目　　次
　はじめに
　収録論文初出一覧
第一部
第１章　インセンティブに基づく制度設計………3
　　はじめに　(3)
　１．制度設計と事前評価　(3)
　２．計量経済学的方法の科学性　(4)
　３．実験経済学と科学性　(9)
　４．行動経済学　(12)
　５．実験経済学と心理学の違い　(13)
　６．制度設計とインセンティブ　(15)
　７．社会科学の評価と説明責任　(22)
　８．制度設計における説明責任　(25)
　９．企業犯罪・不祥事と説明責任　(26)
　　おわりに　(28)
第２章　カルテル・談合防止の制度設計と経済学………29
　　はじめに　(29)
　１．カルテルとは　(29)
　２．カルテル発生の条件　(30)
　３．一般のカルテルと談合の違い　(31)
　４．課徴金算定期間について―長期性に関連して―　(34)
　５．カルテルの認定について
　　　―暗黙の合意性と不当利得の推定方法に関連して―　(35)
　６．課徴金算定率の水準について　(39)
　７．課徴金算定率の区分について　(44)
　　おわりに　(46)
第３章　量刑決定における計量分析の利用………47
　　　　　―企業犯罪における「企業利益目的」と「個人利益目的」
　　　　　　の違いは量刑に影響を与えるか―
　　はじめに　(47)
　１．企業犯罪の目的と量刑　(48)
　２．法人税法違反による企業犯罪の目的の違いによる量刑の差の
　　　検証　(48)
　３．先行研究　(50)
　４．データと計量方法　(50)
　５．推計結果　(61)
　６．推計結果の心理学的意味　(65)
　　おわりに　(66)
第二部
第４章　企業不祥事防止vs.ルールなき「事後規制社会」………73
　　　　　―業務停止命令についての考え方の整理と企業不祥事に
　　　　　　対する望ましい対応策―
　　はじめに　(73)
　１．企業不祥事における行政処分のメリット　(74)
　２．行政処分の裁量性　(75)
　３．業務停止命令の二つの機能と批判の原因　(76)
　４．業務停止命令の処分基準の公開性・明確性と批判の原因　(81)
　５．業務停止命令の発動基準の明確性と批判の原因　(85)
　６．その他の行政処分の不明確さ―他法令との関係―　(89)
　７．行政処分の裁量と明確性とのバランスに向けての解決策　(90)
　８．金銭的制裁による解決策　(100)
　９．あるべき行政という解決策　(102)
　　おわりに　(105)
第５章　業務改善命令の運用と市場の制裁………107
　　　　　―野村證券インサイダー事件に対する金融商品取引法51条
　　　　　　の業務改善命令を巡って―
　　はじめに　(107)
　１．金融商品取引法の処分構造　(108)
　２．銀行法の処分構造　(109)
　３．業務改善命令の発動の順序　(110)
　４．業務改善命令の発動に法律の根拠は必要か　(111)
　５．「公益又は投資者保護の必要な状態」と法令違反行為の存在等の
　　　関係　(115)
　６．「公益又は投資者保護の必要な状態」のうちでの業務改善命令の
　　　発動基準　(117)
　７．業務改善命令の発動基準と市場に形成される予測　(119)
　８．法令違反行為の存在予測の効果　(121)
　９．野村證券事件による運用変更の問題点　(123)
　10．野村證券事件とベター・レギュレーション　(125)
　11．制裁化をさせない業務改善命令　(126)
　　おわりに　(130)
第６章　食品産地偽装防止のインセンティブ構造………140
　　　　　－地域ブランド保護における地方自治体の役割と法－
　 はじめに　(140)
　１．ブランドの品質保証機能と地域ブランド　(140)
　２．偽装防止に対する技術的対応　(143)
　３．ブランドと品質の関係に関する情報の非対称性と消費者の
　　　購買意思決定方法　(146)
　４．表示義務と罰則　(147)
　５．偽装防止インセンティブを持つのは誰か　(148)
　６．営業上の利益侵害と適正表示の考え方　(153)
　７．ブランドを守ることが同時に適正表示になる　(154)
　８．地方公共団体の利益　(155)
　９．制裁システムとの連携　(157)
　10．区域外適用の域外適用との類似性　(160)
　11．エンフォースは必要か　(161)
　12．真のブランド化はブランドの不要化となる　(164)
　　おわりに―何のための表示か―　(165)
第三部
第７章　組織の不祥事問題と組織形態………171
　　　　　―中央省庁「三報告書等」から見た組織の不祥事問題―
　　はじめに　(171)
　１．「三報告書等」で明らかにされた不祥事発生の問題点　(171)
　２．意思決定と情報伝達　(173)
　３．官僚組織の意思決定と青木の双対原理　(178)
　４．なぜ不祥事の際に情報がトップに伝わらないのか　(181)
　５．ゴミ箱モデルとヒエラルキー組織　(186)
　６．不祥事防止のための組織転換の必要性　(188)
　７．管理・監督から緩やかな統制へ　(195)
　８．ネットワーク組織の外部への広がり―企業の枠とはなにか―　(197)
　９．企業不祥事防止における新たな論点　(200)
　　おわりに―信頼と制度設計―　(203)
第８章　仮想企業犯罪………205
　　　　　―アーバンコーポレイション・BNPパリバ事件を
　　　　　　題材として―
　　はじめに　(205)
　１．アーバンコーポレイション・BNPパリバ事件の概要　(205)
　２．本事件に対する行政処分の内容　(208)
　３．本事件に対して主張される刑事処罰論　(210)
　４．刑事法による対応，行政処分による対応の比較　(213)
　５．「企業内部」と「２企業間」のつながりの問題　(216)
　６．事件をネットワークで考える必要性と問題点　(217)
　７．ネットワーク組織としての暴力団　(220)
　８．暴力団とネットワークの３問題　(222)
　９．企業犯罪・不祥事への応用　(226)
　10．アーバンコーポレイション・BNPパリバ事件への応用　(227)
　11．的確な処罰・処分の形は　(228)
　12．不公正取引について　(229)
　　おわりに　(234)