公開の停止 359
第22章 財 政360
1 財政議会主義360
財政民主主義の原則 360
租税法律主義 360
国費支出、債務負担議決主義 361
(1)国費の支出の議決 (2)国の債務負担の議決
予算議決主義 362
(1)予算の議決 (2)国会の予算修正権 (3)暫定予算の議決 (4)予備費の議決
決算議決主義 363
(1)決算の議決 (2)財政状況の公開
第23章 地方自治365
1 地方自治の本旨365
地方自治の本旨とは 365
地方分権の方向 365
2 地方公共団体の機関366
地方公共団体の議会 366
地方自治と直接民主制 366
3 地方公共団体の権能と条例制定権367
地方公共団体の権能 367
条例制定権とは 368
条例制定権の範囲 368
(1)条例は自治事務の範囲内に限定 (2)条例は法令の範囲内に限定
4 地方住民の権利369
特別法の住民投票権 369
第24章 憲法改正371
1 憲法改正の意味371
憲法改正とは 371
衆参両議院に設置された憲法調査会 372
2 憲法改正の手続372
憲法改正の手続とは 372
(1)国会の発議 (2)国民の承認
3 憲法改正の限界373
憲法改正の限界について 373
(1)無限界説 (2)限界説
第25章 憲法の最高法規性と保障375
1 憲法の最高法規性375
最高法規性とは 375
(1)最高法規と人権不可侵の原則 (2)憲法の最高法規性 (3)憲法の保障
(4)憲法と条約の遵守
憲法尊重義務 377
参考文献379
付録 日本国憲法(全文)382
大日本帝国憲法(全文)390